10月19日に問題解決の無料セミナーを予定している。2時間なので、アイデアの出し方についてテーマを絞っている。
テキストは2時間以上の内容となっているので今まとめなおしているが、これがなかなか大変である。
演習などは省くことになるので、少しわかりにくいかもしれない。本来ならば最低でも1日かけるセミナーで、コーチング手法も含めれば3日コースとなる。
PPAPでできます、という説明では笑われるかもしれない。このPPAPについても本来ならば1時間ぐらい説明したい。そこをピコ太郎の歌で理解してください、といった程度の説明にしないと2時間に圧縮できないので苦労している。
昔、講演は時間の2倍の原稿を作ってそれを半分に圧縮するとよい講演ができる、と指導されたことがあるが、これはケースによるだろう。
圧縮したためにわかりにくくなり、講演の価値を低めたりする可能性がある。無料セミナーと言っても手を抜かないのが弊社の姿勢である。
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カテゴリー : 一般
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来週開催予定の無料セミナーについて。高分子の難燃化セミナーでは、概論を簡単に説明し、データ駆動型実験により難燃剤無添加で開発されたUL94-V2合格環境対応樹脂について解説予定である。
マテアリアルインフォマティクスが最近流行している。AIを使って材料開発、というといかにも今時の手法に見えるが、多変量解析の活用やタグチメソッドもこの手法の一つであり、多変量解析であれば1970年代より開発に活用されてきた。
当方が初めて多変量解析で研究成果を出したのは、タイヤの軽量化技術であり、タイヤメーカー20社の同一サイズのタイヤデータを主成分分析にかけ、各社の特徴を明確にし、さらに主成分得点などを活用し、予測される最軽量の重量見積もりやその時の構造の特徴を明らかにしている。
当時はマイコンが登場したばかりでインテルの8088やザイログのZ80評価キットが販売されていた。
また、シャープはZ80搭載パソコンの発売を開始したが、搭載メモリーは全部で48Kバイトであり、それで多変量解析を行うならばF-DOSのセットが必要だった。
当方はパソコンではなくIBMの大型コンピューター3033付属の統計パッケージを使用して成果を出している。
ゴム会社には大型コンピューターが2台あり、1台は先進のPOS用であり、1台は技術者に開放されていた。
しかし、データを入力すればすぐに結果が出るわけでなく、新入社員のデータは計算処理が後回しにされることが多く、翌日に計算結果を見ることもあった。
多変量解析の有用性について社会人スタートの時に理解することができたのは幸運だった。科学で不明確となりそうな開発では、データ駆動の実験に切り替えて成果を出すことができた。
これが科学が命よりも大切に思っているような研究者には、腹が立つような手法に見えたのかFDを壊されるような研究の妨害(隠蔽化の動きがあり、転職の決断をしている)を受けている。今はアカデミアが率先してそれをやろうというのだから時代の進歩だろう。
イムレラカトシュは、科学と非科学の境界は曖昧であり、時代によりそれは変わる、という名言を残している。これは名言であり、弊社の問題解決法のよりどころでもある。
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学術会議と中国との関係について話題になり始めたが、学術会議はアカデミアの中国協力に関して実態を明らかにする義務があるのではないか。
そして、戦争に協力しているかどうかをその実態から判断し、国民に明らかにすべきだろう。
何でもかんでも中国と協業あるいは協力することは軍事協力とみなす、という最近出てきた論法は、これまで中国に協力してきた企業も含めすべて悪である、という結論を目指しているようなものだ。
少し前まで、民間の中国協力から国家による中国協力まで奨励されていた。そして、軍事協力に抵触する問題は、それが軍事転用されたときの影響から判断されてきた。
日本における技術開発や研究もすべてそのような判断基準になっているはずだ。そうでなければ、軍事に無関係な技術など極めて限られてくる。ありとあらゆる技術を間接的に軍事と結びつけることが可能だ。
あるいは、世界の工場と揶揄される中国の実態は、世界中の企業が、中国の軍事産業に協力している、という結論を導くことになる。
今日本の優秀な研究者や技術者で全く中国とは研究していません、という人は少ないはずだ。日本では評価されるが世界では評価されていない研究者ぐらいかもしれない。働く環境や待遇も含め、平和目的ならば国際協力は奨励さえされてきた。
それが今米中関係が怪しくなってきて、平和目的の協力さえも軍事協力と批判されるようになってきた。
当方も蘇州にあるナノテクのメッカ、ナノポリスで技術アドバイザーとして活動してきたが、これは日本の補助金のいくつかに応募しても落選し続けたカオス混合技術に関して技術開発を進める目的があった。
日本では評価されない技術開発を行うために平和目的の協力である。そして開発成果は、セミナー会社から招聘される技術セミナーで公開してきた。高分子学会からも講演依頼を受けたときには躊躇せず講演している。
また、某日本企業の製品開発のお手伝いをさせていただき、最新の開発成果を実用化している。特許を検索していただけば弊社の活動の一部を見ることができ、それだけでも十分に日本企業に貢献していることを理解していただける。
これらの成果について、日本政府からお金をもらっているわけではなく、弊社の活動資金だけで開発した成果を日本企業に提供しているのである。
ただ、米中関係がおかしくなって、この中国の仕事を今年度からは辞退している。タイミングよくコロナ騒動が起き、活動そのものも円満に終えることができた。
カオス混合技術が軍事転用されたときの影響は、一般の民生機器が軍事で使われるような程度の影響と捉えている。小生はその特殊な設計技術を公開していない。おまけに日本では評価されていなかったという理由で、ほとんど無害な技術という評価となる。
ただ、学術会議の対中国協力の問題は、当方の高分子技術に関する中国企業指導とは少し性質が異なってくる。日本政府から国民の税金で優遇されている先生たちが勝手に中国へ協力していたなら、それは大問題だろう。
日本で評価もされず金ももらっていない当方でさえも中国で成果を上げたことを日本に還元するように努力している。無料セミナーなどもその一環であるが、国家から優遇されている先生方は、当方の姿勢を見習っていただきたい。
カテゴリー : 一般
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ポリエチルシリケートとフェノール樹脂をリアクティブブレンドにより、分子レベルで均一に混合された前駆体の合成を1982年に成功した。これを用いて、世界で初めて成功した、経済的な高純度SiC合成実験では、電気炉の暴走が重要な役割を果たしている。
すなわち、最初の実験で設定された電気炉のプログラムで実現される温度条件では、未反応のシリカやカーボンが残存していたことが後日の実験で示されたからである。
最初の実験であったことや、その電気炉が納入されたばかりの新品であったことなどから、電気炉の扱いに手慣れた主任研究員の方が、実験条件のプログラムを電気炉に設定してくださった。
当方は、ただサンプルを電気炉にセットしただけで、運転開始もその主任研究員の方が操作された。しかし、SiC化の反応が生じる温度に達した瞬間に電気炉が暴走し始めた。この欄で以前この詳細について述べている。
この結果、高純度SiCの合成に成功したわけだが、暴走という現象が安全上の問題として研究所で検討された。またそれが納入されたばかりの電気炉という理由で、検収作業の疑義の問題にまで及んだ。
すぐに、安全委員会による調査が行われたが、異常が見つからなかっただけでなく、科学的に全く同じ動作で電気炉を運転しても異常は発生せず、暴走原因を解明できなかった。
プログラム運転中に温度センサーに異常が起こればPIDが正しく動作することも、また誤ってどこかボタンが押されたとしても電源が落ちる仕様だったので、何かエラーが発生したとしても今回の暴走のような事態に至らないことも確認された。
このような機械の暴走という異常は、それが再現されない場合に原因不明となってしまう。再現されて初めて科学的に原因を論じることが可能となる厄介な問題だ。
それをおそらく知っているのだろう。こともあろうに池袋で親子を横断歩道ではねた89歳の老人は、機械の暴走を原因として自分に責任がないと言い出した。
自動車では、仮に制御不能となったとしても、危険を回避し事故を起こさないように努める責任が運転者にはある。
車が暴走したならば、あらゆる方法を駆使して「安全に」車を止める責任が運転者にはあり、ただブレーキを踏んでいただけという発言から、それを果たしていなかったことは状況から明らかだ。また、運転者自身それをよく理解しているはずだ。
当方は電気炉の暴走が始まった瞬間に主任研究員に言われ、1度限りの大切なチャンスの実験であったにもかかわらず、非常ボタンを押して電源を落とし暴走を止めることを優先した。すぐに温度が下がり始めたが、断熱材の効果でそれは緩やかだった。
主任研究員が実験室に到着し、再度電源を入れたときに偶然保持温度のプログラムラインに炉体温度が乗ったため、電気炉はプログラムコントロールされ冷却動作に入った。
翌日温度が下がった電気炉の中には、最適条件でSiC化された高純度SiCが合成されていた。それは電気炉の暴走でもなければ見つからない反応温度パターンだった。
この時得られた高純度SiC粉末に対して2億4千万円の先行投資と研究所建設が決まっている。機械の偶然の暴走のおかげで幸運が訪れた。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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高分子材料で発生する品質問題の多くは、科学で正確に論じることが難しい場合が多い。また、正確に論じようとすると分析費用が嵩むので適当なところで妥協することになる。
品質問題が起きたときに、どこまで解析を行い対策を講じるのかは、大変難しい実務上の課題である。
一方、高分子材料の市場で発生する問題について、科学的にすべて解析可能と豪語する人について信用しない方が良い。
高分子材料を階層的にとらえた時に何が問題かさえも曖昧となるケースもあり、それでも具体的な品質問題として解決しなければいけない。
そのようなときに、間違った問題を科学的に正しく解かれても、品質問題を再発することにる。市場での品質問題というのは、科学的正しさよりも再発しないように解決することが一番重要である。
そのため、市場で品質問題が起きると、過去の事例との比較や他で起きていないかなどの調査から始めるのが一般的だが、故障に至る現場の状況調査が不明点の多さを理由に不十分となりがちである。
環境関係の法令整備が進んだので、製品における故障を素材レベルまでその素性をさかのぼることが容易となった。現場の状況調査では、高分子材料の生まれてから故障に至る履歴が重要である。
もし、破壊した状態ならばフラクトグラフィーは必須で、科学的ではないと批判されても現場情報をすべて盛り込んで仮の結論まで出しておくべきである。これは、高分子材料の市場における破壊を考察する重要なノウハウである。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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ケミカルアタックという言葉は学術用語ではない。ある種の溶媒が高分子材料に付着し、高分子材料を破壊に至らしめる現象である。
ある種の溶媒について、高分子材料を溶解させる溶媒と書かれた説明もあるが、高分子材料を溶解させなくても起きる場合がある厄介な現象である。
高分子と溶媒の関係について、溶解度パラメータ(SP値)が知られており、実験室で実験を行うと、SP値最大のところでケミカルアタックが起きやすいという結果が得られる。またそれをグラフ化したデータも公開されている。
成形体に何も問題がなければ、SP値を頼りに使用する油に制限を加えれば、ケミカルアタックを防ぐことができる。
しかし、ケミカルアタックについては、促進評価法を開発して個々の関係について調べた方が良い。特に成形体についてはそのばらつきについても注意深く実験を行うべきである。
例えば、成形体に歪がかかった状態では、SP値と無関係にケミカルアタックが発生することがある。詳細は省略するが、ブリードアウトと同様に科学的に論じることが難しい現象であり、品質問題が発生するとその対策に苦労することになる。科学的というよりも実務的な解決策となる場合もある。
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今年からプログラミング教育が必修化された。この教育では創造性とか協同する力など学校教育の共通項目以外に、目標設計力育成と問題解決力育成が目標となっている。
実はこの両者は弊社の問題解決法に含まれている。そもそも弊社の問題解決法は、当方の趣味の一つにプログラミング(日曜プログラマー)があったので、プログラミングの視点から生まれている。
プログラミング教育の目指すところはプログラマー養成ではなく、技術者養成にあると思われる。
そもそも20世紀の教育は科学一辺倒であり、非科学的な内容は排除されてきた。その結果、科学の純粋性に偏り過ぎた感がある。
イムレラカトシュが言うように科学と非科学の境界は曖昧であり、時代によりその評価は変わる。マッハはその著「マッハ力学史」の中で、ニュートンの思考は科学的ではなかった、と明確に書いている。
科学的ではない思考から、高校で学ぶ科学的なニュートン力学が生み出されている事実を十分に理解し味わう必要がある。
プログラミング教育は、これまでの科学教育では指導できなかった範囲を補完する教育とならなければいけない。
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今月無料で問題解決法に関する2時間セミナーを行う予定でいるが、無料セミナーとしては3回目である。
前回はヒューリスティックとタイトルをつけたが、今回はアイデアを出す方法に重点を置きたいので、ヒューリスティックというタイトルを外した。
しかし、セミナーではヒューリスティックについて少し触れる。これは当方の技術者経験において、現代の問題解決ではスピードが求められているからである。
かつて、科学的研究が重要視された時代があった。そして企業の研究所ブームがあり、アカデミアよりも基礎科学寄りの研究を行っていた企業の研究所も存在した。
今企業の研究所でそのような研究所は皆無と聞いている。一方で新技術創出を目的に新たな分野の研究をスタートした企業があるという。おそらくそのような企業では昔のような目標の不明確な研究を行っていないだろう。
また、新たにスタップ細胞や負の誘電率のような従来の科学では否定されてきた現象が世の中を騒がせている。特許も増加傾向で、当方もセミナーでこの現象を取り上げ、体験談を話し始めた。
このような状況を踏まえヒューリスティックというキーワードとアイデア創出が問題解決法を論じるときに重要となってきた。
2時間という短時間で両方を扱うことは難しく、前回はヒューリスティックに重点を置いたので、今回はアイデア創出について説明したい。
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高分子材料の難燃化技術について、2時間の無料セミナーを行う予定でいるが、テキストの購入をお勧めしたい。
もちろん無料セミナーなのでテキストの購入は義務ではないが、2時間という短時間では、十分な説明ができない。
例えば評価技術については、LOIとUL94規格の簡単な説明程度しかできないので、テキスト付属の予備資料でセミナー後の独習が必要となる。
また、混練技術についても説明できないので、予備資料の独習が前提となる。ゆえにこの無料セミナーはテキストを購入していない聴講者にとって少しハードルは高いが、テキストが無くても難燃化技術の勘所はご理解いただけるように解説する。
以前2日間コースと1日コースで実施した評価結果では、2日間コースの方が評価が高かったので、二時間コースでは、何だこれ、という結果になるかもしれない。
しかし、形式知が少ない分野であり、経験知の伝承の重要性を感じており、2時間の無料セミナーを行うことにした。
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カテゴリー : 一般 学会講習会情報 電気/電子材料 高分子
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今月質問の多い高分子のブリードアウトについて、2時間の無料セミナーを開催する。通常6時間ほどの内容からポイントだけ取り出して解説する。
高分子初心者のためには、なぜ科学の結果と実務における結果が異なるのか、という視点で解説するので、材料開発の経験が無くても得るものがあると思っている。
二時間のセミナーだが、テキストは、補助資料として解説できなかった部分を添付するので購入する価値はあると思う。
さて、ブリードアウトを理解するためには、二つの重要なポイントがある。一つは溶解現象とは何か、他の一つは高分子の高次構造である。
ブリードアウトという現象は拡散現象であり、その理解は重要だが、実務では拡散現象よりも高分子の高次構造と溶解現象の理解が不可欠である。
これは、教科書に書かれている解説と少し異なる。しかし、実務でブリードアウトという現象を扱った経験から、この二つを十分に理解したうえで拡散現象の理解が重要だと思っている。
すなわち、拡散現象だけでブリードアウトが制御されているのであれば、品質問題の解決は容易である。しかし、現実は実験室の結果が市場で再現されない。
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