予想通り小池百合子氏の圧勝である。ただし、その勝利の中身には、今回の都知事選に合わせて出版された「女帝ーーー」の影響よりも政治を冷静に眺める選挙民の意思が現れていた。
初当選の勢いと今回の選挙戦の環境から、前回の都知事選の得票数に自民公明支持層の票を上乗せして500万票近く獲得できたはずである。すなわち歴代トップ当選してもよいはずが、都知事としてのこれまでの実績および手法を見抜いた右派有権者の投票行動が現れた結果に見える。
すなわち、女性の支持率こそ高かったが、男性の支持率は前回よりも下がっていた。また、宇都宮氏はじめとする他の3候補へ集まった票を見るとあえて批判票を入れた人が少なからずいたような各候補の得票数である。
この3候補に単なる浮動票が集まったと見るには、立花氏の得票数との差が大きい。小池百合子氏は、自身の得票数の解析よりも、この3候補の得票数を解析された方が、都政を進めるうえで有益ではないか。
例えば、出口調査ではオリンピック中止と答えた人が開催支持と同数いた。再延期をどちらの意見とみるのかは難しいが、少なくともオリンピック中止と答えた人の多くは山本太郎氏に投票した可能性が高い。
そのように見ると、共産党と維新の党の躍進ぶりが浮き上がってくる。維新の票の大半は前回小池氏に投票していた有権者の可能性が高い。今回自民党も小池氏支持に回ったので自公以外の政党支持者の投票行動を示唆するデータは衆院選挙に向けて重要である。
小池氏の再選があらかじめ予想された選挙戦ではあったが、その結果は少し面白い結果となっていた。「女帝ー」の影響を説く選挙解説があるが、浮動票の偏り方を見ると、この著書の影響はあまり大きくない。
むしろ、宇都宮氏の票を大きく伸ばすことができなかったことから、野党共闘における立憲民主のリーダーシップの問題が見えてきたことと、れいわ新選組の復活や維新の躍進の効果が読み取れる。
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昨日放送されたNHKスペシャルで表題の番組を見た。新型コロナウィルスに関する研究の最前線の話題だが、CGが多用されわかりやすかった。
また、CGがあまりにも精巧であり、実際の電子顕微鏡写真とCGとの境界が分かりにくく、現実と仮想空間の中で遊ぶこともできたが、このあたりはNHKの番組製作者の力量の高さだろう。
科学教育番組の質は、この50年間著しく高度化するとともに高品質となったが、そこにCGが大きく貢献している。
文章や数式を駆使したならば、数枚の論文になるであろう内容をたった数秒で分かりやすく表現する。プレゼンスキルの向上と一言でかたずけられないイノベーションがそこには存在する。
すなわち、専門家の目も納得させつつ大衆にも理解できるように表現されたCGは、ソフトとハードが融合した高度な映像技術の具現化されたものだ。
昨晩のCGは、CG製作者も免疫学を理解していなければ製作できないと思わせるほどに、専門的な内容をわかりやすく表現されていた。見逃した人は金を払ってでも見る価値のある番組だった。
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下記予定で、試験的にWEBで無料セミナーを開催します。受講希望者はお申し込みください。なお各講座6名と人数制限を設けていますので、先着順とさせていただきます。また、テキストは有料(5000円)で、7月16日までにお振込みください。今回テキストの購入は必須ではありません。
1.7月17日(金)9時30分から11時30分
「高分子の混練技術概論」
2.7月17日(金)13時30分から15時30分
「高分子の難燃化を事例にマテリアルインフォマティクス概論」
3.7月18日(土)13時30分から15時30分
「高分子の混練技術概論」
以上
今回のセミナー参加者募集は終了致しました。
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7月中旬に2時間の無料WEBセミナーを開講しようと準備を進めている。一枠6人程度の少人数で、金曜日と土曜日いずれかで実施予定でいます。
詳細決まりましたらここで公開いたしますが、とりあえず参加してみようと思われる方は、弊社へご連絡ください。
準備が遅れている理由は、2時間という枠内で果たしてできるのか、という問題と、WEBセミナーとして何を使用するのか、という選定に時間がかかっているためです。来週月曜日までには決めたいと思っています。
<開講予定候補内容>
1.高分子のツボ 専門外も含めた方が対象の高分子材料技術の概要。
2.高分子の難燃化 高分子材料の難燃化技術にご興味のある技術者。
3.高分子の混練 高分子の混練技術についてカオス混合中心に講義。
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大阪府知事が8割おじさんこと西浦教授の8割削減説の検証を提案した。ごもっともな提案である。企業で商品開発に失敗すれば、必ずその検証を行う。
40年前であるがゴム会社では、工場の試作段階で試作そのものの意味が問われ、何も責任のない新入社員(当時二年間は残業代がつかないと言われていた。これは、新入社員に業務責任を負わせないという観点もあるとの説明を聞いていた。)が始末書を書かされている。
始末書を書かされた当方は意味が分からず上司に何度も成功した試作にどこが問題があったのか質問したが、コストが不明確な製品を試作した問題について上司から説明されなかった。
一応当方は、ホスファゼンの価格を10万円と仮定し、概略コストを上司に提示しており、上司はそれを承知で工場試作を実施したのだ(とんとん拍子に仕事が進み、当方は過重労働状態に。しかし、新規化合物ホスファゼンの合成から工場試作までたった一人で担当し半年もかけていない。(注))。
ただ、上司は商品化会議ですぐにそれを製品化する流れにはならない、と甘く考え、研究成果として報告している。
工場試作に大成功で、さらに世界初の高機能なポリウレタン発泡体ができたなら、それを製品化しようと考えるのは、事業家であれば当然のことで、研究者の立場で発表した上司が甘かったのだ。
上司と当方の間で始末書を書く、書かない、と押し問答をした挙句、商品化会議の位置づけを知った新入社員の当方は、ホスファゼン変性フォームと同様の発泡体を半年後に工場試作する企画を上司に提案し、それを始末書として提出している。
このとき出来上がったのが、ホウ酸エステル変性ポリウレタンであり、半年後に無事工場試作を行い、新製品として上市された。
8割おじさんの提案は実施され、感染者の指数関数的増加を抑えることができたが、それが日本経済へ著しいダメージを与えた。生か死かの選択を迫られた結果の選択であり、仕方がなかったのである。
しかし、その検証は、今後のためにも正しく行わなければいけない。おそらくその検証結果には、新型ウィルス流行に対して何ら対策をとってこなかった政府の問題も明らかになるだろう。
今回のコロナウィルス騒動では、それが最初に明らかにされたはずである。そして、走りながら、一部是正されていった様子がニュースで伝えられている。大阪府知事が提案されているように、ぜひ今回の検証を進めてほしい。
(注)基盤技術がある、とはどのような意味かをこの時学んだ。ポリウレタンの発泡技術であるワンショット法や、それを実験室で行う方法、シリコーン系界面活性剤で発泡体のセルを制御する方法など先輩社員がその経験知を持っていただけでなく、実験設備がすべて整っていた。当方は、ホスファゼンの分子設計と合成実験以外ただ、体を動かすだけで済んだ。
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7月はいくつかセミナー会社主催のセミナーが中止になったままなので、オンラインで無料セミナーを行おうと準備している。
コロナ禍で在宅勤務となり、一気にズームが広がったが、ズーム以外のツールもいっぱい出てきた。1か月のお試し期間付きもある。
オンラインセミナーならば人数無制限でもあるいはセミナー時間を自由にできるが、開催日にいきなり時間を決めても受講者は迷惑だろう。また長時間のセミナーでは、受講者の反応が分かりにくい。
いろいろ考えてくるとセミナー参加者人数を制限し、2時間程度が妥当な時間に思えてくる。
無料セミナーではテキストを有料化するのかどうかという問題も出てくる。テキスト代だけ有料化する方法もあるのかもしれない。
アンケートには、テキストを事前に印刷して送ってほしい、と書いてきた人もいたが、お試しの無料セミナーでそれを行うと赤字である。
アンケートに答えていただいた方には、500円割引券があるので500円をテキスト代に充てても良いのか、などと考えていたが、テキストをまったく配布しない、という条件は人が集まるのか、というテストもしてみたい。
なんやかやと考えていたら、そもそも無料セミナーとして開催する演目によっては、希望者が出ない懸念をしていないことに気が付いた。
高分子の基礎事項全般をまとめたセミナーがよいのか、高分子材料を実務で扱っている人対象にテーマを絞ったセミナーが良いのか、皆さんの意見を聞いてみたい。
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ドラッカーは、もう時代遅れ、という人がいる。果たしてそうだろうか。日曜日に政府と専門家会議との相互不信について触れたが、40年前にドラッカーはそのようなことが起きるのを予言していた。
ドラッカーは、現代を知識労働者の時代と位置づけ、知識労働者がどのように活動しなければいけないか、そして経営者や政府のリーダーは知識労働者をどのようにマネジメントしなければいけないのか説いている。
ドラッカーはその遺作の中で、誰も見たことのない世界が始まる、と述べていたが、目の前で起きていることは皆かつて見たことのある風景ばかりである。
およそ人間の行動に進歩が無い。知識労働者が、その知識で成果を出す場合に一人では成果を出せない。知識を他の人に託し成果を出してもらうように働きかけない限り、知識労働者は成果を出せない時代である。
これは、ドラッカーによれば、この100年近く変化していない。おそらくAIが登場しても今後100年はドラッカーが述べたようなやり方でしか人類は成果を得ることができないと思われる。
今AIが騒がれているのは、AIが知識労働者の代わりになるのか、という観点である。今回のコロナ禍における専門家会議と政府の関係を見ている限り、知識労働者の仕事がAIにすべてとられる心配よりもAIをどのように成果に結び付けたらよいのかもっと研究しなければいけない。その結果、知識労働者のための新たな仕事が生まれる。
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コロナ禍でズームが流行しているが、ズムキャバのニュースには驚いた。連日満員と書いてあったが、本当だろうか。そもそも満員とは何を基準に満員としているのだろう。
どの程度の人数を満員と言っているのか大変気がかりである。弊社は今オンラインセミナーのアンケート中であるが、ズムキャバのニュースが本当ならば、オンラインセミナーのアンケートが少ない原因を真剣に考えなければいけない。
痴ではなく知が得られるオンラインセミナーは、ズムキャバよりお徳である。このニュースで、オンラインセミナーにどれだけ集客できるのか不安になってきた。
一度7月無料で5人限定としたオンラインセミナーを開いてみようと思う。5人と限定しているので、5人集まれば満員である。無料で募集しても満員にならなければ、オンラインセミナーをあきらめた方が良いだろう。
とりあえず、高分子材料に悪戦苦闘している高分子の専門外の方々を対象とした「高分子のツボ」2時間バージョンとか、プロセシングで困っている方を対象とした「混練のツボ」とか考えている。
あるいは、時間制限があり難しいが、「高分子の難燃化技術」2時間バージョンとかもチャレンジしたいと思っている。
7月だけの限定なので突然ここで告知をすることになるが、もしご希望のタイトルがございましたらアンケートに書いていただけるとありがたい。提案者には優先して無料券を配布いたします。
満員になりそうな無料セミナーを募集してみたいと思っている。無料セミナーなのでズムキャバより確実にお徳である。アンケート備考欄にご希望を書いていただきたくお願いします。
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今回のコロナ禍で学ぶべきことは、科学的に解明されていない現象を前にしたときの問題解決法である。
まず、科学的に完ぺきに解明された問題を解くときには、科学的に行えばよいが、科学的に未解明な要素が含まれているならば、科学の世界で問題を解けると期待しない方が良く、また、科学的に解答が得られないので、二つ以上の正解がある場合も考慮しなければいけない。
この二つ以上解が出てくるような問題について、問題解決するためには、意思決定をどのように行うのかという知識が必要になってくる。しかし、この知識を義務教育で教えていない、という問題がある。
義務教育で教えていないので、社会には意思決定をできる人とできない人がいて、出来ない人には、二つ以上の正解がある問題を考えさせても良いが、解かせてはいけない。
また、意思決定能力がある人に対して問題解決の結果で責任が発生する場合には、どのように問題の解答を処理したらよいのか、事前に明らかにしてから問題解決にあたるべきである。
この問題解決の方法論については弊社の研究開発必勝法でとりあげているが、コロナ禍の問題について、この観点で見直していただくと、政府あるいは専門家会議のメンバーが問題解決法を熟知していなかったことに気がつく。
新型コロナウィルスについて、少なくとも今年の2月までに科学的に解明されていなかっただけでなく、医学そのものが、科学的に解明すべき問題を大量に抱えている学問であることに、国民はびっくりしたはずだ。
また、日本のトップ医学生のレベルがどのようなものなのかは、慶応大学や京都大学といった偏差値トップの医学生の今回の行動からうかがい知れる。また、専門家会議のメンバーもかつては慶応大学や京都大学のような優秀な医学生だったはずで、政府はそれを前提にマネジメントしなければいけなかった。
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6月24日専門家会議の記者発表のさなか、西村再生相が別の場所で専門家会議の廃止と新たな組織体制を発表していた。そのため記者からのその内容に関する質問が専門家会議メンバーへなされた時に、尾見氏は「聞いていない」と応えるのがやっとだった。
この時の記者会見の様子や経緯の解説がこの2日間いろいろなところで書かれているが、これは組織活動ではよくあることなのだ。例えば企業の研究開発現場では、研究者と経営者との間で今回のようなことが起きたりする。
今回の場合では、ただ政府が専門家会議をコントロールあるいは管理している状態として国民に見せたかっただけのことである。大人げないと言ってしまえばそれまでだが、そのような単純な事情ではなく、根底に相互不信がある。
すなわち、企業の研究開発マネジメントの現場でも起こりうるが、相互不信を解決しない限り、組織体制を変えてもうまくゆかない。仮に見かけ上手くいったとしても、下位組織メンバーに不満が残り、その後の運営に支障をきたす。
覆水盆に返らずではあるが、24日の専門家会議の記者会見を中止すべきで、専門家会議のメンバーは、西村再生相の記者会見を聞いたうえで改めて記者会見を開けばよかった。
あるいは、今回の状況について、記者会見の内容から専門家会議のメンバーも理解していたようなので、政府と記者会見の内容について擦り合わせてから行うべきだった。
これをボタンのかけ間違い、と表現していた解説も見受けられたが、ボタンのかけ間違いではなく、一歩譲歩すべき組織が譲歩をやめただけの話である。
例えば、24日の専門家会議の記者会見を25日にずらしてもその内容から判断して何ら問題は無かった。国内の感染症で国民が危険にさらされる責任は、最終的に政府が負うことになるので、政府との歩調を合わせるように活動しなければいけない。これを専門家会議メンバーはできなかったのだ。
企業の場合では、研究開発の責任者が一歩下がって経営者の方針に従う、となるのだが、意外にもこのような行動をできないのが研究者なのだ。本来方針に従えないなら辞表を出すぐらいの覚悟をすべきだが、生半可な覚悟で経営と対等に話し合おうとするのでおかしな流れができてしまう。
組織活動において忘れてはいけないのが、誰が責任を負っているのか、という視点である。そして最高責任者がうまく機能するように下位組織はサポートすべき役割なのだ。換言すれば、下位組織は最高責任者がうまく機能するようにコミュニケ-ションしなければいけない。
フラット組織とか、社長も皆さんと対等ですよ、という言葉をよく聞くが、組織活動において、全員が等価な責任を負っているわけではない。必ず一人はその組織全体の責任を負っている人がいる。円滑な組織活動のコツは、その責任者が責任を遂行できるように判断のベクトルを揃えることである。それが何らかの理由があり、話し合っても修正できない場合には、組織から辞任すべきである。
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