PPS/6ナイロンのマトリックス中カーボンの分散で生じるWパーコレーションを制御して周方向の抵抗が均一なベルト素管を押し出せるコンパウンドは、2つの方法で実現できそうな見通しがヒューリスティックな問題解決法で得られた。
しかし、それを実際に実現できるか、という問題の答えが得られたわけではない。このあたりの答えを得るためにはノーベル賞の山中先生同様に試行錯誤で行うしかないのだ。
混練プロセスについて研究開発している暇など無かった。すぐにコンパウンドを作る必要があった。そのためバンバリーミキサーを使用した。バンバリーミキサーとロール混練のプロセスはゴムのコンパウンド製造で今でも用いられているバッチプロセスだ。
バッチプロセスなので混練の途中段階を観察することが可能だ。しかし混練の途中段階を観察すると言ってもナノオーダーのレベルの粒を目視では見ることができない。分散状態の変化からそれを「悟る」しかないのだ。極めて非科学的である。
しかし、非科学的だから間違っているというわけではない。経験知や暗黙知を現象に適用するのである。勘ではだめである。体系化された経験知や暗黙知は、AIには難しく、人間ならではの育成可能な知である。
このような知の育成には多少コツが必要であるが、もしご興味のあるかたは問い合わせていただきたい。しかし、一言で伝授できないので、多少時間をかける必要があることはご理解いただきたい。
話が横道にはずれたが、バンバリーとロール混練については、ゴム会社で獲得した経験知と暗黙知があった。これらは錆びついていなかった。無事目的のコンパウンドを製造することができた。そしてそのコンパウンドで製造された素管は、周方向で抵抗が均一だった。
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PPSの押出成形で製造された中間転写ベルトを製品に搭載するためには、半年後に歩留まりも含めて生産ができる状態になっていなければいけない状況だった。
そのような状況で、前任者から役割を引き継いだのだが、単身赴任前周囲の冷たい視線に十分気がついていた。すなわち、周囲は、成功すると思っていなかったのだ。
当方が失敗の責任を取ることになるだろうことは、噂話で聞こえていた。面白いのは、中間転写ベルトを仕上げる工程の担当を依頼テーマとして請け負っていた部門はほとんど何もしていなかったのだ。
結局当方がコンパウンドラインを完成させて、中間転写ベルトの素管を生産に間に合わせていざ生産が始まったところ、ある生産技術開発について、すでに基盤技術ができていたにもかかわらず、量産技術を生産の中で四苦八苦しているような状態になった。
このあたりは詳しく書けないが、外部、それも日本を代表するようなメーカーから調達していたコンパウンドを生産間際にド素人集団で技術開発するという暴挙ともとれるような方針を周囲にどのように納得させたのか、という点が重要である。
製品を担当している全員のサポートを得るためにはコンセプトとそのプレゼンテーションが受け入れられなければならないが、これは企業における企画を実現させるキモとして普遍的なスキルともいえる。
答えは一つである。コンセプトが具現化されたモノを作ればよいだけだ。これはゴム会社の研究開発本部長から散々叩き込まれた企画実現の方法である。企画書などいらない、まずモノ持ってこい、というのは、企画会議における本部長の口癖だった。
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このコロナ騒動で感染症の専門家の知が、免疫学の専門家から疑われている。疑われているだけではない。3密や換気による予防が非科学的だ、とも指摘されている。
かつて、当方の高純度SiCの技術についてもゴム会社の研究所では、ぼろくそに評価された。フローリーハギンズ理論を根拠に、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂が均一に混ざるはずがない、という見解である。
しかし、これがタコつぼのタコ踊りであったことは、その後30年ゴム会社で事業が継続して愛知県のセラミックス会社へ事業譲渡され現在も技術として残っている事実が示している。
また、この技術が科学的に正しい技術であったことは、転職後に取得した学位論文に記載されている。自ら科学的な知となることを証明したのだ。
専門家と称する人で問題となるのは、科学にこだわりすぎて経験知を軽蔑もしくは軽視する傾向である。
社会生活では、解決しなければいけない様々な問題が多く、その問題解決において、科学的だろうが非科学的だろうが、まず解決されることが重要である。
得られた答えが科学的に正しいかどうかを検証するためには、科学的になされなければいけないが、問題解決そのものは、正しい問題を早く解決することが重要で、その発見プロセスが非科学的であっても山中先生のようにノーベル賞を受賞できる。
問題が解決されれば、それが科学的に正しいかどうかは重要ではなく、その点を議論することは解決された問題について、そこから得られた知の価値を論じているに過ぎない。
科学的に正しい知が得られているならば、それは形式知として伝承されればよく、仮に科学的に正しくない知でも正しい問題を解決できる知であれば、経験知として伝承すればよいのだ。
また、形式知が常に経験知よりも価値が高いとは限らない。高名な先生のタコつぼの隅について説明した形式知よりもおばあちゃんの知恵のほうが、日常生活で役立つ場合が多い。
また、形式知は容易にAIに搭載できる。AIに搭載されればタコつぼの隅の形式知は、AIにより「ほとんど使用されないアプリケーション」として処理されるだけである。
日本人はすでに集団免疫を獲得しているかもしれない、と言われても、コロナ感染する人が増加している現実を前にすると、家が燃えているのは急激な酸化反応の進行である、と火事の現場で説明を受けているようなものだ。誰でもいいから、早く火を消してくれ。
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コンセプトに関して当方の体験を示しどのようなものか説明しているが、単なる概念と訳して済むものではないことが伝わっているだろうか。
新しいアイデアを生み出すためにコンセプトは重要であり、その意味で単なる概念ではない。英語のconceiveには、構想するとか考えるの意味のほかに「子をはらむ」という意味もあり、こちらの名詞形conceptionは受胎である。
コンセプトという用語の深い含蓄を理解できると、そもそもアイデアを生み出すコツあるいはそのための問題解決法のコツに関心が向く。
問題解決法と言えば、あまりこの観点で有名ではないドラッカーの著書が参考になる。ドラッカーの「何が問題か」という問いは、ドラッカーを2-3冊読まれた方ならご存知のキーワードである。
すなわち、問題解決の前に、正しい問題を把握することこそ重要である、とドラッカーはその著書の中で繰り返し述べている。
「間違った問題の正しい答え」ほど有害なものは無い、と優秀な人が時折犯す間違いを一刀両断に切り捨てている。
さらに、「頭の良い人ほど間違った問題を正しく解いて、成果を出せない」とまで言い切っており、正しい問題を最初に探すときのキーワード「何が問題か」という問いは、問題解決法において極めて重要である。
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粒子の凝集体でできたドメインの分散状態について、パーコレーション転移が考えられる。ドメイン内部も同様にパーコレーション転移が起きていたほうが抵抗が安定する。
すなわち、凝集体のパーコレーション転移を制御して、その制御された凝集体の分散についてもパーコレーションを制御するというと難しそうに見えるが、混練の教科書には簡単にできそうに書いてある。
だから間違っているのである。分配混合を行えばそれができる、と言ってもそれは教科書の中での出来事であって、実際の現象を制御しようとなると、知恵が必要になる。
方法は2つある。6ナイロン相に全てのカーボンを分散し、6ナイロン相の中でパーコレーション転移を完結させておく。そうすればカーボン量に応じて、10の6乗から10の4乗までの体積固有抵抗の半導体相を形成できる。
そしてこれをPPSに分散するのが一つの方法で、これは最初に6ナイロンとカーボンを混練し、それをPPSと混練するという分割プロセスで簡単に実現できる。
もう一つの方法は、PPSに6ナイロン相を相溶させて、そこにカーボンを分散すると、6ナイロン相がスピノーダル分解を起こし、相分離するときに、PPS相で安定に分散しないカーボンは、6ナイロンに引きずられて凝集粒子相を形成する。
これは、かなりの難易度というよりも科学で否定される禁じ手である。ただ、高分子の世界では、科学で解明されていない現象が多いという理由で、このアイデアを積極的に考えると、新技術を生み出せる可能性がある。
ただこのようなチャレンジが許される風土であるかどうかが問題となるが、幸運なことに写真会社が合併したカメラ会社の風土は、それが許される風土だった。
最もこの無謀なPPS中間転写ベルトの押出成形技術はそのような風土だったから6年も続いていたテーマだった。
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余談だが、PPS/6ナイロン/カーボンの配合で、Wパーコレーションを制御するときに、既存の混練プロセスでそれを実現できるかどうかは、大問題である。
当方の著書以外の混練プロセスに関する教科書を読む限り、分配混合を行えばできることになる。分散混合を抑制し分配混合を行えばよいという答えが教科書から出てくるのだが、これを一流メーカーの技術者に話したら、「素人は黙っとれ」と叱られた。
この技術者は、分配混合と分散混合の説明による科学的な混練の教科書が実務で無力であることを知っていたのだ。
当方は、豊川単身赴任が決まった時に、たまたま無機材研副所長からゴム会社が無機材研に支払った特許料を当方に下さるという手紙を頂いた。当方はこれを軍資金として、10万円前後の混練に関する本を何冊か買い込んだ。
ゴム会社は当方がゴム会社で出願し公告となった特許について特許報償を支払っていない。当方はFD問題の隠蔽化で転職するときにその問題を役員に指摘しているが無しのつぶてである。
20年前の約束を果たしてくださった副所長には頭が下がるだけでなく、タイミングの良さに感謝している。この誠実さに応えるために、大半を混練の形式知獲得のために投資した。
しかし、購入したどの本にも分配混合と分散混合の考え方で混練の説明しかなされていなかった。当方が新入社員の時に混練技術の神様のような指導社員から伝授された混練の知識とは、コンセプトが大きく異なっていた。
混練プロセスについて普遍化し科学的に研究することは大変困難である。まず、これを実感することが大切であり、非平衡下の現象をレオロジーの視点でよく観察する姿勢が大切だ、さらにそのレオロジーは21世紀になると今と全く異なるコンセプトの学問となっている可能性が高いので注意が必要だ、と習った。
ここで、当時の高分子レオロジーはダッシュポットとバネのモデルで議論するのがお決まりとなっていた。今の時代に、レオロジーの研究をこのようなモデルで学会発表していては時代遅れである。
指導社員から伝授されたのは、最先端の混練技術に関する知識だったのだが、100万円近く私費を投入して購入した何冊かの高価な混練の教科書には、実務の立場からは皆役に立たない知識しか載っていなかった。
セラミックス粉の分散技術について学んだ知識の一部もその教科書には反映されていなかった。理由はわからないが、教科書のコンセプトは分配混合と分散混合で皆統一されており、形式知と呼べる内容だったにもかかわらず、セラミックス粉のプロセシングについて触れられていなかった。
この問題について、今年当方の執筆した混練の本で一つの解を示した。当方の混練の本は、混練の神様から伝授された経験知を基に執筆している。
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Wパーコレーション転移による抵抗の安定化が、このときのヒューリスティックな解であり、コンセプトであった。しかし、これは科学的に証明された解ではなかったし、それを証明するためには数値解析も必要となるので、科学的な解について退職後の楽しみに残しておくことにした。
余談だが、2011年3月11日に早期退職して最初に着手したのが、会社設立とこのWパーコレーションの数値シミュレーションによる研究である。ソフト開発も含めほぼ一年かかっている。
Wパーコレーション転移を制御できれば、ベルトの周方向の抵抗偏差を小さくできることは、日本化学工業協会から賞を頂いた酸化スズゾルのパーコレーション転移の研究から容易に想像できた。
この経験があったので、ヒューリスティックな解を簡単に得ることができ、その解がほぼ正しいこともすぐに確信した。
すなわち、カーボンの導電性が高いために、カーボンが分散している樹脂でパーコレーション転移が発生すると、樹脂の抵抗変動は大きくなる。
もしカーボンの導電性を悪くすることができれば、パーコレーション転移が発生してもカーボンが分散している樹脂の抵抗変動を小さくできる。
カーボン材料を変更することができないので、どのように樹脂に分散している粒子の導電性を悪くするのかが難しい問題となるが、これもヒューリスティックな解を材料開発のプロであれば簡単に見つけることが可能だ。
逆にこの解をすぐに見出せない材料技術者は、もっと勉強する必要がある。勉強の必要な技術者は弊社へご相談ください。特訓をしてこのような問題のヒューリスティックな解を容易に見出すコツを指南します。
断っておくが、ヒューリスティックな解とど素人の山勘や第六感とは、その質において大きく異なる。後者でもヒューリスティックな解と言えなくもないが、正しい答えとなる確率は低い。
正しい確度の高い解を得る方法があり、それが弊社の研究開発必勝法である。弊社の問題解決必勝法は、確度の高いヒューリスティックな解を得る手法というAIの時代にAIではできないヒューリスティックな問題解決法である。
人間の人間による人間のための問題解決法である。感染症の専門家をこの手法で鍛えれば、コロナ禍の問題を即座に解決できる。
さて、導電性の高いカーボンについて、ふわふわな凝集状態で体積固有抵抗を測定すると10の6乗程度の半導体としての抵抗を示す。
このふわふわに凝集している状態へ均等に圧力をかけてゆくと、みかけ比重は0.9から1.6程度まで上がる。さらに静水圧加圧(CIP)を行うと1.95から2.0程度まで密度を上げることが可能だ。
横軸にカーボンのみかけ比重をとり、それぞれのみかけ比重の時の体積固有抵抗を測定するとほぼ1Ωcmまで下がる。すなわち、カーボンを凝集粒子とするとその凝集粒子の密度で体積固有抵抗を制御できることになる。
ここまで書くと勘のいい人ならば、Wパーコレーション転移の制御というコンセプトをすぐに理解できるかもしれない。
カーボンを凝集粒子としてPPSと6ナイロンで形成されるマトリックスに分散すればよいだけである。
凝集粒子の中で起きたパーコレーション転移とその凝集粒子が分散して生じるパーコレーション転移の二つのパーコレーション転移を制御すれば、ベルトの周方向で抵抗が安定したベルトを得ることが可能となる。
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写真があれば写実的な絵画は存在意味が無くなるのでは、と言っていた人がいた。それなりに理解できる意見ではある。
しかし、写真機が登場しても未だに写実的な絵を描こうとする人がいる。例えば富士山の絵にしても、天気の良い日にシャッター押せば、日曜画家の絵よりもきれいな富士山をプリントすることができる。
このように考えている人は、絵を描いている人の気持ちを理解していない。当方も十分に理解できているわけではないが、絵を描くことと写真を撮ることには、全く異なる目標があると思っている。
例え写実的な絵画は、その写実性において写真には勝てない、という人がいたとしても、別の意味で写真よりも写実的な絵画が存在する。
これは、科学と技術に少し似ているところがある。技術は科学登場以前から存在し、その技術を考えるための思考法も存在した。ヒューリスティックな解を得ようとする問題解決法は、まさしくそのような技術的思考法である。
科学では厳密なアルゴリズムで問題解決を行う。その結果、曖昧性は排除され、時間をかけながら唯一の解を求めることになる。
絵画はいくらオブジェクトの正確な写実性をそこに求めても写真には負けるだろうし、そこを追求しても絵画の意味は無い。
絵画には同一オブジェクトを描いたとしてもそこに作者の思いが写真よりも自然に反映される。絵を描くことはオブジェクトと対峙している自分の気持ちを映し出すことでもある。
写真も同様の目的があるが、写真では絵画に比較し、オブジェクトの写実性が高いゆえに多くの制約が生まれる。ゆえに写実性という観点で、写真と絵画に優劣をつけるときには、注意する必要がある。
オブジェクトを表現するという視点で、絵画は必ずしも写真より写実性が劣っているというわけではない。
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ベルト生産を終了し、押出機内に残っていたコンパウンドを清掃するために、クリーニング樹脂で押し出すのだが、早く作業を終えるために押出機のスクリュー回転速度を上げたのだ。
その結果、金型内では樹脂流動の剪断速度が上がる。PPSと4,6ナイロンのコンパウンドについて剪断速度が上がると4,6ナイロンがPPSに相溶し、透明になったという研究論文が東工大から発表されていた。
この研究論文によれば、フローリー・ハギンズ理論によるχが0より大きいPPSと4,6ナイロンが剪断流動状態でその速度が速い時には相溶することを意味している。すなわち、フローリー・ハギンズ理論では、χ>0では相溶しない、とされるが、特殊な条件下では、相溶が起きることが示された。
東工大と同様の視点、あるいはコンセプトを当方は、ポリオレフィンとポリスチレンの組み合わせで確認していた。この組み合わせもχ>0であるにもかかわらず、ある条件で相溶し、透明になるのだ。
某会社の研究者に当方のコンセプトを信頼していただき、様々なポリスチレンをそこから供給していただいた。
データ駆動型開発を進め16番目に提供していただいたポリスチレンで透明になった時には、まっ黄色な高純度SiCが得られた時ほどではないが、うれしかった。
これらの実験データから、低周波数の雑音を発生したベルトについて分析し、PPSと6ナイロンが相溶しているかどうか確認することがアクションとして重要となる。
そのアクションで相溶していることが確認されたら、押出成形プロセスを使って、PPSと6ナイロンが相溶したコンパウンドを製造し、それでベルトを生産したら面白いことが起きるかもしれない。
ただし、これをすぐに実行してはいけない。面白いことが起きなかった場合の対策が必要で、その対策のシナリオが確実に遂行できるように根回しが次のアクションとして必要となる。
そのために、面白いことが起きた場合と起きなかった場合を包含可能なコンセプトを練り上げる必要があった。
本来なら、研究開発期間を半年程度とり、人材を投入して十分なデータを集め研究として完成させてからテーマとして行うべきところだが、製品化までに残された時間がたった半年である。ヒューリスティックな解によるコンセプトを練り上げない限り、間に合わない。どうするか。
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国民民主党が党首の分党構想発表で揺れている。発端は立憲民主党が仕掛けた国民民主党との合流案だが、それがうまくゆかず、合流後の党名については、合流後に決めると立憲民主側が譲歩したところで玉木党首は覚悟を決めたのだろう。
おそらく国民民主党の中には、立憲民主党に合流したいという人が相当数いるのだろう。そこを当て込んでの党名にこだわらない戦術が出てきたのかもしれない。
立憲民主党にしても国民民主党にしても今中国で起きているコロナ禍以外の変化、それを受けた世界の動きを十分に理解されていないのではないか。少なくともそれらを理解しているように感じさせないのは、何故か。
さらには、現在の日本人が目指している、あるいは望んでいる日本の政治を具現化できるだけの政治家としての能力を備えた人材が立憲民主党にはいないのではないか(申し訳ないが、政治家としての能力を採点してみると国民民主党のほうが平均偏差値が高いように思われる。但しこれは表に現れた政治家個人の発言とか行動から当方が採点した結果で、国民民主党が地味な政治家が多いためかもしれないので、間違っていたらお許し願いたい。両党とも大した人材がいないとも思っていない。とにかくこの合流騒動で、政治家の能力が試される事態になった。国民は、その行方を注視している。)。
今求められている政党の機能はイデオロギー集団ではなく、政治機能組織集団である。イデオロギーで統一された共産党が、存続すれど永遠に政権が取れないと国民に思わせるのは、その人材の薄さである。すなわち、イデオロギーで統一化しようとしても国民の多くの支持は得られず、一国の政治を担える人材を揃えるように政党は活動しなければならない。
また、政治家は、一国の政治を担うための知識と誠実さを身に着けた人物が投票で選ばれるべき時代である。不倫に対して国民が厳しい判断を下すのは、誠実さを求めるためである。
文春砲がさく裂し不倫騒動で騒がれた山尾議員は、文春砲の威力が小さかったのか、年齢差から有権者がそれを信じなかったのか不明だが、不誠実にもかかわらず、政治家に求められる知識についてそのレベルの高さと活動実績から選ばれ、禊を行った。
その後、立憲民主党に愛想をつかして、国民民主党に移っている。この異動は、党の雰囲気を考慮すると理解できる。
田中角栄氏がいるので、この発言も正しいと言えないが、安倍政権が誕生した時に、亀井静香氏は「東大卒以外が首相になる時代」と、政治家に求められる資質の変化を表現している。
自民党は、すでにイデオロギー集団ではなく政治機能集団へと生まれ変わっている。野党にも自民党に対抗しうる政治機能集団の登場を渇望するのだが、以前民主党時代にshadow内閣を発表し、失敗したような愚行は辞めた方が良い。
およそ政治のわかっていない人でそれを構成されても国民は投票しないのである。情報化時代となり、国民は政治家一人一人の資質を知ろうと思えばその情報を入手できる時代になった。本物の政治という実務を理解した野党勢力が登場することを渇望する。
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