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2020.08/21 コンセプト(12)

PPS/6ナイロンのマトリックス中カーボンの分散で生じるWパーコレーションを制御して周方向の抵抗が均一なベルト素管を押し出せるコンパウンドは、2つの方法で実現できそうな見通しがヒューリスティックな問題解決法で得られた。

 

しかし、それを実際に実現できるか、という問題の答えが得られたわけではない。このあたりの答えを得るためにはノーベル賞の山中先生同様に試行錯誤で行うしかないのだ。

 

混練プロセスについて研究開発している暇など無かった。すぐにコンパウンドを作る必要があった。そのためバンバリーミキサーを使用した。バンバリーミキサーとロール混練のプロセスはゴムのコンパウンド製造で今でも用いられているバッチプロセスだ。

 

バッチプロセスなので混練の途中段階を観察することが可能だ。しかし混練の途中段階を観察すると言ってもナノオーダーのレベルの粒を目視では見ることができない。分散状態の変化からそれを「悟る」しかないのだ。極めて非科学的である。

 

しかし、非科学的だから間違っているというわけではない。経験知や暗黙知を現象に適用するのである。勘ではだめである。体系化された経験知や暗黙知は、AIには難しく、人間ならではの育成可能な知である。

 

このような知の育成には多少コツが必要であるが、もしご興味のあるかたは問い合わせていただきたい。しかし、一言で伝授できないので、多少時間をかける必要があることはご理解いただきたい。

 

話が横道にはずれたが、バンバリーとロール混練については、ゴム会社で獲得した経験知と暗黙知があった。これらは錆びついていなかった。無事目的のコンパウンドを製造することができた。そしてそのコンパウンドで製造された素管は、周方向で抵抗が均一だった。

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