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2020.02/29 ホームズとコロンボ(1)

ホームズとコロンボは事件解決にあたり、異なる手法をとる。ホームズはまずベーカー街にある事務所で犯人について仮説を立案してから事件解決にあたる。

 

小説ではワトソンとの軽妙な対話からホームズの鋭い頭の回転を描き出す。

 

難事件の場合に仮説が間違っていたと気がつくと、ベーカー街の事務所に戻り、最初の仮説に基づき集めた証拠情報をもとにワトソンと再度仮説を練り直す。

 

まさに、現代論理学が完成し科学が誕生した時代に書かれた優れた小説と今でも称えられる、納得できる展開である。

 

しかし、この小説を読んでどれだけの人が科学の方法が抱える問題に気がついているだろうか。

 

ホームズは、最後に犯人逮捕に成功するのでむしろ科学の優位性に感心し、科学的問題解決法こそ人類の獲得した唯一の問題解決法と妄信的に信奉している人が多いかもしれない。

 

ゆえに、ホームズの文庫本の最初のページに犯人を落書きをすることはタブーとされたりした。犯人は誰かを考えることがこの小説の面白さだからである。

 

小説を楽しむ場合にはこれでよい。しかし、部下が実務をこなすときにこのように行っていたなら、管理職はいらいらしなければいけないのに、管理職までもホームズになってしまうことに満足していないか。

 

実務ではその問題解決の前に誰かが犯人をホワイトボードに書いて議論を始めなければいけない。

カテゴリー : 一般

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2020.02/28 問題解決は科学以外でも可能

現代の教育は、科学を中心にして指導される。すなわち義務教育も含め、科学による問題解決法を大人になるまで学ぶ。企業の研修でも科学的問題解決法が行われたりする。

 

しかし、社会人で問題解決がうまくできない人が多い。長い期間をかけて基礎から学んできてもうまくいかない、というのは教育内容そのものが間違っている、あるいは不十分である、と考えてもよいのではないか。

 

学校で学んだことは社会では通用せず無駄だ、とよく言われた時代があった。最近は声高に言われなくなったが、これは大卒が50%近くになったこととも関係しているのかもしれない。

 

大卒が10%から20%の時代であれば、大学教育は役立たないから社会で実務を勉強しようという論法も社会に受け入れられたが、大半がその役立たない教育を率先して受けるようになった時代では虚しさが漂う。

 

ここは科学教育が無駄と考えるのではなく、社会の問題を解くのに科学以外の方法があることを悟ったほうが良い。すなわち、科学で問題を解くのか、それ以外の方法を使うのか、問題を解く前に考えるのだ。

 

例えば、科学で問題解決する手法をホームズ型とすると他の手法は刑事コロンボ型だ。名探偵ホームズにはワトソンという相談相手がいるが、コロンボには「ウチのカミさん」しかいない。

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2020.02/27 混練の本、売れてます

サービス価格期間を過ぎましてもぽつぽつと弊社へ問い合わせがある。定価4800円に消費税と送料を加えた価格となるのだが、それでも7万円以上の本よりは安い。また、類書と異なる内容であり、高分子に興味のある方にも参考になると思っている。また高分子を知らない人にも読んでいただきたい。

カテゴリー : 未分類

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2020.02/26 新型コロナウィルス

人間の免疫だけが頼りのウィルス騒動では、睡眠とストレスをためないことが重要である。これは長い人生経験からのアドバイスだ。

 

学生時代も含め若いころには免疫を下げる様な生活習慣だった。だからよく風邪をひいた。ところが結婚してからめったに風邪をひかなくなった。

 

ある日かかりつけの医者から免疫の重要性を説かれた。そしてストレスをためず良く寝ることが大切だと教えられた。馬鹿は風邪をひかないのは、バカはストレスが溜まらず良く寝ることができるからだ、と冗談も教えてもらった。

 

退職前に5年ほど豊川へ単身赴任したが、夏に赴任したのによく風邪をひくようになった。かかりつけの医者に言われたことを思い出したが、寝る暇が無かった。

 

コンパウンドラインが完成し、その立ち上げをしていたころ、思い切って仮眠室で昼寝をすることにした。これが良かった。

 

単身赴任直後は夏場でも風邪にかかったりしていたが、昼寝をするようになり、何となく免疫力が上がったような充実感が体から湧き出てくるのを感じた。

 

以前この欄で新入社員時代に指導社員による混練の座学で睡眠学習をしていた話を書いているが、あの頃の過重労働は、ストレスを溜めるほどではなかったようだ。良い思い出として残っている。そして睡眠学習の成果は本になった。

 

本の内容の一部に、コンパウンドの基盤技術が皆無の会社で、ゴム会社における新入社員時代の睡眠学習成果を頼りにカオス混合ラインを立ち上げた経験知をまとめており、ゴム会社の社員にも参考になる。

カテゴリー : 一般

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2020.02/25 MIの事例2

当方の経験知では、引張強度は弾性率と靭性値の関数になる。形式知によれば弾性率は密度と相関する。線形破壊力学によれば、狭い領域において靭性値は密度との相関が低い。

 

横軸に密度を、縦軸に引張強度や弾性率、衝撃強度の軸をとり、20個以上の試験片の測定結果をプロットしてやると、経験知をサポートするような結果が得られる。

 

力学物性が高分子の高次構造に相関することに着目すると、この結果をうまく活用して新規なポリマーアロイを開発することができる。

 

3月31日のセミナーでは、実際にこのデータ駆動の手法で難燃性環境対応ポリマーブレンドを開発した事例を発表する。

 

コロナウィルス騒動が気になる時期のセミナー開催で人が集まるかどうか不明だが、弊社へお申込みいただければ、当日開催できない場合には他の日に必ず開催できるようにいたします。

カテゴリー : 一般 高分子

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2020.02/24 3.11

2011年3月11日は当方の退職記念日である。この日が近づくと、TVでは毎年特集が組まれる。すでにニュースでは、ウィルス騒動の最中で3.11の話題が取り上げられ始めた。

 

サラリーマンの退職者ならばご記憶があるかもしれないが、送別会なり壮行会が必ず開かれる。当方についてはあの日の15時から最終講演が予定されており、会場で準備中にグラッと来た。

 

その後、すべて予定されていた行事が中止となり帰宅難民となった当方は、会社の事務所で宿泊することになった。

 

人生、生まれた瞬間と結婚式、サラリーマンなら入社式と退職では、誰もが褒められるそうだが、その称賛の約束された日が一つ無くなった不幸は、いつまでも忘れない。

 

3.11についてはそれ以外に忘れられないことが多いが、福島原発の爆発は、その一つである。

 

この爆発については、当時その原因について、防波堤の高さについて十分な検討がされてなかった、とか、補助電源が床に設置されていて水没した、外部電源車から電源を供給しようとしたらコネクターが合わなかった、緊急時に稼働する原子炉のモニター温度計の電源が外されていた、すぐに海水で冷却しようとしたら海水使用にストップ指令が出されたといった明らかに爆発に影響した人間のエラーがいくつか報道されたが、その検証結果について読んだことが無い。

 

細かいことかもしれないが、明らかにこれらは爆発を引き起こした原因の一つである。津波防波堤が高かったならば浸水を避けることができた。

 

補助電源が高いところに設置されていたならば、原子炉の停止作業を行うことができた。また、原子炉建屋に付けられたコネクターがユニバーサル規格であったなら同様の作業ができた。

 

緊急時のモニター温度計が稼働しなかったために原子炉の状況を確認することができなかったとも報じられており、ヒューマンエラーが爆発の原因の一つであったことは明確である。

 

極めつけは海水を注入して冷却しようとしたら、本社からストップがかかったという。それでも爆発に対して誰も責任を負わないというのは、かなりおかしい。福島原発の問題は人災であったことを忘れてはいけない。

 

責任者を処罰しても仕方がない、とかこれだけの大事故になったら誰も責任を負えない、とか言われるが、これはおかしいのだ。

 

もし真剣に再発を防止する意識があるならば、責任を明確にすべきで、それができないのは自然災害による原発の事故を容認することになる。原発の再稼働は地震大国では不可能と言う結論しか出せない。

カテゴリー : 一般

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2020.02/23 エアロゾル感染

今回のコロナウィルスの騒動では、飛沫感染はしないがエアロゾル感染はする、との発表があった。一方そもそもエアロゾル感染という疫学的用語は無いなどと混乱している。

 

このような用語の混乱は、高分子の世界でも他の分野でも存在する。例えば高分子の分類は、と質問されて正確に答えられる人はいないと思う。

 

また、結晶とは、と聞かれても同様な状況だろう。にもかかわらずナノクリスタルという用語が学会で登場したりしている。

 

エアロゾル感染もおそらくコロイドに関する十分な知識のない学者が言い出した言葉かもしれない。

 

空気感染するかしないか、という議論を聞いたときにコロイドに詳しい人ならば、すぐにエアロゾル状態を想像する。

 

ゆえに空気感染が言われているところへわざわざエアロゾル感染などという用語を持ち出さず、逆に空気感染のメカニズムを質問するはずだ。

 

学者の中には、知ったかぶりで新しい用語を言ったりするのが好きな人がいる。そのような人に学問体系について質問するととんでもないことを語りだす。学者にはそのような方がいることを知っておくと無駄な時間を節約できる。

 

 

カテゴリー : 一般

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2020.02/22 混練の技術書

2005年にPPSベルトの開発を担当した時に勉強しようと調査したら、混練に関する技術書は7万円以上の本ばかりだった。しかもそれらの本を読んでもコンパウンド工場を建てる参考にならなかった。そこで今回4800円という低価格で本書を執筆した。もくじを見ていただければ従来の書籍と異なることが理解いただけると思っています。当方がゴム会社で40年ほど前に習った内容に最新の高分子の情報を盛り込んでいます。

カテゴリー : 高分子

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2020.02/21 新型コロナウィルス

新型コロナウィルスの姿が少し明確になってきた。感染者の数やその後の回復状況、運悪くお亡くなりになられた方の数など毎日のように報告されている。

 

この数字を見ていて気がついたことがある。おそらく専門家の方はすでに気がつかれているかもしれないが、このウィルスに対して免疫を持っている人類がいる可能性がある。

 

エイズが登場した時にもエイズウィルスに強い人類の存在が指摘されたが、今回のウィルスに対しても抵抗力のあるかたがいるようだ。

 

2009年新型インフルエンザの世界的流行の時に中国出張し、帰国したところ、その日に発熱し体温を測り始めてびっくりした。37.3℃まですぐに上がったのだ。

 

慌てて夜9時に豊川の町医者へ駆け込もうとしたら、張り紙があり、発熱者はインターホンで会話するように書かれていた。

 

すなわち発熱者は別の入り口から入れ、という配慮だと思い、ピンポーンと気持ちよく押した。

 

すると最初に女性がでられて、症状を尋ねられたので、中国から帰国して発熱し37℃越したので慌てて来ました、と回答したところ、奥から男の大きな声で、市民病院に行け、と言われた。

 

いや、大した熱は無いので見てください、とお願いしたら、ブチっとスイッチを切られた。

 

仕方が無いので市民病院に行ったところ、救急の入り口に張り紙がされており、インフルエンザの方は、入ってすぐの椅子におかけください、と書かれていた。

 

椅子に座って待っていると5分ほどで看護婦さんが体温計と問診票を持ってきて、すぐに体温を測ってくださいと言われた。

 

驚いたことに、頭痛と悪寒で異常を感じて測った時の37℃を越えた体温がいつの間にか35.6℃に下がっていた。

 

町医者のインターホンのところで体を冷やしたのかもしれない、と思い、問診票に門前払いの話も含めその旨を書いた。

 

インフルエンザのウィルス検査の結果は、陰性だった。結局市民病院でも医者に面会することもなく帰宅したが、すでに夜中の一時になっていた。不健康な一日だった。

 

この時丈夫な体に育ててくれた両親に感謝したが、両親は長寿の家系である。人生には運というものがあるが、免疫力の高い健康な体は運以外に日々の鍛錬が必要だ。

カテゴリー : 一般

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2020.02/20 サーキュラーエコノミー(CE)

昨晩高分子同友会月例会で物質材料研究機構名誉研究員原田幸明氏の講演があった。タイトルは「ISO化されるサーキュラー・エコノミーの動向と資源効率・物質循環」である。

要点は以下である。

 

1.世界は資源効率を考慮した循環型社会へ向かっている。

2.1の流れの中でサーキュラーエコノミー(CE)の動きが欧州から

提案され国際標準化として進められようとしている。

3.CEは欧州で始まり、資源効率を高めることが可能とわかってきたので

Paas(Product as a Service)やシェアリングなどの「モノ」から「コト」

への転換とそれを支えるプラットフォームの形成の方向が見えてくるに

つれ、新しいビジネス形態としてグローバル展開され始めた。

4.日本では、「モノ」つくりの国であり、CEをどのようにとりこんでい

くのかが課題。

 

すなわち、リサイクルや天然資源の活用は過去の概念となり、欧州ではサーキュラーエコノミーという新たなパラダイムが動き始めている、そしてすでにISO化の動きまでも出始めた、ということだ。

 

講演者は金属材料関係の専門家で高分子材料の問題についてはそのような視点から考察されていたが、CEを考慮するとこれまでの材料技術についてその設計方針にも影響を受ける。

 

例えば混練プロセスに対する考え方である。カオス混合技術について高分子学会技術賞の推薦を受けたときに分子量低下とか材料の焼けなどと知ったかぶりの質問が飛び、結局技術賞を逃がしたが、このようなプロセシングにおける高分子材料の変化に対する研究テーマがアカデミアの重要テーマになるのではないか。

 

高分子の劣化に関して、アカデミアの出した結論は一次構造の変化だけである。実際のプロセスの中で劣化が起きない条件や、あるいは耐久試験において試験片の内部の高分子の酸化度合いなどに議論が至っていない。

 

力のある企業ではそのような実験をしているが、データは公開されず、結果として適当な知ったかぶり意見が技術賞の審査で通ったりする。迷惑なことだ。

 

高分子材料の成形体については金属材料と異なり、ダイレクトリユースやリマニュファクチュアリングは難しい。練り直し程度の作業がどうしても必要になる。その時に機能維持をしたまま混練ができるかどうかは重要である。

 

さらには、射出成型機を改良し、そこに簡単な混練機能を付加することも考えられる。例えばカオス混合装置と射出成型機との組み合わせだ。このようなアイデアを練り上げるためにもポリマーの混練り活用ハンドブックはためになるので弊社へ問い合わせていただきたい。

カテゴリー : 一般 学会講習会情報 高分子

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