クラボウが新型コロナウィルス抗体検査試薬キットを発売するという。中国の提携先企業が開発した技術ということだが、クラボウは2007年8月3日にヒトパミローマウィルス検査キットの特許を出願している(特許5302519号として成立)。
すなわち、10年以上前からウィルス検査キットの研究開発を手掛けており、最近はミルクアレルギーの検査法について特許を成立させている(特許第6347459号)。
知る人ぞ知る企業である。そしてこのタイミングで実用的なコロナウィルス検査キットを商品化した企画力には頭が下がる。
昨年12月にコロナウィルスの騒動が始まり、それから3ケ月での商品化である。しかも血液を1滴たらすだけで、新型コロナウイルス感染の有無が15分で分かり、正診率は95%という。
同社の他のウィルス検査法の特許にも書いてあるがPCR検査法というのは時間がかかるだけでなく、正診率がウィルスによりばらつくのが問題である。
クラボウの株はストップ高になるかもしれないが、それよりも気になるのが供給体制である。一日1000セットの販売というが、おそらくまだ製造ラインがパイロット段階と思われる。中国から輸入という体制も気にかかる。
ソフトバンクの孫氏による無料ウィルス検査100万人発言が話題になったが、孫氏はクラボウへ投資して国内で検査キットを生産できるようにしないのか興味がわく。
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物質を溶媒に分散するときに発生する現象は奥が深い。例えば水に砂糖を溶かしたり、塩を溶かしたりして観察される現象は同じように見えても、かたや高分子が低分子に分散している現象であり、かたや結晶が溶解しイオン化している現象である。
いずれも水分子が、イオンなり高分子の周りにくっついて(これを溶媒和という)塩なり砂糖を水に分散してゆくのだが、あるときは塩が溶けにくく、ある時は砂糖の方が溶けにくかったりする。
溶解度曲線や結晶の融解エンタルピーなど知っておれば理解できる現象であるが、高分子を高分子に溶かし、分散するという話になると途端に難しくなる。
この現象を考察するときにフローリー・ハギンズ理論が用いられるのだが、この理論が大学でまともに教えられるようになったのは30年ほど前からだ(福井大学の客員教授時代に1時間この説明に費やしてから、SiC前駆体合成法の説明をしている)。少なくとも40年以上前、当方の学生時代に化学を専攻している学生に対してこの理論がまともに講義で扱われていない。
ただ試験に20点の配点でいきなりフローリー・ハギンズ理論を説明せよ、という出題があった。何か一言書いてあれば10点はもらえたサービス問題だった。
若いころ試験に対して真摯さが無く、無駄な抵抗をしなかった。あえなく追試を受けることになったのだが、おかげでトラウマの如く仕事の現場で高分子のブレンドを行うたびにフローリー・ハギンズ理論を思い出す(注)。
樹脂補強ゴムや高純度SiCの前駆体合成技術を開発した時もΧが頭をちらついた。「先ず隗より始めよ」と聞くと、「まずΧより始めよ」と頭に出てくる。ちなみに先に述べた高分子の試験ではこの一言を書いて追試を免れた学生もいた。
樹脂補強ゴムを開発していた時に指導社員からΧよりも実際にSP値が既知の溶媒へ高分子を溶解してSP値を求め配合設計した方が良い、と教えられた。高分子のブレンド設計の実務では、まずSP値より始めよ、が正しいのだが、それでもΧがちらついた。
溶媒へ高分子を溶解しSP値を決める手法は、高分子だけでなくフィラーにも応用でき、すなわち無機微粒子の表面のSP値という概念まで拡張可能で、配合設計では有効な方法だ。
しかし、高分子のブレンドではΧで考察するのが正しいようなことが最近の教科書に書かれている。物質を分散するという実務において、SP値が既知の低分子溶媒に溶解してみてその物質のSP値を決定して配合設計したほうが良いことを経験知から推奨したい。
ちなみにSmallの方法で簡便にSP値を計算できるが、当たる確率は60-70%程度である。ひどい時には溶媒から求めた場合と大きく異なる時もあるので、大切な配合設計を行う時には手間がかかるが溶媒に溶解してSP値を決定した方が良い。
(注)PPSと6ナイロンの相溶した中間転写ベルトの開発では、フローリー・ハギンズ理論に対するトラウマが役立っている。人生では失敗を後悔するよりもその後に役立てる心がけが重要である。長い人生では失敗がその後の人生に良い影響を与えていることを味わうことができる。
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毎日報道されている新型コロナウィルスの感染履歴を見ていると奇妙な現象に気がつく。
例えば、中国武漢の騒動は、昨年12月中旬に第一報(実際には11月下旬に最初の感染者があったらしい)が報じられ、あっという間に感染が拡大している。
クルーズ船の感染者の人数を差し引いて日本における変化を見ると、武漢程の拡大がみられない。
最もひどい北海道は、2月上旬の雪まつりが原因となっているのはデータから明確である。
しかし、最近の北海道の患者は、潜伏期間を考慮すると、この雪まつり以降の感染であり、それが武漢ほどの増加を示していない。
このような現象について、最近ワイドショーなどで専門家にも指摘され始めたが、この専門家と称する方たちの意見を集めてみると勉強になる。
そもそもそれなりの肩書をつけておられる方は、科学の方法を身に着けた方々のはずだが、科学的ではない発言をされる方や、政治的発言をされる方もいる。
今この分野における日本の研究者は真剣にウィルスの研究を行い、最近は少しずつその成果報告がニュースとして出てきた。
TVに登場する専門家と称する評論家を科学の視点で観察するといろいろと参考になる。分析や解析には、科学の方法が最も役に立つ。また、科学の方法によらない分析結果は信じない方が良い。
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高分子材料を学ぼうとするときにそのプロセシングから学び始めるとよいように思っている。当方はゴム会社に入社した時に樹脂補強ゴムの開発をバンバリーとロール練りで行っているが、高分子技術を体得するために大変役立った。写真会社へ転職し、混練プラントを半年で立ち上げなければいけない状況になった時にこの時学んだ知識でフローリーハギンズ理論に反するようなプロセスを開発できた。この書にはその時活用したゴム会社の暗黙知を退職後に経験知と形式知へ具体化した。本書にその一部を公開している。特に二重のパーコレーション転移制御をシミュレーションした結果は高分子材料開発に携わる技術者には参考になると思う。学会発表も論文発表もしていない最近シミュレーションした内容である。
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ホームズとコロンボ、この二人は異なるパラダイムで犯人逮捕を行っていることに気がつくと、問題解決をいつでも科学的に行っていては効率が悪いと理解できる。
なぜなら、ホームズの小説では読み終わる時間を必ずしも一定にできないがコロンボではきちんと90分でドラマが終わる。
だから、実務の問題ではホームズのパラダイムではなくコロンボのパラダイムに合理性がある。これは冗談で書いているわけではなく、事実そうなのだ。
人は考えるときに推論を展開する。これは人類が登場してから日々の生活で少なからず行ってきた営みで、人が人であることを示すアイデンティティーの一つである。
「人間は考える葦である」という名言を誰が言ったかは忘れたが、「考える」時には推論を展開している。
人が異性に恋しているときにも推論を展開しており、時には肉体に推論の様子が現れたりする。そして悩み小説が生まれてきた。
この時、推論には向きがあることに気がつくはずだ。異性に向かう推論と自分に向ける推論だ。
一般の問題解決で言えば、問題からその解決策である結論に向かう前向きの推論と、結論から問題に向けて展開する逆向きの推論と二つある。
方向が定まっていない場合は推論ではなく単なる夢想だ。恋愛を単なる夢想で終わっていると結婚できないように、問題解決でも問題とそのゴールである解決策を明確に決めない場合には、すなわち夢想していては問題解決できない。
ホームズでもコロンボでも事件と犯人という二つのターミナルが存在し、犯人をゴールと捉えると、ホームズのパラダイムでは、前向きに推論を展開してゆくことを特徴としているといえる。
これに対し、コロンボでは常に犯人周辺の情報を集め事件との関係を考えているから逆向きに推論を進めていると言ってもよい。
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ゴム会社で勤務した12年間に、Y取締役とU取締役、I取締役の3人による研究開発マネジメントを体験している。
Y取締役とI取締役は典型的な研究者であり、U取締役は技術職ではあったが、実務肌の濃い経営者だった。3人とも中途入社であり、Y取締役はBR01と呼ばれる合成ゴムで成果を出され、U取締役はFRP水槽はじめ建材部門の事業で、I取締役はラムダと呼ばれる新幹線の騒音を音響工学で低減する防音壁の成果を出されていた。
いずれの研究開発本部長とも直接お話しする機会や食事をする機会があった。Y本部長の時代に、SiCの研究で世界的に有名だった無機材質研究所へ留学している。しかし、Y本部長はSiCとは無関係の専門分野である米国留学を希望されていたので、留学中に受験した会社の昇進試験で当方はそのしっぺ返しを受けた。
ところが、昇進試験に落ちた結果、無機材質研究所で1週間という短期間であるが高純度SiCの企画を実現できるチャンスを頂けて、当方は成果を出している。これは後に30年続く事業となるが、「あなたが実現したい新事業は何か」という昇進試験の問いに対する解答の一部に書いたこの発明に対してY本部長は冷ややかだった。
その後留学中にY本部長からU本部長に代わり、U本部長からすぐに会社へ戻るよう打診があったので3年間の予定だった留学を1年半で切り上げ、復職して高純度SiCのパイロットプラント建設を行っている。
気分よく復職できたのは、2度目の昇進試験で1度目の昇進試験と問題が異なっていても同じ答案を提出して満点を頂き昇進できたからである。この出来事でY本部長と人物の違いをすぐに理解できた。
Y本部長の時代にファインセラミックス分野へ進出する社長方針が出されても何ら研究所方針を変更しないばかりか、社長方針に従い提出した企画に対しても応答が無かった。ところがU本部長は、生まれたばかりの高純度SiCの技術について、事業化のためにいろいろと丁寧にご指導してくださった。
Y本部長からU本部長に代わり当方の周辺にはA新規事業部長はじめ多くの偉い方が上司となり、たった1g程度の高純度粉末ができただけにもかかわらず、手厚いサポート体制が作られていった。
(注)新入社員研修中、夜のアルコールの場で研究所の経営上の問題について人事部担当者からいろいろと伺っていた。そこへ配属された当方が見た研究所の姿は、アカデミアよりもアカデミックな環境だった。もし研究所を企業の組織の一部とするなら、その運営は社長方針に従うべきだろう。もし、研究所を社長方針から独立した運営としたいならば、別会社にすべきである。しかし、人事部から説明を受けていた研究所の位置づけは、あくまでも社長方針に従うべき組織体であり、社長方針は社内のTVで直接全社員に伝えられていた。当方の留学中に定年前のY本部長がU本部長へ交代となっているが、これは妥当な人事だったのだろう。しかし、研究所の風土は、トップの交代でもすぐには変わらない。やがて研究開発本部における研究部門は縮小されていくが、風土はそのまま残った。アカデミック並みの研究を理想とする研究者が企業の経営を理解する、ということは難しい問題なのかもしれない。当方のFDにいたずらをした人物は、経営を理解していないばかりか仕事のやり方においても悪事を働いているとの感覚が無い優秀な研究者だった。
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新型コロナウィルスのPCR検査について、TVによく出ておられる岡田春恵特任教授が、先日朝のワイドショーである政治家から聞いた話として、「感染研OB」が検査結果のデータを自分で持っていたいという理由でPCR検査の民間への委託を妨害している、と発言されたらしい。
当方もゴム会社や写真会社でそのような悪人の被害にあってきたので、この欄で取り上げると愚痴をこぼすことになりかねず、この話題に触れるのを避けてきた。
しかし、この話題に関心を持っておられる方が多く、岡田氏の発言以来毎日のようにこの話題に触れた記事を目にする。
これだけ目にすると当方も一言いいたくなり、可能な限り愚痴にならないようにこの問題の悪人について書いてみたい。しかし、これは弁護ではない。
まず、この類の悪人を身近で見てきた経験から悪人について解説すると、本人は悪事を働いている、という認識になっていない。少なくとも当方が見てきた人は皆そうだった。
本人は悪事を働いているという意識は無く(注)、その人の存在や発言、行動が組織なり社会に害を生み出し悪になっていることには無関心なのだ。そしてその人の行動により、どれだけ周囲が被害にあっているのかを悪人は考えていない。
組織におけるこのような人物は、上司から何らかの指導なりペナルティーを受けるべきだが、社風によっては、あるいは縦の人間関係によってはこのような悪人を組織が守るような動きになる場合がある。
ゴム会社はそのような人物を生み出さない傾向の風土なり組織だったが、FD事件では組織のリーダーに問題があり、当方はそのリーダーに高純度SiCの事業(住友金属工業とのJV)がつぶされることが無いことを確認し、転職を決断している。
すなわち、このような悪人は、本人が悪事を働いているという認識が無い。その結果、悪人と利益を共有するような人物が多い場合には、悪人と分かっていても守られることになり、法律に触れない限りその人物は悪事を続けることになる。
昨今の高額でマスクの転売をしている人もそうだが、法律に触れなければ何をやってもよいと勘違いをしている人がいる。しかし、法律に触れなくても社会なり組織に害を生み出せば悪事であり、倫理に基づく判断が大人には求められている。
自己中心的な人は、他人の痛みに気がつかないが、自己中心的でなくても科学の研究に最大価値を求める人の中には、研究の前に倫理が優先されることを知らない人もいる。
倫理が最も優先されることを知らないで、研究のために国民の健康を危険にさらすような行動をとる人物は、法律に触れなくても悪人である。
今回のPCR検査の問題ではようやく民間の検査機関が動き出したが、それでもまだうまく機能していないという。今回の問題は政治家が何らかの「正しい対策」を取らない限り、悪人の妨害を受け検査体制は円滑に機能しない。
検査体制が機能しない原因が感染研OBの行動にあってもそれを罰する法律は無い。しかしその結果正確な陽性の人数が分からなくなっているだけでなく、検査を受けられない陽性患者が感染を広げるような事態になっている。
この事態が社会的な事件であることは明らかだが、法律が無いという理由で事件は放置されているのが今の日本だ。だから感染者数も韓国よりも少ない、と思われ、専門家による現状の考察が公開されている。
(注)第三者に指摘されても独特の論理を展開し、自己の行為を正当化する。例えば、静岡県諸田県会議員は、自分の経営する会社で仕入れたマスクをオークションで販売して利益を得ていたが、これは転売ではないから悪事ではない、と発言している。現在の事態を県議の立場で考えたなら、これを悪事である、と反省する人物であってほしかった。もし、マスクをオークションではなく病院に寄付あるいは適正価格で販売していたなら、おそらく感謝されたであろう。
社会なり組織では、社会や組織が良くなるように行動するのが基本だが、悪人が放置された社会や組織では誠実に行動している人物が報われない。本来利益があがるような会社で利益が上がらず、赤字を垂れ流す事業が放置されていたり、そのような事業を企画した人物が出世するような会社がある。そのような会社では高い貢献を行っても報われない。ドラッカーが働く意味は「貢献と自己実現」と述べている所以である。
若い人はそのような悪人に遭遇しても腐ってはいけない。自らの環境を変える勇気あるいは悪人に影響されず貢献と自己実現に努力してほしい。自分の人生は自分で守る以外にない。ドラッカーが誠実と真摯を解くのは、そのように行動しておれば善良な協力者が周囲に集まってくるからである。社会なり組織から報われることを期待するのではなく、自らが社会なり組織を良くしようと生きることは気持ちの良いことで、それ相応の新しい交流が生まれる。この欄で書いている高純度SiCの成果やカオス混合プラントなどの成果は実話であり、またこれらの成果で組織から満足な報いは無いけれど新しい交流がいくつか生まれた。さらに新たな交流の中には聖人と呼びたくなるような方との関係もでき、「神様はどこかで見ている」というのは本当だろう。逆に悪人にはいつか天罰が下るのかもしれない。
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刑事コロンボでは、最初に事件の全貌が描かれ、視聴者はコロンボよりも先に犯人を知ることになる。
視聴者は、犯人や犯行が行われた事件の全貌を知り、コロンボがどのようにこの情報を正しく集め、犯人逮捕に至るのかを楽しむことになる。
すなわち、ホームズの小説ではホームズ「とともに」読者は犯人逮捕までのプロセスを楽しむのだが、コロンボのドラマでは、コロンボが「どのようなプロセスで」犯人逮捕を行うのかを楽しむ倒叙探偵小説のスタイルになっている。
ドラマの中には、コロンボがいきなり犯人に事情聴取する場面が登場する場合もある。ただし、その時コロンボは事情聴取の相手が犯人であることを知らないので誤った情報を信じることになる。
いろいろ情報を集めていく中で、コロンボは集められた情報の中の矛盾点に気がつく。するとこんどは矛盾点を解消するために行動をはじめ、誤った情報を発信している人物に疑惑の目を向ける。
コロンボが犯人逮捕できるためには確実な証拠が必要であるが、時にはその証拠を得るために犯人に罠を仕掛ける場合もある。
すなわち、コロンボは実際に集めた情報(データ)をもとに犯人に迫るが、情報不足の時にはデータを得るために実験も行うのだ(データ駆動型捜査スタイル)。
データの突合せこそ論理的に行っているように見えるが、必ずしも論理ばかりではなく情緒的に判断したり犯人に近づいたりするシーンも登場する。
「ウチのカミさんがね」という口癖のあとに、科学の香りも論理もへったくれも無い格言が出てきたりする。コロンボはホームズとは異なる頭の構造である。これが技術ではスピード感のある開発を生み出す。
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今回の新型コロナウィルスの騒動で製薬会社の新薬開発名乗りを観察していてがっかりした。もしまだどうしたらよいのかわからない製薬会社は弊社に相談していただきたい。
昨晩武田薬品が新薬開発に名乗り出たが、中国で発生してから2カ月半、日本に騒動が広がってから1カ月半経過している。
てっきりできたのかと思っていたら、これから開発に着手するという。株価狙いの発表でも遅い。もし製薬会社でいまだにどうしたら良いのか分からないところは、弊社に相談していただければ、本日でも武田薬品程度のことを発表可能である。
これは株価のためだけでなく、人類への貢献と言う意味でも重要で、もし、当方が製薬会社の社長ならば、武田薬品程度の内容を社内の調整のうえ1月中旬には発表していた。
何故なら年末の段階で、ある程度新薬に必要な機能が見えていたからである。中国武漢の患者の様子から既存の薬あるいは血漿分画製剤を試す、という今回の武田薬品の発表内容ならば、12月中旬の段階でできたかもしれないし、特許も出願できていた。
はったりではなく、中国発のウィルス騒ぎは経験済みだからである。日本の水際対策に成功するかしないかに関わらず新薬開発の準備を製薬会社はすべきで、中国から患者の様態が伝えられたなら特許出願をしておくべきである。
製薬が専門ではない当方になぜそれができるのか。これこそ技術的発想法なのだ。すなわちタグチメソッドでいうところの基本機能に着眼すれば科学的発想法よりも早くできるのだ。
タグチメソッドでは基本機能を理解するのが難しい、とよく言われるが、それは科学的発想法で頭が慣らされているからである。
技術的発想法のコツがわかれば専門外の現象でもすぐに実験をスタートできる。これもはったりではなく、当方の開発経験の事例を示すことも可能だ。
ちなみに、高純度SiCの新規合成法は無機材質研究所長からGoサインを頂いてから4日めにモノができていた。電気粘性流体の耐久性問題では、加硫剤も何も入っていないゴムを開発せよ、と指示を受けた翌日には、そのテーマを破棄して界面活性剤で開発できることを示す結果を出していた。1週間後には特許ができていた。カオス混合装置は、混練装置の準備が必要だったので皆が認めるためには3ケ月かかっているが、自分で機能を確認するだけならば、既存の押出成形ラインを最大速度で稼働させて、PPSと6ナイロンが相溶したコンパウンドを作ることに成功している。業務の担当責任者になる前、すなわち単身赴任前の出来事だ。これは実話だ。
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八年ほど前に電子ブックとして高分子のツボを出版しましたが、そのリクエストの問い合わせがありました。実は混練り活用ハンドブックにはその6割ほどが盛り込まれています。すなわち高分子のツボについてプロセシング部分を膨らませたような構成です。ご一読ください。
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