バブルが崩壊した時にタグチメソッドがアメリカから逆輸入された。写真会社に転職後間もない時に田口の講演を聞き、タグチメソッドの導入を提案している。
3年間直接田口から指導を受けたのだが、ゴム会社の経験談を話したところ褒められた。当方は田口がアメリカでタグチメソッドを普及されているときに、類似の方法で実験を行っていた。
ただし、当方が外側に配置したのはSN比ではなく、相関係数である。直交表の外側に相関係数を配置して実験計画法を行うと、最適条件が正しく求まった。ただし、田口からこの方法は感度重視となるので機能のロバストを追求するタグチメソッドと異なると指導された。
タグチメソッドで大切なことは、システム選択と機能に技術者が責任を負うとともに、機能のロバスト設計が技術者の仕事となったことである。タグチメソッドはDXとともに普及が始まった。
そして、今ではタグチメソッドで技術開発を行うことが常識となった。DXの最終段階では、このタグチメソッドのデータモデルから技術者の仕事を再定義しなければいけなくなった。
詳しくは弊社へお問い合わせください。今月も「Pythonで学ぶタグチメソッド」のセミナーを参加者のご希望日で開催いたします。土日も開催可能です。
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(注)続編ゆえに敬称略
カテゴリー : 一般
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表題について書こうとすると、FD事件を思い出してしまう。同僚にFDを壊されたり、ナイフが机上に置かれていたり、そして隠蔽化されたこの事件で同僚3人が転職している。
さて、FDを壊した犯人は、HLBを科学の形式知の範囲でとらえ、分子構造を同定した界面活性剤を用いて、電気粘性流体の耐久性問題を解こうとして、解けず、否定証明を行って大論文を書いている。
そして、科学で頭がいっぱいの本部長はそれを世界的研究と持ち上げて、当方に加硫剤も添加剤も入っていない加硫ゴムを開発するように命じてきた。当方はそれに対して、一晩で電気粘性流体の耐久性問題を解決できる界面活性剤を見出している。
データサイエンスの成果であるが、当時界面活性剤を見出すために8ビットコンピューターMZ80Kを用いている。10時間以上耐久する電気粘性流体は無かったので、一晩促進試験を行えば十分だった。
さて、すべてのHLBで検討しても耐久性問題を解けない、とした、研究論文は間違っていたのか。否定証明だったので、科学的には、正しい研究論文だったが、技術の観点ではゴミ論文だった。
40年近く前の実話だが、界面活性剤の議論で使われるHLBは、科学的パラメーターと呼ぶには怪しいパラメーターである。FDを壊した犯人が、分子構造既知の界面活性剤だけで検討を進めた理由を理解できるが、技術開発ではモノを開発しなければいけないことを知らないと、このような間違いを犯す。
高分子界面が関わる問題では、χパラメーターが使用されるが、この実体は自由エネルギーである。ただし、パラメーターを決める方法が問題となる。
SPは、エンタルピーから求められ、低分子から高分子までの混合を議論するときに使われる。最近はHSPがよく適合すると言われており、ハンセン球を用いた溶解性の議論が行われる。また、求めにくいχについて、SPから求める式が提案されたりしている。
HLBもSPやχも、界面が関わる技術の問題では、よく登場するパラメーターであるが、その意味は異なっている。また、いずれも形式知となっているが、怪しいパラメーターであることを知っておいた方が良い。
HLBについては、同僚3人が転職するような事件となった電気粘性流体の耐久性問題が事例としてある。χが0でなくても高分子が相溶した事例は、中間転写ベルトの実用化で実績がある。SPから発想したが、SPでは説明がつかない添加剤PH01の発明がある。
科学で何でも説明できると思っていると、せっかくの良いアイデアをつぶすことになる。この3つのパラメーターが関わるそれぞれの技術開発事例は、トランスサイエンスの問題だった。
(注)本日の話の身近な応用例は、ゼラチンを水に溶かすときに、50-60℃程度のぬるま湯に少し浸漬して膨潤させてから溶解するノウハウがある。このノウハウを用いるとゼラチンを分散した水溶液を容易に作ることができる。ゼラチンは親水性高分子として知られているが、コンフォメーションにより、疎水性の性質を示す。このことを理解できると高分子のSPやχが分子構造やコンフォメーションにより変化することがイメージでき、カオス混合でPPSと6ナイロンを相溶させてからスピノーダル分解が起きるときにカーボンの凝集構造が形成されてパーコレーションを制御できるアイデアが浮かぶ。これはレーザープリンターの部品として実用化されている技術である。
カテゴリー : 一般 高分子
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米の味が、精米技術や炊き方に依存する話を以前この欄に書いたが、高分子の難燃化技術もプロセス依存性や材料設計技術に依存するトランスサイエンスである。
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高分子とプロセスとの関係が科学的に解明されていないので、トランスサイエンスなのだが、この点を理解されていない人は多い。配合と材料物性が1:1に決まると信じている人がいる。同一配合でもプロセスが変われば材料物性がどうなるのかは予測できない。
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7月25日に技術情報協会主催で本技術に関するセミナーが開催されるが、弊社に割引券があるので問い合わせていただきたい。
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さて、高分子の難燃化技術の基礎は、1970年から80年代に確立され、当時主だった難燃剤が出そろった。ホスファゼンも1980年代末には大塚化学から市販されるようになった。
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しかし、プロセス依存性が大きな技術なので、その内容を正しく理解していないと、コストパフォーマンスどころか力学物性の仕様を満たした設計ができない場合もある。
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本セミナーでは、科学的な背景や技術開発のポイントだけでなく、マテリアルズインフォマティクスの視点も解説し、希望者には、タグチメソッドの解析プログラムを吐き出すエキスパートシステムのβ版を差し上げている。
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参加希望者は直接技術情報協会へお申込みいただいても良いが、弊社へお問い合わせいただければ割引券をお渡しいたします。また、希望者にはPythonのご指導についてご相談にのります。
カテゴリー : 一般
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7日、佐賀市で開かれた連合佐賀の参院選総決起集会で、「古古古米はニワトリさんが一番食べている。」と立憲民主党の原口一博衆院議員=党佐賀県連代表=が発言したという。(西日本新聞6月7日版)
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国民民主党の玉木雄一郎代表擁護の発言らしいが、おそらく玉木代表は困っているに違いない。一方原口議員は、備蓄米を減価償却の考え方で処理すると言った小泉農相の気持ちを理解していないようだ。
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すでに市場の現象から明らかになってきたのだが、今回の米騒動は、一部の卸業者が価格を操作している。そのため、米の価格高騰を抑えるために,本来の用途ではない備蓄米を減価償却の考え方で価格設定して放出しようと決めたのである。
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分かり易く言えば、国民の主食である米に対して、テロと言ってもいいような行為をしているグループに宣戦布告した、異常事態における苦肉の策である。
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そもそも備蓄米は、災害対策として国民が食べるために備蓄されていたのであって、家畜の餌が目的ではないのである。過去においては、米の価格が安定していたので、余った備蓄米を廃棄するのがもったいないので家畜の餌として使用していた。
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これはコココ米が人間の食べ物ではないことを意味しない。減反政策の一環として新米の一部を家畜の餌に回していることを忘れてはいけない。
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こうした経緯を知ってて、いや国会議員なので知っていてもらわねば困るのだが、家畜の餌発言をした玉木代表は、慌てて謝罪をしたのである。
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玉木代表は早く自分の発言を国民が忘れてくれることを願っているのに、原口議員の発言である。このような発言を野放しにしている立憲民主党も国民民主党と同じく国民感覚を理解していない政党なのだろう。
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もし、玉木代表が家畜の餌発言を本当に反省しているのなら、立憲民主党にクレームを入れるべきではないか。しかし、それがなされていないことから、玉木代表の謝罪もうわべだけのものかもしれない。
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初任給の年収が300万円を越える時代に、80万円のローンと言ってもそれほど悲惨には聞こえないかもしれないが、当方の新入社員の時の月給は10万円だったのである。上司の月給は手取りが50万円を越えていた時代である。
すなわち、今の管理職給与は新入社員の年収の2-3倍かもしれないが、当時の管理職は新入社員の年収の5倍以上だった。だから、OA委員長は部下に平気で80万円のローンを命じることができた。
この金額の大きさは、カローラDXが一台買えた金額と言った方が分かり易いかもしれない。一番安価なセリカは160万円である。レビンは120万円だった。
さて、80万円のローンで購入したMZ80Kで最初に開発したプログラムは、実験データをグラフとして打ち出すシステムである。実験データをFDにインプットし、第二精工舎のユニハンマー方式のプリンターでグラフとして打ち出す作業は、約30分かかった。グラフ用紙を使って手で書けば15分である。
ユニハンマー方式のプリンターは、画像を打ち出すこともできたが、その動作は文字よりも遅かったのである。これでは誰も使わないだろう、ということで、熱分析装置からデータを取り出し、それをグラフ化する提案を行っている。しかし、当時A/D変換し、グラフ化するところまで外部に依頼すると、300万円かかった。
測定装置が300万円前後でそのデータロガーが300万円であることを周囲から責められた。熱分析装置をもう一台購入したほうが良い、という意見まで飛び出し、なかなか何をOA化するのか、決まらなかった。
たまたま、安全委員会が消防署から薬品管理について指導を受けたことを聞き、薬品管理システムを提案している。実際にデータベースプログラムをBASICで作成し、寮までOA委員に集まってもらい、動作を見ていただいて、すぐにやろうということになった。
そして、ようやくソードのパソコンシステムを100万円で購入していただいて、薬品管理をそれで始めた。ソードのパソコンには、MZ80Kと同じ、Z80が二個実装されており、プリントしながら入力が可能だった。プリンターの動作も早かった。
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OA委員会でアウトプットを出すために、新入社員に80万円のローンを組ませて、会社業務終了後独身寮でOA委員会の仕事をさせて薬品管理システムのアウトプットを出した上司は、大変評価されたが、80万円のローンを組み過重労働を行った担当者は評価されず、その後昇進試験に落ちて高純度SiC半導体治工具事業を立ち上げるチャンスが得られた。塞翁が馬はいい格言である。
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降りかかる不幸に腐らず努力を続けることは重要である。働く意味を貢献と自己実現と定義づけたドラッカーは、20世紀の哲人と言われるのも納得できる。この80万円のローンがきっかけとなり、問題解決をコンピューターで行う方法について考えることが趣味となった。
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また、当時食費以外手取りが残らない状態だったので、酒を飲み遊ぶこともできず、唯一会社でコピーをとった文献を読むことが暇つぶしとなった。勉強をしたくて勉強をしたのではなく、金が無いので勉強して時間をつぶしたのである。
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今回の米騒動で、米の味が産地よりも精米プロセスに大きく依存していることを知った。現在の日本で生産されている米の味は、産地によりそれほど大きく変わらず、また備蓄米でも炊き方でおいしくなることを学んだ。
50年以上前、自主流通米が登場した頃、米屋のインチキがニュースになった。すなわち、配給米を混ぜて自主流通米として高く販売している業者がいた。
当時配給米には、古米や古古米、古古古米が使われていた。ココココケコッコーという古米を扱った漫才まで登場したぐらいで、配給米はまずい、という話題は今回の米騒動同様に国民の関心ごとだった。
当時の不味さの原因は、臭素系の保存剤の影響があったらしい。そして人体への影響がニュースになっていた。しかし、今は米の保存技術も進歩し、コココ米でもおいしく食べられるという。
今回の騒ぎで店頭に並んでいるお米を観察するようになったが、高い値段のブランド米でも色合いが悪い米や割れた米が袋から見えることに気がついた。
これらは十分な精米技術を持っていないところで精米すると発生するという。あるワイドショーでは、精米プロセスの異なる米を炊いて味が変わることを番組で紹介していた。
また、魚沼産のコシヒカリというブランドが書かれた袋に入っていたひどいお米の存在を話題として取り上げ、産地偽造なのか精米方法が悪いのか不明と言う説明をしていた。
今回の米騒動は、日常考えなかった主食の問題を見直すきっかけになったのだが、それにより、産地名のブランド価値が下がった。我が家では農家からコシヒカリを直接購入しているが、魚沼産ではない。しかし、十分においしいのだ。
20年以上前に、炊飯器のイノベーションがあった。当時10万円以上もする高価な炊飯器を購入したが、それで炊いたときのご飯のおいしさにびっくりした。
すなわち、ご飯は、プロセス依存性が大きな工業製品のようなもので、産地よりも米の処理業者の信用が、新たなブランド価値になるのではないか。
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小泉大臣が米を減価償却で安く出すと言ったことが今回の米騒動で話題になっているが、この減価償却というワードを単なる誤りと捉えた人は、これから起きるイノベーションを想像できないと思う。
今回の米騒動は、米の需給バランスが絶妙にとれたことで起きている。すなわち、売り渋りで価格操作しやすくなったのである。
それでは、米以外で需給バランスがとれている場合にもそれが起きるのかというと、そうではないことは、経済学を知らなくても理解できる。日本の業者により需給バランスがとれていて誰かが売り渋れば、すぐに外国勢が押し寄せて市場を奪うようなことが起きる。
しかし、例えば輸入関税が300円以上もかけられていたり、米の販売には規制が多かったので、簡単に価格が上がってしまった。自動車のような減価償却する商品ではなかったからでもある。
しかし、今回小泉大臣が行ったように、古米を簡単に減価償却価格で市場に出すようなことが常態化すれば、仮に需給バランスがとれている状況でもおいそれと業者は出し渋りをやって価格を吊り上げることができなくなる。
ここで問題は、お米は生産するために1年かかるので、業者の中には今回の備蓄米が無くなるまで待とうと考える輩がでてくるかもしれない。
この考え方は、米を減価償却で、と言った小泉大臣の頭の中を読めていない。トランプ関税で自動車業界が大変な騒ぎになっている。備蓄米をカリフォルニア米で賄い、トランプと取引する考えがあるに違いない。
海外から自由にコメを輸入するというと、すぐに農政族が騒ぎ出すが、備蓄米に限定すれば、納得するだろう。米の価格が高騰すれば、備蓄米を減価償却の考え方で放出する、そしてカリフォルニア米その他輸入米で備蓄米を補給する体制にしておけば、無制限に供給できるようになる。
それでは、国内産のだぶついた米はどうなるか。おそらく、不良在庫として業者は抱えないだろうから、表示を偽ったりして品質の悪いコメを売るようなことを始めるに違いない。
今後米は産地ではなく、取扱業者がブランド価値を持つようになる可能性がある。すなわち、信用の無い取扱業者の米は価格が下がるか、市場から追い出されるかするだろう。これが米を減価償却と表現したイノベーションの姿かもしれない。
JAは一大ブランドとなるが、今回アイリスオオヤマや楽天は金をかけずに、米の取扱業者としてのブランドを持つに至った。これから、米のサプライチェーンイノベーションが起きる。今回の騒動で魚沼産のコシヒカリでなくてもおいしいお米のあることを知った人は多いかもしれない。
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(注)本日立憲民主党原口議員が、5kg83円という数値を出して、備蓄米の価格設定がおかしい、と言い出した。5kg83円という数値の出所が不明であり、原口議員は時々疑問符のつくようなことを言われているので特にここでまないたに載せないが、小泉大臣は減価償却の価格で計算すると明快に説明しているのだ。備蓄米は国民の税金で運営されているシステムであり、その価格設定が問題となることを以前この欄で説明している。買取価格を基準に一律減価償却の価格で処理する限り、問題は出ないはずである。原口議員は問題を明確にすべきである。数値の根拠もまだ示されていないので、今回もただ騒いでいるだけかもしれない。立憲民主党はこのような議員が多い。
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当方が学生の時、高分子の授業で使用した教科書には、数行の説明しか出てこなかった。またゴム会社で高分子の相溶を論じる時には、溶媒法で求めたSP値で議論するように指導社員から教えられた。
当時最先端の樹脂補強ゴム(今はTPE)を開発するにあたり、樹脂とゴムのSP値を溶媒法で毎日測定していた。面白かったのは、ロール混練において、SPが多少異なっていても均一になる系が存在したことである。
すなわち、高分子を相溶させるために、必ずしもSPが一致する必要が無いことを学んだ。この経験から25年後にカオス混合を発明するのだが、フローリー・ハギンズ理論をいい加減な理論と位置付けていたからアイデアを発展させることができた。
ノーベル賞を受賞している研究者の理論だから、という理由でありがたがって、これをうのみにして現象を眺めると、チャンスを見落とすことになる。
それでは、この理論を間違った理論として無視してよいのかというと、そうではない。この理論は、高分子の相溶について考え方を示す重要な理論であるが、いい加減である、未完成の理論であるとみなしながら現象を観察する努力をしている。
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科学の進歩で形式知の体系が完成しつつある。一方で高分子のように未だに結晶成長の速度論さえも満足に議論できない状態である。球晶はラメラの集合体であるが、アモルファス部分を含み複雑な構造である。
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形式知は、技術の伝承を容易にし、問題解決にも必要であるが、それらがすべて完成された知であるかどうかは、注意する必要がある。
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備蓄米5kg2000円という価格は、妥当な米価格だろうと推定される。高く見積もっても3000円すなわちkg単価にすれば600円という価格は、現在の経済水準で見ておかしな数値ではないだろう。
トウモロコシと米のでんぷんで価格が同じならば、kg単価が400円以下でも米農家は儲かるはずで、米農家が儲かっていないとすれば、中間業者の笑いが止まらない事業なのだろう。
日本人の主食を倍以上の値段に吊り上げている業者を公開すべきだろう。末端のkg単価が400円から600円という価格には、人件費もすべて入った価格なので、それ以上の価格の米には付加価値が入っていることになる。
「100円のコーラを1000円で売る方法」という題名の本が昔あった。ゴールデン街と銀座では、一杯のウィスキーの値段が10倍異なるという。すなわち、付加価値をつけて儲けようという内容の本である。
40年以上前に30万円のアルトという車が話題になった。セリカは安くても220万円した。オプションをつけたセリカ1600GTは、300万円だった。
その後デートカーとして話題になったプレリュードXXが300万円したので、10倍の価格差は、単なる移動手段としての車ではなく、それなりの付加価値のある車を意味している。
100円のコーラを迷わず飲むことができても、30万円のアルトは買わない、という若者が多かったのは、バブルゆえの時代風景だろう。モノの値段は、その時代の価値観にも左右される。
当時アルトは、2台目の車として大ヒットした。30万円でも高品質だったからである。2000円の備蓄米が飛ぶように売れている。備蓄米を家畜のエサと言った国会議員がいたが、昔と異なり古米でも品質が悪くないので、このような価値観の国会議員を次の選挙まで国民は忘れてはいけない。
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米の生産をどのように国策として管理してゆくのか、難しい問題である。ただ、これまでの減反政策により、米生産農家が淘汰されてきた可能性がある。
すでに、企業経営のスタイルでインターネット販売をしている農家もあるという。また、JAは米生産量の50%以下しか集められなくなってきて、流通に関わる傘下の業者の倒産が多くなった。
今米の生産に関してイノベーションを起こすには良い機会である。今回備蓄米の配布で新規参入者も現れた。この米の生産管理で問題となるのは、生産量と買取価格の管理である。
生産量については、米騒動が起きる3年前までの生産量を基準に考えればよいのではないか。問題となる買取価格については、340円/kg前後の定額農家と買取価格自由農家に区分けし、前者については、生産量が1割以上落ちたときには国が補助金を出すシステムにすると良いかもしれない。
そして、増産しすぎた米に関しては、輸出に回すようにしたらどうか。今日本のお米は世界で食べられている。後者の買取価格自由を希望した農家については、まったく自由経営にしても良いのではないか。
問題は生産量が落ちた時で、その時は今回のような備蓄米や輸入米で対応すればよい。市場における米の販売価格は、最低2000円/kg前後の米が常時流通している状態を維持すればよい。
世の中には、100円のコーラを1000円で買いたい人がいる。最低の流通価格を管理して上限価格を管理しない政策で良いと思っている。
かつて、価格が高ければ良品と勘違いしている時代があった。21世紀はコストパフォーマンスの良いものを求める時代である。例えば弊社のセミナーでは、ご相談いただければ土日でも開講しているだけでなく、その価格や内容はご相談に応じ、受講者にとってコストパフォーマンスの良い内容を提供しています。
(注)今朝のニュースでJAが今年の米の買い付け価格を60kg22000円から24000円とした、と報じられた。これは高騰しすぎた現在の価格である。それでも産地によりばらつきはあるが、1kgあたり370円から400円である。すなわち精米の歩留まりや運賃を含めても、消費者が購入する価格がこの価格から2倍になるとは考えにくい。1.5倍でもおかしいのである。他の工業製品の感覚では、消費者に渡るときに、高くても1.3倍程度である。仮にkg単価が520円になったとしても5kgの価格は2600円である。3000円を越える価格は中間業者の利益と捉えることができる。輸入米は規定量を超えると340円の関税が1kg当たりかかるそうだが、それでも輸入米は5kg3000円前後で市場に出始めた。米の適正価格がいくらであるかは、これら情報から明らかであり、石破首相が言っていたように、5kg3000円前後だろう。今回備蓄米が2000円であり、おそらく市場価格はこの間で落ち着くのではないか。カリフォルニア米もまずくはない。
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