当方は学部で有機合成の研究を学び、シクラメンの香の合成その他についてアメリカ化学会誌に投稿している。大学院では、学部の講座が廃止されたためにSiCウィスカーを中心に研究している講座で学んだ。
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就職はゴム会社であり、大学で学んだ知識は、高純度SiCの企画で使うことができたが、微々たるもので大半は社会人になってから身に着けた知識で実務を行ってきた印象がある。
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それでは大学で学ぶ意味はどこにあるのかと、この年になって振り返ると、知識の獲得の仕方とか、知識の体系がどのように出来上がるのか、あるいはどのようにして新しい知を生み出すのか、を身につけるために極めて重要だった、と気がつく。
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その意味では、ややアカハラ気味の講座だったが、大学4年時に在籍した講座は最高の学びの場であった、と思い出される。ここで学んだ知識そのものを使う機会は無かったが、知識を獲得する方法やそれを展開する方法、体系化する方法など、およそ新たな知識を学び身に着ける方法を習得している。
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大学院ではそれをフルに生かし、4-6報論文発表している。幅があるのは、就職してからも論文を書いていたからである。大学4年時に在籍した講座がいかにアカデミアとして優れた講座だったのかを示す実績である。
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ちなみに、名古屋大学内でもそのポテンシャルの高さは知られており、毎年講座の定員をオーバーする希望者が集まり、くじやじゃんけんで決められていたという。
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当方の学年では、閉鎖される噂があり、希望者は当方含め3名で、当方以外は大学院進学を希望していた。当方は教員になる予定でドイツ語も取っていなかったが、教授から大学院進学を勧められ、ドイツ語の猛特訓を直接教授から半年受けた。
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その甲斐あって、大学院のドイツ語試験はトップだったらしいが、教授が喜んですごい点だよ、と褒めてくださった。専門や数学はほぼできたので、この語学関係で他の受験者と差がついたのかもしれない。
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50点の下駄をもらわなかったが、良い点で進学できている。学問というものは、それなりの根性で身に着ければ身につくものである。頭の良しあしよりも学ぶ意欲の方が、習得率への影響が大きいと思う。
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弊社ではリスキリングのための教材も用意しているので、ご相談いただきたい。特にデータサイエンス領域は外部業者開催のセミナー講師として使用した教材を提供できます。
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1980年代にパソコンは、計算機以外に何に役立つのかよくわからない道具だった。ところがいまや生活のいたるところにコンピューターが入り込んでいる。携帯電話には4台も入っているものもある。
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当方のノートパソコンには8台稼働しているが、とんでもない時代になった。1990年代にソフトウェアーが普及した時、それを使う人と使わない人に分かれていった。
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大学院まで出て、1990年初めにパソコンを使用したことが無い、という新入社員は一人もいなかった、と書きたいが、一人いた。MS-DOSの時代であり、OSの知識も皆無で6年間本当に勉強してきたのかと疑いたくなるような人だった。
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今の時代、ワープロや表計算ソフトは常識であり、使用経験なし、などと答えたら、採用試験に落ちるかもしれない時代になった。
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プログラミングについては、1990年代MS-DOSのバッチファイルやLOTUS123のマクロを組めるぐらいの人は大学院卒であれば80%以上だったように記憶している。さすがに面接でCのプログラミングが自由にできますという人はいなかった。
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2000年代にはVBでプログラミングできる人が40%ほどいた。今Pythonを自由自在に扱える大学院卒はどのくらいいるのだろうか。
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OCTAを使用した人ならば、Pythonをスクリプト言語として最低限使ってきた人である。その他のシミュレーション経験者であれば、あるいはデータサイエンティストであれば、自由自在に使ってきた人だろう。
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これまで様々なコンピューター言語が登場したが、恐らくPythonは今後20年間主流になる言語と思われる。当方も最近はほとんどC#を使わずPythonである。
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もし、学生諸君で実務におけるPythonを学びたい人は、弊社に問い合わせていただきたい。無料コースから準備していますので気軽に学んでいただけます。
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佐賀県で国民スポーツ大会が行われているが、昨日の競泳は、パリ五輪で一人しかメダルをとれなかった問題もあり、注目選手がどのような泳ぎをして何を語るのか興味深くTVを見ていた。
あの瀬戸大也選手は無事優勝し、内助の功を感じさせる発言を聞けたのだが、男子の若手が伸びていないことが心配になった。決勝では、もう少し多くの若手と接戦になるのかと期待した。しかし、パリ五輪に出場した瀬戸選手らに次ぐ選手が育っていない。
一方女子は、東京五輪で二つ金メダルを取った大橋選手が優勝できなかったように、若手の台頭があり、彼女は楽しく泳げたという。そして引退の弁を語ったのだが、感極まったのか涙を流していた。
この涙について説明の必要はないと思う。プレッシャーへ誠実真摯に向き合った証であり、その影響もありパリ五輪が終わるまで競泳そのものを楽しむことができなかったという。
昨日は競泳を楽しむことができた、と語っているのだが、優勝できなくてもこのように語る気持ちを何となく理解でき、当方も少し胸が熱くなった。
彼女にとってはラストレースだったので、手を抜いたわけではないだろう。できれば優勝したかったに違いない。それでも、楽しかったのだ。瀬戸選手の明るく軽いインタビューの回答の安心感とは対照的にTVを見ていた当方も感動する「楽しめた」という言葉だった。
昔、「メダル**がい!そんなにメダルが欲しいなら自分で泳いでみろ」と、叫んだ女子水泳選手がいた。代表となった選手が海外で楽しく競技に参加することは悪いことではない。
応援する側もプレッシャーをかけまいと心配している。選手が競技で自分のためだけに頑張っても許されるのである。それを表現した名言を披露したマラソン選手がいた。
ただし、その言葉は「自分で走ってみろ」とは、聞こえなかった。自分を自分で褒めているのだが、むしろ応援している人への感謝の気持ちとして聞こえたのである。
昨日の「楽しめた」も同様にファンへの感謝の言葉として聞こえた。言葉というオブジェクトの不思議な作用なのだろう。選手に与えるプレッシャーの問題を直接表現した千葉すず選手は悪いことをしていない。
しかし、年老いた人間に向かって自分で泳いでみろと言われてもそれは残酷な響きとなる。優れた記録を残しても選手に選ばれなかったが、それはそれで問題となる。
そこで彼女は後進のために日本の曖昧な基準を正す仕事をしている。彼女も瀬戸選手の配偶者も忘れられない選手である。スポーツにはプレイする以外にそこに潜む美しさに触れる楽しみ方がある。岩崎選手の醜聞で金藤選手の金メダルを思い出すように、記憶のトレーニングにもなる。
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科学の方法で問うことができても、科学で解けないトランスサイエンスの技術をどのように開発したらよいのか。経験知から、タグチメソッドが一番良いと言える。
その他にも、データサイエンスを活用し、データ駆動の方法で問題解決できるが、タグチメソッドが最も簡便である。
何故なら技術の問題では、機能の最適化を行うことが目的であり、真理はともかくロバストを向上することこそ技術開発では重要だからである。
これが分かっていてもタグチメソッドが使われないのは、計算が煩雑であり、面倒なところがあるためだ。誰かがエクセルシートに組んでくれれば使っても良い、と思っている人もいるのではないか。
弊社では、「Python で 理解するタグチメソッド」と称する教材を用意している。このセミナーでは、Pythonのプログラム例と各種SN比の計算をプログラミングしたテキストも配布している。
今、このセミナーで配布しているプログラムをさらに便利にしようと努力していますのでご期待ください。また、セミナーを希望していただければ、いつでも開催し、参加者には完成したプログラムを後日送付いたします。
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タグチメソッドをご存知ない知識労働者は多い。技術者でもご存知ない方がいるので仕方がない。しかし実際に使用し、仕事の効率を上げている技術者は増えている。
中国でコロナ禍前までローカル企業を指導してきたが、その手法はタグチメソッドである。しかし、国内で行われているような、哲学を重視した方法ではなく、メソッドを中心とした指導である。
タグチメソッドを難解なものとしているのは哲学である。これで品質工学の哲学を普及しようとしているのでタグチメソッドが難解なものとなった。
習うより慣れろ、という言葉が示すように、メソッドには慣れるのが一番である。10年以上前から、エクセルシートを利用して、中国では指導してきた。
最適値を求める簡便な方法として中国の技術者には歓迎された。そして出来上がった技術のロバストが高くなっているので、ありがたがられたのである。
弊社では、最近はPythonプログラムを無償配布し、タグチメソッドを指導している。ゆえにSN比を求めたりする部分で苦労する必要が無いので、習得が容易となる。お問い合わせください。ご希望の内容のセミナーも提供可能です。
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昨日T2Tが検討されている話を書いたが、食品トレイでなくても他の樹脂のリサイクルでも問題となるのが、分別が難しい樹脂の混合物の扱いである。
サーマルリサイクルというアイデアもあるが二酸化炭素の問題があり、2022年4月に施行された法律では、Renewableが推奨されている。
分別が難しい混合物をそのまま混練して樹脂として扱う方法もあるが、高分子をご存知の方であれば、このような方法では力学物性を期待できない樹脂となる。
但し、これは通常の二軸混練機を使用した場合である。カオス混合を行うと、力学物性が改善されることは10年以上前に確認している。
すなわちどのような樹脂の混合物でも二軸混練機によるコンパウンドよりもカオス混合によるコンパウンドの方が物性が向上していた。ただし、それでもバージン材よりは悪い。
実は、このような混合物についてバージン材よりも良い樹脂を製造する方法がある。詳細は問い合わせていただきたいが、少し弊社と共同で実験を行う必要がある。理由はご契約後説明する。
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PETボトルのB2Bリサイクルは、サントリーと協栄産業が中心になり実用化された。今食品トレイのT2Tが話題になっている。
ところがトレイで問題になるのは、PETボトルのように同一素材でトレイが生産されていない。聞きかじりで申し訳ないが、プラスチックトレイ廃材の量はPETボトル約70万トンより多く85万トンらしい。
その40%は、PETだが、PSも40%ほどあり、10%がPPで残り10%がその他樹脂という内訳である。正確な数字は確かめていただきたいが、年をとっても関心のある数値は記憶している。
特に今月末再生樹脂の国際会議に招待講演者として呼ばれているので、必死でこのあたりの数値を確認してる。
さて、プラスチックトレイは、透明なトレイとそれ以外の白色や着色されたものなどさまざまである。すなわち、リサイクルにおいて透明トレイの選別はできそうだが、その他の色物は難しそうである。
トレイの材質を統一するモノマテも一つの考え方であるが、PETボトルと異なり、食品トレイでは加熱その他の目的に合わせる必要からPPなども活用されているのである。材質の統一は難しいだろう。
仮に透明トレイをPETに統一できたとしても、他の有色トレイはPETとしない方が選別が容易となる。すなわちリサイクルを考えたときに、選別技術を考慮するとすべてモノマテが良いとは限らないのだ。
なんだかんだで食品用トレイのリサイクルは、PETボトルほど容易ではなさそうだが、T2Tは、PETボトルで実現した手順で行えばよさそうであることは見えている(明日に続く)。
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昨日ようやく中国渡航ビザの申請が完了し、木曜日に頂けることになった。実は、先週2度ビザ発行センターまで無駄足を運んでいる。
今月末に再生材の国際会議があり、その招待講演者となったので渡航ビザが必要になったのだが、あらかじめ頂いていた日本語の招待状ではだめだと言われた。
それで、主催学会に英語の招待状発行をお願いしたのだが、印が無いので、申請書を受理されなかった。金曜日の夜に印もつかれた招待状が届いたので、昨日改めてビザ発行センターへ申請書を提出しようやく受理された。
もし、中国旅行や仕事で渡航する必要が生じた人は、申請方法等ホームページをよく読み、エラーの無い申請書を用意していただきたい。
注意事項等はホームページを参考にしていただきたいが、書かれている指示に忠実な書類を作成しなければ当方のような出し直しになるので注意されたい。観光ビザであれば、Eチケットとホテル情報だけなので簡単であるが、招待状が必要なビザの場合に招待状に書かれている情報も問題とされる。
また、写真は眼鏡をはずした写真であることが求められ、さらに証明写真用に撮影されたものでなければ、受け取ってもらえません。
コロナ禍前はパスポートだけで渡航できたが、未だにコロナ禍前の状態に戻っていない。コロナの判定書類が必要なくなっただけでも便利になったが、ビザ申請が初めての人は注意されたい。
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サラリーマンでPython をご存知ない方はいないと思う。もし、ご存知なかったら、知識労働者ではない。DXの進展でPythonの知識は知識労働者の常識となったからである。
これまで様々なプログラミング言語が登場したが、Pythonほどプログラマーを獲得した言語はない。あの初心者用言語と言われたBASIC言語でさえ、すべての知識労働者を獲得するには至らなかった。
C言語は息の長い言語で、今でも使用されており、プログラマーにとってはBASIC感覚で自由に使える言語として普及している。ただし、C言語を体得するには二つ山を越えなければいけない。
C++は、今C#に置き換わりつつある。C#はC++とよく似た文法であるが、完璧なオブジェクト指向言語という理由でC++より優れている。C++は、Cを引きずっており、C#のような洗練された仕様となっていない。
Pythonはこれらプログラミング言語と異なり、どちらかとうと、ナンチャッテ的側面がある。一応オブジェクト指向を実装しているが、構造化プログラミングだけでプログラム可能なだけでなく、MS-DOSのバッチファイルのように単なる手続き型言語としての使い方もできる。
いいかげんな言語という評価も可能だが、3つのパラダイムを実現したマルチパラダイム言語という評価も可能である。それゆえBASICよりも易しく使うことができ、BASICよりも便利な言語である。
弊社では希望により1日でPythonプログラミングスキルを習得できるセミナーを公開している。土日は無料コースも含む特別価格で開催しているので問い合わせていただきたい。今時Pythonを使えないのは、DX時代に恥ずかしいことである。エクセル365にも実装された。
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地球温暖化の進行を訴える人は、二酸化炭素の増加で、よく大気が5度Cアップすると表現している。しかし、これは、大気全体で平衡状態を考えたときの数値ではないか。
太陽の熱で地球表面が暖められているが、夜にそれが放熱されて地球は冷え、大気があるので地球以外の他の惑星ほど冷えすぎないのである。
この時対流で地球上には偏西風はじめ様々な大気の流れが生じているが、これは非平衡状態である。シミュレーションを科学的に行おうとする時に、非平衡状態は扱いにくいので平衡状態として計算しているはずである。
しかし、鍋でお湯を沸かすことを考えて頂きたい。鍋の底は常時ガスの火で温められているので、最表面で指を入れてみてもすぐに熱くならないが、鍋の底は表面よりも早く熱くなっている。
この経験から考えると、人間は地球表面にいるので、地球温暖化のシミュレーションよりも早く5度Cアップを経験することになる。
50年以上前に比較すると、毎日が異常に熱く感じる。昔は熱帯夜と言われても蚊帳の中で我慢して眠ることができた。今、それをやると熱中症にかかることは必至である。
また、暑い日には体温より温度が上がっているのではないか、と学生時代によく冗談で言っていたが、この頃は、それが冗談であり、体温以上の日の記憶は無い。
地球温暖化のシミュレーションを非平衡状態を考慮し、地球最表面と大気層の中央当たりの温度と分けて求めることはできないのか。9月になっても残暑というよりは毎日が真夏である。
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