今月は、表題のタグチメソッドセミナーを開講していますので、参加ご希望の方は弊社へお問い合わせください。参加費は1名3万円ですが、2名以上の場合には割引がございます。また、休日の個人学習につきましても割引価格を用意していますのでお問い合わせください。
多因子実験としてタグチメソッドは定番の方法となりました。故田口玄一先生が1953年に伊奈製陶のご指導で使われた話が著書に載っていますが、その時は、直交表の内側を用いておられました。
その後の改良で外側因子としてSN比を配置された理由は書かれていませんが、当方が故田口先生を存じ上げない時代に、外側因子に相関係数を配置して実験計画法を行った理由と同様と思います。
1992年に田口先生にお会いし、その後3年間直接ご指導を頂きました。それから30年経ち、今ではタグチメソッドを導入していない日本企業は少ないのではないでしょうか。
タグチメソッドの解析用ソフトウェアはすでに販売されていますが、使い勝手がよくありません。そこで、本セミナーではPythonを用いたタグチメソッド解析プログラムを吐き出してくれるソフトウェアを無料配布いたします。
β版でありますが、ChatGPTでは不可能な動作ですので、それなりの価値があると考えています。少なくともPythonコードを打ち込む手間を省けます。また、解析後制御因子を組み合わせた分散分析を行いたい時には、このプログラムを編集すればよいので市販のプログラムより使い勝手はよい。
一番のメリットは、Pythonコードに日本語の説明がついているので、タグチメソッドの勉強ができます、とよいことづくめ。是非このセミナーをご利用ください。
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50年ほど前は、実験計画法を使った多因子実験を行っていると、その研究者を軽蔑する研究所もあったのかもしれない。
当方が最初に就職したゴム会社では、QCに力を入れており、新入社員全員日本科学技術連盟が主催する1名50万円かかるBASICコースを1年間受講させられた。カローラDXが80万円で買えた時代で、アルトが30万円でニュースとなっていた時代である。
ゴム会社は「最高の品質で社会に貢献」という社是をかかげており、品質活動には力を入れていた。但し、これはタイヤ部門の話で、研究所では創業者のレガシーはじめ品質については笑い飛ばしていた。
BASICコースを1年間受講してもそれを研究活動に導入しようとすると軽蔑されるような職場だったので、BASICコースの最後に行われる職場実習で実験計画法による解析レポートを作成するときに悩んだ。
職場の先輩に相談しても適当に作文して提出すれば合格点をもらえる、と言われ困った。高分子の難燃化研究の部署に配属されていたのでL9実験である難燃剤の最適化実験をおこなってみたのだが、最適条件が見つからず、先輩はじめ職場全員から笑われた。
「統計手法ってそんな程度」というのが職場の認識であり、仕方が無いので結果を正直にレポートにまとめたら70点という採点だった。
これは最低の合格点であるが、講師のコメントが外れていた内容を書いていたので、さらに悩むことになった。教える方も実験計画法の直交表の性質を理解していなかった可能性があることに後で気がついた。これではゴム会社の研究所で50万円の研修が軽蔑されても仕方がないと思った。
その後、この点に納得がゆかず、周囲から笑われても実験計画法で実験を重ねたら、最適条件が合う場合と合わない場合が出てくることに気がつき、直交表の外側に相関係数を配置した実験計画法を行ったところ、最適条件が外れなくなった(注)。
詳細は省略するが、これはタグチメソッドの動特性を利用した実験で感度が最大になる条件を求めていることになるのだが、当時故田口玄一先生はこの手法をアメリカで指導されており、当方は全くタグチメソッドとは独立で、類似手法を考案したことになる。
写真会社に転職して1年ほどして田口先生の講演が日野市であり、参加し写真会社でタグチメソッドを導入すべき、という出張報告を書いている。
その後写真会社では3年間田口先生から直接ご指導を受けているが、ゴム会社の研究所と写真会社の研究所では雰囲気が異なり、タグチメソッドが定着している。
これは、写真会社の研究所とゴム会社の研究所との風土の違いである。写真フィルムは多数の因子が絡んで機能が発現されている商品であり、科学で行われるような1因子実験では設計が難しい。
ゴム会社で行われていたような、科学の理論に合わせて実験データを出すようなテクニックの研究などもやっていなかったので、タグチメソッドが定着したのである。
今の時代であればゴム会社の研究所でタグチメソッドは常識になっているかもしれないが、30年前はタグチメソッドさえも軽蔑されたかもしれないゴム会社の研究所の思い出である。
(注)この成果を課内会議で報告したら大笑いされた。直交表の実験は実験数を減らして合理化するための手法であり、相関係数を外側に配置したならば全体の実験数が増えるので、一因子実験で十分だ、というのが理由である。この見解は、タグチメソッドを理解していない見解である。当方も最初は実験数が増えることで、皆から笑われることを承知していた。しかし、相関係数を直交表の外側に配置して実験を行うのは、合理化目的ではないのである。「機能の最適化」というパラダイムの実験となり、これはタグチメソッドにおける基本機能に着目した実験計画と同じ思想である。
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義務教育でもプログラミングを学ぶので、大人がプログラミングスキルを持っているのは常識の時代になった。子供にプログラミングに関し質問されて質問に答えられない親は、今の時代??????
書きにくいので?を並べてみたが、とりあえずプログラミングスキルを身につけようと思っている方にPythonは大変適したプログラミング言語である。
弊社では昨日この欄でPRしましたWEBセミナーを開催しますが、TMは不要と言う方のご相談にも乗りますのでお問い合わせください。無料のPythonのプログラミング環境構築の仕方をサービスで配布することも計画しています。
PythonはBASICよりも易しいマルチパラダイム言語です。昔のMSーDOS時代に流行ったバッチファイル的な扱い方もできます。MS-DOS時代には、パソコン音痴の中年が数行のバッチファイルを作成してバッチファイルを知らない若い社員に自慢していた姿がありましたように、書き方を分かれば誰でもコーディングできます。
最初の一歩はここからで十分です。重回帰分析のプログラムコードさえもバッチファイルのように書けます。高度なことが易しいコーディングで実現できるPythonは、プログラム言語として今後もユーザーが増えてゆくと思われます。
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Pythonを学習したいと思われた方は、弊社へお問い合わせください。
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「Pythonで学ぶタグチメソッド(TM)」WEBセミナーを今月受講料3万円で、受講者の希望日に開催します。時間は10時から16時で、1時間昼食時間とします。
このセミナーは、すでに他社セミナー会社で開催してきました、Python初心者あるいはタグチメソッド初心者向けのセミナーで、1日にPythonとTMの両者の知識を獲得できる内容です。Python初心者にはPythonプログラム実行環境構築用資料を無料配布いたします。
ゆえに、いずれかの知識のない人、あるいは両方の知識のない人、誰でも受講に適しています。なお、今回は、TM解析コード生成プログラム(β版)を配布します。このプログラムを利用して、TM解析プログラムをPythonで簡単にコーディングできます。
β版となりますが、TM解析コード生成プログラムを無料配布いたしますので、過去に弊社のセミナーを受講された方はお問い合わせください。
このプログラムを開発しました理由は、AIでTM解析プログラムコードを書かせてみたところ、実用できるコードが生成されなかったことがきっかけです。生成系AIでもできないコード生成を可能とするエキスパートシステムを開発しようという動機になりました。
とりあえずβ版が完成しましたので、テストも兼ねて今月のサービスとなりました次第です。なお、2名で参加される場合には、2名分5万円、3名の場合には7.5万円、4名10万円と割引価格も用意しておりますのでご利用ください。
5名以上の割引価格あるいは出張セミナーにつきましてはお問い合わせください。
info@kensyu323.com
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生成系AIの中心となるソフトウェアエンジンは深層学習のアルゴリズムであるが、この技術開発はAI研究の一分野に過ぎない。深層学習のアルゴリズムにおいて、知識そのものは補助的な存在であり、ビッグデータのパターン認識が中心的タスクである。
このプログラミング技術は、生成系AIに限らず、指紋認識や顔認識などの画像認識はじめ身の周りの多くの分野で20年以上応用開発されてきた。
また、深層学習以外の機械学習の手法では50年以上前から様々なアルゴリズムが開発されてきたので、データサイエンスに馴染みのなかった技術者でもプログラミングスキルを身に着ければ、日々の問題解決にそれらの成果をすぐに活用できる環境が整ってきた。
50年前には恐らく数千万円以上の投資が必要だったソフトウェア環境が、個人使用であれば無料で活用できるようになったのは、DXの成果の一つと言える。
このように恵まれたソフトウェア環境のおかげで、生成系AIのブームは一過性で終わらず、現在も進歩し続けている。
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第二次AIブームの時代に研究されたAIは、専門分野の知識をアルゴリズムとしてプログラムに実装して推論を行わせるタイプだった。
そのため、知識の量が膨大になった時に、知識同士で矛盾や一貫性の無さが発生した。これに対し、生成系AIでは、深層学習のアルゴリズムを実装したソフトウェアマシーン(学習機械)へビッグデータを学習させ、それにより生成された判断ルールで動作している。
すなわち、知識そのものをアルゴリズムに実装せず、知識をデータとして読み込む学習により動作しているので、知識の量が膨大になっても矛盾を生じにくい。
ところで、最近の義務教育では、コンピューターのプログラムがアルゴリズムとデータから構成されていることを学習する。科学技術計算用プログラミング言語として知られているFORTRANではデータを静的な扱いとし、動的なアルゴリズムの設計がプログラミングの主要な作業だった。
それから約40年後の第三次AIブームでは、データもアルゴリズムと同様に動的な振る舞いを持つ「オブジェクト」の一つとして扱われるようになった。
すなわち、アルゴリズムもデータも、共に動的なオブジェクトとみなす考え方へソフトウェア技術は進化し、これはFORTRAN時代からの大きなパラダイムシフトである。
1980年代にいくつかのオブジェクト指向プログラミング言語が登場して、それらを活用したソフトウェア開発の過程でデータとアルゴリズムの関係が再検討された。
つまり、マイクロコンピューターの登場以降、ハードウェアの進歩によってDXによる社会変革が進行したが、そのハードウェアを制御するソフトウェアの分野でも、DXによる技術革新が起きていた。
第三次AIブームを支えるソフトウェア技術のキーワードとして、「オブジェクト指向」「深層学習」「データ駆動」の3項目は重要である。
第二次AIブームでは「エージェント指向」と呼ばれるプログラミング技術が登場しているが未完成であり、完成した先端ソフトウェア技術の考え方を日々の業務に取り入れたいのであれば、この3項目について学べばよい。
それらの技術と各技術者の知識やノウハウを組み合わせ、新たなパラダイムを構築すれば技術開発業務をDXできる。そのために、すべての技術者がプログラミングスキルを習得することが望ましい。
義務教育においてもプログラミングが必修科目となったので、現役の技術者がこのスキルを身につけているのは、もはや常識である。
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富山大学の研究で、睡眠が脳にとって未来の記憶の準備に重要という結果が証明された。マウスを使った科学的研究成果だと昨日発表があったが、当方は実体験からそのようなことを知っていた。
今回は当方の経験知が晴れて形式知となったわけであるが、そのほかに記憶を助ける経験知がいくつかある。また、問題解決にはヒューリスティックなアイデアが重要だが、これも睡眠が関わっている、と経験知として持っている。
当方だけの経験知ではなく、昔から「果報は寝て待て」と言われている。良いアイデアを思いつきたいなら良い睡眠をとることが重要である。
一方で、熟睡により昨日暗記したことをすっかり忘れてしまう、という問題があることも経験知として持っている。このように記憶と睡眠に関わる経験知をいくつか持っており、活用してきた。
年をとって記憶力が衰えてきたが、これも回復する方法がある。古い記憶をどんどん頭の中から取り出しておくのである。面白いのは、古い記憶の中には何度でも思い出す内容がある。FDを壊される妨害をうけ、転職した思い出などそうだが、どんどんそれに関連した出来事が思い出されるから不思議である。
それらの中には、ここに書けないようなこともあるが、マネジメントの参考となるようにいずれ工夫して書きたいと思い、記録として残している。
睡眠と記憶には関係がありそうだと50年以上経験知として体系化してきた。授業中に眠ってしまう問題も無駄な抵抗を止めて寝た方が良い。先生に叱られても寝た方が良い。やや、不道徳な知恵だが、寝たい時には寝るのが一番である。
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2006年からの第三次AIブームは、すでに社会実装が始まっているが、デジタルトランスフォーメーション(DX)は、どこまで進むのか。あらゆる分野で変革が進む時代の技術者が生成系AIと対話しているだけでは、その変化に取り残される。AI及びその周辺のソフトウェアスキルまで実務に取り込み、DXの流れに適応する必要がある。
ところで、専門外には難解に見えるAIの技術であるが、基本となっているパラダイムは、知識をどのように表現して取り扱うのかという「知識表現」と、知識を利用するための「推論」から構成され、この大枠の中でAIは開発されている。
この大枠は、知識を活用する問題解決における方法論とほぼ同じなので、AI技術で使われているソフトウェアのパラダイムである「オブジェクト指向」を学べば、これまでの実務経験を土台にして少しの努力で、ソフトウェア技術における考え方をとりあえず習得できる。
過去二回のAIブームで話題となった「逆向きの推論」は、倒叙探偵小説のTV番組「刑事コロンボ」の大ヒットや大学受験参考書に登場するほど社会実装が進んだ。
しかし、オブジェクト指向という概念について、Mac(Apple)やWindows、iPhoneなどのアイコンで馴染んでいながら、そのパラダイムまで理解できているだろうか。
ちなみに、この「オブジェクト指向」とは、オブジェクトの動作や振る舞いの詳細な部分を隠し、別のプログラムで利用する際にはメッセージを送るという概念化されたプログラミング技法で、プログラミングの効率を向上させる画期的手法として知られている。
例えば、開発競争が過熱している生成系AIは、オブジェクト指向のアプローチで開発されている。一つのオブジェクトには深層学習のアルゴリズムが採用されており、データ駆動で動作している。
この深層学習とは、データサイエンスで研究開発が進んだ機械学習の一手法であり、人間の脳の構造を模して作られたニューラルネットワークと同様の動作を行うアルゴリズムで実現されている。
このアルゴリズムは、プログラムの部品、すなわちオブジェクトとして無料公開されており、AIに限らず顔画像の判別や指紋の判別、音声識別などのパターン識別に広く導入されている。
また、データ駆動のソフトウェアとは、データを基に次のアクションを決めるという意思決定動作が特徴のプログラムである。
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表題の痛ましい事故について、犯人の父親の談話が発表された。胸が痛む談話だった。犯人を擁護するつもりはないが、犯人は犯人で大変だったのだろうと思う。
犯人は28歳でもう子供ではない。おそらく、これから犯人像について解析が行われるのだろうが、何か悩みを抱えていた可能性がある。そして、そのはけ口について、今回の事故以外に思い至らなかったのだろうと想像する。
当方のゴム会社の12年は、セクハラ、パワハラの宝庫であり、死にたいとか考えたこともある。いくら前向きに考えているような人物でも、健全な思考も止まるような異常な状況に陥ると一瞬反社会的な、あるいは地獄のような状態へ自ら導くようなことを考える場合も出てくる。
当方は、どんなに悩んでいても苦しくても明るく見えるらしい。むしろ、良いアイデアがひらめいて必死にそれを展開して考えているときに、他人は心配してくれるので困っている。
一番幸せ状態の時に他人から大変な状態とみられるのである。この悩みをご理解いただけないと思うが、人間ならだれでも悩みというものを経験する。孔子だって40にして惑わず、という言葉を残しているので、40になるまで悩んだりしたのだろう。
他人の悩みの相談に乗ると分かるが、誰でも悩んでいるときにはとんでもないことを一瞬考えているようだ。孔子は40でそれが無くなったそうだが、凡人は、いくつになっても死んでしまいたい気になるものである。
しかし、70を越えた今、悩んで死んだと思ってくれる人がどれだけいるのか、と考えたときに不安になる。恐らく寿命で死んだぐらいにしか思われないのではないかと考えると、まず死ぬことがあほらしくなる。
このとき、ふと孔子も同様に感じたのではあるまいか、と気がついた。今のような長寿の時代ではなかったはずで、織田信長の時代でも50歳まで生きることが大変だった時代である。40にして惑わずは、人間として完成していなくても寿命の短い孔子の時代ならば考えることだろう。
孔子でさえも寿命近くの40になるまで、悩みを抱えていたと思う時、この悩みの解消機会の数だけ、不幸な事件に至るのかどうか左右されるのかもしれない。
表題の犯人の父親は、犯人が放射線技師を辞めたことをニュースで知ったという。一方で本人の悩みの相談に乗ろうと努力していたことが述べられている。
当方の悩んだ経験からすれば、周囲から悩みの相談に乗ろうとしても相談者と悩んでいる人物との関係で上手くいかない場合がでてくる。「あなたに相談しても問題は解決しない」と考えてしまう場合である。
大切なのは悩んでいる本人が、悩みを一緒に解決してくれるだろうという人物がいるかどうかにかかっている。新入社員時代に人事部は当方の駆け込み寺の機能となっていた。
高純度SiCの事業を推進しているときに、本部長はじめ役員の方々が悩みの相談者だった。しかし、電気粘性流体の耐久性問題を解決した後に連続して起きた事件の相談者はいなかった。正しくは、相談した誰もが隠蔽化したのである。
同僚でさえも事件を信じられなかったのである。業務の世話をしていた二人の若手は事件の恐怖を知り、転職するような状態になってしまった。
その後当方は妻に相談し、転職を決意している。転職後しばらくして社長室乱入割腹事件という未曽有の事件が起きて、転職して良かった、と思ったりしたのである。会社という閉鎖社会で起きる恐怖は隠蔽化された時に当事者は逃げ場のない恐怖となるのである。
悩んでいる人が、自ら悩みを相談できる人が常にいる社会や職場風土が大切である。ところが最近の社会のキーワードは「自己責任」や「孤立化」である。
(注)今回の事故がやりきれないのは、防ぐことのできた可能性があった、と感じさせる報道がなされている点である。少なくとも犯人の悩みを解消できる環境さえ犯人の周りにあったならば、事故を防ぐことができたのかもしれない。高純度SiCの事業が住友金属工業とのJVとして立ち上がったときに、本部長が交代している。それまで営業活動の指導までしてくださった本部長から、新入社員時代の本部長のような共感性の乏しい方に交代している。FD事件を相談しても、同僚が転職する可能性を相談しても、正しい理解が得られなかった。人事部の同期に相談しても本部長が隠蔽化していては人事部として動きようがないといわれた。まず指導社員となっていた部下が転職した。そして事件の状況を身近で見てきた同僚の転職先が決まったという。当方は慌てて写真会社へ転職している。転職後、当方の仕事を引き継いだ管理職の方の技術相談のため半年以上転職後も時々ゴム会社を訪問している。この頃の証拠として、この管理職から頂いた手紙が残っている。当時を思い出すと、「病んでいる職場」という難しい問題が浮かび上がる。当方が転職後、ゴム会社で世間の経営者を震撼させる大事件が起きているが、新聞も週刊誌も事件の報道以外何故か沈黙していた。今回もそうであるが、事件を起こした犯人が一番悪い。しかし、犯人が仕事を辞めて事件を起こした経緯を知りたい。これは単なる事故ではなく、このような犯人を生み出す問題について解決策を考えなければいけない。
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先日パワハラ自殺した話題が幾つかニュースになっていた。自殺した新入社員とパワハラ上司の関係において、日本カーボンはパワハラ上司に高い人事評価を与えていたのではないかと想像するが、この20年間ニュースでパワハラ問題が報じられても、問題に気がつかないような人材である。
また、2000年頃からセクハラやパワハラの研修が盛んに行われるようになってきた。同時にコーチングの研修も人気である。しかし、今でも電通の事例が話題になるように新入社員あるいは若手の自殺が多い。気づきと学びのできない管理職が多いのだろう。
気になるのは、新入社員への研修である。当方が新入社員の時に受けた研修では、職場の上司にとんでもない人がいたりするので、何かあったら人事部にすぐに相談してくださいと、研修課長の挨拶があった。
この研修課長の言葉を思い出し、当方はホスファゼン変性ポリウレタンフォームの工場試作に成功したのに始末書を書くように言われた問題を人事部長に相談している。
その時、「君は人間リトマス試験紙だ、君のことを悪く言う人は悪人であり、君を評価する人は善人と思って仕事をやれ、始末書を書けと言われているなら、君の思いを込めて始末書を書いてやれ」と激励されている。
そして、燃焼時の熱でセラミックスを生成して高分子を燃えにくくするコンセプトのホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画書を始末書として提出している。
ところが、この始末書の企画書部分が外され表紙だけが人事部に送られた、と人事部の同期から連絡がはいり、途中で外された企画書を改めて人事部に送っている。
そして、新入社員1年目の発表会では、このホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの研究について途中経過を発表した。発表後工場試作に無事成功し実用化されている。
また、この成果は、始末書を書けと言った上司に大変評価されて、上司が活動していた高分子の崩壊と安定化研究会で上司の代わりに発表させられたり、社外セミナーで発表させられたりしている。
40年以上経過し、この時のデータを改めて深層学習で検討させて、その結果を2年前の日本化学会春季年会で発表している。新入社員の小生は、とんでもない上司に出会ったが、人事部長に助けられ、その思い出の数々が社外発表データとともに今でも残っている。
当時の研究について今でも大切に公開されたデータを見直しながら、辛かった思い出を楽しく思い出している。その過程で、社外セミナーの講師をしたときに講師料を上司が着服していたのではないかと疑念を持った。当方は一度もセミナー講師料も出張手当も頂いたことが無かった。学会も含めて年休で参加させられていた。
この上司については、この問題以外にまだまだ組織人としておかしなことがあり、さらにその上司の上司にあたる本部長(注)も今から思い出せば変な人だった。ゴム会社の当方の上司を題材に変な上司セミナーを行ったら、新入社員の研修として役立つかもしれない。
なぜなら、高純度SiCの半導体治工具事業の企画もこのパワハラ上司の時に生まれている。また、人事部から指名されてアメリカ留学となるところを無機材質研究所の留学になるよう調整してくれたのもこの上司である。
この上司の葬儀に参列した理由は、なんやかやと部下の時代にもめ事があったが、ゴム会社で最も仕事の成果を短期間に出すことができた上司である。これは、この上司の無茶苦茶なマネジメントのおかげかもしれないと思う時がある。上司と部下の関係はおかしなものである。
当時は、死にたくなるほどつらい時期もあったが、どなたかが相談に乗ってくれて転職に至っていない。パワハラやセクハラ、モラハラなどあらゆるハラスメントを乗り切った当方の体験談は、新入社員研修として役立つと思っているので、ご依頼ください。12年後には転職した話を組み入れるかどうかはお客様に合わせます。
(注)12年間に本部長は、Y,U,Iと3人だった。YもIも少し変人だった。Yについては、セクハラが女子社員の間で噂されていた。また、就業時間中にゴルフクラブを本部長室で振り回し、蛍光灯を壊している。たまたま廊下を通りかかった小生は、掃除をさせられたが、この話は、人生においてはじめて告白している。しかし、当時秘書の方が当方の易しさを他の女性に話したので、本部長のミスショットもすぐに広まった。本部長とはめったにお話しできなかったが、無機材研へ訪問する時に、役員用のハイヤーの中で気さくな人だと知った。飾らない人だったおかげで悪いことをしてしまった。上司と当方3人で小平から筑波までハイヤーで行くというので、ハイヤーの運転手に、当方が居眠りをするといけないので当方が据わるであろう助手席のヘッドレストを外しておくようにお願いをした。ところが出発するときに、本部長は自ら率先して助手席に座られたので困った。上司は、自分が助手席に座るので後席に座るよう本部長にお願いしたところ、本部長は、助手席が好きだと言って譲らない。仕方が無いので、上司が運転手の後ろに座ったのだが、走り出して本部長が居眠りをしだした。ところがヘッドレストが無いことに上司は気づき、当方にヘッドレストの役目をするように命じてきた。当方はつくばまで本部長の頭を手で支えなければいけなかった。
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