毎日どこかの局で何かグルメ番組をやっている。最近は毎日の食事そのままを番組にしたものまで登場した。このような番組を見ていると、おいしいものの適正価格というものが見えてくる。
美味しいもの、といっても個人で味覚の趣味が異なるので適正価格などないはずだが、食べ歩きの番組を見ていると、視聴者への忖度が入るのか、極端に高価な食事メニューは登場しない。
ラーメンがグルメに入るのかどうか知らないが、おいしいラーメンは大体700円前後である。まれに1000円を越えるものも登場しているが、ラーメンに700円を投じてまずかったら二度とその店にはゆかない、という感覚になる。
家の近所には30店舗程度ラーメン屋があり、そのうち一割程度は毎年消えてゆき新店舗が登場するという新陳代謝が繰り返されている。
開店当初の価格を下げて頑張っている店もある。このような店はお客により値段が決められたようなものだ。
このような状況で450円から1000円程度の範囲で我が家の近所ではラーメンが提供されれているわけだが、やはり価格と味の相関はあるようだ。
ただ、450円のラーメンがまずいかというとそうではない。その逆もあり、750円出してもただ辛いだけ、という残念なラーメンもある。
しかし、これは当方の評価であり、このただ辛いだけのラーメン店にお客の列ができているので、当方の味覚が偏っているのかもしれない。
子供の頃食べた、寿がきやスーちゃんのラーメンがおいしかった、という思い出がある。当時100円台で提供されOLにも評判のラーメンだと新聞に書かれていたので格安グルメの一つだったのだろう。
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居合抜きの昇段で金銭が動いていたという。すなわち最上位の段位がお金で売られていたのだ。ニュースを聞いて驚かなくなった自分に驚いている。
アマチュアボクシングの奈良判定が話題になったときも、あまり驚かなかった。格闘技には八百長が当たり前という感覚があったからだ。アマチュアではあってはならないことだけれども人生経験を積んだ結果「やっぱり」となるところは少し悲しい。
このようなたぐいの問題や事件でこの数年間本当に驚いたのは、STAP細胞の騒動で自殺者が出たことくらいである。実は昨年暮れから今年にかけて起きた品質データの捏造や無資格検査にもそれほど驚いていない。
人間が犬に噛みついたらニュースになるが、犬が人間に噛みついてもニュースにならない、と昔聞いたが、両方ともニュースにならなくなった時代である。しかし、それでも社会に問題提起がニュースの使命のごとく珍しくないことを報じているように見えてしまう。
資格や標準化規格などでお金儲けをしようというのは、今ではビジネスモデルの一形態となり、それがたとえ不適切であったとしても段位で金もうけをしようとする倫理とか道徳とかを考えない人が現れても不思議ではない。
当方は某国立大学の先生に学位を勧められて高純度SiCの速度論データを公開したら勝手に論文を出された上に寄付金を持って来いと言われた経験がある。だから居合抜きの昇段がお金で左右されるぐらいでは驚かない。
このようになってしまった感覚に自分で驚いているのだが、倫理観の基準が見えなくなった時代になったのではないか、と懸念している。
勝手に論文を出した先生は、「君の名前も入れておいたから学位の一論文として使える」と悪いことをしている感覚などなく、学位取得の手助けしたような態度で平然とされていた。
ただし、他の主査の先生から寄付金まで請求されると学位の権威を揺るがす問題となる。お金で学位を買うようなことをしたくなかったので、当方は潔く国立大学での学位取得を辞退している(注)。
その後、国立大学と変わらない学位審査料だけで学位を授与してくださった中部大学に感謝している。フルコースで試験もありびっくりしたが、学位授与式の荘厳さとともに本当に価値ある学位を取得できたと思っている。
段位や資格を取りたい人が、それにどのような価値を求めるかが重要である。学位だろうが、入学資格だろうがお金で自由にできる時代と皆が信じていれば、本当に取得すべき価値ある資格だけが残ってゆく。茶道や華道の師範の資格以外に女子短大の存在すらも危なくなってきた。
(注)本来は勝手に論文を書かれた時点で問題としなければいけなかったが、学位を取得できると言われ我慢した。これが良くなかった。甘く見られたのである。しかし、高純度SiCの速度論データはすべてゴム会社で行われた研究であり、この研究が行われた時に某国立大学など関わっていなかった。ただ上司がせっかくの研究成果だから学位を取ったらどうだ、と勧められ、ゴム会社が奨学寄付金を支払ってくれた。ところが途中で写真会社へ転職したことからおかしなことになった。写真会社からも奨学寄付金を持ってきなさいとなったわけだ。高純度SiCの速度論解析では、2000万円かけて2000℃まで1秒で昇温可能な超高温熱天秤を開発し特許出願を行っている。そしてこの熱天秤でデータを収集しているのだが、すべて当方のアイデアで実験も当方だけが行っていた。論文の筆頭著者の先生は、まったく研究の遂行にはかかわっていなかった。30年前のことだが、学位審査で本来はあってはならないことだ。ゴム会社の退職金もあったので奨学寄附金を支払って無難に某国立大学から学位を取得する選択もあったが、なぜか惨めな気持ちになった。研究まで献上し、審査料以上の金を払って取得した学位がどのような意味なのか考えると空しくなった。居合抜で高額な金を払って取得した段位を恥ずかしいとは考えなかったのだろうか。
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中国のお客様から肝油ドロップを買ってきてほしい、と依頼を受けたが、送ってきた商品の写真と同じ製品が近所の薬局で見つからない。
いろいろと探していたら、ある薬局で、商品写真は偽物だと指摘された。本物はこのホームページに記載されているような写真の製品だけだ、と教えられた。
肝油ドロップは子供の頃飲まされたが、わが子には与えたことが無い。50年以上忘れていた商品である。ホームページの説明によると、現在販売されている本物の製品には肝油が入っておらず、単なるビタミン剤だという。
肝油が入っていないのに肝油ゼリーと名付けて販売しているのも怪しいが、その怪しい商品のさらに多くの偽物が出ているということでこの肝油ドロップというものについて少し調べてみた。
詳細はインターネットでご覧いただけばかなりの情報が出ているので、ここであえて書かないが、明治大正昭和の日本の子供たちは全員このお世話になったようだ。
本家本元の製品には肝油が使われていないが、販路だけは昔ながらの販路を使っているようだ。一粒10円ほどの栄養補助食品は、他の類似品に比較すれば安い。
それを現在でも幼稚園で販売しているだけだが、品薄状態だという。その結果、偽物が出回ることになる。偽物には本物の肝油が使われており、少し味が悪いが、昔懐かしい肝油の味である。
本物には肝油が使われていなくて、パッケージがよく似た偽物には肝油が使われているという。両方とも肝油を名乗っているので、肝油ドロップという商品はややこしい。
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オーディオ再生装置は1970年代から急速の進歩を遂げたように思う。1960年代のショールームで聞いた30万円程度の再生装置は、今ならば3万円前後で手に入る。貨幣価値を考えるとこの分野における技術の進歩のすさまじさを理解できる。
大学生の時にアルバイトをして貯めたお金を50万円ほど使い、当時としては十分に満足できるオーディオ環境を手に入れた。たまたま勉強部屋を改築し、二階建にするというので、自分の部屋をオーディオルームとしてデザインすることができた。
天井を斜めに設計した部屋は定在波の発生が無く、街のショールームより快適に音楽を楽しむことができた。スピーカーはパイオニア製で30cmウーファーの搭載された3ウェイ構成で、ツイーターはマルチセルホーンツイーターという高級構成だったので、音の広がり感や再生帯域は十分であり、現在購入可能な30万円前後のオーディオ再生装置と比較しても遜色の無い環境だった。
当時購入したレコードプレーヤーはDENONのDDプレーヤーで、なんとこのプレーヤーは現在も快適に動作する(注)。40年近く安定に動作しているのは驚異的である。ただしカートリッジは5年前買い替えたオウトテクニカ製がついている。
当時の環境が標準となり、アンプやらテープレコーダーなど周辺装置を買い替えながら現在に至るが、スピーカーについてオーディオ誌に書かれている評価はいい加減だと思っている。
確かにB&Wのスピーカーを安価な価格帯から100万円を超える価格帯まで聞き比べると価格の違いを味わうことができる。しかしだからと言って100万円を越えるスピーカーを欲しいとは思わない。それらしく聞こえる100万円のスピーカーが必ずしも自分の好みの音ではないからである。
これまでの経験から100万円をこえるスピーカーを用いた再生装置が自分にとって完璧とは思えないのだ。日常聞いている音に近い音を奏でてくれる再生装置が最良である。
それは昔、同じレコードでも再生装置の違いで感動が異なることにびっくりして、大枚はたいて購入したオーディオ装置の音だった。
耳はその時以上に進化していない。むしろ悪くなる一方だが、青春の思い出は耳の奥に残っている。この年齢で音楽を聴くには自分の好きな音が一番良い。
(注)ちなみにソニー製電子チューナーも、一度故障したかに見えたが、今でも動作している。レコードプレーヤーとチューナーは当時の製品を使い続けているが、いつまで使えるのか楽しみである。スピーカーは20年ほど前まで使用していたが、ガリがでたり、ウーファーの痛みが激しくなったので買い替えた。アンプは4代目である。CDプレーヤーは3代目、テープデッキは5代目であり、テープデッキが最も壊れやすい機械だった。いずれもヘッドがすり減ってダメになった。今デジタルでHDから音楽を聴けるので摩耗する部分も無くいつまでもよい音だが、たまにレコードを聴くとデジタルで失われた部分があるように感じる。しかしデジタルの便利さを味わうと毎日アナログを聴く気にはなれない。クリックするだけでジャズが流れてくる環境には40年の技術の進歩を感じる。
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1960年代にオーディオという趣味が誕生したように記憶している。高校生の時にクラスメートがベルリオーズの鎮魂歌というLPとともに名鉄電車に飛び込んだ。思春期の出来事であり、大変ショックだった。
フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのポリマーアロイを前駆体に用いた高純度SiCの事業を住友金属工業とJVとして立ち上げていた時にFDを壊された精神的ショックも大きかったが、この事業が現在もゴム会社で継続されていることを聞き少しは癒される。
しかし、思春期における身近な友人の自殺という精神的ショックは、成人してから受けるそれと少し異なる傷跡を残す。なぜLPとともに死への旅たちを選んだのか、およそ音楽には興味のなかった当方だが、この出来事でオーディオの趣味の世界に入り込んだ。
入り込んだ、と言っても、オーディオを趣味としているような人たちと異なり、音楽を聴くときの手段としてのオーディオであり、音楽を聴くことに力点がある。当時ソニーのトランジスターラジオIC11という商品がハイファイ再生に力を入れた製品として、値段も手ごろで若者に人気だった。
クラスメートの死がきっかけとなりこのラジオを買うことになり、家にあったレコードプレーヤーへこのラジオをスピーカー代わりにつないで鎮魂歌を聞いてみた。レコードプレーヤーのスピーカーよりも明瞭な音にびっくりしたが、いわゆる大きな感動は無かった。
栄町にあったオーディオのショールームにレコードを持ち込みかけてもらったところ、鳥肌が立った感動を今も忘れていない。クラスメートは恐らくこの音を聞いていたに違いない、と当時思った。再生装置の違いで同じレコードでも感動が異なったのだ。
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ポリエチルシリケートとフェノール樹脂を反応させて高純度SiCを合成するパイロッットプラントの開発では、化学工学の専門家は一人も携わらなかった。
外部の設備メーカーと協力しながら、異形プッシャー炉を開発し、これを特許出願している。この時、それぞれの会社の技術者は、電気工学と合成化学、無機材料化学、機械工学出身で、化学工学について学んだ人は一人もいなかった。
異形プッシャー炉のアイデアを提案したのは当方で、図面を書いたのは機械工学の専門家である。電気工学の専門家は、自動化のために必要なセンサー類の配置など当方と打ち合わせながら、その図面に書き入れていった。
このとき当方は、シーケンスについて学び、今でも電気回路図を読み取ることが可能である。自宅の電気配線など街の電気屋よりも読み取るのは早い。
豊川へ単身赴任しカオス混合プロセスのプラントをたった3ケ月で立ち上げているが、これはヤミで根津の中小企業と3ケ月中古機械を分解しながら勉強した成果である。
その中小企業も二軸混練機の自動化プロセスは初めての経験で土日喧々諤々の議論をしながら図面を書いていった。図面については当方が手書きで書いたものを機械工学が専門の電気担当が器用にシーケンスまでも書き入れていた。
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「去年までは毎日最後に、1500人の踊り手がおどる「総踊り」がフィナーレとなる名物だったが、今年は突如、中止になった。
このために毎年、初日は桟敷席はどこも満席となるのだが、今年は空席も見られた。総踊りが中止になった理由は、これまで報じられているように徳島市の遠藤良彰市長と阿波おどりの有名連(阿波おどり振興協会等に加盟する阿波踊り連33連のこと。卓越した技量を披露するこれらの連は、前夜祭や選抜阿波おどり大会などの大型イベントへ参加)をたばねる、阿波おどり振興協会が対立したためだ。
そして総踊りが中止となったため、有名連が分散。4つの演舞場で踊る形に変更されたのだ。」以上はAERAのWEB版からの引用である。
昨年まで阿波踊りは阿波おどり振興協会と地元新聞社が中心となって運営されてきたが、今年から徳島市と地元新聞社が運営することになった。
この運営問題は急に出てきたわけでなく、数年前からローカルニュースで運営問題について報じられていた。インターネットの時代であり、当方はこのニュースを見つけるたびに心配していたが、とうとう今年大きな問題となった。
そもそも中止の理由そのものが「アホ」な理由である。すなわち、演舞場に均等に客を入れるためだという。総踊りが無くなった日曜日その思惑は外れ、予定よりも客の入りが少なかった。
当たり前である。観光客は総踊りを見に来ているのだ。約10%ダウンの客の入りは少ないダウン率だと思う。市長のお粗末なアイデアのために地元市民との間に亀裂もできてしまった。
振興協会が市長の中止命令に反発し、総踊りを決行すると発表された昨晩は、その成り行きが心配でyoutubeのライブを見ていた。日曜日同様に総踊りが始まる10時までの各演舞場には空席が目立った。
昨晩は毎年総踊りが開催される演舞場ではなく、外の商店街で総踊りが行われるためらしいが、この状況を見る限り、市長は阿波踊りや市民のことがまったくわかってなかったようだ。
夜10時になると、総踊りが振興協会の計画通り商店街で始まり、会場は例年通りの活況を呈しお祭り騒ぎになった。そもそもお祭りは市民の文化であって、市長の独断で中止できるものではない。
以下は本日のヤフーニュースからの引用だが、「踊る阿呆に、中止求める阿呆な市長、それを眺める阿呆な野次馬、同じ阿呆ならおどりゃなソンソン」という状況である。総踊りを中止するのではなく、運営そのものに知恵を絞るのが市長の役目である。弊社へご相談いただければ売り上げ倍増の運営方法をご教示します。
「遠藤市長は総踊りの実施を受け、「再三にわたり実施しないよう求めておりましたが、それを無視して行われたことは誠に遺憾。今後の対応については、実行委で十分協議したい」とするコメントを発表した。」
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20世紀はまさに科学の時代と呼んでもよいような、科学が技術を牽引した時代である。しかし、素粒子論の状況や固体物理の動向を見ても科学が完成の域に達したように感じる。
但し、それは従来の学校教育の視点からの見方であって、少し視点を変えると科学の処女地とも呼べる広大な世界が存在する。
ジジイと呼ばれてもよいような年齢なので、そこへ飛び出そうとは思わないが、望遠鏡でのぞいては、技術ネタを探している。起業してからすでに一つそれを見つけ、わけのわからない技術を生み出すことができた。
高分子物理は、従来の科学知識だけでは手におえない分野だと思っている。統計熱力学がかなり昔から研究されているが、その成果は高分子物理の世界でまだ実力を十分に発揮できていない。
生命科学分野は、少しづつ進歩しているが、20世紀の材料科学における進歩のスピードにはまだ追いついていない。これらの理由は簡単である。新しいコンセプトにより創り出さなければいけない科学の研究領域の情報が全くないからだ。
このような話は、どうしても雲をつかむような話であり抽象的になる。具体的に語ることができた瞬間に科学の新領域が誕生する。若い人は今学校で学んでいる知識を少し疑ってみることをお勧めする。
大学の先生の中には、すべてわかっているような講義をされる方が多いが、例えば高分子の世界については、わかったように話してはいけない知識が多い。単純に思えるTgでさえ満足な説明が難しい。
高分子の非晶質状態は無機材料のそれよりも大変複雑であり、そのため無機材料のTgと高分子材料のそれとは少し意味が異なる。これを当方が体感できるのは、セラミックスや金属の研究を若いときにしていたからだ。
学生時代に研究分野を変えなければいけない不運が今にして思えば幸運だった。個性的な先生に指導されたり、高純度SiCの発明をゴム会社で躊躇なく推進できたり。専門がわからない状態は、研究者としては三流になってしまうが技術者として便利なキャリアである。
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週刊誌を読んでみたが、おそらくご本人は全く罪の意識などなかっただろうと思われる。ただセクハラというものが、相手がアウトと言ったらアウトになるハラスメントなので男性諸氏は注意する必要がある。
ここでオジサン連中はよく学んでほしい。酒の席と言えども軽々な発言が許されない時代になったことを知ってほしい。仕事上で酒を飲むときには、その時も仕事をしている心構えが必要である。
また冗談もその内容をよく吟味して言わなければいけない。昔ゴム会社のある役員が大甘な企画を説明した主任研究員に対して「女子学生より甘い」と叱責したが、これもアウトである。
40年ほど前は、ありとあらゆるハラスメントが横行していた。しかしそれらのハラスメントについて怒りよりも懐かしさとして思い出されるのが不思議である。
ホスファゼン変性ポリウレタンホームの工場試作の成功で始末書を書かされた時の上司の指導態度は、明らかにパワハラである。何度も書き直しを命じられた。
反省していないと思われたのかもしれないが、新入社員発表の企画を自分で立案し、それが認められたので頑張ったところ、あれよあれよと思う間に工場試作までやってしまったのだ。
ただ工場試作が駆け出しの新入社員の社内調整でできるわけのないことは誰もが知っていたので、始末書もその責任者が書くべき、とどうしても顔に出てきてしまった。
何を反省したらよいのかもわからなかったので、始末書へホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画を書き、難燃剤コストがkg単価250円以下になりそうな企画ですと提出したら、そのまま受け取ってくれた。
新入社員発表会では、代表でプレゼンを行った当方は張り付け状態になった。たった1ケ月半の研修で作り上げた軽量タイヤを商品のように説明し、CTOから「大馬鹿モン」と叱られたのだ。その後、延々と続いた説教から技術とはどういうものかを学んだ。
しかし、これは今から考えればものすごいパワハラだった。当時の人事部長が心配されて、当方はじめ発表に携わったメンバーを集めて「君たちに言ったのではないから心配しなくてもよい」と慰めてくださったが、人事部長が心配されるほどの強烈なパワーだったのだ。
パワハラを容認すると誤解されては困るが、この時の体験で全員学生気分が抜けて職場で即戦力の技術者として活躍している。職場に雨霰のように降り注いでいたパワハラにも耐性ができていた。当方もホスファゼン変性ポリウレタンの工場試作における始末書程度で腐らなかった。
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「「石の上にも3年」という発想は、今の若手社員にとって、過去のものになりつつあるのかもしれない。
直近の有効求人倍率が44年ぶりの高水準を記録するなど、高度成長期以来ともいえる売り手市場だ。「成長できない」「同じ仕事の繰り返し」と感じた若手は、躊躇なく退社という道を選び、転職市場へ飛び出す。」
以上はビジネスインサイダー8月10日の記事から抜粋した内容である。一方でトーマツイノベーションによる下記の記事も存在する。
「トーマツ イノベーション株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 眞﨑大輔)は2014年度から、新入社員を対象とした調査を毎年実施しています。キャリアに対する意識が年々変化する中、今年度の調査では、就社意識がますます低下していること、ワークライフバランスを重視する傾向が高まっていること、専門家を志望する新入社員が多い中、キャリアがはっきりしない新入社員も引き続き一定数いることが明らかになりました。このことから、新入社員に長く勤めて活躍してもらうためには、①仕事の醍醐味を伝えて自社で働き続けることの魅力を感じてもらう、②ワークライフバランスを保てる職場環境をつくりつつ、生産性を高める必要性を理解してもらうことが重要だといえます。」
これらの記事を読むと、昔ながらのがむしゃらに働きたいタイプとテキトーにワークライフバランスランスというタイプ、あるいは専門家を目指したいタイプなど多様化しているようで、早期に転職する理由もさまざまであることがわかる。
当方はがむしゃらで働くタイプとして新入社員をスタートし、社歴が2-3年なのに高純度SiCの事業企画を何とか実現しようと奮闘努力した経験がある。
当時は今ほど社会の意識が進んでおらず抵抗勢力の圧力のためポリエチルシリケートとフェノール樹脂とのリアクティブブレンド技術の研究を闇研として進めるが、住友金属工業とのJV立ち上げ後FDを壊されるなどの妨害を受け、事業が存続する状態になったのを確認し転職している。
下積みレス願望の若者にアドバイスしたい。日本の組織社会において早期に能力発揮し頑張るためには抵抗勢力の業務妨害を覚悟して臨め、ということだ。そして、どのように行動したら周囲のサポートを得られるのか考える習慣をつけることだ。
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