昨年雑誌の付録についていたマークオーディオ製スピーカーユニットを音工房Zから購入したボックスキットに組みいれて1年間使用してきた。
低域がやや不満だが、中高域のすばらしさで満足している。2セット組み立てたのでそれを直列接続でつなぎ、音出しをしてびっくりした。8cmスピーカーの低域に思えない量感になった。
インピーダンス4Ωのスピーカーなので直列つなぎでは、さらにボリュームを上げることもできたが、いつものボリュームのポジションで音出ししたところ、低域が増強されて聞こえるようになった。
2台動作させているのだが、音は二倍にならず、低域だけが持ち上がったような聞こえかたをしている。だからあたかも20-25cm程度の口径のスピーカーで聞いているような錯覚になる。
世の中デジタル化が進展している時代にスピーカーだけは、未だにアナログである。さらに必ずしも高価なスピーカーの音が、忠実な原音再生をしているとは限らない。
老化で当方の耳も劣化してきているので高級スピーカーなど不要と思うが、それでもこの安価なスピーカーは良い音である。
良い音を鑑賞しながら、ふと疑問がわいた。なぜ低域の量感が増えたのだろう、とか、二台駆動しているのに音量は二倍になっていない、とかである。
現象から推定されることは、二つのスピーカーを直列接続すると中高域の音量が下がる可能性である。これは、かつてオーディオブームの時にうわさされていた現象である。
このような噂ならネットに出ているかもしれないと思って調べてみたが、期待通りの情報を得ることができなかった。
情報の時代と言われているが、すでに価値のなくなったくず情報でも出ていない現実を知った。
実は最近の情報過多の時代に、転がっていそうな情報でも入手できないような情報が存在することに気がついた。
ブリードアウトについても意外にもネットに情報が無かったので未来技術研究所に説明を書いておいたが、この説明をもとに問い合わせてくださる方もいる。
もし、社会的ニーズがあるならば、土曜日にでも材料技術に関する3時間程度のミニセミナーを事務所で開催してみようと思っている。
手始めに、高分子の基礎を学びなおしたい人を対象にしたセミナーの希望者がいたら、土曜の希望日と参加費を弊社に連絡していただきたい。
当方の空いている時間に行うセミナーなので、安価に行いたいが、無料では知識に価値が無いと思われてしまうので参加費を聴講者に尋ねている。
土曜日限定なので会社の出張にできないとか、いう悩みに関しては、それなりの手続きができる書類を発行させていただきます。社会貢献を目標の試みである。
カテゴリー : 未分類
pagetop
シリカゾルをミセルとして用いるアイデアを実用化したのは1993年である。また、金属酸化物ゾルをミセルとして用いる科学論文が初めて発表されたのは2002年である。
科学よりも技術が先を行っていたのだが、この技術コンセプトは、ドラッカーの問題解決法の成果ともいえる。
1991年に写真会社へ転職した。この時コアシェルラテックスが学会でも話題になっていた。ライバル会社の優れた技術であり、転職した写真会社でもこの技術について特許抜け技術がテーマに設定されていた。
このコアシェルラテックスは、ゼラチンの高靭性化技術の決定版として捉えられていた。
すなわち、ゼラチンを改質するときに、シリカゾルとラテックスを用いるのだが、シリカゾルとラテックスを混合した時に、どうしてもシリカゾルの凝集がわずかに生じる。
ゆえに、コアシェルラテックスにしてしまえば、ラテックスとシリカゾルを混合するプロセスや、そのプロセスでシリカゾルが凝集するのを防ぐことができる。
ただし、この技術には欠点があった。すなわちシリカゾルをゼラチンに添加するのは、ゼラチンの硬度を上げるためだが、ラテックスで包んだためにその補強効果が下がってしまう。
だから、コアシェルラテックスはゼラチンの高靭性化手段の決定版ではないのだが、このような技術が提示されるとそれを越えるアイデアを考え出すのが難しくなる。
このような場合にどうするのか。いったん目の前の解を忘れ、本来の「あるべき姿」を真摯に考えることが重要である。
当方はホワイトボードにそのあるべき姿の図を描いたところ、担当者の一人が、すでにできていた、と叫んだ。これが昨日書いた実際の現場の姿である。
目の前の問題について、「あるべき姿」と現実との乖離を明らかにし、あらためて正しい問題を考える、これはコーチングに有効である。
カテゴリー : 一般 高分子
pagetop
目の前に問題がある時に、その問題の解決策を考えようとするが、ドラッカーはその姿勢に問題があると指摘している。
必ずしも目の前に見えている問題が、正しい問題とは限らないからだ。そこで、まず正しい問題を考えることから開始せよ、とドラッカーは教えてくれる。
このドラッカーの教えは、科学でいえば、目の前の問題に対して仮説を立案せよ、に相当するのかと言えば、全く違うのだ。
まず、問題そのものを探せと言っている。これが慣れないと結構難しい。また、解が一つ出ている場合には、もうだめだ。
その解が唯一という呪縛から逃れられないだけでなく、その解が他の問題の解でもあることに気がつかない。それは研究開発シーンで部下を指導した時にも実感している。
例えば、ゼラチンの改質にコアシェルラテックスを使用するアイデアがライバル会社から特許として多数出願されていた。
ゼラチンの脆さを改善するために、シリカゾルとラテックスとを併用するのだが、シリカゾルへラテックスを添加した時にシリカゾルの凝集が生じる問題があった。この問題を解決するためにコアシェルラテックス技術が生まれている。
確かにシリカゾルをラテックスで包んでしまえば、シリカゾルの凝集は絶対に起きない。これは、シリカゾルが凝集するという問題を考えた回答である。
ただし、この回答には一つ欠点があり、ラテックスでシリカゾルを包んだ結果、シリカの補強効果が少し落ちるのだ。すなわちシリカゾルを多めに添加する必要があった。
そもそもシリカゾルとラテックスが別々に添加されるプロセスが問題として捉えると、すこし対策が変わってくる。すなわち最初から、シリカゾルとラテックスが共存したコロイドをゼラチンの改質に使えばよいことになる。
この問題を提案した時に、ゼラチンとシリカゾルラテックス共存コロイドとを混ぜたときに、シリカゾルの凝集が起きるかもしれないから、やはりコアシェルラテックスの方が良い、という意見が多数出てきた。
シリカゾルの凝集問題ばかり考えているから、コアシェルラテックスが、シリカゾルとラテックスを別々に添加している問題を解決した一つの答え、という視点がなかなかできない。
すなわち、コアシェルラテックスという解がシリカゾルの凝集問題ではなく、プロセス問題を解いた解という見方がなかなかできず、コアシェルラテックスから離れられない。
新たな視点で問題をとらえなおすことは、科学の仮説設定よりも難しいのか、といえばそうではない。慣れれば簡単である。ただし、慣れるまでにはあるコツが必要だ。弊社の研究開発必勝法ではそのコツを公開している。
カテゴリー : 一般
pagetop
バブル崩壊後の日本の状況は、GDPに現れているように、停滞状態と言ってよいような状況だ。
しかし、国内企業の生き残りのための努力は凄まじいものがあり、30年前と比較すると大きく変貌した企業とそれほどの変化のない企業に分かれた。
世界は、と言えば、香港のデモを見ると驚くのだが、中国の変貌ぶりである。天安門事件について、未だに記憶として残っているだけに不思議さにも見えてくる。
一方、ロシアは、エリツインの登場で大きく変わるかと思ったら、ソ連に逆戻りしているように見えたりする。
少なくとも北方領土の扱いを見る限り、ソ連の覇権主義を思い出させる。日韓関係では、まるで強引に時計の針を逆戻りさせようとする力を感じる。
このような流れの中では正しい問題を見失いがちである。少なくとも30年前に比較して日本が危ない状況にあることは確かだ。
領土問題では、北方領土だけでなく竹島も奪われようとしている。「日本の領土竹島を韓国が不正に占拠している」という事実を「竹島に韓国軍が常駐している」という事実の記述では、認識の違いが生まれる。
旧民主党系の方々は、後者の認識のようである。認識の違いは誤った問題を解くことにつながる、とはドラッカーの言葉である。
今、日韓関係が最悪の事態になっている、という認識は皆同じだが、その認識から生まれる問題設定は様々で、注意をしていないと日本という国がおかしくなる。
「戦争をして取り返す」と言っている若い国会議員は、憲法を理解していないと思われるが、事実の認識としてはそのような結論が導かれてもよいような問題であり、世界の動きである。
戦争をしないで取り返すにはどうしたらよいのか、これ自体さえ世界の潮流を見ると答えが出てこない。
根気よく戦争を避けた手続きを積み上げるより方法が無い、ということだけは共通認識として持ちたい。戦争をさけるという条件設定ができるためには正しい歴史を学ぶ必要がある。
カテゴリー : 一般
pagetop
8月31日〆の請求書について、請求書が9月4日発行の日付で届いた。8月31日に3件支払いの手続きをしたのだが、1社だけ請求書が再発行されて届いている。1社は受領書が届いた。1社は受領書の発行のない会社である。
8月31日は土曜日で、銀行の営業日ではない。おそらくお金の引き落としが9月2日になったため、請求書が再発行されたのだろう。
しかし、その請求書の再発行日が9月4日というのは間抜けである。9月2日に引き落としになっているはずなので、その支払いを確認していません、と言っているようなものだ。
さらに、このような請求書の再発行では、「すでにお支払いのお客様にはお詫びします」とかなんとか再発行のお詫びが一言書かれているが、この会社は高飛車で、その一言も書いていない。
おそらく、お客様第一の会社ではないのだろう。業界でトップメーカーで盤石な事業をしている思い上がりかと思ったら、そのような会社ではない。むしろ慎重な活動をしなければ市場を失うようなポジション4番手のメーカーである。
もっとお客様にきめ細かく対応しなければいけない会社である。BtoCの事業をやめてBtoBに事業モデルを変えると、何年か前に言っていたのを思い出した。
BtoBならばこのような不遜な請求書が許されると思っていたら顧客は逃げる。会社相手でも請求書を見るのは人間である。その会社の経理担当者だ。
カテゴリー : 一般
pagetop
1493年にコロンブスによるインディアンラバーが発見されている。いつ頃か不明だが二本ロールでゴムを練ることは行われてきたらしい。
1839年にグッドイヤーによる加硫ゴムの発明以降加硫剤のブレンドのためにゴム練り機の改良がなされた。
1909年にダンロップにより加硫促進剤が発明され、1916年にはバンバリーによりバンバリーミキサーが開発された。
タイヤに用いられる高性能な加硫ゴムについて基本的な混練プロセスは、今日に至るまでバンバリーミキサーによるノンプロ練り(プロ練り前に行う練り)と二本ロールによるプロ練り(コンパウンドとして仕上がる練り)から組み立てられている。
1980年ごろから生産性の向上を目的として連続式混練機の導入が検討されてきたが、高性能加硫ゴムについては、すでに述べたようにバンバリーと二本ロールの組み合わせによるバッチプロセスが今でも使われている。
ちなみに、熱可塑性樹脂では、高分子同士のブレンドよりも一次構造の設計が優先されて様々な熱可塑性樹脂が開発されてきた歴史がある。
ゆえに、混練技術に期待されたのは顔料程度の添加剤さえ分散できればよかったので単軸押出機を中心に連続式混練機で混練する技術が発展してきた。
熱可塑性樹脂でポリマーブレンドが広く注目されたのは、1954年にU.S.Rubber社によるABS樹脂の事業化以降である。
そして、押出機の性能向上と同時に1980年頃から二軸混練機という呼び名も一般的になってきた。本書では特に断らない限り、混練に使用する押出機はすべて混練機という呼び名を使用している。
ポリマーブレンドで一般に用いられている二軸混練機でもその呼び名に決まりは無いので、二軸押出機という呼び名ですべて統一している技術者もいる。
連続式混練機の混練能力が低かった1970年頃までならば、それでも良かったが、最近では高性能な混練技術も登場してきたので、混練目的に使われる装置は押出機ではなく混練機と呼び区別すべきだろう。
カテゴリー : 高分子
pagetop
高分子同士のブレンドでは、Flory-Huggins理論の限界を理解できると高分子物性改良手段としてそこに多くを期待できないと、悲観的になるかもしれない。
それにもかかわらず、ゴムの分野では古くからポリマーブレンドの手法が採用されてきた。
ゴム技術者の全員が楽観主義者で根性の塊だったわけではなく、バンバリーとロール練りの組み合わせによるバッチプロセスを採用していた点に着目する必要がある。
特にロール練では、連続式混練機のように練り時間に制約はない。またロールの操作方法により伝説として伝えられていたカオス混合を積極的に活かすこともできる。
混練の歴史において、ゴムの練りを初めてロールで行った技術者はノーベル賞に値するのではないかとさえ思っている。
バンバリーとロールの組み合わせによるバッチプロセスは、ゴムの分野で独自の発展をしており、そのプロセスが経済的ではなくても高性能のゴムのコンパウンドを製造するためにタイヤ業界では、現在でも使われている。
カテゴリー : 高分子
pagetop
SP値のところで指摘したが、モノマーの性質だけから混合状態を判断するのは危険である。実際にSP値が既知の溶媒に高分子を溶解してみて判断するのがよい。また、経験知として分子間相互作用を期待できるならば混ざる、と安易に考えない方が良い。
例えば、障子のノリとして使われるポリビニルアルコールに水素結合をしそうな他の高分子を混ぜて均一なポリマーアロイを製造しよう、と考えると失敗する。
ポリビニルアルコール同士の強固な水素結合を壊してまでも他の高分子が混ざろうとしないからである。これは、PVAを用いた障子のノリで容易に確認できる。水で希釈することは可能だが、ご飯粒を分散しようとしても、うまく分散してゆかない。昔は、障子を張り替えている途中でノリが少なくなると飯粒を混ぜてその場を乗り切ることができたが、PVAのノリでは、きれいに飯粒が分散しない。
すなわち、異なる高分子同士を混ぜ高機能な材料を創り出すことは基本的に難しいことだと思っておいた方が安全である。何も考えず試しにやってみよう、と混練してみてもよい実験結果の得られない確率が高い。
異なる高分子同士をブレンドする必要があるときには、コンセプトに基づく材料設計とそこから新しい現象を汲み取る努力あるいは意気込み、気合のような、形式知とはなじめない要素が重要になってくる。
混練は技術のカテゴリーだが、温故知新とか不易流行といった故人の精神に馴染んでおく習慣も、形式知だけでは対応できない混練分野で開発に成功するためには大切なことである。
K(勘)K(経験)D(度胸)を否定しないが、勘が閃いたなら温故知新を実践すると混練分野では技術開発に成功する確率が高くなる。勘や度胸が無くても温故知新は誰でも理解できる。
すなわち、高分子のブレンドについて文献情報が多く公開されているので、それを利用するとよい。過去の情報活用は誰にでもできる成功確率が高い取り組み方法である。
カテゴリー : 高分子
pagetop
フローリー・ハギンズ式の変形などは省略しているので、関心のある方は、該当する専門書を読んでいただきたい。
しかし、ここで伝えたいのは、Flory-Huggins理論というものが、格子モデルに基づいており、Flory-Hugginsパラメーターχが、エンタルピー項とエントロピー項の和になっている点を式から読み取っていただきたい。
また、二次元の格子モデルから導かれているので、混合物においてコンフォメーション分布の変化を考えていないことや、二成分混合系においてモノマー単位の相互作用変化は、A鎖、B鎖のすべての単位に対して一定値の平均場の変化として捉えていることに注意する必要がある。
これは、混練プロセスで発生する現象としてありえないことである。しかし、現在のところ二成分の高分子混合系に関する状態変化の形式知については、混練で起きる現象と合っていなくても、この理論に頼らざるを得ない。
χについて知っておくべきことをまとめると、先ほど述べたエンタルピー項とエントロピー項の和になっている、といった重要ポイント以外に
(1)1/Tと相関する、
(2)混合の必要条件はGibbs自由エネルギーが減少すること、
(3)正の値の時には非相溶となる、
(4)負の場合にだけ混合する、
(5)溶解度パラメータ、δ1、δ2で表すと
χ12=(Vr/RT)(δ1ーδ2)2 Vr:モノマーのモル体積
といった点である
以上はFlory-Huggins式の概略であるが、この式はかなり大胆な仮定の上に成り立っている式であることを忘れてはいけない。混練を考えるときには、χの本質が自由エネルギーであることを覚えているだけでもよいような形式知である。
カテゴリー : 高分子
pagetop
下記要領でプラスチック,「フィルムにおける「帯電防止」技術および
表面の電気的特性やブリードのコントロール」という講演会が技術情報協会主催で開催されます。
先日開催されました情報通信の講演会は好評でしたので、9月10日にも5Gの話題を少し触れる予定です。
記
1.日時 2019年9月10日 10:00-17:00
2.場所 東京・五反田]日幸五反田ビル8F 技術情報協会セミナールーム
3.料金 弊社へお問い合わせください。割引料金となります。
4.講師 1部 当方
2部 名古屋産業科学研究所 上席研究員 博士(工学) 小長谷 重次 氏
カテゴリー : 学会講習会情報 宣伝 電気/電子材料 高分子
pagetop