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2024.02/07 データサイエンスのスキル(1)

データサイエンスのスキルは、早めに獲得したほうが良い。今の時代であれば、これは技術者だけでなく文系の知識労働者も皆に当てはまる。老人も趣味として遊ぶのも良いかもしれない。当方は時間があれば遊んでいる。


データサイエンスを何に活用するのか、思い浮かばない人は多いと思われる。それは、当方がゴム会社でデータサイエンスで問題解決していても遊んでいるようにしか見てもらえなかったことからも理解できる。


日々の研究で問題解決して成果を出しても、データサイエンスがいかなるものなのかわからない人は、それでどうなんだ、という質問が必ず出てくる。


人事部が力を入れていた統計手法の研修に1年通った。一人50万円の費用が掛かっており、修了賞をもらえなかった場合には、1年かけて受講料が給与天引きされるルールだった。だから、皆一生懸命学習していた。


ところが実験計画法をせっかく習っても、それを使った実験で最適条件がよく外れる。最適条件が外れると研究所のメンバーは大笑いする、という繰り返しの中で、相関係数を外側に配置すると最適条件を得やすいことに気がついた。


この手法を思いついてから、実験計画法で最適条件を外したことが無い。高純度SiCをカーボン助剤だけでHP焼結する条件もこれで求めている。これでどうしてうまく最適条件を求めることができるのかは、タグチメソッドと同じ原理である。Pythonで理解するタグチメソッドセミナーで説明します。

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2024.02/06 コンピューター

1979年ゴム会社に入社したが、ゴム会社は二つの文化(二つの問題解決法)が共存する会社だった。タイヤ関係の部門は先進的で柔軟な考え方の優れた管理職が多かったが、研究所は科学の哲学で固まった管理職ばかりだった。


タイヤ関係の仕事はKKDだと研究所では馬鹿にしていたが、当方は、その研究所のメンバーがバカにしていた組織から大変多くのことを学んだだけでなく、今の時代を生きていて、本当に良かったと思える風土だった。来年就職活動をする学生に一推しできる企業であるが、タイヤ開発を希望するようにアドバイスしたい。


なぜなら、プレゼンテーションの内容も学会のような研究所に較べると多士済々生活感のあるプレゼンテーションで役に立ったからである。大学では習わない典型的なQC手法の発表が多かったが、研究所がKKDとバカにする理由がわかるような発表が役に立ったのである。


仮説を立てて実験を行い、現象に潜む謎に挑む姿は、確かに素晴らしいが、それが否定証明になったなら何をやっているのかわからない。当方にはKKDであってもモノができる発表の方が、企業では否定証明よりも優れていると思っている。経営者は、この点に配慮しMOTをしなければ、研究所の運営がおかしくなる。


世界一のタイヤ会社の技術を支える技術者集団をKKD集団とバカにしてはいけない。眼力によりヒューリスティックなアイデアを即実行できる決断力の優れた技術者集団なのだ。同期の技術者を見ていても優秀な人ばかりだった。


彼らの問題解決法は、科学のそれとは異なるところがあり、それを科学で体系化したのが弊社の問題解決法である。古くから、データ駆動の研究開発手法がタイヤ部門では行われていた。


その合理性に論理性を加え、当方は研究開発をゴム会社で行ってきた。それが鮮明に現れたのが、電気粘性流体の耐久性問題である。


電気粘性流体の耐久性問題では、ゴムのケースに封入して用いる限り、界面活性剤の添加で解決できない、とした否定証明を本部長は、「世界に先駆け、電気粘性流体の問題を明らかにした素晴らしい研究だ、添加剤も加硫剤も何も入っていないゴム開発を急げ」と檄を飛ばし、当方に白羽の矢が立った。


当方はコンピューターを使った問題解決法を長年自腹を切って研究してきたので、タイヤ部門で学んだ知と合わせて一晩で界面活性剤を用いて電気粘性流体の耐久性問題を解決し実用化レベルへ持ち上げた。これはタイヤ部門のプレゼンテーションから学んだ知のおかげである。


タイヤ部門ではコンピュータを早くから業務に取り入れていた。RCOTやTCOTの商品開発はコンピューターのなせる業である。研究所ではコンピューターを使っていると遊んでいると言われた時代である。


コンピューターの良いところは、人間よりも早くデータを処理できるところである。8bitコンピューターでも5000件以上のデータを1時間程度で処理できた。電気粘性流体の耐久性問題は、科学とは何か、そして科学の時代に生まれたコンピューターの威力を知る大変良い問題だった。

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2024.02/05 パーコレーションで学ぶPython

第三次AIブームを支えているのはPythonの普及であり、その豊富なライブラリーを無料で利用できるというとんでもないプログラム環境にある。


MS-DOSの時代にLattice社のCを利用していたが、ライブラリー等はすべて有料だった。無料のライブラリーも秋葉原を歩くとCD媒体で入手可能だった。昔の秋葉原は今のようなアニメの聖地ではなく、ソフトからハードまで怪しげなパソコン部品の宝島状態だった。


このころ手に入れた珍品をここで披露しても良いが、Cの無料ライブラリーにもそれがあった。しかし、実用に耐えうるライブラリーは安くとも2万円以上したのである。


行列計算や数学関数、画面操作、ファイル操作ライブラリー等揃えると40万円ほどかかった。Lattice社のCはライフボートの扱いで20万円であった。すなわち、実務で活用しようと思うと60万円の出費が必要だった。


8bitパソコンを1セット揃えたときには80万円かかったが、16ビットパソコンにCの処理系を揃えたら100万円の時代になっていた。


研究所では材料開発担当であり、これらソフトウェアーは自腹で購入しなければいけなかった。仕事で必要でも上司が認めてくれなかったからである。当時の研究所はコンピューターで問題を解いていると遊んでいると評価された時代だった。だから、新入社員時代にローンの保証人の印を押してくれた上司には、不思議な感謝の気持ちになる。


30年続いた高純度SiCの事業テーマを認めてもらうのが精いっぱいだった。しかし、今やPythonなら無料で業務のDXを上司に気にすることなくできる。


「パーコレーションで学ぶPython」は、そのヒントのセミナーである。Pythonのマルチパラダイムの世界をプログラミング初心者にも分かり易く説明しているだけでなく、自分の業務にどのようにPythonを活かしたらよいのかも説明している(注)。


DXの流れに乗り遅れたら将来が無い若い技術者に是非受講してほしいセミナーです。リスキリング目的の場合にはご相談ください。受講は休日となりますが特別価格で提供いたします。


(注)プログラムは、コロナ禍初期に話題となった8割おじさんがやられていたような数値シミュレーションではない。コンピューターの中で実験を行うシミュレーションである。長年コンピュータを使ってどのように問題を解いたら良いのか考えてきた。バカとはさみは使いよう、と言われた言葉をもじって、コンピューターとバカは使いようだ、と言われたりした時代があったが、今は人類の生活必需品となっている。しかし、問題解決の世界でコンピューターをうまく使えているかどうかは、疑問符がつく。弊社のPython関係のセミナーは、問題解決でうまく使うためのヒントとなる内容で、単なる入門セミナーではない。

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2024.02/04 2月度セミナー予定

2月度に下記予定でWEBセミナーを予定しております。1社で2名以上参加の場合には割引もございますので、ご相談ください。また、下記セミナーにつきまして、3月以降企業でご希望の日程で開催することも可能ですのでお問い合わせください。


<開講時間>10:00ー16:00(12:00から1時間休憩)


<高分子の劣化と寿命予測、トラブル対策>

開催日:2月10日、17日

参加費:30,000円(税込み)/1名


<高分子の難燃化技術>

開催日:2月6日、13日、20日

参加費:10,000円(税込み)/1名


<Pythonで学ぶタグチメソッド>

開催日:2月9日、16日

参加費:30,000円(税込み)/1名


<パーコレーションで学ぶPython>

開催日:2月14日、21日

参加費:30,000円(税込み)/1名

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2024.02/03 シミュレーションの活用

コロナ禍初期に、俗称8割おじさんによるシミュレーションのおかげで、日本国中行動変容し、感染爆発を防ぐことができた。ワクチンが無かったときの防衛策として、唯一の最善の策はウィルスから逃げることだった。


以前この欄に書いているが、八方ふさがりの時にどこか逃げ道を探し、生き延びる力は重要で、生きておればその後何とかできるのである。最近ある漫画家の自殺が話題になって多くの記事が出ているが、記事を読む限り、何故自殺しなければいけなかったのか不明である。


公開されている情報では悪いのはTV局であり、漫画家はクリエーターとしての尊厳を守るために自殺を選んだことになる。この件に関して書き始めると当方の転職の話になるのでここまでにするが、8割おじさんの話題が最近無いので心配している。


少なくとも2020年の日本人は、この人のシミュレーションのおかげで命が助かったのである。ワクチンができてからは、経済優先となり、8割おじさんはフェードアウトさせられたのであるが、この時不思議に思ったのは、経済に関するシミュレーションが出てこなかったことである。


本来は、8割おじさんのクラスター理論と経済への影響が、シミュレーションで議論されるべきだった。今はなし崩し的に、40%以上の国民がコロナ感染する方向へ動いており、我が家の近所でもコロナ感染者が増えてきた。


多い人ではすでに3回かかった人がいるそうだ。当方はまだ一度も感染していないので、マスク手洗いうがいを丁寧にしており、おかげで手はガサガサである。


ワクチンのおかげでコロナ感染しても重篤になる確率は減ったが、それでもエイズ同様の構造をしたDNAの破片を体内に取り込むことには抵抗がある。


このウィルスのDNAについても変異のシミュレーションが行われており、ワクチン設計が行われているのだが、もう打つ必要が無くなるようなワクチンができないものか。


とにかく、このコロナ禍で日本人は皆シミュレーションの活用を体験しているのだが、その印象はあまりよくない。ニュースには検証ができていないことを責めている論調の記事がある。また、8割おじさんが厚生省から表彰されたという話もない。


「パーコレーション転移で学ぶPython入門」では、クラスター理論を8割おじさんのように数式で扱うのではなく、コンピューターの中で実際に実験を行うシミュレーターをPythonでプログラミングしながら学ぶセミナーだ。


さらに、このシミュレーターを使って製品開発した事例も最初に解説するので、シミュレーションスキルをどのように実務に活かすのか学べる。2月は2回セミナーを行いますのでお問い合わせください。

カテゴリー : 一般

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2024.02/02 マテリアルズインフォマティクスの扱い

データサイエンスを使い、材料開発を行ってきて半世紀近く経つ。第三次AIブームでマテリアルズインフォマティクス(MI)が誕生したが、早い話が、本質はデータサイエンスによる材料研究である。


データマイニングといっても、データ中心に問題解決を進めることなのだ。それを難しくごちゃごちゃ言っている人がいるので、初心者は混乱する。


当方に相談していただければわかりやすく説明するだけでなく、どのように問題解決したらよいのか、その考え方まで説明する。


この3月に開催される日本化学会年会では、50年近く前にデータサイエンスで解いた問題を最近はやりのパーセプトロンのアルゴリズムで解いてみてその比較を発表する。


大切なのは、正しい問題を正しく解くということだ。MIありきではない。問題を解くためにデータサイエンスが必要で、必要だからそれで解く。当方はその結果ゴム会社を転職することになった筋金入りの技術者だ。


例えばゴム会社最後の仕事は、電気粘性流体の耐久性問題だ。これを旧7帝大の博士や修士が3名で1年かけて界面活性剤で耐久性問題を解くことができない、という科学的に完璧な否定証明をやっていた。


これを当方は一晩でデータサイエンスを用いた問題解決法でひっくり返したのだ。MIを新帰納法と言っている研究者がいるが、当方は旧来の科学の方法と異なる、とストレートに説明している。


そして、どのように問題設定し、これを行ったかはセミナーの中で解説している。今月行うPython関係のセミナーでは、自己紹介の中でこれを説明するので是非受講していただきたい。


たった一晩8bitコンピューターを走らせて、検証するための実験を終えただけである。一発で答えが出るくらいデータサイエンスの手法は決まった時に周囲が卒倒するぐらいの破壊力がある。


リクエストがあれば、データサイエンスを用いる問題解決法のセミナーを開催します。これは現在企業向けのみ販売しております。


2名以上でセミナーを申し込まれれば、割引致します。例えば、10名ならば、20万円(消費税込み)となりますが、問い合わせていただきたい。出張セミナーも行っています。

カテゴリー : 一般

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2024.02/01 Python入門セミナー

2月15日10時から16時(12時から1時間休憩)の予定で、プログラミング初心者対象に、Python入門WEBセミナーを開催いたします。

内容はMS-Excelファイルの自動処理プログラム作成です。弊社では、「Pythonでタグチメソッドを理解する」や、「パーコレーション転移プログラムを作成しながら学ぶPython」という入門セミナーを予定しております。

今回、MS-Excelで作成されたデータをPythonで処理するプログラムを題材に新たな入門セミナーを準備しましたので、Pythonを学びたい方は弊社へお申し込みください。

受講料は3万円(消費税込み)です。また、セミナーで使用しましたプログラムをセミナー終了後配布いたします。

Pythonは、これまで登場したプログラミング言語と大きく異なります。まず、言語処理系が無料であり、さらにオブジェクト指向を実装し、多くのライブラリーが存在します。そしてほとんどの資源を無料で入手できます。

機械学習のプログラムも無料で開発できます。また、その気になれば、無料セミナーも開講されていますので、無料で学習することも可能です。弊社が有料でセミナーを行いますのは、無料セミナーでは提供していない、実務ノウハウを講義の内容にしているからです。

このPython入門セミナーでは、単にMS-Excelファイルの整理を行うだけでなく、そこからデータウェアハウスを構築したり、データサイエンスに展開したりするノウハウを伝授いたします。

カテゴリー : 一般 学会講習会情報

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2024.02/01 豊田自動織機で不正(1)

トヨタ自動車グループの源流にあたる豊田自動織機で17年以上前から不正があり、一部の車種で型式認定が取り消されるという。ダイハツに続いて不正が明らかになったことに驚いている。


さらに、この不正もダイハツ同様に現場の判断で行われ、組織的なものではないという。ダイハツの不正が明らかになってから、ダイハツ社内の雰囲気、風土に関するニュースや一部社員のSNSなどの書き込みから、管理職の問題が指摘されている。


すなわち、現場で問題が発生し管理職に相談した時に、「それで」、とか、「どうするの」、とか応えてくるだけで、問題解決の糸口を教えてくれないだけでなく、「あなたの問題でしょう」という答えもあるという。


管理職が部下に責任を押し付けてくる問題は、どこの組織でもあるのだろう。しかし、今回の問題に潜む、この30年間に普及してきたマネジメント手法に疑問を持った。

カテゴリー : 一般

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2024.01/31 データサイエンスのセミナー

2月22日にデータサイエンスのセミナー(時間等他のセミナーと同じです。詳細お問い合わせください。)を開催します。コンピュータを用いてどのように問題解決するのか事例を中心に、Pythonプログラミングの基礎も解説いたします。


詳細プログラムは後日公開しますが、多変量解析と機械学習のPythonプログラミングについても解説予定で、申込を本日から受け付けます。申し込まれますと最初に予習編を配布いたしますので早めにお申し込みください。


当日解説したプログラムコードはサービスで希望者に配布いたします。テキストにコードが書かれていますので、事前配布は致しません。ただ、コーディングが面倒と思われる方のためにサービスとして配布予定でおります。


Pythonが初めてであれば、面倒でもテキストのコードを自分でインプットされることをお勧めします。学習効果が高まります。地道な努力が、プログラミングの学習初期には重要です。


2-3例自分でコードを打ち込んでみて、その動作を確認すると、なるほど、と納得でき、それが大切です。ゆえに、サービスプログラムは、このセミナーに限り希望者のみの配布とさせていただきます。


他のセミナーでは、プログラムを事前配布するのに、このセミナーでプログラムコードを事前配布しない理由を受講していただければ理解していただけるのではないかと思っています。

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2024.01/30 燃料ポンプの故障

デンソーなどによると、燃料を吸い上げるための「インペラ」(樹脂製羽根車)という部品を作る金型を変更したところ、樹脂の密度が低いものが生産されてしまったという。広報担当者は「製造後、車両に搭載するまでの環境なども複雑に絡んでいるとみており、複数の要因についてさらに調査している」と話した。  これまで7回のリコールを届け出たホンダの分析によると、樹脂密度が低いインペラが長期間倉庫に置かれるなどして、車両に搭載されるまでの間に表面が乾いてしまい、樹脂が収縮することで細かな亀裂が入ってしまうものがあるという。  (1月27日版朝日新聞デジタル記事より抜粋)


ホンダ車のリコールに関する記事で、1月27日に原因が細かく記載された記事を見つけた。おそらく樹脂はPPSだろうと推測され、燃料ポンプのインペラーについては、東レが特許を取得していた(10年間特許年金が支払われたが年金不払いで権利消滅)のを見つけた。


朝日新聞デジタルとこの東レ特許を読むと、トラブルの原因が見えてくる。2月度(昨日の本欄参照)に高分子のトラブルに関するセミナーを開催予定ですのでご参加ください。少し解説いたします。


また、本セミナーにつきましては、3月にゴムタイムズ社で、4月に技術情報協会でも開催されます。弊社で開催されますセミナーは若干お得な価格設定にしておりますので是非ご利用ください。  

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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