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2018.05/02 オーディオブーム

デジタル化の流れの中で日本のオーディオ業界が壊滅状態になって久しいが、秋葉原を歩くとオーディオ市場が盛り返してきたような印象を受ける。スピーカーについては外国メーカーの前に日本メーカーは苦戦しているが、市場そのものが縮小してきた過去を思うと今息を吹き返してきたのではないか。

 

JBL専門店は一時閑古鳥が鳴いていたが、ゆっくり視聴できない状態になってきた。大型店のスピーカー売り場も以前は自由に聞き比べができたが、今は商談客が多く、聞くだけの客は相手にしてもらえない。しかしそれでも1970年代ほどの賑わいではない。

 

会社を起業してから何が変わったかと言えば、好きな音楽を聴きながら仕事ができるようになったことである。年寄りにつきものの耳鳴りもこれで改善してきた。耳は明らかに劣化してきているはずだが、聞こえていないはずの高域を感じることに疑問を持ち始めた。

 

健康診断で聴力検査をしても単一周波数の音は聞き取りにくい。一応異常なしの評価を頂くが、内心本当は聞こえていないのではないかと疑問を持っている。だから高級オーディオを買う動機は失せているが、オーディオ店に行くと若者よりも年寄りが多いので驚く。

 

改めてオーディオが趣味の商品であることに気づくのだが、店員が細かい蘊蓄をならべ高いスピーカーを老人に進めている光景は詐欺ではないかと思ってしまう。しかし、店員の蘊蓄をこっそりと聞きながらスピーカーの比較試聴をしてゆくと確かにそのように聞こえてくるから不思議だ。さっきまで90万円のスピーカーと30万円のスピーカーの差に気がついていなかったのが、確かに90万円がよく聞こえる、と納得する。

 

90万円と30万円の音質の差が気になり始めると、10万円と30万円の違いがかなり大きな差に聞こえてくる。面白いのは日を改めて同様の比較をしてみると大した差では無かったりする。

 

 

 

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2018.05/01 上司からの手紙

ゴールデンウィークで世間が長期休みの間に少し部屋の片づけをしている。今の事務所へ引っ越した時にほとんど整理もしていなかったので1日では終わらない。今日もその続きをしようと思ったら、昔上司から頂いた手紙が本の間から出てきた。

 

無機材質研究所へ留学中に二度目の昇進試験を受けるタイミングで頂いた手紙である。その前年は、無機材質研究所に入所し、昇進試験に落ち、無機材研総合研究官猪股先生から昇進試験に書いた内容を実験してみたらどうだ、但し1週間だけだ、と言われたことを思い出した。

 

そして、その1週間で高純度SiCの製造プロセスを実証でき、数gの高純度SiCが得られた。無機材質研究所で実験をして得られた結果なので、無機材質研究所から基本特許を出願している。この出願については、ゴム会社も合意している。

 

一度目の昇進試験については、事前に留学前の同僚から聞いていた「あなたが推進したい新事業は何か」という問題だったので、あらかじめ作成していた高純度SiCの低コスト製造プロセスを武器に半導体治工具などのエンジニアリングセラミックス開発、将来はSiCウェハーを開発する夢を昇進試験の解答として書いていた。

 

新事業企画として合格点がとれたはずの内容であり、また、その後先行投資で始まった開発は、30年以上経った今も答案に書いたような事業として続いている。

 

ところが当時無機材質研究所で電話越しに人事部長から告げられた結果は0点だった。作文で0点をとったのは、人生でこの時だけである。あまりのショックで電話を受けながら言葉が無かったが、それを猪股先生が察して、1週間ではあるが、小生にチャンスをくださったのだ。

 

小生はそのチャンスを生かし、その2ケ月後には、ゴム会社の社長から2億4千万円の先行投資の決裁書を頂くのだが、この上司の手紙には、二度目の昇進試験を受けてほしい思いが書かれていた。

 

上司はその一年後癌で他界されたが、手紙を読みながら上司の目に映っていた自分の姿が思い描かれた。当時の小生には複数のヘッドハンティングの会社から勧誘が来ていた。

 

留学前生活してた独身寮にその書類が届いていたので、人事部経由でそれらの手紙が届けられ迷惑した思い出がある。宛先から小生から請求したわけではないことは自明だが、上司はおそらく転職を心配されたのではないか。

 

この時は、転職など考えていなかったのだが、昇進試験に落ちた部下の気持ちを察してのことだったのだろう。この上司の数々の心配はありがたかったが、昇進試験の後遺症は猪股先生のご配慮で人事部長から電話を頂いた1週間後には無くなっていた。

 

また、人事部長の0点という粋なメッセージで、昇進試験に落ちたことはショックではあったが、その内容に対する当時の基礎研究部門の評価を推し量ることができた。

 

ただ、経営陣は基礎研究部門に批判的で、基礎研究部門の役員が半年後には交代するのだが、それゆえ当時の小生に期待されている方々を信じ、1週間不眠不休で実験を推進し結果をだしたのだ。

 

若い技術者に伝えたい。組織で働くときに夢がいつも支持されるとは限らないが、もし一人でも経営陣にその夢に期待する人がいたならば、その夢を実現できるよう誠実真摯に直属の上司に語ることである。それが未来を拓く大きな夢であれば社会が必ず応えてくれる。

 

今日はメーデーだが労働者の祭典も労働者の夢を語る祭典にしてはどうか。古いイデオロギーの時代はすでに終わり経営者と労働者が夢を同じにする時代である。

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2018.04/30 「あの日」と財務省セクハラ問題

昨日時代が変わった、と書きながら、ふと小保方氏著「あの日」を思い出した。「あの日」では捏造と判定された論文代について60万円を理研から請求された著者の正直な気持ちが描かれていた。

 

各種ハラスメントは被害者が現れたらアウト、と昨日書いたが、STAP細胞騒動は、捏造を意図しようがしまいが、データを第三者が見てわかるような改ざんをして論文に載せたならアウトの時代の出来事である。

 

第一著者がその責任を問われるのは当たり前のことだ。それを著者は理不尽と「あの日」で書いている。著者が学歴のない実験助手の立場であれば、当方が新入社員時代に始末書を書かされたような出来事であり理不尽かもしれない。

 

但し、当方はドラッカーの言葉を思い出し一人前の研究者としての責任感から新入社員らしからぬ挑戦的で気合の入った始末書(と上司に評価された)を提出している。著者も理研で処遇された役割から事件の責任を正しく理解し、気合を入れて給与全額返還をしたなら、世間は同情したかもしれない。

 

アナログ時代は、多少いい加減でも許された。測定データを論文に投稿するときには、測定器から出力されたアナログデータをロットリングを使い、手で写し描く以外に方法が無かったからだ。しかし忠実に書いているつもりでも、多少は出力データと異なる部分が出てくる。

 

SN比の悪いギザギザが細かな信号を写し取るときは大変だった。時間が無い時には、先が太いロットリングを選んで写していた。デジタル時代の今ならば測定時のビット操作のようなものだ。サンプリングレートを落とせばSN比が見かけ上よくなるがこれは今でも許される。

 

例えば赤外吸収スペクトルはせいぜい10%前後の不純物検出感度しかないが、もう少し不純物シグナルが強く出ていてほしいと思ったのか思わないのか知らないが、写していて多少強度比が異なるようなチャートとなったような思い出が残っている。

 

それを見て、上手に写した、とほめられた時代もあったのだ。また、捏造のつもりなど無いが、いくらトレーシングペーパーにきれいに写しても多少はずれるので、ベースラインがきれいになることもあった。今は、論文作成のツールも整備され、測定器のデータをデジタル化し正確に論文に取り込むことも可能なので、その多少のずれも許されない時代なのだ。

 

ましてや、画像を杜撰に切り張りしたならばアウトである。昔でも切り貼りするときにはエディターから注意をされないように細心の注意を払ったものである。

 

そのためにアナログデータをコピーして何度もつなげる練習をした。ユービックスのガラス面をきれいにしても元画像には存在しないドットが現れて泣いたこともある。もちろん捏造が目的ではない。当時はそのような手段しか、データをまとめる方法が無かったのだ。

 

不注意が、あるいは配慮に欠けた言動が、昔は黙認されたかもしれないが今は大きな罪となる時代になった。何か問題が起きたなら、その組織で責任ある立場や役割になればなるほど、その罪を償う社会的責任が大きくなるという時代なのだ。「あの日」や財務省セクハラ問題の当事者にはその視点が欠けている。

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2018.04/29 時代は変わった

財務省のセクハラに続いて、ジャニーズTOKIOのメンバーによるわいせつ事件で少数ではあるが被害者側の問題を指摘する意見が今でも出ている。確かに、両者とも被害者が不用意に個人的な接近をしなければ起きなかった問題かもしれない。

 

しかも前者は一年以上前から被害者側は会社にセクハラの問題を相談していたのだから、状況だけ見れば、会社側の問題も考えられる。財務省の問題は裁判で争われるそうだから、その結果が注目される。

 

しかし、今という時代は、このような問題が起きたときに、被害者が現れた時点でアウトということを十分に知っておかなければならない。被害者にどれだけ非があったとしても、ハラスメントという問題は、最終的に加害者とされた人が悪いのだ。

 

仮に加害者が何もしていなくても、それを証明できなければ、被害者が現れた時点で加害者とされる問題であることを意識して社会生活を送らなければいけない時代になった。ゆえに少しでも社会的立場が上がれば、リスクが大きくなるということをかなり意識しなければいけない。

 

過去にも冤罪と思われるような某放送局の誠実なアナウンサーによる痴漢騒ぎがあった。当方は満員電車で両手が開いているときに両手で吊り輪につかまることにしている。ほんの少しの接触でもアウトにされる時代の防衛策である。

 

デジタル化の流れの中でますます人と人との交流が間接的になりつつあり、さらにこのような微妙な問題も注意しなければいけない時代となった。火事と喧嘩は江戸の華という時代が本当にあったのか、と言われるような時代が来るかもしれない。

 

 

 

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2018.04/28 一眼カメラのレンズの「味」(2)

ソニーの85mmGマスターレンズは、高額であるが、「ボケ」が大変美しく映る、「ボケ」好きには垂涎のレンズだ。また、懐かしい映画のワンシーンのような写真が撮れるときもあり、カメラの腕が上がったような錯覚になる。

 

しかし、一つ間違えるといわゆるネムい写真になるから、それを使いこなすには腕も要求される。このボケについては、ペンタックスのリミテッドレンズ3種がバランスよく設計できているように思う。

 

フィルム時代から使い続けているが、色乗りがよく、ニコンほどではないが、ピントの合っているところはピシッと決まり、ボケ味も悪くない。二次元の媒体で三次元の世界がうまく表現される。

 

当方が10年ほど前に開催された国際ボディーペインティング大会の写真の部で優勝した時の写真は、ペンタックスD20へ77mmリミテッドレンズをつけて撮っている。

 

D20というカメラは、当時あまり性能のよくないデジタル一眼だが、適度なノイズが銀塩フィルムの画像のように機能するので、すっきりくっきりのいかにもデジタル画像というキャノンと対極にあるデジタル一眼だった。

 

ニコン、キャノン、ミノルタ(ソニー)、ペンタックス、そして異色のシグマがデジタル一眼メーカーだが、ペンタックスを選ぶ意味はこのフィルム時代に開発されたリミテッドレンズにある。このレンズは当方の最も気に入ったレンズである。

 

ところが、このボケについて徹底的にうるさいのは、ペンタックスの24mmF2スターレンズだ。ペンタックスで光学性能が優れたレンズシリーズとしてスターレンズがあるが、絞り開放状態でこのレンズを使うと、とんでもない写真となる。

 

見ていて疲れるような背景の写真となる。2段ほど絞ると改善されるが、それでもボケの汚いレンズである。今はもうディスコンになった20年以上前の古いレンズだが、ボケ以外は最高のレンズだと思っている。

 

どこが良いのかというと、色の乗り方や光っているものが画像に入るとそれがきれいな光芒になる。光芒はフィルターを装着すれば発生させることもできるが、その現れ方が極めて自然である。

 

例えばこれでポートレートを撮るときに、モデルに目薬をさしてもらうとたまらない美しさの瞳を撮ることができる。但し、バックのボケはわさわさとうるさくなるのでスナップ撮影では使いにくい。ただ絞って使ったときに得られる画像はすばらしくよい。ちなみに弊社のホームページのすべての画像はこのレンズを使った写真である。

カテゴリー : 一般

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2018.04/27 講演会情報

この3ケ月間に下記講演会が予定されております。弊社主催ではございませんが、割引価格でご提供できますのでお問い合わせください。

 

1.高分子材料の難燃化技術と配合設計・プロセシング

(1) 日時:2018年5月18日(金)10:30~16:30

(開催場所、料金等後日掲載)

2.伸張流動に関する講演会

(1)日時:2018年5月30日(水)10:00-17:00

(2)場所:<東京・五反田>技術情報協会セミナー

(3)主催:技術情報協会

(4)参加費:弊社へお申し込みの場合には56,000円

(5)4人の講師による講演会です。当方はカオス混合について講演いたします。

3.その他

(1)ゴム樹脂の混練技術に関する講演会

日時:2018年6月15日(金)10:30~16:30

(2)デザインに配慮した樹脂設計

場所:中国上海

日時:2018年6月29日

(3)シリコーンポリマーに関する講演会

場所:台湾

日時:2018年9月11日

カテゴリー : 一般 学会講習会情報

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2018.04/26 一眼カメラのレンズの「味」

ミラーレスとTTL方式の違い以外に、フルサイズ一眼カメラを購入するときに考えなければいけないのは、そのメーカーの違いで画像処理が異なるため、撮って出しの「絵」表現がカメラのデジタル部品で影響を受ける問題である。

 

PC上でも画像処理ができるので、手間暇かけるのであればこれは大きな問題にならないと思われがちだが、レンズの特徴から起因する表現の差になると画像処理が難しくなってくる。

 

これができるソフトウェアーもあるようだが、写真をソフトウェアーで加工することを面倒に感じる人には、撮って出しのJPEG画像の違いは、フルサイズ一眼を購入するときに考えなければいけない大きな問題だ。

 

銀塩フィルムを使っていた時代ならばカメラの機種の違いが画像へ与える影響について、レンズだけを考慮すればよかった(注)。それよりも銀塩フィルムの影響が大きかった。日本のすっぴん女性の肌色について、コニカカラーがその再現性に優れていたのは事実だが、化粧をすると表面コーティングの影響が画像に出るのであまり気がついていない人は多い。

 

まさかとは思うが、この技術の差からライバル企業が化粧品の画像に与える影響の大きさに気づき、化粧品の研究を進めその市場に参入したとするならば、すごいと思う。化粧品は表面コート技術だから基盤技術の横展開をした、というもっともな説明を聞いたりするが、街を闊歩する若い女性の美顔が写真フィルムのような重層塗布に支えられているのかと思うと少し寂しい。

 

最近「ボケ」が注目を集めている。老人のボケではない。写真のピントから外れたところのにじみの様な画像が、レンズの設計により異なり、これをレンズの「味」と表現する人もいる。

 

当方は「ボケ」以外の因子もレンズの重要な「味」だと思っているが、このピントから外れたところのにじみに徹底的にこだわっている写真家もいる。それに答えたのがソニーである。徹底的にボケの美しいレンズを取り揃えている。

 

このレンズで写真を撮ると、昔の映画のワンシーンの様な写真が撮れる。初めて見るとグッとくる。ピントの合っているところはきちっと写っているが、少しでもピントが外れると緩やかにぼけてゆく独特の映りであるが、下手をするといわゆるねむい写真ができる。

 

(注)実際にはニコンでしか取れない画像とかペンタックスでしか取れない画像というのもあるように感じている。またミノルタでしか取れない水着を着替える女性の写真というのもあるらしい。これは古いカメラの宣伝で知った。

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2018.04/25 デジタル一眼

最近ソニーのミラーレス一眼カメラ新製品3機種が好調だ。また、ニコンの新製品D850も高額にもかかわらず品薄状態が続いている。一方カメラ雑誌では、時代はミラーレスへとソニーの後押しをするようなキャッチフレーズが並び、それを読むとソニーとニコンの二台を買っておけ、という結論が書いてある。

 

デジタル一眼レフカメラは、フィルム時代の技術をそのままに、フィルムの代わりに画像センサーをとりつけて販売されて20年近くになる。

 

ミラーレス一眼は、ソニーを中心に発展してきた。発展途上では、ペンタックスのようにデジタル一眼レフカメラのサイズそのままに、ミラーを取り外しただけのカメラや、ミラーレス=小型化容易という図式を実現したとても小さなデジタル一眼を開発したメーカーもある。

 

しかし今までミラーレスが一眼の主流になれなかったのは、ファインダーが一因と考えている。ソニーがその問題を解決し、昨年暮れから発売された新製品3機種のファインダーは、像の遅延が人間の目に検知できないレベルに仕上がっている。

 

但し、これは一枚撮った時だけで、連射を行うとミラーレス一眼の欠点、ファインダー像の遅延が人間に検知できるようになる。これに違和感を感じると、いくらカメラ雑誌があおってもミラーレス一眼を買う動機とならない。

 

旧来のTTL方式と電子ビューファインダーの比較は、写真を撮る、という動作に対する価値観の変更を迫られる。TTL方式では、自分で見た画像を映すことになるが、電子ビューファインダーは、画像センサーに写った像を確認してシャッターを押す行為である。

 

後者のほうが合理的ではある。しかし、自分の目に映った画像を撮るのが楽しみの場合には、なかなかミラーレスに移行できない。TTL方式の一眼レフは、小型が得意のペンタックスさえフルサイズセンサー付カメラは1kgを超える。年を取ってくると、体力もその選択基準となる。

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2018.04/24 過重労働の思い出

時代の空気感を読めばこのようなタイトルはタブーだろう。しかし、ゴム会社在職中の12年間は、写真会社の20年間に匹敵するような仕事量をこなしており、今からこの時を振り返ると、やや時間の流れがおかしなことになっている。

 

例えば、1983年4月に無機材質研究所へ留学しているが、その前年には、建築研究所へ通った思い出がある。そして、建築研究所へ通いながら、とんでもない仕事量だったフェノール樹脂製難燃天井材の開発を行っている。

 

3人のチームで担当していたテーマだが、一人が1年間病欠したために大変だった。正しいマネジメントならば人員の補強をすべきだが、セラミックスフィーバーやLi二次電池開発の影響で、研究所として日陰のテーマ扱いにされた。

 

建築研究所が新しい難燃基準を策定するお手伝い項目として、評価サンプルの提供があり、これが大変な作業だった。しかし1年後には、新しい難燃基準に合致した新商品として他社に先駆け市場に投入できたのだが、今から思えば寝ていた記憶が残っていない。

 

1979年に入社し10月に配属されて3ケ月で樹脂補強ゴムを用いた防振ゴム開発に成功したときも時間的に見れば不思議なことだった。しかし、指導社員による午前中の1:1の座学で寝ていた記憶が残っているので、まだましだったのだろう。

 

この3ケ月間の座学でカオス混合はじめ、ゴムや樹脂の混練技術について基礎から実務まで学んでいる。睡眠学習である。

 

1980年から留学するまでの3年間は、ホスファゼンジアミノ体とそれとイソシアネートとを反応させたオリゴマーの開発を行い、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームを試作まで行っている。その他、ホウ酸エステルの開発とそれを用いた燃焼時にガラスを生成するポリウレタンフォームの開発、高防火性フェノール樹脂天井材の開発、ドリップ型自己消火性ポリウレタンフォームの開発、おまけに高純度SiC前駆体の開発まで行っている。

 

ホスファゼン変性ポリウレタンフォームやホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームについては学会発表や論文発表を行なっているが、この準備時間も大変なことだったと思う。

 

またこの間に、JIS化される前のLOI燃焼試験法の改良を行い、社内の改善提案賞の社長表彰を受けている。その他、熱重量分析のデジタルデータ収集プログラムの開発も行っている。

 

まだ8ビットコンピューターの時代にAD変換ボードを使いデータをデジタル化しただけだが、プログラミング時間を考えると驚異的である。そして今廃棄しようとして事務所の隅で数多くの箱詰になっている写真は、独身時代に友人が休日に誘ってくれたテニスの思い出である。入社してからの4年間だけでもその成果を出した仕事量と遊び時間を考えると、いったいこの頃はいつ寝ていたのか不思議に思う。タフだった。

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2018.04/23 講演会情報

この3ケ月間に下記講演会が予定されております。弊社主催ではございませんが、割引価格でご提供できますのでお問い合わせください。

 

1.高分子材料の難燃化技術と配合設計・プロセシング

(1) 日時:2018年5月18日(金)10:30~16:30

(開催場所、料金等後日掲載)

2.伸張流動に関する講演会

(1)日時:2018年5月30日(水)10:00-17:00

(2)場所:<東京・五反田>技術情報協会セミナー

(3)主催:技術情報協会

(4)参加費:弊社へお申し込みの場合には56,000円

(5)4人の講師による講演会です。当方はカオス混合について講演いたします。

3.その他

(1)ゴム樹脂の混練技術に関する講演会

日時:2018年6月15日(金)10:30~16:30

(2)デザインに配慮した樹脂設計

場所:中国上海

日時:2018年6月29日

(3)シリコーンポリマーに関する講演会

場所:台湾

日時:2018年9月11日

カテゴリー : 一般 学会講習会情報 高分子

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