高分子材料の誘電率制御に関して、下記のようにセミナーを開催します。
弊社へ申し込まれますと、36,000円(消費税含まず)となります。
また、7月中に申し込まれますと、弊社にて高分子材料の基礎についてセミナーを1時間無料で受講可能です。
記
1.主催 サイエンス&テクノロジー
2.日時 2019年8月30日(金)10時30分-16時30分
3.場所 品川区大井町きゅりあん
4.詳細 https://www.science-t.com/seminar/B190850.html
カテゴリー : 学会講習会情報 宣伝
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山陽新聞デジタル版のニュースがヤフーニュースで昨日取り上げられていた。ローカルニュースとは言え、とんでもない事件である。また、ルールを破っている点で弁解など意味のない、あきらかに犯罪である。
ニュースでは「誤って刺した」となっているが、規則を守っておれば、誤って刺してもケガをしなかったはずという事実を基に考えなければいけない。ニュースの報じ方もおかしい。
これは、業務上の事故ではなく、明らかにケガをさせることを意図していた、すなわち、模造刀から本物のサバイバルナイフに変えた瞬間に、そのような意図が働いていた、と考えるのが常識である。
「岡山県警察学校(岡山市北区玉柏)で昨年12月、刃物を持った犯人と対峙(たいじ)する実践訓練の際、犯人役をしていた教官の男性警部補が、昨春県警入りした初任科生の男性の胸を本物のサバイバルナイフで誤って刺してけがをさせた。」という事件である。
この事件の結末は、初任科生はその後、岡山西署に被害届を提出して退職している。すなわち、被害者が退職し、加害者は組織に残ったのだ。
本事件は異常である。すなわち、訓練では模造刀を使うことになっていた(規則で決まっていた)のに、本物のサバイバルナイフを使用していた点(注)と、ケガをさせた事実が、隠蔽化されたこと、初任科生が被害届を出していたこと、加害者がまだ組織に残っていることなど常識的感覚からずれている。
最近どこかのニュースで、いじめ問題において、いじめられた側が転校していじめた生徒はそのままの日常を送っている矛盾を指摘していた。
今回の県警の事件で異常に思える点は、被害者が被害届を出していたことと、それを隠蔽化していた組織である。
被害者が退職していたことも異常であるが、被害者の気持ちを考えると理解できる。そして被害者の気持ちを理解したうえで、退職しなければいけない異常性を社会は問題にしなければいけない。警察がそのような異常な組織であると思うと安心して生活できない。
(注)ニュースでは、模造刀を捨てて、用意していたサバイバルナイフを取り出した、と詳しく書いてあった。ここまで書かれているのに事故というのはおかしい。社会の中で起きれば明らかに犯罪となるケースが、組織の中であれば犯罪にならない、という法治国家であるまじき事件である。日本ではこのような事件が時々起きる。
カテゴリー : 一般
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混練では、昨日書いた高分子特有の現象について熱力学第一法則を思い浮かべながら現象を眺めるとよい。そしてTcとTmのずれをよく体感してほしい。
熱力学第二法則では、変化の方向を想像することができ、エントロピーSが増大する方向とは、非平衡下のプロセスであってもガラス化する方向へ高分子の状態は変化することを容易に理解できる。
紐状の高分子ゆえに状態変化が無機材料と異なるが、配合組成その他によっても、TcとTmのずれは影響を受ける可能性がある。
組成物では状態変化がさらに複雑になるので、混練後のコンパウンドについて生産が安定するまで、これら熱分析に現れるパラメーターを観察した方が良い。
例えばDSCだけでも参考データとして測定しておくとよい。TmとTc同様に重要なパラメータとして、ガラス転移点(Tg)がある。
ガラスの定義は多くの無機材料の教科書に書かれているにもかかわらず、高分子関係の教科書にあまり書かれていない。
「非晶質でTgを有すること」がその定義であるが、無機材料のガラスでは、その組成から析出する結晶のTcがTgより低いのでその現象を理解しやすい。
しかし、高分子でTgは、結晶性高分子でもTgが存在してDSC(differential scanning calorimetry)を測定すればTcに起因する発熱ピークより低い温度でTgの変曲点が現れる。
カテゴリー : 未分類
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高分子材料を混練するためには、それが流動性を示す状態となるまで加熱しなければいけない。まず、高分子が溶ける温度、融点(Tm)について説明する。
Tmは、結晶の自由エネルギー(G)変化を示す直線と融体のGの変化を示す直線との交点に現れる。高分子の融解は1次の相転移である。
ちなみに、エンタルピーをH、エントロピーをSとすると、Gibbsの自由エネルギーの定義から
G=H-TS (2-1)
δG=δH-TδS (2-2)
ここで高分子の熱運動について結晶状態と融体状態で比較すると、融体状態のSが大きくなる説明はいらないだろう。ここでSは、場合の数の関数として捉えると現象とSというパラメーターとの関係について理解しやすい。
高分子の結晶状態はラメラを形成し規則正しく並んでいる状態であり、溶融した高分子が乱れて運動している状態よりもその取りうる場合の数は圧倒的に少ない。
取りうる結晶系が一つであれば1の場合もありうる。するとδS(結晶)<δS(融体)を納得できる。すなわち、両者負の傾きを有し、結晶よりも融体の変化を表す直線の傾きは大きくなる。
さて、無機材料では、結晶化の温度(Tc)とTmは一致するが、高分子ではこれが一致しない。そのうえTm>Tcという関係はあるが、高分子の種類によりTmとTcのズレ方が異なっている。
例えばPEでは、最大のTc(Tcmax)は、Tmの0.8から0.9倍であるが、ポリエチレンテレフタレート(PET)では、2Tcmax=Tm+Tgの関係があることが知られている。
ところで、高分子では融体と結晶で分子の状態が大きく異なるので、溶融するとδSは大きくなることが予想される。
結晶から融体の変曲点では、δG=0となるので、Tm=δH/δSであり、Tmは低下することが理解できる。剛直な棒状分子ならばδSが小さくなるため、Tmが高くなると予想できる。
これは、δSについて考察を進めた結果だが、極性分子や水素結合を生成し分子鎖間に強い相互作用や凝集エネルギーが働く場合には、δHが大きくなるのでTmは高くなると推定される。
カテゴリー : 高分子
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高分子材料の誘電率制御に関して、下記のようにセミナーを開催します。
弊社へ申し込まれますと、36,000円(消費税無し)となります。
また、7月中に申し込まれますと、弊社にて高分子材料の基礎についてセミナーを1時間無料で受講可能です。
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1.主催 サイエンス&テクノロジー
2.日時 2019年8月30日(金)10時30分-16時30分
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無機材料では、形式知に裏打ちされた結晶構造で物性や機能の議論を進めることができたが、高分子では非晶質構造がその機能に影響しているという大きな問題がある。
また、高分子の中には、結晶化しやすい材料や結晶化の速度が遅いか結晶化しない高分子などがあり、同定する時の手掛かりとなる成形体に含まれる結晶の状態さえも多様である。
結晶化しやすい高分子については、材料の構造を階層的にとらえることが可能であるが、無機材料の結晶構造より複雑である。
高分子鎖が結晶を構築する場合には、分子鎖間のパッキングあるいは高分子鎖の一部が規則正しく凝集することにより、主に六つの結晶単位格子が形成される。
すなわち、正方晶と六方晶、三方晶、斜方晶、単斜晶、三斜晶の単位格子であるが、例えば紐のイメージに近いポリエチレン(PE)の場合、炭素数が70以上となる分子鎖は、その一部分で平面ジグザグ構造をとり、斜方晶からなる結晶構造をとる。
ところが、高分子鎖は長いのでそのヒモのような構造を折りたたみながらラメラと呼ばれる構造まで結晶成長してゆく。
高分子鎖が折りたたまれて結晶化するこのような現象は、PEに限らずナイロンなどの合成高分子やセルロース、ポリペプチドなどの天然高分子にも見られる普遍的な現象である。
ラメラ晶は、非晶質構造を挟みながら成長してゆき長周期構造を作り球晶構造まで成長する。
カテゴリー : 高分子
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自由体積分率がばらつくと、高分子成形体の密度もばらつくことになる。密度がばらつけば、弾性率や誘電率もばらつく、という具合に諸物性の連鎖を理解できると、自由体積の正体だけでなくそれを制御する方法を知りたくなる。
ところが、自由体積分率は、コンパウンドの配合で変化するだけではなく、プロセスで設定される条件や、そのばらつきなど様々な要因によっても変化する。
混練では、混練機とその運転条件や動作のばらつきで自由体積分率は変化していると思われる。混練プロセスでばらつき、さらに成形プロセスでもばらつくので、高分子の成形体物性のばらつきを抑える技術は難しい。
このプロセス段階で制御できない自由体積について、高分子を説明するときに無視できない。しかし、厄介なことに非晶質構造のため、形式知が乏しく気軽に測定したり設計段階で予測したりすることができない。
カテゴリー : 一般 高分子
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技術者の使命は、自然界の機能を取り出し、人類に役立つ新たな道具なりサービスを生み出すことである。
この時、他の技術者による優れた製品の機能をまねて使命を実現することもできる。温故知新はまだ許されるが、パクリは許されない。
この20年日本のGDPは、横ばいである。すなわち付加価値が生み出されていないような状態で、これは技術者の怠惰が数値に現れたような結果となっている。
この20年学会に一度も出席したことのない技術者は、怠け者の上位にランクされる。自然界から新たな機能を取り出すためには、自ら実験を行うのか、学会で発表される新たな知を活用しなければいけないはずだ。
特許調査は機能取り出し作業として、良い悪いの判断を出しにくい行為である。学術論文を読むのとは少し意味が異なるからである。
特許調査のうまいやり方は、不易流行の世界を新たなコンセプトで旅し、温故知新で特許を味わう方法である。
特許をただまねる技術者は、やはり怠け者である。技術は科学の真理と異なり、いくつもその可能性があるはずである。
不易流行の意味が分からなければ、まずまねてみることは良い方法であるが、そこで終わってはいけない。
機能が同じでもその機能の働かせ方が異なれば、異なる技術となる。視点を変えろとよく言われるが、視点を変える前に、機能をよく観察する作業が重要である。
怠惰な技術者は、このような作業でも手抜きをする。まったくアイデアが浮かばないならば、徹底して観察することである。
カテゴリー : 一般
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技術者は人類に役立つ機能を自然界から取り出し実用化することが使命であるが、科学者は常に新しい知を自然界から見出し、それを人類に示さなければいけない。
その新しい知が人類に役立つかどうかは、評価の問題であって、科学者の使命ではない。その意味で、昨今のアカデミアの研究者が置かれた環境には同情する。
新しい知について有用無用の視点は、科学の研究をミスリードする。これを防ぐために科学者は、新しい知について、わかりやすく伝える使命を同時に持つことになる。
新しい知を分かりやすく伝えることは大変難しい。新しい知を機能として表現できれば、少し伝わりやすくなる。さらに、それをモノまで仕上げれば、さらにわかりやすくなる。
今社会は科学者に過剰な期待をしているのかもしれない。本来は技術者の仕事を科学者にまで求めている。科学者の使命を考えていると、技術者の怠惰が見えてくる。
カテゴリー : 一般
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研究とは、新しい知を見出すために行う。これは研究者だけでなく技術者もよく意識しなければいけないことである。
もしこれを正しく意識したならば、捏造という行為が研究の世界にはいってこないはずである。
STAP細胞の騒動では、新しい知を明確に示すために、データの改ざんが成された。余分なシグナルを消したり、図を借用したりした捏造は、およそ新しい知に対する姿勢として不適切なものである。
新しい知は、真実である。これを示すためには、「真理」であることが大切である。技術では、実際に機能していることが重要なので、製品を手にすれば「真理」であることを確認できる。
科学の研究者は、新しい知を論文で示さなければいけない。これが技術者よりも研究者を不適切な道に導くことになる。
技術者は機能している「モノ」を作らなければいけないのでごまかせばすぐ品質問題となるが、研究論文ではごまかされてもすぐに問題が明らかとならないことがある。
この意味では、技術者の方が新しい知を見出した時にそれを示すのが難しく、研究者には、問題をごまかすことができるゆとりがあるという意味で易しい職業と感じたりする。
しかし、問題が起きたときに、科学の研究者はその職を一切失うことになる。技術者はお金で解決がつくので、研究と言う仕事を遂行するときに技術者は研究者より気楽な職業なのだ。
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