日本でマテリアルズインフォマティクスが普及して10年になるが、当方は50年近く前から、すなわち大型コンピューターの時代からデータサイエンスを活用して研究を行ってきた。
きっかけはゴム会社で体験した新入社員研修のテーマで、多数のデータの変動の中に発見があったからである。グループ研修で、皆で手分けして集めたデータをどのように解析し、まとめるのか、は指導社員が教えてくれた。
それは、普通に行われている現象から得たデータを仮説に基づき、ただグラフ化するだけの作業だった。その結果得られた結論は、バイアスタイヤよりラジアルタイヤの方が軽量化されている、という当たり前の結果だった。
当時、バイアスタイヤからラジアルタイヤへの移行期であり、これで研修の目的は達成されていたのだが、1か月半の作業で多数のデータが集まっていた。それらのデータを仮説と異なる視点で眺めてみると何か全体の変動に傾向がありそうに見えた。
そこで当方はデータの中に仮説以外の隠れた情報を抽出する方法は無いか問題提起したところ、できたばかりの情報工学科を卒業した同期A君が、データサイエンスの話をしてくれた。
そして、多変量解析がその目的に使用可能との説明をしたので、すぐやろうということになった。そうしたら同期A君は、ソフトウェアーが必要だから無理だと言い出した。
指導社員がそれを聞いて、コンピューター部門と調整してくれて、POSシステムで使われていたIBM3033の統計パッケージ解説書マニュアルを持ってきてくれた。すべて英文で書かれていた。
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ただし、プログラムの操作方法だけだった。A君に皆の視線が集まって、それは、A君による多変量解析の説明があれば、すぐにできる、という雰囲気で一致していた。
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店頭に並んでいる味噌には、ダシ入り味噌とダシの入っていない味噌の二種類あり、ダシ入り味噌でもダシの効いた味噌から味の素を追加しなければおいしくないダシ入り味噌がある。
1g0.3円、一杯当たり3円のダシ入り味噌「料亭の味」は、具さえ入れなくてもそのままで、みそ汁として味わうことができる優れもので、朝みそ汁を作るようになって初めて発見できた。
単身赴任していた時は、赤だしばかり飲んでいたので気がつかなかったが、八丁味噌のような高価な味噌でなくても、おいしい味噌がある。このような安くておいしい味噌について感動を覚えたのは、おそらく、おいしいものは高いという常識にとらわれていたからだろう。
単身赴任していた時に、ダシが無ければどんなにおいしいと言われている八丁味噌でも、みそ汁として物足りないことを知った。すなわち、発酵食品の味噌はだし汁との組み合わせでおいしい味噌汁になる。
不思議だったのは、だし汁としてそのまま飲めるものから、少し気持ちの悪いだし汁でも、味噌を入れて追いカツオのダシを入れればおいしい味噌汁となることだ。
ダシが入っていなければ物足りないけれど、気持ちの悪い味のダシであっても味噌を入れれば、ダシの入っていないみそ汁よりもコクがあってうまくなるから不思議である。
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今年になり、毎朝みそ汁を作るようになった。妻の味噌汁に不満があったわけではなく、あまりにも安い味噌をみつけ、興味を持ったからである。
今時みそ汁1杯150円前後が相場である。インスタントみそ汁でも最安値で50円はするが、これは特売日の価格。定価は80ー100円と思われる。こうした価格から、味噌の値段は、1杯あたり安くても10円から30円と見積もれる。
だいたい1杯に9g前後の味噌を使うので、1gあたりにすれば、2円前後が味噌の相場と思われる。店頭に並んでいる味噌の値段を見てもおおよそ安いもので1gあたり1円から高いもので2.5円である。
ところが、生活応援セールで売られていた「料亭の味」は、1gあたり0.3円という驚異的な安さだった。しかもこの味噌には昆布だしもカツオダシも入っており、小さじ1杯半とお湯150ccで溶かしただけでみそ汁として味わえる。
すなわち、3円でおいしい味噌汁が飲めるのだ。そこで、他の味噌にも興味が出てきて、ダシ入り味噌をいろいろ試したところ、この味噌以上においしかったものは無く、味の素かあるいはほんだしを少し加える必要があった。
なんやかやと調べていたら、味噌が冷蔵庫に溜まってきたので、毎朝みそ汁を作り始めた次第。そして作ってみて気がついたのだが、みそ汁も奥が深く、だし汁の作り方で味が大きく変わる。
面白いのは、カレーと一緒で失敗しても飲めないみそ汁はできないので安心である。大人の化学実験としてみそ汁はいかが?
参考までに小さじ1杯は6gで大さじは18gと覚えておくとよい。一人分の味噌は小さじ1杯半が目安となる。ところが、味噌の種類によりこの量も調節した方が良い場合がある。
塩分取り過ぎが気になる方は、米みそ小さじ1杯とするとよいが、これが味噌の種類によりおいしく飲める場合と飲めない場合がある。減塩味噌なども売られているが、後日減塩ノウハウを書きたい。
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ゴムや樹脂のトラブル解析に、熱分析技術は不可欠である。TGAやDSC、TMAと並んだ文字を見て、すぐに測定法やデータが思い浮かぶようになりたい。
特に実務でこれらの材料の品質管理をされている方は、自分で測定ができるようにしておくとよい。使用頻度としてTMAは他の熱分析法よりも低くなるが、持っているといざという時に役立つ。
注意点として、JISやISOにはDSCを20℃/minで測定するように書いてあるが、TGAを同じ速度で計測すると、一部の情報を見ることができなくなる。TGAは10℃/min以下で測定したい。
困るのは昇温速度が異なると、変化温度の位置が変わるところである。ゆえに、熱分析はすべて10℃/minで計測し比較するようにしたい。
ゴムや樹脂のトラブル解析の大半は熱分析でその原因が見えてくるので、熱分析法を身に着けていると、対策を早く取れる。
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海外旅行者向けのホテルの高騰により、都内のビジネスホテルも1万円以上になったという報道があった。海外旅行者にとって今は円安なので、多少宿泊費が高くてもいいかもしれないけれど、出張者にはたまらない。
しかし、調べてみると高騰しているのは都心だけで、埼玉とかは以前のままである。また新横浜周辺もまだ高騰していない。ゆえに都心で用がある時には、便利な周辺都市のビジネスホテルを使うとよい。
秋葉原周辺に用があるなら思い切ってつくばでホテルを予約するのも面白い。かつて科学万博があった時に、ビジネスホテルがたくさん作られた。しかし、都心以上の価格をつけたために、さらに一部屋に二段ベッドなどを押し込んだために評判が悪く、この時は、都心に宿を予約する人が多かったと聞く。
その名残から、つくばには宿泊ホテルが多い。ただ注意しないとラブホテルと似ているようなところもある。実際に科学万博の後にラブホテルへ改装したところもあるそうだ。
当方が留学した時に借りていたアパートの近くにもホテルが建設され、そこには多数のコンパニオンが宿泊していた。ただ、ビジネスホテルとするには少し交通の便が悪く、万博終了後はラブホテルに変わっていた。
都心のビジネスホテルは高騰したが、意外と周辺に良いホテルがある。皆が都心を避ける様になれば、都心のビジネスホテルの価格見直しも行われるかもしれない。
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中国にナノポリスという、世界中から研究者が集まっているナノテクの研究都市がある。日本の筑波学園都市より少し小さいが、アカデミア以外にローカル企業がそこにある。
コロナ禍前の弊社の売り上げの多くはこのナノポリス中心だった。日本企業をここに紹介するコーディネーター以外に人材育成も業務だった。
しかし、コロナ禍になり、すべてこの売り上げが無くなって4年間、弊社は国内のセミナーに力を入れて、技術情報協会はじめ国内のセミナー会社でセミナーを展開してきた。
昨年あたりからナノポリスからの依頼が来ていたのだが、国内に注力していたのとコロナが心配で中国出張を控えてきた。新年度を迎え、コロナ禍前と同様の活動を行うのか迷っている。
理由は、この4年間で国内の脱中国がかなり進んだためである。ただ、ナノポリスには研究の場があり魅力的ではあるが。
日本と中国の大きな違いは、中国は結果がすべてである。成果が出なければリピーターはいなくなる。幸い弊社のブランドを頼りに台湾でもセミナーの機会ができたのだが、国内では今一つ。
トランスサイエンスの問題に創業時から取り組んできたが、日本は何故か科学が命と考えている研究所ばかりである。科学は一つの方法であり、真理を探究できる唯一の方法であるが、アイデアを出すには非科学的方法でもよいのである。中国ではこの考え方が支持されているが、日本では今一つである。
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昔からこの手の企画は存在した。今のようなAIのアルゴリズムが開発されていなかった時には、「コンピュータによる恋人選び」というのがタイトルだった。
昔はSNSなど無かったので、このようなことを書いていても堂々としていたが、今は怪しい交際が増え、ある調査では、妻帯者の半分の男性が不倫しているという。
結婚できない若者が増えている原因も案外このようなことも影響しているのかもしれないが、表題でいかがわしい話を想像しないでいただきたい。社会状況からこのような題材は少し躊躇するが、まじめな話を書いている。
データサイエンス黎明期にこのようなゲームが流行している。まだマイコンが普及する前にすでに多変量解析が心理学で活用されはじめ、判別分析などの手法で研究論文が登場していた。
当方がこのような分野に興味を持ったのは、ゴム会社に入社して同期に設立されたばかりの情報工学科の卒業生がいたからである。その卒業生から薫陶を受け、データサイエンスが趣味となった。
そして世間を見たら、「コンピューターで恋人選び」、とか「人工知能があなたの恋人を選びます」などという企画が週刊誌に載っていた。袋とじ企画が登場する少し前に応募券付何とか、という企画が週刊誌のおまけとしてついていた。
判別分析や主成分分析の手法を使っただけの大した企画ではなかったが、TVとの連動企画もあり、実際にそれで結婚されたカップルが登場したりしていた。
その時、今時ならば怪しい雰囲気なのに、当時は何か科学の最先端のような香りをまき散らせていたが、これは科学とは無関係な遊び、と気がつくのにそれほどの時間はかからなかった。
雑誌サイエンスに「サイエンス&トランスサイエンス」という論文が出たからである。日本ではセラミックスフィーバーが吹き荒れ、セレンディピティーが流行語となっているが、大切なのはトランスサイエンスという概念だった。
データサイエンスで恋人を見つけても、それが真の恋人とならないように、データサイエンスで結果を導き出しても常にそれが真とはならない。すなわちデータサイエンスで結論を導き出す方法は、科学の方法とは少し異なるのである。AIで導き出しても同様である。
AIによる恋人選びが、常に真となる解を出さないように、マテリアルズインフォマティクスによる解は、厳密な意味で科学的解ではない。このような視点で弊社はデータサイエンスの指導をしています。
今月もセミナーを開催しますのでリクエストをお待ちしております。企業単位のお申し込みも受け付けておりますので、是非お問い合わせください。
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日本における問題解決法は、名探偵ホームズのように仮説を立案し、その仮説の真偽を確認する作業が標準で、これを小学校から学ぶ。ただし、これはいまや日本だけではないか。
アメリカで刑事コロンボが生まれ、名探偵ホームズのような問題解決法で技術開発を行っていた日本は、世界一と持ち上げられたかと思うとバブルが崩壊し、失われた30年となった。
アメリカにあっという間に差をあけられ、刑事コロンボは、いつの間にか再々放送も無くなった。アメリカでは刑事コロンボが定着したが、日本では忘れられていった。
しかし、日本ではプログラミング教育の重要性が20世紀末から言われ始め、ようやくそれが普通に行われるようになって、あと5年もすると、刑事コロンボタイプで問題解決をする若者が世の中に出てくる。
このように書いても訳の分からない人は、弊社へ問い合わせていただきたい。問題解決法には少なくとも二通りあり、刑事コロンボタイプが迅速な問題解決を約束する。今月これに関してセミナーを開催します。土日参加であればサービス価格で提供いたします。
(注)当方はゴム会社でSiCの半導体治工具事業を立ち上げたあと、6年間研究が続けられても耐久性問題が解決されていなかった電気粘性流体の様々な問題をデータサイエンスで解決している。しかも、過去の研究データとか資料をリーダーから見せてもらえず、詳細な技術など分からない状態である。データサイエンスのデータは、カタログや静電気に関わる情報から集めている。
まず、耐久性問題については、加硫剤も添加剤も入っていないゴムを開発せよ、とリーダーが依頼してきたことが原因である。詳細は過去の活動報告に書いている。ゴムがどのような機構でゴム弾性を発現しているか理解しておれば、このようなテーマがユニークという評価ではなく、技術者としても常識的なゴム会社の社員としても信じられない依頼であることを理解できる。明らかに住友金属工業とのJVの妨害をしてきたのである。当時の研究所は、BMと同様の信じられないことが多発していた。普通の感覚なら異常と感じるような出来事で、当方が転職した時に電気粘性流体に関わっていた他の若者2名も転職している。このような異常な風土の中での狂気のテーマだった。耐久性問題は、界面活性剤でなければ解くことができない、と誰もが思っていたのに、リーダー含め博士2名含む高学歴スタッフ数名が1年かけて界面活性剤で解けない、という科学的に完璧な否定証明を完成させたのである。
科学でものを考えることの危うさはここにある。この10年発達障害とかいろいろ騒がれているが、科学という哲学の弊害をイムレラカトシュが指摘しても、あまりそれが話題となっていない。科学の方法は彼が言うように素晴らしい方法である。しかし、それに人類が対峙するときに人間として考えなければいけないことがある。科学を完璧に実現しようとすると否定証明となる、とは彼が初めてだした警告である。科学は一つの方法であって、人類は科学の無い時代から技術開発をしてきたことを思えば、非科学的な問題解決法を現代でも活用すべきである。特にトランスサイエンスの問題はこのような姿勢でなければ問題解決などできない。
さて、電気粘性流体の話に戻るが、当方は界面活性剤のカタログデータをMZ80Kに打ち込んで、主成分分析を行い、界面活性剤がHLBだけでは説明できないいくつかの群に分かれることを発見した。この発見は大した発見ではない。8bitマイコンがはじき出したその結果を考察し、そこから選んだ界面活性剤を増粘した電気粘性流体に添加し、増粘が解消されることを見つけた。この検証が大切である。そして一晩耐久試験を行い、実用化できることを示すデータを出した。当時の電気粘性流体をゴムケースに入れて耐久試験を行えば2時間でヘドロ状態になったので、一晩徹夜して耐久試験に合格することを見定めれば十分だった。
ここでは、科学の方法を使用していない。ただ、データサイエンスでデータを整理しただけである。データサイエンスは、その手法の研究は科学で進められるが、その手法を適用したときに、それが科学である保証は無い。例えばデータサイエンスによる恋人選びを想像してもらえれば理解できるだろう。いくらコンピューターが選んでくれても心のときめきが無ければ、その結果は恋に発展しないのである。
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ゴム製品のトラブルでは、難易度が高い場合に解析困難となる。しかし、熱可塑性樹脂、いわゆるプラスチックでは、何らかの答えを出せる。
加硫ゴムでは添加剤の種類が多いだけではなく、ポリマーブレンドで設計されている場合もあるので、ポリマーの同定が難しくなる場合もある。このような問題では、経験知から推定することになる。
ゴム会社の研究所に勤務していたので、ゴムに関する高度な分析技術とレベルの高いスタッフでも科学的に解析できない問題があることを見てきた。
それでも品質問題では繰り返して起きるトラブルでは、情報が集まってくるので科学的な結論とはならないが経験知の蓄積から対策をとれるようになる。
このような現場を見てきたので、写真感材のさらに難解な品質トラブルに遭遇しても勘所を押さえ、問題解決できた。難解さには、情報が少ないために難解な場合と間違った問題を設定して自分で問題を難解にしている場合がある。
プラスチックのトラブルでは、間違った問題を設定しない限り、ゴムのように解決できない、という問題に遭遇したことは無い。20年近く前の話だが、なんでもケミカルアタックにしてしまうコンパウンドメーカーには驚かされた。
科学の形式知ができていないことに甘えてはいけない。そのような姿勢では、良い品質の製品を送り出すことはできない。
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昨日のニュースの中心は、政治倫理審査会だった。金曜日は大谷選手の結婚報道で政治倫理審査会のニュースの影が薄くなったためか、昨日は野党の反発を中心としたニュースが多かった。
知らぬ、存ぜぬ、を問題としているのだが、それではキックバックの詳細を正直に答弁したらどうなったか考えれば、野党の反発の記事を読んでいて、あまり頭の良くない野党の姿が見えてくる。
責められることが分かっているから、首相はじめ問題の無いことしか言わないのである。正直に答弁できるように、野党が環境を整えない限り、無駄な審議しかできないのだ。
このようなことを考えていて、企業内の不正の問題にも共通する点があることに思いがゆく。不正の問題だけでなく、企業では業務評価について査定委員会を置いているところが多いと思うが、政治の世界と同じような状態になっていると大変である。
すなわち、自分は一生懸命やっていて、問題発生は部下が能力がないからだ、というような管理職の会社は、不正にしろ業績にしろその状態が懸念される。
役員は管理職の任命責任あるいは推薦の責任があるから、またそれをかばうような発言をする。政治の世界と同じような運営状態となる。これを許すような風土では、一連の自動車業界の不正のような問題は無くならない。
そろそろ、皆で誠実真摯に生きてゆくことが幸福につながる世の中にする知恵に気がついたらどうだろうか。大谷選手の結婚発表や政治倫理審査会のニュースで、堂々と歌舞伎町で不倫し正直に謝罪のため国会へ出席していた50過ぎの女性議員のニュースの影が薄くなった。
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