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2017.10/09 政治家に求められる誠実と真摯

ドラッカーの著書には誠実と真摯という言葉がよく出てくる。この言葉はリーダーに求められる重要な資質だからドラッカーの著書をリーダー論として読むことが可能だ。

 

衆議院解散以後の報道を見ていると政治家の生の姿が伝わってくる。それだけ今回の選挙は各政党にとって必死にならなければならない状況なんだろう。解散一週間前まで左うちわだった自民党まであたかも勝てないことを予測し始めたかのような浮足立った行動が見え隠れする。

 

意外だったのは、公明党がいち早く小池氏との関係を明確にした点である。公明党との関係においては小池氏は一本取られたかのように見える。そして、最近は小池氏の不誠実さがそのほころびから見え隠れする。

 

都民ファーストの会から二名の都議が脱会を表明した。インタビューを聞いていると政治家としての幼さが見え、誠実さが伝わってこない。インタビューの一部分を取り出せば誠実さと真摯さがあたかも脱会の理由のように聞こえるが、全体を読み取ると、一人の都議として思い通りに活動できないから脱会した、と説明しているようなものだ。

 

これでは脱会の理由がわがままから、ということになる。ただ、タイミングとしては絶妙で、いやがおうでも注目を集める。この点をしたたか、と称するのか、不誠実な行動とみなすのか。

 

不倫で民進党を離党した山尾元衆議院議員は無所属で立候補するようだが、WEBで盛んに不倫疑惑を否定している。色恋ざたの疑惑について、それを否定し潔白を主張することは難しい。

 

特に今回週刊誌で報じられた週4日の頻度は、仮にその目的でないとしても異性と密室に朝までいたのは異常である。ここはあっさりと男女関係を認めたほうが、あるいはせめて言い訳をしない方が誠実さが伝わる。

 

驚いたのは、野党の山尾議員に対する政治家としての評価が高いことで、無所属立候補にもかかわらず事実上自民党との一騎打ちに近く、有利な禊選挙となり勝てそうな環境である。

 

ただ選挙民は今ユーチューブで流れている映像を見て、彼女の誠実さを疑うかもしれない。今回の選挙では「政党に縛られず」誠実で真摯な立候補者を小選挙区では慎重に選びたい。

カテゴリー : 一般

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2017.10/08 何歳まで現役?

昨日NHKのニュース深読みで65歳まで雇用義務となった問題を議論していたが、根本的な働く意味に関する議論が欠けていた、と思う。就活を行う学生に対して「働く意味」が説かれる社会なのに,中高年に対しては釈迦に説法のごとく思われているのだろうか。

 

また、働く意欲の無い人に、働かなくてもよい、と引導を渡すのは残酷なのだろうか。中高年の中には働きたくない人もいるはずだ。全員が65歳まで働く必要はないのだ。ただしこれは社会保障との関係もあり難しい問題なので、本日は考えない。

 

社会の組織が長寿命化の時代に適合していない問題をドラッカーは早くから指摘しており、それゆえに知識労働者の働く意味の重要性を説いている。すなわち、知識労働者はまだ働ける元気があるのに会社組織を離れなければいけないので、自分の強みを毎日磨く努力をする必要がある、とドラッカーは述べている。

 

NHKの番組の中ではキャリア権という言葉を持ち出し、欧米には働くときに自分のキャリアを育てるように働くが、日本にはまだその意識が無い、とコメントしていた。

 

若い人に働く意味を説いているのだから、中高年にその意識が無いのではなく、日本の会社組織が中高年をダメにしているのだ。番組では専門職制度を推進すれば問題が解決するような説明をしていたが、それは一つの方法である。

 

バブル崩壊後平均年収が100万円から200万円程度下がったことが最近よく言われているが、これは大手が給与体系を変更したからである。実はその時にもう少し企業内高齢者の問題を考慮すべきだった。

 

弊社は定年の無い会社を目標にしている。実は、中高年の雇用の問題は、企業組織について風土を含めた全てのシステムをそれに対応させなければ解決できない問題である。

カテゴリー : 一般

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2017.10/07 混練技術に関する講演会

「コンパウンディング & フィラー分散のいろは」と題して、今月27日に「東京・大田区平和島 東京流通センター 2F」で講演会を1日(10:30-16:30)行います。

 

サイエンス&テクノロジー社主催の講演会ですが、弊社へお申込みいただければ、30,000円(消費税別)で受講できますのでお問い合わせください。

 

内容は、高分子材料に関する基礎から押出成形や射出成型までコンパウンディングが影響する分野について解説いたします。

 

総花的な解説ではなく、実戦的な内容で、最近中国で開発した技術の実例も紹介いたします。

 

もし混練技術について、教科書を読んでみてよくわからない、と感じられた方は、ぜひご来場ください。

カテゴリー : 学会講習会情報

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2017.10/06 小池都知事の政治手法

小池都知事の政治手法に対する批判が目立つ。選挙の影響かもしれないが、確かにこれまでの日本の政治家と異なる手法であることは確かである。政治手法はともかく、問題はご本人がどこまで未来に対して明確なビジョンを持っているかにある。

 

築地問題を見る限り、この具体的な夢を描く力よりも政治運営能力の高さだけが目立ったので希望の党に対する不安がでてきた。これは会社の仕事で例えれば、自分でビジョンや解決策を持っていないのにリーダーシップをとろうとする管理職に似ている。

 

もっとも各会社における管理職の業務、すなわちミッションは異なるので、自分で具体的な問題解決策を持っている必要が無くてもマネジメントさえできればよい、とされるかもしれない。しかし、そのような場合でもミッションを遂行した結果であるゴールについては、具体的イメージを持っていてもらわねば、その下で働くメンバーは苦労する。

 

すなわち、このような場合では上司が持つべきゴールイメージを部下が作ることになり、それを上司に提案しなければならない業務が発生するのである。このとき上司に具体的イメージあるいはゴールいわゆる落としどころの覚悟ができていないと部下は迷走することになる。

 

築地問題では、一応答えを出したが、その答えが結局前任者と同じ結果だったので批判が出てくる原因となっている。ただし、ここで出ている批判の多くは正しくない。結論を出せなかったような批判だからである。

 

前任者と同じ結論を出した結果、予算が膨らむことになったが、盛土の問題や未だ抱えている環境問題、都職員の仕事の進め方など築地移転に伴う都政に隠れていた多くの問題が見える化された。

 

都民ファーストの会という名前の意味通り、こうした多くの問題に対して都民が回答を出さなければいけない状況が創り出されたのだ。これはあたかも具体的なゴールイメージを持たない上司の仕事のやり方と同じである。

 

ただ、会社の業務と異なるのは、民主主義という政治システムでは、このようなやり方が許される。希望の党のマニフェスト及び公認候補の選出は大変わかりやすいが、問題は「それによって」日本の具体的な未来像が見えてこないところが批判の種になっている。

 

築地移転同様に国民の責任で具体的な未来を考えなければならない。ところで自民党政権により具体的な日本の未来が示されていてもアンケート結果に表れる支持率は上がらない。支持率を気にして未来に向けて思い切った改革を行わない場合にはポピュリズムに流された、と批判される。政治の世界は難しい。

 

希望の党はポピュリズムよりも問題がある。得票数を目標にアジャイル開発しているからだ。具体的な未来が示されないまま、安倍政権より良さそうに見せるマジックにかからないように慎重に候補者選びをしなければいけない。

 

 

カテゴリー : 一般

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2017.10/05 政治哲学と技術

共産党は、その政治思想や哲学が今でもたいへんわかりやすい党であり、支持する人が少ない。支持されないことが理解されていても、その党名はじめ哲学や思想を変えない、という点を理解できないが、日本はその思想や信条の自由が保障された国だから存続できるのだろう。

 

自民党は戦後その哲学や思想について保守という軸を堅持しているが少しずつ変わってきているような印象を持っている。小泉政権や加藤の乱などを見ていると、自己変革の可能な、それこそ時代に合わせて変革可能な体質を持っている政党なのかもしれない。

 

この意味で自民党という政党の哲学やその思想は少し分かりにくくなっている。そこへ登場した安倍政権は当初神道の仲間たちで組閣されお友達内閣と揶揄された。大臣の失言などで現在の政治体制に至っているが、戦後登場した保守政治の流れをくむ政治哲学である点は多くの評論家諸氏が語るところである。

 

ところで現代の政治において、政治家は旧来の哲学あるいは思想にこだわって活動するのが正しいのだろうか。日本の国の形は、少なくとも50年前から大きく変わっている。例えば、家族の形は大きく変わった。小此木啓吾氏の「家庭の無い家族の時代」が出版されてかなり立つが、もう「家」の制度は痕跡すら無くなったかのようである。

 

政治とはかなり趣が異なる技術開発でさえも科学という哲学で進めていては時代遅れになりそうである。哲学や思想は大切かもしれないが、時代の変化のスピードが加速している昨今の状況ではそれらに囚われていると、変化の中で新たに生み出されてくる問題に対応できない懸念がある。

 

どのような未来を政治が目指しているのか、それを示すのは政権与党の責任であるが、そのためにかつては哲学が重要な役目を果たした。しかし、21世紀はもはや哲学で未来を描く時代ではない。目の前の問題が明確なので、その問題解決をできる政治家が求められている。

 

哲学に拘り矛盾を解決しアウフヘーベンしようとすると大変困難になる。難しい弁証法でそれが容易になるとは、もはや誰も信じていないのである。哲学よりも現実の問題解決である。技術でもすり合わせで作り上げるのが日本のお家芸であり、そのとき科学へのこだわりを捨てている。

 

例えばカオス混合技術の生まれた背景は、日本の一流メーカーのコンパウンドを使っているので目標の成形体が必ず計画通りにできるという「科学的な期待」が生産技術センター内の総意だったが、現実は「科学的に解析すると絶対に製品ができない」という矛盾した状態だった。これをカオスと捉え、カオス混合でPPSと6ナイロンをコンパウンディングしてアウフヘーベンできたのである。

 

半年で世界初の混練技術を開発することなど科学的に仕事を進めていてはできない。さらにPPSと6ナイロンの相溶はフローリー・ハギンズ理論という科学的な理論に反する現象である。

 

科学だけでなく土日返上時間無視の労働など問題のある働き方でサラリーマン最後の仕事をやり遂げることができた。これをやり遂げたところで給与や退職金が増えるわけではないが、その技術成果だけを真摯に追及した。(周囲に迷惑をかけないよう健康管理に配慮している。ストレスをためない働き方をゴム会社時代に体得しており、異常な労働でも健康を大きく害したことは無い。ご興味のある方はご相談ください)

 

技術さえ科学に囚われないで行われるようになったのだから、政治家も問題解決能力で候補者を選別する時代であり、命がけで日本のために働いてくれる候補者に投票したい。

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2017.10/04 リベラルの集結

リベラルはフランス革命のときに登場した政治思想で、自由という意味のリバティーと語源は同じである。ゆえに新自由主義とか説明されている場合もある。今、菅氏が希望しても希望の党に入党できなかったのでリベラルの集結を呼び掛けている。そして枝野氏は立憲民主党という政党を立ち上げた。

 

小池氏が希望の党を国民に見えやすくするために、あるいは国民に理解しやすくするためにリベラルを排除する、という言葉を使用しているのは大変上手な使用方法だ。ただしそれが政治家として誠実な姿勢かどうかは当方は疑問を持っている。党の方針に合わない人たち、だけで十分に排除の意図は通じる。

 

現状を上向きにベクトルを向け、なんとなく良いことをやるんですよ、しかし本当によくなるかは本人もわからないですよ、という場合にアウフヘーベンという言葉を使ったりする小池氏のカタカナ言葉の用法は、本来の意味を拡張してマジックのように響かせて聞かせる。

 

しかし、今リベラルは良い意味で使われているのではなく、希望の党から排除された人たちの総称としてリベラルという言葉が使われている。少なくとも国民の多くはリベラルという言葉をそのように理解している。

 

そもそも今の時代にリベラルという言葉が良い意味をもつのかどうか。共産党が過激な政治思想の人たちの受け皿になっているのは周知のことである。共産党ほどではないが左寄り、というイメージの言葉にリベラルは映る。

 

その昔、自民党内リベラル派という言葉を聞いたときにびっくりしたが、菅氏の頭にはこのイメージがあるのではないか。また、その時代にリベラルは左寄りではなく、頭が左巻きという意味もTVの政治討論会で登場している。

 

しかし、今使われているリベラルの意味は政治家として日本国民のためにならない人たち、という意味で使用されている点に注意する必要がある。少なくとも小池氏はそのような意図でわざわざリベラルという言葉を象徴的に使用している。

 

時代とともに日本における横文字言葉は意味が代わる便利さがあり、カタカナ言葉がかっこいいと思っていたら軽蔑の意味だった、ということもあるので気を付けたほうがよい。当方が希望の党を排除された議員ならばあえてリベラルという言葉の使用はやめて、国民に分かりにくい状態をアウフヘーベンしたい議員の集結をはかる、と呼びかける。これも意味不明であるがーーー

カテゴリー : 一般

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2017.10/03 アジャイル開発とリベラル

衆議院解散後希望の党が急激な勢いで党勢を伸ばしている。この希望の党の手法はアジャイル開発そのものだ。事前に都民ファーストとともに党名を商標登録していたところも技術開発手法として学ぶべき点である。さらに最近ではリベラル排除と党のコンセプトを明確にするためにとられている行動もアジャイル開発では重要な手法の一つである。

 

そもそもリベラルとはフランス革命のときに生まれた言葉と当方の知識にはあり、かつては自民党内の加藤の乱でも登場している(そもそも自民党という政党は現代の日本の政治に必要な思想の総合デパートのようなところがあるので、国民に支持されるわかりやすい対抗勢力を作ろうとするのは、至難の業である。希望の党はそこをうまくやろうとしているのでこれまでの頭の悪い政治家の新党結成とは少し異なる。かつて存在したみんなの党は、政治の流れに乗れなかったが、希望の党はアジャイルしているのでいまのところうまくゆきそうに見えるがーーー)。

 

政治思想の専門家ではないのでリベラルという言葉の示す意味を当方は正しく知らない。辞書で調べてみてもせいぜい新自由主義や中道左派という共通キーワードがその意味として見えてくるだけである。

 

今民進党から希望の党へ入党できなかった、あるいは見かけ上自分から今入党しないと宣言している入党を断られた方たちをリベラル派と称しているが、その人たちと、かつて自民党内リベラル派の言葉が登場したときの思想を比べると意味不明になる。

 

それでは今リベラル派と言われている人たちはどのような意味で、と問うても実は意味が無いのである。アジャイル開発では科学で不明確な技術あるいは解明されていない技術も取り込む必要がある。また無意識のうちに取り込むこともある。

 

このような場合には、その開発過程で技術のコンセプトを開発者が定義する必要が出てくる。そうしなければアジャイル開発は単なる突貫工事となるからである。いやしくも技術開発である限り、すなわち新機能を取り込んだ商品を造ろうとしている限り、その技術内容を明確にする必要があるが科学で証明されていない場合には、わけのわからない名前でもコンセプトにつけなければしょうがない。

 

また、科学で解明されていない技術でも取り込んで行うところがアジャイル開発の醍醐味でもあるので、とりあえずコンセプトを明確にするためにとってつけたような名前をつけることはアジャイル開発の一つの技法でもある。

 

写真会社を退職する前にカオス混合技術をアジャイル開発しているが、このカオス混合はまさしくこのような技法で生まれた名前である。似て非なる装置にEMF(伸長流動装置の英語訳の頭文字をとってつけた名前)があり、こちらはウトラッキーという学者が伸長流動を混練で活用するため20世紀末に科学的に考案した装置である。科学的に考案されたので、大量生産に使おうとするととんでもなく大きな設備となり、実用的ではない。

 

当方のカオス混合装置は、出来上がっていない技術を定年前に担当することになり、それが半年後に商品に採用されると決まっていたとんでもない状況だったので、開発計画には入っていなかったカオス混合装置をアジャイル開発するマネジメントの決断をした(組織内の調整と開発を単身赴任してすぐに同時スタートしている。そして年末には8000万円の決済でコンパウンド工場を立てている。8000万円でなぜできたかは、問い合わせていただきたい。)。

 

できてもいない技術を商品に採用しようと製品開発が進められていたこと自体カオスだが、一流メーカーのコンパウンドを使用しているから技術が必ずできる、と信じていたところは政治家に一票を投じる気持ちと同じである。製品開発に失敗する多くのケースに、皆が支持していた科学的な技術が完成しないという場合がある。

 

皆が支持するのは科学的な技術ゆえだが、それゆえできない場合があるのは非科学的要素が市場で重要なことが多いからである。市場に非科学的要素があるので、市場におけるアジャイル開発が重要になってくる。

 

話を戻すが、お互いを信じなければ皆で組み立て技術の開発などできず、投票も同様に信じていなければ名前を書くことができない。そして投票後に失敗だったとわかる人生の繰り返しである。政治の世界のアジャイル開発がうまくゆくかどうか知らないが、カオス混合技術は弊社の「研究開発必勝法」で無事成功している。

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2017.10/02 日産自動車の問題

完成車の検査を無資格者が行っていた日産自動車の問題は、おそらく伝統的に行われていた可能性が高い。また、これまで、セレナ、キューブ、ジュークと日産車を乗り継いできたが、セレナでは納入されてすぐ速度計の電気配線の断線があり、キューブでは樹脂製空気取り入れ口の脱落と続いた。これらは、初期故障などではなく、適切に取り付けられていなかった問題なので明らかに検査ミスによるエラーだ。

 

本当は日産車を乗り継ぐ予定は無く、最後に乗るガソリン車はポルシェと同じ構造のエンジン車と決めていたが、熱心な営業マンに押されて4駆のジュークに乗ることになった。その時これまでの新車の問題を指摘し、「日産では完成車の検査をやっていないのではないか」と冗談で言っていたらそれが本当だったのでびっくりした。

 

今年の2月に購入した4駆のジュークは納入されて3ケ月以内に自動ブレーキランプの異常があって、車載カメラを交換している。結局3台続けて新車時にエラーが見つかったことになるが、それでも我慢して日産車に乗っているのは、クレーム対応が迅速で親切だからだ。

 

セレナの前はホンダのプレリュードXXだったが、ゆがんで取り付けられていたボンネットのクレームを新車納入時に受け付けてもらえず、結局そのまま乗り続けることになり、車検の対応も悪かったのでホンダ車が嫌になった。ボンネットのゆがみはセレナに買い替えるまでそのままだったが、日産車のような車両の機能に関わる異常は無かった。

 

新車時に異常があってもクレーム対応やサービスがよいためにリピーターになっていた当方の体験から、車という商品の特殊性を理解できたような気がする。ボンネットが多少歪んでいても走行性に異常は無いのでそのまま乗り続けても大丈夫、と言った営業マンには少し腹立たしさを感じたが、本当は車の基本機能の信頼性の高さ、メーカーの良心に自信をもっていた営業マンに敬意を表するべきだったのかもしれない。

 

ところで、初めて乗った車はカローラクーペでその次はセリカと20代に乗った車は、名古屋人の定番トヨタだった。トヨタ車の購入では営業マンの対応や自動車の品質に特に問題は無かった。さらに、ディーラーにクレームを言った記憶も無ければ、CMを見て選んだ車にCMほどの特別な感動も無く無難な印象だった。トヨタ車が売れる理由かもしれない。

 

セレナは初期故障はあったが、その後の異常はなく、当時のワゴン車としては作りこまれた車内のレイアウトや、加速性能に不満は無く、娘が気に入ったキューブは価格に比較して満足できる室内と低速と都市部での乗り心地の良さに気にいっていた。4駆ジュークは刺激的なデザインもさることながら走りもキビキビして楽しく運転できる。高速道路ではトルクベクタリングの効果で車線変更やコーナリングが楽しくなる。名ばかりのスペシャリティーカーを乗り継いだ経験から、価格の割に楽しい車と感動している。

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2017.10/01 解散総選挙

マスコミ報道によれば、野党の準備が整う前に解散総選挙を行い勝利する予定でいた自民党が、この1週間の野党の動きの中で慌てているという。また、有権者のアンケートには、自民党が驚くような結果も出ており、当方もびっくりしている。

 

このような急激な変化を政治の世界に引き起こしているのは、SNSはじめ情報化時代ゆえの無料インフラの役割があるが、民進党前原代表のあっと驚く決断と小池都知事のマスコミ操作のうまさの寄与が大きいだろう。また、あらかじめ商標登録を済ませていたといわれている希望の党は、あたかもアジャイル開発を見ているような誕生の仕方をしている。

 

小池都知事の政治手法は、ワイドショーで語られているように、マスコミ出身というキャリアのなせる業だろうが、前原代表の今回の決断にはリーダーの在り方を教えられたような気がする。もし今回の総選挙で自民党が負けるような状況になれば、この決断は恐らく政治の歴史の一シーンとして語り継がれるに違いない。

 

事前にドミノ倒し的離党が起き始めていたのでやがては民進党は消える運命だったかもしれないが、少なくとも先週の前原党首の決断については賛否両論あったようにリーダーの決断事例として改めて検証し、学びの事例とする価値があると思っている。

 

今回の解散前に小池氏と民進党の一部が話し合いを進めていた、という情報があるが、離党者の顔触れやその扱いを見ていると、明らかに状況を判断してリーダーが難しい意思決定をした事例だと感じる。総選挙の結果がどのようになるか大変興味深い流れになってきた。

 

一週間以上前には自民党圧勝の可能性がささやかれ、選挙の興味はトヨタ自動車よりも有名になった豊田議員や二発の文春砲を浴び民進党幹事長になり損ねただけでなく離党まですることになった山尾議員の「禊選挙」にあった。しかしそれが簡単にひっくり返るのが情報化時代ゆえだろう。

 

 

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2017.09/30 アジャイル開発と産学連携(4)

ゾルをミセルに用いたラテックス合成技術は、実験の失敗から生まれている。ただし、当方がホワイトボードにコンセプトを示す漫画を描かなければ、失敗した実験を見直す作業は行われず、技術が生まれなかったはずだ。

 

面白いのは、正しく制御された実験の失敗は再現を容易にできるので、同じ失敗を正確に再現できる点である。アジャイル開発では、このような再現性を科学の力で確保できる。

 

タグチメソッドでロバストの高い技術を開発する余裕が無く、短時間に成果を出したいときには、科学の力を頼ったほうがよい。科学の良いところは、真理が一つと保証されるところである。ゆえに科学の形式知を集積しアジャイル開発を行えば、再現性は保証される。

 

ゾルをミセルに用いたラテックス重合技術では、失敗した実験手順でそのまま実用化されている。ただし、もともとはコアシェルラテックスを合成するつもりだったので、担当者も含め実用化するときには少し躊躇した。

 

一応タグチメソッドで量産技術の最適化を行ったので、ロバストの心配はなかったのだが、本当にホワイトボードに描いたような構造になっているのか不安だった。コアシェルラテックスよりも性能が良すぎたからだ。アジャイル開発でもあまりにも出来が良すぎると同様の不安がつきまとう。特にそれが肝の技術で完成された機能の場合にはなおさらだ。

 

このような場合には、出来上がった技術を科学の目で見直すためにアカデミアへ丸投げする方法もある。ゾルをミセルに用いたラテックス重合技術では、担当者を三重大川口先生のところに派遣した。

 

すでにモノが出来上がっているにもかかわらず研究を行おうという申し出について、先生から「趣味ですか」、と冗談で問われたが、真顔で「不安の解消です」、と答えている。すでに出来上がったモノについて科学の研究を行う長所は、否定証明に陥らない点である。

 

アジャイル開発を進めるときに問題となる技術の熟成は、成果物について産学連携で研究を行うことにより実現できる。そして研究の結果得られた成果は、科学の世界で真理として保障されるので、次の開発に生かすことが可能となる。これはソフトウエアーにおけるライブラリー(オブジェクト指向ならばクラス)を構築することと同じである。

 

ゾルをミセルに用いたラテックス重合技術では、シリカゾルへ界面活性剤が巻き付くように吸着し、界面活性剤として機能していることが大切な科学の真理として得られている。研究を行わなければ、単なる思いつきで書いた漫画の世界が運よく当たって開発に成功しただけで終わっていたが、この真理は、これまで他の二種類の技術開発で再利用できた。

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