χ=0で高分子の相溶が起きる、と教科書に書いてある。しかし、この条件でなくてもカオス混合機を用いれば相溶させることができるポリマーブレンドがいくつか見つかった。
ところで相溶という現象は非晶質相で生じる現象であり、カオス混合機を用いたときに相溶しない組み合わせでも相溶する場合がある、ということは、混練プロセスで高分子の溶解性が変わるということだ。
理論的にはおかしなことだが、実務上はこのように考えていたほうが、ブリードアウトの問題を考えるときに間違いをしない。
溶解性は自由エネルギーで説明できるので、混練プロセスで高分子の溶解度が変わるという現象は科学的に説明しにくいが、実用上はこのような感覚でいたほうが痛い目にあわない。
高分子の溶解性を議論するときに完全な平衡状態なるものをどのように考えればよいのか、あるいは実務上そのような状態を作り出せるのかどうか、という問題があるからだ。
ゆえに教科書的視点から見れば理解しにくいが、ブリードアウトの問題を考えるときには、実際に観察される現象を重視しなければ痛い目に合う。すなわち理論的ではなく実務上観察される溶解度を超えた添加剤は必ず短時間でブリードアウトの問題を引き起こす(運が良ければ起きない、ともいえる)。
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教科書に書かれている内容を否定するような実験結果を出そうと転職してから20年間考えていた。犬に人間かみついたらニュースになる、といった単純な動機である。
ポリオレフィンにポリスチレンを相溶させて透明な樹脂を開発した時には楽しかった。この話は以前書いた。錠と鍵の関係になるような組み合わせを狙って混練した結果である。
この成功で、フローリー・ハギンズ理論が怪しくなった。これによりχが大きくても相溶させる混練プロセスを開発する動機が強くなった。そして開発したのがカオス混合機である。
このカオス混合機を用いてPPSと6ナイロンを相溶させて急冷し透明なストランドを得た。このストランドを定年後も眺めていたら、ある日白くなっていた。すなわち相溶していた6ナイロンがTg以下でスピノーダル分解し、相分離したのだ。
Tg以下では分子運動が凍結されているはずだが、実際には部分自由体積と呼ばれる領域では、室温で盛んに高分子は分子運動を行っている。元気な子供を羽交い絞めにしてわきの下でもくすぐった時の様な状態をイメージしてほしい。
足をバタバタさせている状態が部分自由体積に存在する高分子の一部分である。少しかわいそうになって力を緩めるなら、子供はすぐに腕をほどいて逃げてゆく。まさにそのようなことが5年以上という長時間をかけて相溶したPPSと6ナイロンのストランドで起きたのだ。
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非晶質であればすべてガラスと勘違いをしておられる方が多い。非晶質にはガラスにならない非晶質体が存在する。ガラスは非晶質でかつガラス転移点を持っていなければいけない。ガラス転移点を持っていない非晶質はガラスではないのだ。
この知識をよく理解しないで情報として頭に詰めていると、楽しい体験ができる。樹脂のガラス転移点(Tg)を知りたくてDSCという熱分析を行ったときに、Tgが現れなかったりすると新発見と勘違いする。
樹脂のDSC測定ではまれにTgが現れないことがある。しかし、これは、Tgに到達する直前で昇温にストップをかけてやると、きちんとTgが現れるようになり、何も新発見ではなくなる。
以前書いたように高分子の非晶質は必ずガラスになり、そのためTgを必ず持っている。だからDSC測定でTgが観察されなかったとしてもそれは新発見ではなく、運が悪く十分な緩和が起こっていなかったサンプルを測定しただけの話だ。
だから、先に述べたようにTg直前で昇温を止め、3分ほどホールドしてやるとTgが現れるようになる。このようなことは、学生時代に経験しておくべき事柄である。社会人になってDSC測定を行い、Tgが現れなくて新発見と騒いでいたら確実に笑われる。
このようにガラスは必ずTgを示すが、非晶質体にはアモルファスの金属酸化物のようにTgを示さない物質も存在する。このような非晶質体はガラスにならない。
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昨日体操協会のパワハラ問題の記事を引用して取り上げたが、予想通りの大混乱になっている。いけないのは塚原氏が円満解決を考えた発言をしていないことである。「全部ウソ」と全否定の発言をしている。
本件、コーチのパワハラ問題が表に出てから奇妙な印象を受けていた。当初マスコミは、被害者がパワハラと感じていなくても暴力をふるっていたらパワハラで、自浄作用のような行動にみえた体操協会を英断としてたたえる記事もあった。
しかし組織の問題で人生が大きく変わった経験をもつ当方には、コーチの処分が厳しすぎるように思われた。また、調査も不十分であり、いかにもコーチの処分ありきに見え、単純なパワハラ問題ではない予感がした。
昨晩からマスコミは過去の女子体操選手の採点トラブル問題まで取り上げ始めた。しかし、コーチの処分の時に迅速に動いた体操協会は、今回のマスコミの動きに対して鈍い。これがますます疑惑を深めている。
騒動が今後どのような展開になるのか予測がつかないが、なぜ当事者は円満解決を目指さなかったのか疑問である。塚原氏はなぜ女子選手の発言を全否定するのだろうか。
実は腐った組織の場合には、円満解決を目指そうとしても誠実さが無い当事者のためそれがうまくできないものである。やがて大事件まで発展し、取り返しのつかない事態になって第三者や社会の努力により収束してゆく経過をたどる。
組織のリーダーは誠実な人物を選べ、とドラッカーは述べているが、**ハラスメントのような問題解決には誠実な対応が第一である。誠実なリーダーでなければ今回の様な問題を解決できない。
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体操女子で16年リオデジャネイロ五輪代表の宮川紗江(18)が29日、都内で会見を開き、世界選手権(10~11月、カタール・ドーハ)の代表候補を辞退し、今季は試合に出場しないことを明かした。
(中略)
宮川は21日、暴力行為で日本体操協会から無期限の登録抹消などの処分を受けた速見佑斗コーチへの見解について、代理人弁護士を通じて発表し、処分への疑義や、引き続き同コーチの指導を望む意向を示し、直筆の文書で「金メダルという目標は速見コーチとだからで、他のコーチとでは私の望むことではないし、意味がありません。パワハラされたと感じていません」などと記していた。
以上は、スポニチWEB版の記事からの抜粋である。
その後、下記記事が公開された。
体操女子で16年リオデジャネイロ五輪代表の宮川紗江(18)が29日、宮川への暴力により速見佑斗コーチ(34)に日本協会が科した無期限登録抹消などの処分に疑義を示した問題で会見を開いた。冒頭のあいさつで、宮川は日本協会の幹部からパワハラを受けていたと主張した。
さらに
速見コーチが処分を受ける前の7月中旬、日本協会の塚原千恵子女子強化本部長、夫で日本協会副会長の塚原光男氏に呼び出され、「(速見コーチに)暴力の話が出ている。認めないと厳しい状況になる。あのコーチはダメ。だからあなたは伸びない。私なら速見コーチの100倍教えられる」などと言われたという。
詳細はスポニチWEB版をご一読願いたいが、少なくとも公開された記事から見えてくるのは、コーチによる有能な選手の奪い合いである。
建前はパワハラだが、報じられている事実はあまりにも醜い。コーチによる暴力が良くないことは当たり前だが、有能な選手を奪いあう構図は問題である。
誠実に選手のためや組織の反映のためを考えるならば、速見コーチの指導がトップの仕事であり、罰することではないはずだ。今回の流れを見ていると、速見コーチを追放することが先にあり、人材育成の視点が欠けているところが組織の問題として浮かび上がる。
まず、追放という処分の前に暴力を用いた指導を辞めるように体操協会は指導した、という報道が先に無ければいけないが、いきなり追放である。過去の暴力を引き合いに出して追放という処分に何か胡散臭さを感じていたところ今回の報道である。
今回の問題は、全員が丸く収まるような解決の仕方を目指すべきだ。それは妥協ではなく、選手の将来を大切にした円満解決である。速水コーチを元の地位に戻しても問題ないのではないか。大切なのは暴力追放であって、速水コーチ追放ではないはずだ。
もし、協会のメンツなどを気にして円満解決を図らないとしたならば、それはまさに協会そのものがおかしなことになっている証と思われる。
宮川選手は実績もあり、東京オリンピックにおいて活躍が期待される選手である。もし彼女がこのまま消えるようなことになったなら、それは体操協会の責任である。一人の選手の問題として甘く見ていると今後体操協会を揺るがすような大きな問題に発展する。組織の問題とは、そのような性質である。
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26日日曜日の試聴会では、B&Wのスピーカーも音工房Zのスピーカーもツイーターは、高剛性タイプであり、前者は蒸着ダイヤモンド製で後者はマグネシウム合金製だった。
この二つのスピーカーを聴き比べた限り、音の分解能は同等に思われ、いずれのスピーカーも楽器の輪郭を明瞭に描いていた。ただ面白かったのは音楽ソースによりその聞こえ方が少し異なったのだ。
(この差は、前回の視聴会で用いられたB&Wの40万円前後と今回の100万円以上の同社のスピーカーとの差よりも大きい、と感じた。同世代のB&Wのスピーカーを同じ再生装置で比較試聴すると、価格の差を感じることができる。ゆえに前回のB&Wのスピーカーが良く聞こえたのは再生装置のセッティングの影響が出たのではないか。前回も今回も音工房Z社の同じスピーカーが比較対象に使われている。こうしたことを考えると高級スピーカーは、その使用環境の影響を大きく受けるロバストの低いスピーカーとなる。)
これはどちらが良い、悪いの差ではなく、頭の中に描かれる音のイメージの好みになってくると思われた。当方が聴いた限りではどちらのスピーカーでもよい、と感じたが、この比較試聴の後、5000円の雑誌の付録のスピーカーの音を聴かされてびっくりした。
スピーカーの箱は音工房Zの設計及び製作によるものだが、低音の量感こそ負けていたものの音の分解能に関しては、同等以上だった。
おそらく小音量で聴いたならばその差は無くなるのではないかと思われ、高価なスピーカーが良いだろうと漫然と考えていたので冷や汗が出てきた。
小口径スピーカー1発から出てくるその新鮮で繊細な音は、明らかに比較試聴した二つのスピーカーとは異次元の音だった。すなわち少しまろやかで耳に気持ち良かった。
オーディオ用のスピーカー選択で難しいところは、高いスピーカーを購入すればそれで満足できるわけでもなく、長時間聴いて疲れず満足できなければいけない。
高級スピーカーでも長時間聴いていると何か疲労感の出てくるスピーカーもある(この点でJBLのスピーカーは優れている、と思う。今時の音ではないが、長時間聴いていても疲れない。ナンクリの表現はこの点を理解できるとバブル時代の物欲小説として鑑賞できる。)。長時間何か他のことをしながら音楽を聴くならばBOSEの安いスピーカーで十分である。
日曜日大きな収穫として100万円以上のスピーカーでも完璧ではないということを比較試聴でわかったことだ。
音楽をオーディオで再生するときに、まず録音した時のマイクの品質の問題があるはずだ。次に得られた音源を販売用に加工するときのエンジニアの技量が影響する。また、ミキサーの性能も影響する。
そして再生装置最後の出口のスピーカーの性能差となるが、音のソースにおいて既に問題を抱えているので、出力だけ完璧にしても演奏者の楽器から出ている音そのものを聴けるわけでもない。
昔はエレキギターとアコースティックギターの差がわからないようなスピーカーもあったが、最近そのようなスピーカーを聴いたことが無い。
この考え方に立てば、音楽を聴いて自分が満足できるスピーカーなら何でもよいことになる。このようなことを書いたらオーディオマニアの人に怒られるかもしれない。
実際に、仕事をやりながら一人でジャズを聴いていると、その音の分解能が低かろうが無関係である。キーボードをたたく手にうまくビートが合えば気持ちよく仕事が進む。
(注)40年前のオーディオブームでは、再生装置も含めその技術革新の様子がよく分かったが、それは同じ音源でも全く別物に聴こえる様な技術差があったからだ。今販売されている装置では、楽器の音を聴き間違えることはない。数年前、題名のない音楽会でバイオリンの名器の聴き比べをやっていたが、その差が視聴者に伝わるぐらいの性能が現在のオーディオ装置の性能である。もう十分な性能と思っている。
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昨日の続きだが、高級スピーカーと呼ばれるものには、かつて何となくクリスタルで話題になったJBLがあるが、最近は人気が無い。
このJBLスピーカーの特徴は大口径のウーファーとホーンスピーカーで音楽を壮大に聞かせる。しかし、デジタル化により、アンプの出力向上やSN比の向上により、高能率のスピーカーよりも繊細な音表現が好まれるようになった。
B&Wのスピーカーはまさにそこを狙ったスピーカーで能率は低いが音の分解能は高い。昔はソフトドームスピーカーをはじめとして、高域を駆動するスピーカーの材料は絹など軟らかい材料が用いられていた。
本来は高剛性で高周波数領域で内部損失の大きな材料がよいのだろうけれど、これは材料物性として二律背反となる。最近はアルミニウムやマグネシウムを用いてそのような材料加工ができるようになった。
B&Wは、アルミニウムやマグネシウム製の高剛性材料をツイーターに用いて成功した会社である。この会社の高級品はダイヤモンドを蒸着したツイーターが使われているが、蒸着ダイヤモンドは単結晶よりも少し弾性が落ちる。
今では分解能が高いと言われているスピーカーの多くは金属製のツイーターを用いている。ダイヤモンドでなくても聴感上変わらないのでわざわざダイヤモンドを使用しているのは、いかにも、という印象を受ける。
日本にはダイヤトーンというブランドが昔あったが、ダイヤモンドではなくボロンを使用したツイーターを過去に開発している。ボロンも硬い材料だ。ツイーターは硬い材料が良いのだけれど材料の固有振動数の問題で昔は柔らかい材料しか使えなかった。
ダイヤモンドを使用していないダイヤトーンよりも有名ではないが、日本を代表するスピーカーメーカーの一つフォステクスは、金属製の振動板を用いたウーハーやスコーカーを用いた高級スピーカーを販売しており、高級スピーカーメーカーの仲間入りをした。
ここは、スピーカーユニットを部品として販売しており、スピーカーの自作ユーザーには無くてはならないメーカーだ。最近B&Wの技術者が立ち上げた台湾のマークオーディオは、金属製の振動板を得意とするパーツメーカーの一つだ。
金属単体の振動板ではないが、金属をウーハー材料として最初に用いたのは日立LoDで、1970年代にアルミ箔とパルプのサンドイッチ構造の振動板を開発している。
パルプとサンドイッチにして材料そのものが振動するのを防いでいるが、硬い材料と柔らかい材料を複合化する手法が防振材料として使われるようになった時代である。
老舗のオンキョーは、金属とパルプのハイブリッド振動板をツイーターに用いたブックシェルフスピーカーを同社のハイエンド製品としている。
なお、最近話題のセルロースナノファイバーを最初に実用化したのはオンキョーで、ウーハーの素材に味の素の菌セルロースをスコーカーとかウーハーにかなり以前から使用している。
このハイエンドスピーカーは日本を代表する名器だと思うが、1台17万円と良心的な価格である。最近発売された同社のハイエンドホーンスピーカーよりも音楽を雄大に聞かせてくれる(明日に続く)。
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昨日音工房Zで開催されたスピーカーの試聴会に参加した。そこで面白い体験をした。B&Wの1台100万円を越えるスピーカーの音と雑誌の付録の5000円前後のスピーカーの聴き比べである。
実は前回同社の試聴会では、同じくB&Wのスピーカーとの聴き比べだったが、そこで用いられたのは、一世代古いB&Wの1台40万円前後のスピーカーだった。
まずB&Wのスピーカーについて簡単に説明を加えると、古いタイプはおそらく805ダイヤモンドで、新しい100万円を越えるスピーカーはWEBで調べたところ802ダイヤモンドだった。
いずれもツイーターは侍のちょんまげのごとく外部に搭載されており、振動板はダイヤモンドが蒸着されたタイプで極めて剛性が高い。
前回と今回では同じようなツイーターであり、その他の構成が異なるスピーカーと最初に比較し聴いたのは、同社のZ800-FW168HRSという2台1セット398000円スピーカーである。
前回と今回、このスピーカと異なるB&W社のスピーカーと比較したのだが、当方の試聴感では、40万円前後のB&W>100万円前後のB&W=Z800-FW168HRSとなった。
B&W社のスピーカーが古くて安い方が良くなる、というのは、ややおかしい感じがするが、これは当方の耳がおかしいのか、このクラスのスピーカーになるとアンプとの相性やスピーカーのエージングの影響、その他の影響などを受けているのか不明である。
しかし、昨日の結果は、その性能がほぼ同等に感じられた。すなわちその聴感上の差がわからなかった、という表現が正しいのかもしれない。また音工房Zの視聴会の目的もそこにあったのかもしれない。(明日に続く)
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最近山根会長の話題をTVで見られないと思ったら、富田林市の脱走事件にアジア大会のバスケットボール問題と、立て続けにマスコミが飛びつきたくなるような事件が相次いだ。
阿波踊り問題がもう少しTVで取り上げられるかと期待していたが、あまりにも次から次へと大衆見世物型事件が相次ぐのでかすんでしまった。
先日デジカメが従来のアナログカメラのデザインに戻ってしまった話を書いたが、阿波踊りの問題については、昭和の時代の利権が絡んだ臭い運営が問題の根底にあり、カメラがクラシックデザインに戻る問題より深刻で日本国民に与える影響も大きい。
ややオーバーな表現かもしれないが、観光立国日本を掲げ政府が観光に力を入れているときに、日本の重要な観光資源の一つ「阿波踊り」が、利権にぶらさがる人たちによって食いつぶされそうになっているのだ。
今年に限ったことではなくて、昭和から続いてきた典型的な利権産業のなれの果てが顕在化した問題である。もしこのまま続けていったなら、あと10年もすれば、観光客は50万人台まで落ち込むかもしれない、と懸念している。
10年しなくても、今年の観光客100万人以上という数値がインチキで実数はすでに50万人以下になっている、という調査結果も発表された。チケットの売り上げも昨年の半分という報告もある。このあたりの正確な数値が出てこないところも怪しい。
その中で、市長をリーダーとした主催者やその利権団体に反発し、「有名連」の人たちが総踊りを決行したのは、しかも無料席でそれをやってのけたのは、革新的試みで日本人はもっと注目すべきだろう。ただし従来通り見世物興行的だったのが残念だが。
当方はTV以外で阿波踊りを見たことが無いが、機会があれば一緒に踊ってみたいと思っている。しかし、今の阿波踊り観光はこのような願望を寄せ付けない「お客を無視した利権がらみの観光」の運営になっている。
このままならば、永遠にTVで見るだけで終わるのかもしれない。「見る阿呆」の中に、TVで見ている潜在的なニーズがあることに気が付くべきである。このニーズを掘り起こすためには、「踊る阿呆」に引き込むことだ。すなわち見物型観光からの脱却である。リオのカーニバルを越える世界の阿波踊りを目指してほしい。
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「製薬大手ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の論文データ改ざん事件で、ディオバンが他の治療薬より有効とする名古屋大の研究論文について、掲載した米科学誌が撤回していたことが24日、名大への取材で分かった。」
これは時事通信社のJIJI.comからの転載記事である。この記事では、事件の説明として以下の内容が続けて書かれていた。
「名大の調査報告を受け、8日付で削除された。
ディオバンの臨床研究は名大や京都府立医大など5大学で行われ、各大学が脳卒中や狭心症に効果が高いとする論文を発表。後にノ社社員の不適切な関与が判明し、名大を除く4大学の論文は既に撤回されていた。」
母校の不名誉な記事であるが、なぜ他大学よりもアクションが遅れたのか気になるところであるが、関わった研究者は懲戒免職に相当するだろうと思われる。また、他大学よりもアクションが遅れた原因は不明だが、調査にあたった内部委員には「対応の遅れ」という責任があるのではないか。
すでに当方の学位取得の体験に基づきアカデミアの先生の中には、社会常識をわきまえないどころか善悪の価値観もおかしいとんでもない先生がおられることを書いた。
まさにこれはそのような先生方を扱った記事だが、当方が呆れたのは、不正論文の撤回まで遅れたことである。アカデミアの使命を真摯に実行したならば、不正に対して迅速に対応できたはずだ。
真理を追求するのがアカデミアの最も重要な使命なので、それが遅い、ということは能力が低いアカデミアかあるいはおかしい先生が委員を務められたのか、とにかくアカデミアとして許されることではない。
社会に現れた事件や自己の体験から大学の偏差値が必ずしも大学の正しい姿を示していないと思っている。偏差値が低くても学位審査はじめ大学運営を立派に実行している優れた大学がある。
また、当方が存じ上げている大半の先生方は、誠実で真摯な研究者である。ただしそれでもおかしな先生の方が目立つのである。母校は、他の誠実な先生に迷惑がかからないよう、さらに世間が納得するようにこの問題に厳しく対応してほしい。
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