始末書を提出するときにホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画を添付した話を以前書いている。ゆえに詳細はそちらを参考にしていただきたい。
燃焼時にオルソリン酸として揮発しない点がホスファゼン骨格の高い難燃性発現の機構におけるキモであるらしいことは、燃焼試験におけるガス分析等で明らかにされた。
ならば、リン酸エステルとホウ酸エステルと併用し、燃焼時の熱でボロンホスフェートを生成する仕掛けをすれば、オルソリン酸の揮発を防ぐことができる。そして、この組み合わせシステムは、ホスファゼン同等の高い難燃効果を発揮できるはずだ、という仮説からホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画は生まれている。
この企画は、すぐにテーマとして実施され、この実験結果とホスファゼン変性ポリウレタンフォームの実験結果を合わせて1年間の新入社員研修成果として発表している。
この時多変量解析で行った考察を報告していない。化学分析結果を科学的に考察してまとめた内容を報告している。統計手法も含め、当時の本部長がそれらを用いることについて非科学的として低い評価をしていたからだ。
当時の主任研究員が高分子学会崩壊と安定化研究会の委員だったので、30分の講演として発表するときにも多変量解析結果を発表するかどうかもめている。
当方は、データサイエンスを用いる方法として斬新な視点である、と上司を説得し発表項目の一つとして許可された。特許出願後にすぐにこのような新しい研究発表が許されていた時代である。
データサイエンスを用いた高分子の難燃化研究は、1981年に最初の発表がなされたのだが、当方が期待したほど反響は大きくなかった。
40年以上経過した今年の日本化学会春季年会では、この時の内容と、パーセプトロンを用いたアルゴリズムによる解析との比較を報告している。
マテリアルズインフォマティクスも10年の歴史があり、聴講者は少なかったが、40年以上前よりは反響があり、発表後二人の方から廊下で質問された。一人はアカデミアの方で、一人は企業の方だった。崩壊と安定化研究会では解析法に対する質問が0だったので40年の歴史の重みを感じた。
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衆院補選は自民党の惨敗という結果となったが、これは下馬評通り。多くのデータから事前に示されていたので、自民党も島根だけの戦いに臨んだのだが、そこでも予想通り負けた。
今回維新と立民の戦いが演じられると報道されていたのだが、東京15区は少し様子が異なった。後半で大混戦となり、立民が漁夫の利で勝った。
須藤元気氏が予想に反した善戦と報じる記事が多いが、当方は選挙戦の初めから想定していた。また日本保守党の候補も急激な追い上げを演じたが、須藤氏には勝てなかった。
この東京15区、もし須藤氏が立候補していなかったなら、立民ではなく維新か日本保守党の候補が当選していたかもしれない、と当方は予想している。
この15区の選挙結果は、現在の国民の意識、とりわけ保守層の意識が現れているような結果と当方はとらえている。岸田政権の支持率は、まだ2割以上あるようなアンケート結果になっているが、無党派層だけのアンケートをとったなら1割を割り込むのではないか。
問題は、一定数存在する保守層の票の行き先である。今回の15区はそれが分散した結果となったのではないか。乙武氏の敗退は昨今の不倫に対する厳しさの風潮から自明であり、その風を読むことができなかった小池氏の政治勘も鈍ったか?
今回の補選で見かけ上立民が躍進したように見えるが、それならば15区でもう少し票を獲得できていなければいけない。また、もと立民の須藤氏が次点となることもできなかった可能性がある。おそらく今週ワイドショーではこの15区の票の読み方が、今後の政局を占う話題となるのではないか。
この15区の事前の予想では、どのようなデータでどのように処理するのかで結果は左右された。当方は、今回都民ファーストの寄与を小さくして解析している。理由は乙武氏の公認となっていたからである。
都民ファーストの会の支持層は、小池氏の支持層でもあり、その支持層が減少しているデータが存在する。乙武氏の不人気だけで今回の乙武氏の得票率を説明できず、小池氏の支持層がかなり減少していたことを今回の結果から読み取らなければいけない。
但しその減少分は、小池氏の次の一手で動く可能性があり、衆議院の解散が6月以降遅くなれば面白い。データサイエンスで政治を読み解く難しさは、変革期にどのようなデータを扱い処理するかという点にある。
これが科学ならば、科学的現象に潜む相関を期待したデータを選択し、専門家ならばその選択するデータは同じになる。しかし、選挙のような社会科学と呼ぶにもその中に潜む関係を見出すのも難しい対象では、世の中を読み解くある程度の勘が要求される。
データサイエンスでは、データとアルゴリズムが重要で、とりわけ政治の変動期には、データサイエンスの手法よりも用いるデータの選択が重要となってくる。
ゆえにデータサイエンスによる推論を新帰納法による科学の推論と呼ばれる人がいるが、無理に科学的方法と結び付ける必要はない、と思っている。6デイズ7ナイツで語られているとおりである。
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デバイスとして電気粘性流体の耐久性問題が解決できている姿とは、既存のゴム技術で作られたケースに、耐久性問題が解決された電気粘性流体が封入されているシステムが、技術の視点で合理的である。
しかし、「科学的に電気粘性流体の耐久性問題を界面活性剤で解決できない」と結論されたので、耐久性を阻害している、ゴムケースからのブリードアウト物質を取り除かなければいけない。
ゴムケースからのブリードアウト物質については、科学的な分析や解析が完了していて、加硫ゴムの配合成分全てあることが分かっていた。それで、加硫剤も添加剤も何も入っていないゴム開発というテーマが企画された。
ゴム業界で世界のトップメーカーの研究所が、このような馬鹿げた企画を立案するとは信じられないかもしれないが、科学だけで考えると、この様な企画しか出てこない。科学的に完璧な否定証明で、この企画周辺が固められていた。
だから、研究所の誰もがこのテーマのおかしさに気がついていないだけでなく、ゴムに詳しくないリーダーは画期的なテーマと喜んでいる。ある意味裸の王様の物語状態である。
科学の推論で出された結論が妥当かどうか、熟練した技術者ならば検証する。そして、科学的に不可能であっても技術的に解決できる解が無いのか探す。それがロマンを持った技術者なのだ。
科学的に解決が不可能な問題を技術的に解決できるのか、と疑問を持った人は、弊社のセミナーで勉強していただきたい。ゴールデンウィークでも開講します。
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5月に下記WEBセミナーを開催します。開催時間は10時から16時で12時から13時はお昼休みとなります。セミナー時間内の質問は無料ですが、後日も含め別途2時間までご質問が必要な方のために質問2時間付5万円コースも用意しています。コンサルティング時間としてご活用いただいているお客様もいらっしゃいます。なおテキストは電子ブック形式で配布いたします。
なお、ゴールデンウィーク中下記セミナーを御希望される方は、お問い合わせください。調整のうえ開催いたします。参加者一人でも開催しますのでお得です。
1.Pythonで学ぶタグチメソッド(プログラムサービス)
開催日:
5月8日水曜日(申込締切5月2日)
5月22日水曜日(申込締切5月20日)
費用:
テキスト代込参加費用:3万円(税込)
別途質問枠オプション付:5万円(税込)
Pythonの簡単な説明も行いますが、受講者の希望により、説明時間を増減可能です。タグチメソッドにつきましては、SN比計算プログラムを配布しますので面倒な計算の理解に必要な負担を軽減できます。メソッドとその思想を理解することに注力したセミナーです。
2.パーコレーションで学ぶPython(プログラムサービス)
開催日:
5月17日金曜日(申込締切5月15日)
5月31日金曜日(申込締切5月29日)
費用:
テキスト代込参加費用:3万円(税込)
別途質問枠オプション付:5万円(税込)
シミュレーションをどのように開発業務に活用したのか、実際の開発事例で説明します。すなわち単なるPython入門ではなく、Pythonを身に着ける動機づけも目指しています。開発事例は2例あり、いずれもトランスサイエンスの事例。一つは否定証明をシミュレーションでひっくり返し、日本化学工業協会から賞を頂いた事例で、他の一つはフローリーハギンズ理論をひっくり返す技術をシミュレーションで確認した事例です。手軽にプログラミングできるPythonのマルチパラダイムの世界を実感していただきます。詳細はこちらをご覧ください。
3.高分子の難燃化技術
開催日:
5月10日金曜日(申込締切5月8日)
5月22日金曜日(申込締切5月20日)
費用:
テキスト代込参加費用:3万円(税込)
別途質問枠オプション付:5万円(税込)
本セミナーでは,高分子の耐熱性と難燃性について概説する。また,熱分析手法を用いた開発事例を説明し,新たな難燃化技術を開発するヒントを示す。さらに,2022 年に施行された法律により再生材の活用が本格化している実情を踏まえ,再生材の難燃化技術の事例も解説する。高分子の難燃化技術は,トランスサイエンス(注)でありその問題解決にデータサイエンスは有効な手法の一つであり,Python によるディープラーニングによる回帰の結果についても言及する。
4.ゴム・プラスチック材料のトラブル解析と対策
開催日:
5月15日水曜日(申込締切5月13日)
費用:
テキスト代込参加費用:3万円(税込)
別途質問枠オプション付:5万円(税込)
本セミナーでは、この分野におけるトランスサイエンスの現状を鑑み、ゴムやプラスチック材料で発生するトラブルについて、その原因解析と対策について概説し、材料の破壊を中心に、その寿命予測法と問題点について解説する。
受講を希望される方は、ご希望のセミナータイトル及び日時を下記フォーラムからお知らせください。
送信時に不具合等が起きる場合はinfo@kensyu323.comまでご連絡ください。
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ゴム会社がアメリカのタイヤ会社を買収し、その後研究所のリーダーが交代した。前のリーダーの時に住友金属工業との高純度SiC半導体治工具事業のJVが立ち上がっていたので、そのまま仕事を進められると思っていたら、新しいリーダーはそのテーマが無くなったという。
社長決裁で始まっていたテーマであり、年に1回の社長診断でも一人で研究開発をしていた現場まで社長が訪問され激励されたばかりである 。
新しいリーダーは、6年間研究ステージにあった電気粘性流体を実用化レベルまで完成させるために耐久性問題を解決しなければいけない、それで加硫剤も添加剤も何も入っていないゴムの開発をしなければいけない、と当方に指示してきた。
タイヤ会社の買収を成功させるために、研究所でゴムに詳しい担当者は皆タイヤ部門へ異動となっていた。その結果、研究所で最もゴムに詳しい担当者として当方に白羽の矢が立ったのである。
それは間違いではなかった。当方は新入社員時代に、混練が難しい樹脂補強ゴムの開発を成功させた実績があった。また、管理職昇進前の小生に研究所の重要テーマとなった電気粘性流体を実用化レベルにできるかどうか生命線となったゴム開発を小生に担当させる、という配慮もあったかもしれない。
そのような配慮を考慮すると、住友金属工業とのJVは研究所のテーマではない、とまで言っていたので、社内に担当する組織が無い状態では、当方がヤミ研として推進する以外に方法が無かった。テーマが無い、という意味は、サービス残業を駆使し過重労働で何とかしろ、という意味だった。
そこで、新しく担当するテーマについて1週間企画のための時間が欲しいと申し出た。そして、新しいテーマのゴールは、デバイスとして電気粘性流体の耐久性問題が解決できておれば良い、という譲歩まで引き出した。
界面活性剤では電気粘性流体の耐久性問題を解決できない、という科学的に完璧な否定証明の研究があるから、ゴム以外の対策しかないだろう、というのがリーダーも含めた研究所全体の見解だった。
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ホスファゼン変性軟質ポリウレタンフォームの工場試作大成功で始末書を書かされた話を以前この欄で紹介している。
ホスファゼンに含有されるリンは、リン酸エステル系難燃剤に含まれるリンよりも40%ほど高い難燃効果を発揮したことがデータサイエンスで明らかになった。
しかし、この結果についても科学的に証明するように指導を受けている。ASTM燃焼試験を行っているときに、ガスクロマトグラフィーを傍らに置き、燃焼中に発生しているガス分析を行っている。
その結果、リン酸セステル系難燃剤では必ず燃焼している炎の中にオルソリン酸が含まれるが、ホスファゼンでは燃焼ガスの中に含リン化合物が検出されなかった。
それだけではない。燃焼面の分析を行ってもリン酸エステル系難燃剤ではトレース程度のリン化合物が検出されただけだが、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームでは明確にリン含有化合物が検出された。
さらに、サンプルを600℃で熱処理したところ、リン酸エステル系難燃剤添加系ではリン化合物の痕跡さえ残っていなかったが、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームではP=Nの吸収がIRで確認された。
その他、科学的データを収集して演繹的に仮説を立案し工場試作を行っているが、当時当方は新入社員であり、工場試作を進めたのは、上司だった。しかし、始末書を書かされている。データサイエンス無情話その3。
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データマイニングでは、データの処理方法がアルゴリズムと同様に大切な技術であると、社会人のスタート時に知ったのは幸運だった。79年10月1日に研究所へ配属され、樹脂補強ゴムの研究を担当した。これをデータサイエンスにより、3か月でモノにしている。
1年のテーマを3か月で済ませてしまったので、1980年1月に職場異動となって新たなテーマを担当することになった。軟質ポリウレタン発泡体の難燃化研究企画を立案している最中の職場で、世界初の難燃化技術を開発するように命じられた。
そこで、まだ市販されていなかったホスファゼンで軟質ポリウレタンフォームを変性する研究企画を提案したところあっさり通過している。その後のドタバタについて以前書いているので省略するが、この時にもデータサイエンスのスキルは役立った。
当時、耐熱高分子の研究ブームが一段落し、高分子難燃化研究の黎明期だった。そこで高分子の骨格と耐熱性や難燃性の解析を重回帰分析で行っている。その結果リン系化合物の難燃剤を用いた難燃化の寄与が一次構造の設計より10倍以上高いことから、ホスファゼンを選択している。
ホスファゼンを選んだ理由は、P=N骨格がリン酸エステル系難燃剤のように難燃効果を発揮するのか興味があったからである。
当時提案されていたりん系難燃剤の難燃化機構では、オルソリン酸の形態で脱水触媒として働いていることが知られていた。P=N耐熱骨格の構造でどの程度の難燃化効果が発揮されるのかは知られていなかった。
カテゴリー : 一般 高分子
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現代では小学校入学前から科学の心を育てるために科学教育を行う親がいるらしい。これがいいことか悪いことか知らないが、AIのレベルが上がるにつれ、科学とは異なる視点で思考できる能力が重要になってくる。
ヤマカンや第六感は個人差どころか信頼性が無いのでここでは取り上げないが、これらの能力が生まれつき秀でている人はこれからの時代に重宝されるだろう。
ヤマカンや第六感は科学と異なる視点のアイデアを提示してくれるからだが、これらによらない方法でも同様の科学では導くことのできない、あるいは見出すことのできない成果を得ることができる。
良く知られているあみだくじ方式はその一つで、ヤマナカファクター発見で有名になった。消去法の特殊形だが、これ以外にPPAPも有名である。
弊社ではこれら特殊なアイデア創出法以外に汎用的な非科学的アイデア創出法をご指導しています。科学の癖で当たり前のことしか思い浮かばない人はお問い合わせください。個別指導にも対応いたします。
カテゴリー : 一般
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当方がこのような話題を書いても信じていただけないかもしれないが、先々週あさイチでもとりあげていたので、当方の見解をご披露したい。一部あさイチとは異なるところがあるが、当方の味覚の傾向と捉えていただきたい。
昆布のダシは水出しをお勧めする。水出しは、室温前後の場合は6時間以上昆布をつけておく必要があるが、40℃前後のぬるま湯を使えば1-2時間でダシをとることができる。
室温長時間と40℃2時間で少しそのダシ汁の味が異なるが、みそ汁として味わう時にその差は分からなくなる。シイタケは2日ほど天日に干すだけでダシの出方が変わる。また2日ほどであれば、水で戻す手間もいらないのでこの条件で便利だ。
あさイチでも説明していたが、昆布とシイタケの組み合わせ、あるいは昆布とカツオダシの組み合わせは相乗作用が出るが、カツオだしとシイタケの組み合わせは良くないようだ。ただしみそ汁にした場合にはこの組み合わせでもそれほどまずいわけではない。
それでは、3種の組み合わせはどうなるかと言えば、カツオだしとシイタケの2種の組み合わせよりも良い。さらに、添加量を減らすことができる。
実験したところ、昆布とシイタケ、あるいは昆布とカツオダシの組み合わせでは、推奨される量よりも30%程度減らすことができる。好みにもよるが、総量で60%程度減らしてもダシの存在を味わえたので組み合わせたダシの使用法は推奨される。
味の素の一振りで味が変わるというのは嘘ではないようだ。本だしとかカツオだしの粉末であっても追いカツオのテクニックは生きるので、カツオだしの類は、みそ汁が完成まじかに添加するのが良いようだ。
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WEBの記事にイチロー氏のお金の使い方が載っていた。SMBC日興証券株式会社のYouTubeチャンネルの企画「おしえて! イチロー先生! リターンズ」の話題である。
例えば、日本で稼いだ金は渡米前に全部使いきっていたとか、オリックスの年収800万円時代に3000円のユンケルを飲んでいたとか、桁数が異なる。
詳細は省略するが、お金のことを気にせず自己投資を行えば稼げるようになる、という話である。このような話では理解しにくいかもしれないので、年収200万円台の時に100円のリポビタンDを飲んでいた当方の体験を書きたい。
リポビタンDが効いたかどうか知らないが、睡眠4時間でも昼休みにはテニスをする体力があった。また、以前書いているが、初任給10万円の時代に上司に言われ80万円のローンを組んでパソコンを独身寮に設置して会社の業務をやっていた。
また、入社した時に加入した社内預金はあったが、当方の通帳には二けたの貯金しかなく、無機材研留学の時には親から仕送りをしてもらっていた。親の年金額の方が当方の給与より高かったからである。
薄給にもかかわらず、学会には3つ加入し、各種研究会にも参加していたので、年間10万円ほどは消えた。Cマガジンはじめソフトバンクの雑誌やモーターマガジンの雑誌を毎月購入しており、趣味の図書費として3万円、その他書籍代に年間30万円ほど使っていた。
パソコンのハードやソフト代が年間20万円ほどかかっていたので、ローン支払い中は大変だったが、ローンの支払いが終わっても貯金などできなかった。
世間では一流会社のサラリーマンであっても生活苦で結婚どころではなかった。残業代は上限が決まっており、サービス残業の状態だった。
ただ、独身時代にコンピューターはじめデータサイエンスを徹底的に勉強したおかげで、DXの流れに遅れることなく仕事ができた。
しかし、それで昇進が早くなったわけではなく、無機材研留学中にはその後実際に成功した事業の話を答案に書いて一人だけ不合格となっている。
試験の問題は「あなたが推進したい新事業は何か」であり、満点だと思っていたが。ちなみに、社会はセラミックスフィーバーであり、採点官がご存知ない話でもなく、実現性の高い内容で現在でも答案に書いたシナリオで事業は続いている。
仕事は学習成果の検証の場となったが、世界初のホスファゼン変性ポリウレタンフォームの発明はじめポリエチルシリケートとフェノール樹脂から合成された前駆体による高純度SiC半導体治工具事業の起業など多くの成果を出すことができたサラリーマン生活だった。
サラリーマンが自己投資のため勉強する大変さを理解しており、土日は特別サービスデーとしているので、データサイエンスはじめDXの進展でスキル不足を感じている方はご相談ください。ご希望のテーマでセミナーを御用意いたします。
各種材料を研究してきてよかったことは、応用製品や機能部品についての知識も身についたことである。最近ではCASEが話題となっているが、低い誘電率材料がニーズとしてあり例えばPPSはこの分野の主役材料の一つである。材料科学の知識を基盤として、このようなことがすぐに理解できることだ。この欄の読者のニーズに合わせたセミナーを何でもご用意できます。
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