79年にゴム会社へ入社し、社会人としてスタートしている。その年の10月1日に研究所へ配属されたのだが、当時今のような時代を予測できた人は誰もいない。
年々未来予測は難しくなり、昨今ではあれだけEV車が未来の自動車の姿と騒がれたばかりなのに、少しブレーキがかかってきた。10年以上前、ドラッカーさえも未来予測が難しい時代になったことをネクストソサエティーという遺作の中で述べている。
8bitマイコンがPC8001あるいはMZ80Kとして登場したが、それが現在のような姿になる予測すらできていない。翌年研究所にOA委員会が設置されたときには、委員長はじめ全員が「どうしたらよいのかわからない」状態だった。
そもそもOA委員会が組織されたのは、「**のパソコン革命」という無責任な書籍が登場したためであるが、著者に面会して、時代が変化するときにはいい加減な書籍でもベストセラーになるということを学んだ。
だいたい、本当にいい話だったなら企業秘密にする。それを華々しく書いているのだから眉唾物であることをすぐに悟るべきだった。一緒に著者と面会した方と出張報告をどう書くかで悩み、喫茶店で1時間ほど相談していた記憶がある。
しかし、すぐに16ビットの時代となり、あっという間に32ビットパソコンが40万円ほどで手に入るようになった。ここまでハードウェアーの能力が上がると、表計算ソフトやワープロ、プレゼンテーションツールがMS-DOSでも実用的なソフトウェアーとして機能した。
ところが喫茶店で相談していた時には、このようなほんの数年後の予測さえできなかった。その結果当方は8ビットコンピューターのハードウェアーとソフトウェアーに車1台分のお金を投じることになる。
3年後の1983年にはPC9801FとLattice Cを購入している。独身貴族として車とパソコンにお金を吸い上げられていた状態だった。しかし、この時に自費を投じてマイコンを勉強した経験は現在に役立っている。
昨今のPythonのブームやデータサイエンスのブームは一過性のものではない。DXの進展の結果として若い人はとらえるべきである。ただし、当方のように車一台分の自己投資をする必要はなく、弊社のセミナーを受講すれば未来への対応が可能だ。安い!
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講談社発売の「ゲームの歴史」が炎上中だそうだ。講談社への問い合わせも多いという。原因は、著者の偏った歴史観によりまとめられたものだからだそうだ。
このようなツッコミにたいして、著者たちは「科学ではないのだから、許される」と述べている。しかし、この答弁は「ゲームの歴史」というタイトルをつけておいて無責任である。
せめて副題に偏見に基づく、とか個人的見解とかつけておくべきだろう。「ゲームの歴史」とだけタイトルをつけたときに、今の時代ならば形式知の体系として理解されるので科学的に論ずる責任がある。
また、これをそのまま放置するなら、講談社発行の科学関連書籍を誰も購入しなくなるだろう。当方の書棚には講談社発行の学術本と信じ購入した書籍が何冊かあるが、つまらない本を本日廃棄処分でもしようと思う。
今回の「ゲームの歴史」ではないが、講談社発行の専門書を購入して読んでみたが、当方が書いた方がよほど科学的な内容になると思われる書籍が何冊かあったからである。
実は科学の専門書の世界にも科学的に怪しい見解をさも科学のように論じている書き物が少なからずある。当方のこのコラムでは、科学的な事柄に対して、科学では、と但し書きをつける努力をしている。
「ゲームの歴史」の著者たちも「科学ではないのだから」という開き直りではなく、タイトルに副題をつける、と答弁すればよかった。おそらく講談社はそのような判断をする可能性が高いと思うが、そもそも編集の段階でこのようなキワモノ書籍について注意深く扱うべきだった。
当方がゴムタイムズ社から出版した書籍では、技術中心にまとめているので、そのタイトルは「混練活用ハンドブック」となったが、さらに科学にこだわっていない内容であることを示すために当方からお願いし「混練り活用ハンドブック」というタイトルにしている。
科学の学術雑誌と誤解されては困るのでこのような細かいところまで考えたタイトルとしている。今回の炎上を見る限り、講談社よりもゴムタイムズ社の方が誠実な出版社である。
宣伝になるが、「混練り活用ハンドブック」は当方がゴム会社に入社し、3か月毎朝3時間、混練の神様と呼びたくなる指導社員から教えられた内容を基にまとめている。
科学の世界では分配混合と分散混合で説明されているのであるが、これでは混練プロセスで起きている高分子の姿をうまくとらえることができないので、ゴムタイムズ社から依頼されて著書をまとめた。「混練り」とわざわざ「り」をつけたのは、技術の視点で書いた著者のこだわりである。
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この50年間にコンピューターを扱うためのスキルは大きく変化した。かつて大型コンピュータを扱っていた時代には、プログラミングスキルだけでなくコンピューターそのものの知識まで要求された。
コンピューターの操作方法についてある程度の知識がないとプログラミングさえもできなかったからである。ゆえに当方の時代のコンピューターの授業は、プログラミングの授業時間よりもハードウェアーの説明が多かった。
80年代に入り、シャープMZ80KやNECPC8001など個人でもコンピュータを所有できる時代になった。MZ80K以外のコンピューターでは、スイッチを入れるとBASICが立ち上がるのでBASICのブログラミングスキルが重要視された。
MZ80KではFDOSが発売されていたので、本体よりも高いFDドライブを購入すると大型コンピュータと同程度のことができた。ただしBASICとアセンブラーでプログラミングする必要があった。その他の言語としてForthやPascalがあったが、別途購入しなければいけなかった。
W95発売直前のころには、新入社員の大半は学生時代にワープロ一太郎やLOTUS123、フリーランスの操作を経験しており、入社した時にそのための教育は不要となっていた。
そのような時代に一人全くコンピューターの操作ができない大学院卒の理系新入社員がいた。理由を聞くと卒業論文や修士論文を手書きしてきたという。さらに、日々の実験では、電卓で十分だったと誇らしげに説明した。
コンピューターに全く関心が無く、大学院ではコンピューターの近くへ行かないようにしていた、と笑って話していたが、時代背景を理解していたなら自慢して話すような内容ではない。
30年ほど前の光景であるが、データサイエンスの知識やPythonの知識についても技術者の常識となりはじめた。
30年前は高価なパソコンを購入するかどうか迷う必要があったが、今Pythonのシステムは無料で配布されており、データサイエンスのスキルについても頑張れば無料で身につけることができる。弊社のセミナーを受講すれば3万円でそれが可能となる。
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ガーシー議員の除名処分は72年ぶりだそうだ。しかし、彼を今回除名処分にしても本質的な問題解決とならない。**48党などという怪しげな政党が生まれているからだ。
昭和の時代から今日まで、徐々に国家の連帯は崩壊し、今や個々バラバラ、自己責任社会となった。このような社会における民主主義のシステムをどうするのか真剣に考えなければ除名処分だけで解決できない問題が起きる可能性がある。
すなわち、一部の怪しげな連帯の塊に国家を乗っ取られる可能性が出てきたのである。現在の投票率ならば十分に可能性がある。
もう50年近く前の話だから許されると思うが、ゴム会社で第二の創業と称して会社名からタイヤがなくなり、非タイヤ事業を事業全体の50%とする方針が出された。
その目的を実現するために、電池とメカトロニクス、ファインセラミックスの3本を柱とし新事業を起業すると社長は詳細方針を出し、創立50周年記念論文の募集を全社対象に行っている。
ところが最初の締め切りまでに集まった論文はたったの3件だけだった。そのうち1件は当方の投稿した高分子を前駆体として用いる高純度SiC事業であり、社長方針を受けた内容でまとめていた。
集まった論文が3件では、おそらく人事部も困ったのだろう。新たに締め切りを設定しなおして、各部門の管理職に論文の応募を働きかけて何とか8件の論文を集めた。
ところがその8件の論文の中から1席2席3席まで選ばれたのだが、選ばれた論文の内容は社長方針とは無関係だった。ちなみに社長方針通りの当方の論文は3席まで入っていない。1席は若い研究所員が書いた豚と牛を掛け合わせたトンギューなる生物を開発し、牛の旨味と豚の繁殖力を活かした食肉事業について書かれていた。
荒唐無稽のこの論文を1席に選んだのは、審査を委託されたW大学の有名なタレント教授だった。この教授は書かれた内容について社長方針など無視して論文を選んでいる。
ドラッカーが述べていた、「異なる見解にこそ耳を傾けよ」という観点で論文が選ばれたと考えなければ説明のつかない結果であった。
さて、ここで当時の恨み節を述べるつもりはない。当時新事業のインキュベーターとして位置づけられた研究所の管理職からは1件も論文投稿が無かったことを暴露したい。
研究所からの応募は、若い研究員の書いたトンギュー論文と当方の高純度SiC事業に関する論文だけだった。社長直下の組織だったにもかかわらず、研究所管理職はじめ多くのメンバーが社長の期待を無視したのである。
科学の研究こそ研究所の使命という哲学で毒されていた研究所は、企業の研究所でありながら、社長方針を無視して活動している風土だった。当方は、そのような研究所の風土が理解できず苦しみ悩んだ。
しかし、企業の組織とは思われない研究所から命じられた海外留学について、当方が論文実現のため無機材質研究所を希望した願いを人事部が認めてくれたことに多少の未来をゴム会社に託してみたいと感じた。
当時の研究所は、当方が転職する頃まで、「科学の美しさ」を目標としながら組織としての連帯を感じられない集団だった。世界で初めて実用化されたポリアニリンリチウム二次電池(注)は日本化学会技術賞を受賞するや否や事業を辞めてしまっている。セラミックス電極の提案がありながらもLi二次電池のテーマを廃止している。
担当ではなかった当方が、転覆しそうだった電気粘性流体について事業化が可能な技術にしようと努力し、耐久性問題の解決と性能向上のための微粒子設計を行ったが、当方が転職後は、材料技術をそれ以上開発することもなく事業として育つことはなかった。
そして、当方が住友金属工業とのJVとして起業した高純度SiCの半導体治工具事業だけ30年続き、現在も譲渡された愛知県のセラミックス会社で事業が行われている。
このような研究所で12年活動して感じたのは、連帯の崩壊した社会では共通したあるべき姿の夢、少なくとも社長方針に則り企業の成長に努力する目標を皆で連帯して持つことができない社会の冷酷さである。
目標の曖昧な科学と言う哲学の実践を掲げた研究所のように、資産を食いつぶすしてゆくような社会と日本もなるのかもしれない。いつの時代にも人間には生きてゆくために具体的な生産活動が求められている。
その生産活動の効率を上げるために連帯の役割がある。個人の権利を侵害しない連帯活動を実現する努力が成されている社会で今回のガーシー議員の事件が起きている。若い有権者はこの意味を理解していただきたい。
(注)世界初のLi二次電池の事業化である。
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技術者のプログラミングスキルは、今やどのような分野でも常識となった。スキルの有無で仕事の効率が大きく変わるためである。同時にデータサイエンスも常識となりつつあるが、それに気がついている人が少ない。
この10年にTVでビッグデータを扱う番組が増えた。この状況を単なる一過性の流行と見ていてはいけない。
ソフトウェアー分野から始まったアジャイル開発も一般的になったのでデータサイエンスもプログラミングスキル並みに普及し定着すると思っている。
弊社では数年前からこれらの分野のセミナーやサービスを心掛けてきた。今年度からは日曜日のセミナー受講料は1万円とし、平日は3万円とする大胆なサービスも始めた。
プログラミングスキルを身に着けていない人やデータサイエンスを活用できていない人は、是非弊社のセミナーを活用していただきたい。
ただし、弊社の業務の関係もあり、3月は土日以外にセミナーを割り当てていない。4月以降は土日以外も割り当てようと検討中である。
プログラミングスキルの教材にはPythonを標準としているが、希望があればC#やC++、VBAも可能である。問い合わせていただきたい。
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本日からマスク着用は個人の判断となった。まだ全国で1万人前後の感染者がいる以上、人混みではマスク着用が必要となるだろう。
専門家の見解として、感染が終わったわけではないという。この3年間マスクの効用を学んだ生活であるが、マスク着用は個人の判断と言われてもマスクを携帯しなければいけない日々が続く。
ところでPythonを身に着けるかどうかは技術者の判断にゆだねられている。C#とかC++、VBAを使いこなしておれば不要かというとそうではない。
数年前まで当方はC#が今日のマスクのような存在だったが、そのマスクがPythonとなった。C#をほとんど立ち上げることが無くなったのだ。
C#とPythonを比較すると、C#のほうが洗練されたオブジェクト指向言語であり、Pythonよりもプログラミング言語として使いやすい。一応クラスの継承はできるが、Pythonはスパゲッティープログラムも可能で、汚いコードになりやすい。
ただし、コードを読みやすい工夫のため、それが目立たない。一番のメリットは豊富なライブラリーが無料で提供されているところである。
やりたいことがあれば、ネットでライブラリーを検索すると大抵見つかる。自分でプログラムを作成する必要なく、スクリプト言語として使えるのだ。
Pythonの普及の原因はここにあり、多変量解析でも数行のプログラムを書くだけである。この簡便さがあり、オブジェクト指向としてはやや時代遅れ感のある言語であるが、今後も使われてゆくと思う。
また、初心者用と言われたBASICよりも習得しやすく、VBAよりもスクリプトとして便利である。マスクの装着判断では、まだ迷うシーンが多いが、Pythonの習得は迷う必要はない。リクエストがあれば弊社でご希望のセミナーを用意いたします。
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NHK党ガーシー議員が国会を欠席し続けた責任をとってNHK党立花党首が辞任したと思ったら、NHK党を表題の政党名に改称した。
立花氏については、その言動も含めよく理解できないが、なかなかの企画マンであることをその活動から印象として持っていた。
また当方も表題のような政党が現れたら面白いと少し考えていた。ただし、口に出したなら世間から軽蔑されるのではないかとの懸念から友人との話題として、たとえそれが酒の上であったとしても出しにくかった。
またメンバーをどのように集めるのか具体的なビジョンさえ描くことができなかった。ゆえに今回の立花氏の突然の辞任とNHK党を表題の政党名に代え突然政治家女子集団を登場させた手腕に驚いている。真面目に考えただけで実現できるような政党ではない。
ただし、立憲民主党が選挙戦略として共産党と連携する姿よりも政治集団として明快である。また、ネットに公開されている情報を集めてみるとかなり手の込んだ活動をしており、この数か月間で準備したとは思えない、おそらく1年ほど準備期間をかけたかもしれない真剣さが伺われる。
メンバーもいい加減に集めたようには思えない。失礼かもしれないが泡沫候補と感じるようなメンバーもいるが、看板を取り払ってその主張を聞くと真剣に投票したくなるメンバーもいる。
この政党について表面だけ見ていると、政治を茶化しているような印象を受け、とてもこの政党へ投票する人などいないと感じるかもしれない。
しかし、現在16歳の世代は2年後の参院選で18歳となり選挙権を得ることからとんでもない結果がその時出るかもしれない、と思うと、日本の未来が心配になるのと同時に日本の政治にイノベーションが起きるかもしれない期待が少し出てくる。
もし、2年後立憲民主党が共産党ではなく政治家女子48党と連携するようであれば、大きな話題となるかもしれない。少子化問題は待ったなしだが、この政党の躍進が日本の政治改革の起爆剤になるかもしれない、という期待をしなければいけない政治状況である。
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義務教育にプログラミング教育が導入された。恐らく将来はPythonを教材として義務教育の段階で皆が学ぶことになる可能性が高い。
Pythonというプログラミング言語はスクリプト言語なので、あの初心者用言語として長年親しまれたBASICよりも簡単で扱いやすい。
さらにオブジェクト指向言語としての機能も実装されているので、言語の拡張が容易なだけでなく、拡張された機能を部品として簡単に再利用できる。
ただし、オブジェクト指向言語としてのスマートさはC#にかなわないが、継承の仕組みは簡単であり扱いやすい。さらに、C++よりもいい加減なところがあり、手続き型言語とオブジェクト指向言語との特徴をミックスして使用できる。
これはどういうことかというと、クラスの設計が必須ではなくBASICのようにスパゲッティプログラムでも動作することを意味している。
もう少しわかりやすく言うと、やりたい手続きのコマンドをつらつらと書き並べたようなプログラムコードでも動作するということだ。
すなわちプログラミングを学ぶ立場でもその敷居はBASIC並みに低い。BASICも今やVisualBASICとなり、オブジェクト指向が実装され、Pythonと同等の易しさと言われたりするが、Pythonのようなスクリプト言語ではないので同等と言えない。
Pythonの易しさは、株屋もデータ分析で使用している、といえばわかりやすいかもしれない。すなわち、株式を解析するPythonのライブラリーやプログラムがネットに無償でころがっている。
Windows環境であればVisual Studio Codeを常時立ち上げておくと、ネットに転がっているプログラムを動かして文系の人でもそのスキルを活用できる。
すなわち、いまやPythonのスキルはわざわざプログラミングの文法を勉強しなくてもワードやエクセルのスキルを身に着けたようにPython用のエディターの使い方を学ぶだけでもよいのだ。
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日本の自動車業界は周回遅れだのマスコミは騒いでいるが、必ずしもそ正しくない。トヨタに関して電気自動車の開発遅れを指摘し、未来の暗い見通しが語られているが、これも間違った見解かもしれない。
電気自動車の充電時間がかかる問題や、バッテリー積載による重量増を考えると将来の車を動かすエネルギーに関して大きなイノベーションがあるのかもしれない。
例えば20年以上前にアメリカクリントン大統領は、ナノテクノロジーの推進とバイオプラ開発について国家戦略に位置づけたが、今ようやくそれが花開こうとしている。
バイオエネルギーに関して研究段階から開発段階に移行する動きがあり、飛行機燃料の本命と考えられている。重量増となる電気飛行機は現実的ではないのだ。
もし、バイオエネルギーが飛行機の燃料として100%用いられるようになったときに、これを自動車燃料として使用する可能性も出てくる。
日本では1980年代からムーンライト計画と呼ばれる国家プロジェクトによりガスタービンの高効率化研究が進められ、世界最高効率のガスタービンが普及しようとしている。これをバイオエネルギーで稼働させれば原子力発電が不要となるかもしれない(注)。
1980年代にすでに原子力発電よりも低コストになる見通しが立てられて開発されてきたのである。当時は福島原発の問題など考えられていなかったので、原子力発電のコストを今よりも安く見積もっている。
次世代エネルギーについて冷静に過去の開発成果を見直しながら考えてゆくと、未来の自動車の動力が100%電池だけのエネルギーで動いている予想が外れるかもしれない。
もしトヨタがバイオエネルギーに投資して一気にバイオエネルギーを普及させたなら、自動車エネルギーに対する未来予測が大きく変わる可能性がある。
(注)バイオエネルギーを燃やすと二酸化炭素を発生するがLCAで見積もると化石燃料よりも大幅に少なくなる。電気自動車の優位性は、日産のePowerで証明されている。ガソリン車に比較し、動力の制御が容易となり、乗り味が高級になる。また、発進時のタイムラグもガソリンエンジン車より俊敏で、シグナルレースでは必ず勝てる。時速50kmまでならフェアレディ-ZやGT-Rよりもオーラの方が速いので、一般道のシグナルレースでは、軽量の発電機を積んだ電気自動車、オーラNISMOに敵なしである。このように電気自動車には、ガソリンエンジン車には無い楽しさや高級感が出てくるので、将来電気自動車の市場占有率が高くなる予測は立つが、それがすべて電池100%の自動車にならない可能性が出てきた。長距離輸送を考えるときに電池の充電時間というのは大きなロスとなる。
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統計の分散分析では、例えば誤差の分散も正規分布に従うとして、各因子の分散と誤差の分散との比較を行う。すなわち、各因子の分散を誤差分散で割った分散比が十分大きいかどうかの考察を進めながら、有意な因子を選んでゆく。
タグチメソッドでは、実験段階で誤差を2水準あるいは3水準変動させた実験を行いSN比を求める。この実験において、調合誤差因子が必ずしも正規分布をしていなくてもSN比を求めることができる。
すなわち誤差分散の正規分布を前提とせず実験を行っている。TMのSN比におけるこの視点に初めて故田口先生からご指導を受けたときに衝撃を受けた。
分かりやすく表現すると、その分野のド素人でもTMの手順通りラテン方格を用いた実験を行えば、再現性のあるSN比を求めることができる。
転職したばかりのころ、フィルムの表面比抵抗の測定で当方の測定値の分散と実験補助担当の女性の測定値の分散が異なっていることに疑問を持った。
当方は誘電緩和の問題を避けるために電極をセットしてから一定時間経過後の値を測定していたが、実験補助担当の女性は、その手順を適当に行っていた。ひどい時には電極を設定後おしゃべりを終わってから測定値を得ることもあった。
このような状態でもラテン方格を用いたTMでは、再現よく制御因子の水準を選択できるところがすごいのである。実際にTM導入後、開発効率が著しく向上している。
一因子実験を効率よく感じるのは、運が良い時だけである。分散が保障されない誤差の底なし沼にハマった時の一因子実験は、エンドレスとなることもある。
TMと異なる実験計画法でうまく最適条件を求められない原因もここにあると思っている。ラテン方格に割り振る測定値において、誤差の分散が皆同じ正規分布に従っている補償など無いのだ。
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