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2022.06/11 帯電防止技術WEBセミナー

帯電現象はトランスサイエンスのテーマの一つである。金属の帯電現象について科学的に解析されているだけで、その他の誘電材料については、科学で完璧に説明がなされていない。


かつて電気粘性流体用の粉末について、傾斜機能粉体や微粒子分散型粉体、コンデンサー分散型粉体を合成したところ、いずれも安定で高い電気粘性効果を示した。


ところが、それから会議前になるとFDを壊されるような嫌がらせを受けることになる。科学的ではない、と怒っていた人が犯人であったが、電気粘性流体は帯電現象を利用した機能性流体であり、科学で完璧に理解し材料設計することは不可能である。


このような問題では、経験知と暗黙知を総動員して解くことになる。そのためには正しく現象をとらえ、ヒューリスティックに解を求めて、まずモノを作り、それを評価する作業が重要になってくる。


一日コースのセミナーではこのあたりまで説明しているが、本3時間セミナーではフィルムの帯電防止技術を中心に帯電現象の評価技術と材料設計技術、それらをサポートするシミュレーションを中心に講義を行う。


他のセミナー同様に受講希望者は弊社へ問い合わせていただきたい。1名10000円であるが、開催日は、受講者の希望に沿い行う。企業で研修を希望される方は別途お見積りをさせていただきます。

カテゴリー : 一般 連載 電気/電子材料 高分子

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2022.06/10 ブリードアウトのWEBセミナー

高分子の成形体を扱う事業者でブリードアウトにより引き起こされる品質問題に悩んでいる事業者は多いのではないか。3時間WEBセミナーでは高分子材料の基礎事項も取り扱い、この品質問題の解決についてアイデアを提案する。


高分子材料の物理現象を理解するための基礎事項についても解説するので専門外の技術者でも理解できる内容である。ただし、3時間という短時間で解説するので事例は体験談だけの紹介となる。


ブリードアウトについて科学では拡散現象として説明されるが、市場で引き起こされる品質問題は、この科学の説明で理解できない場合がほとんどである。科学で対応できるならば問題を解消できるのだが市場問題の解決に経験知は欠かせない。


本セミナーについても他のセミナー同様、受講希望者の受講希望に沿って開催予定ですので、希望候補日を3日以上記入し申し込んでいただきたい。企業単位でご希望があれば出張セミナーにも対応いたします。なお個人で受講の場合、1名10000円である。

カテゴリー : 一般 学会講習会情報 宣伝 連載 電気/電子材料 高分子

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2022.06/08 高分子のプロセシング技術セミナー

高分子のプロセシング技術の中で難解な混練技術に焦点を当て、半導体無端ベルト開発で展開した公知の形式知とゴム会社で新入社員時代に取得した経験知、当方が学会発表した内容を中心にした3時間セミナー。


カオス混合プロセスの立ち上げから押出成形まで立ち上げた経験知は、コンパウンド製造から成形体製造までの一連の技術では科学で未解明の現象を包含しております。


実務で混練技術を担当している技術者だけでなく、組立メーカーでコンパウンドメーカーの解説に四苦八苦されている技術者など高分子材料を実務で扱っている担当者に役立つ内容である。


難燃化技術セミナー同様に2日間コースや1日コースなど準備可能で、企業への出前セミナーも可能です。受講者の希望に応じ内容を構成することもできます。ご相談ください。


本セミナーでは、混練技術を単に分散技術としてとらえた分散混合と分配混合の視点ではなく、二軸混練機による高分子変性技術としてとらえた内容で構成しております。


ゆえに市販の教科書で学べない情報も解説しております。また、本セミナーの受講者にはご希望に応じ本セミナーに関係した当方の著書を送料税込み4000円で提供可能です。


受講希望の方は、弊社へお問い合わせください。3時間コースであれば一人でも開講いたします。また、企業の研修でご利用される場合には、別途お見積りをいたします。

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2022.03/23 成形体の均一性(5)

昨日は成形体の電気特性がコンパウンドの電気特性に影響を受ける話を書いた。力学特性も同様である。ただし力学特性は、電気特性に比較して物性評価時におけるばらつきが大きいのでコンパウンドの影響を議論しにくい問題がある。


引張強度の測定を事例に物性評価のばらつきについて説明する。まず、物性評価時にサンプルを評価装置へ取り付けるときのばらつきが存在する。これは5人ほどに同じサンプルについて引張強度測定を実施してもらうと明らかに有意差として観察される。


測定時の注意点を細かく指導し、測定時に監視しながら実施するとそれが小さくなるか無くなるので、こうした物性評価に不向きな人がいることにも配慮する必要がある。


高偏差値の大学を出ていても精度の良い力学特性評価をできない人がいることも知っておいた方が良い。力学特性評価は、個人のスキルが出やすい項目である。


次にサンプルの形状の影響である。射出成型時の歪が形状に現れることもあれば、サンプル保管時に形状ばらつきが生じることもある。新入社員の時に当時最先端の樹脂補強ゴムを開発していた。


その時、引張強度サンプルについては測定本数よりも1本多く作成することを指導された。さらに、シートサンプルから切り出した後2日ほど静置して評価サンプルを選び出すように、とも指導された。


たいていの場合に予備の1本は無駄だったが、まれに変形していることがあった。このような場合に1本だけでなく2-3本ダメになることもあったので、予備の本数を増やした記憶が残っている。


力学特性について電気特性よりも測定技術上の問題の影響を受けることが意外と知られていない。測定技術上の問題を解決してから成形体の不均一性を評価すると成形ロットや位置の影響などを検出できる場合がある。

カテゴリー : 一般 連載 高分子

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2022.03/22 成形体の均一性(4)

成形体の均一性にペレットの均一性が影響を及ぼすことが意外と知られていない。高分子の混練技術の目的に成形体の均一性を実現できるコンパウンドの提供という項目があることをご存知ないコンパウンドメーカーも存在する。


これは絶縁体である高分子にカーボンなどの導電体をブレンドし半導体シートあるいは半導体ベルトを製造して平面の表面比抵抗を数点計測して確認できる。


コンパウンド段階で電気特性が均一であると、押出成形あるいはインフレーション成形を行ったときにシートなりベルトの面内の電気特性が均一となる場合が多い。


ここで、コンパウンドの電気特性が均一ならば確実に成形体で均一になるとは限らないことに注意する必要がある。パーコレーション転移という現象が起きるためだ。


すなわち、コンパウンドの電気特性を均一にしただけでは不十分で、パーコレーションが安定化されていることも要求される。


パーコレーション転移については後日説明するが、混練技術の重要性を示す現象の一つが半導体高分子の成形プロセスで起きる。半導体シートや半導体ベルトを製造するときに、コンパウンドの電気特性が不均一であると電気特性を均一化できないことを知っておいてほしい。


ただし、コンパウンドの電気特性についてどこまで均一性とパーコレーションの安定性を実現すべきかは、求められる成形体の電気特性により変化する。


コンパウンド段階で10%程度のばらつきがあっても成形体で5%程度のばらつきに抑えることも可能である。このあたりはコンパウンドの配合設計にも依存する難しい問題である。ただ、成形体の均一性に混練技術が影響することを知っておいてほしい。

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2022.02/22 高分子材料の寿命予測(5)

高分子材料のフラクトグラフィーをいろいろ経験すると、セラミックスでは体験できない現象に出会う。例えば破断面の構造をSEMで観察すると、脆性破壊したと思われるドメインの周囲を延性破壊したような構造が覆っているような構造に遭遇することがある。


SSカーブでは、マクロ的に脆性破壊していてもミクロの部分でフィブリルが存在しているのだ。このような構造にセラミックスでは出会ったことが無い。


あるいはポリマーアロイ、例えばPC/ABSで未溶融のPCと思われる大きなドメイン、すなわちABS相を含まずPCだけからなる相が観察されることもある。このような場合に厄介なのはそれほどの強度低下が無いために品質問題を見落とすことがある。


このような材料で成形体を製造すると、テープ剥離という品質問題が起きる。すなわち、未溶融のPCが表面に現れ、それがテープのように薄皮として剥離したりする問題だ。


テープ剥離という品質問題と樹脂の劣化寿命とが結びつかないかもしれないが、ウェザーメーターで耐久試験を行うと靭性値に劣化問題として観察されることがあるので厄介だ。


最初に紹介した脆性破壊と延性破壊のミクロ構造が存在するような材料でも、耐久試験結果が悪くなる場合がある。ただし、いつでも再現よく劣化するわけでもないのでややこしい。


このように、高分子のフラクトグラフィーを実施した時に訳が分からなくなるようなことも生じる。これを承知して実施すればフラクトグラフィーは有効な方法となるが、わけのわからない問題を生み出して悩むようであれば、場数を踏んだ専門家に相談した方が良い。

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2022.02/20 高分子材料の寿命予測(3)

高分子のクリープ現象は、金属やセラミックスのクリープ現象より複雑である。例えば高純度SiC成形体のような材料でも1450℃以上で観察可能なクリープが起きるが、これは拡散クリープである。


室温で実験を行うと天文学的な観測時間となる。そこで高温度で加速実験を行ってクリープ速度を求め、時間に対する変形量のマスターカーブを描くことが可能で、これが実際の現象とよく適合する。


金属やセラミックス材料では時間温度換算則を用いてこのような実験を行い、構造材料の設計を行っても市場でクリープによる品質問題を発生することは稀である。


例えばシリコーン半導体製造に用いられるダミーウェハーは、過去に高純度石英が用いられてきたが、クリープによるたわみ変形の問題があった。


シリコーンウェハーの加工温度におけるSiCのクリープ速度は石英のそれよりもはるかに遅い。シリコーンウェハーが大口径化されたのでSiCダミーウェハーはこの分野の必需品となった。


フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのポリマーアロイ前駆体を用いた高純度SiC製造プロセスは40年以上前に当方により発明された。日本化学会技術賞も受賞しているこの製造方法は高純度SiCを経済的に製造できる優れた技術である。


この技術の発明により、高温度構造材料として用いられていた高純度石英の問題が解決され、信頼性の高い高純度構造材料の設計が可能となった。

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2022.02/19 高分子材料の寿命予測(2)

高分子材料の力学物性について問題となるのは破壊力学の形式知が完成していない点である。例えば引張強度のばらつきは、金属よりも大きい場合が多い。


金属の破壊について線形破壊力学でうまく説明できるが、高分子材料では破壊現象についてうまく説明できない場合が多い。それでも金属でよく用いられるフラクトグラフィーを適用すると破壊の起点を知ることができる。


その他、金属材料で実績のある方法を破壊現象について適用してみるとうまくあてはまるところがあったりする。ゆえに、時間温度換算則を用いてクリープ破壊を解析できそうに錯覚する。


温度領域に十分配慮して実験を行えば、マスターカーブを描くことができ、それなりに予測ができてしまう。実はこれが品質問題を引き起こす原因となる。


高分子材料のクリープ速度は金属のそれよりも密度の影響を受けやすい。それどころか高分子材料は射出成形条件のばらつきから密度が大きくばらつく。


仮にこのことを理解してマスターカーブについて密度依存性を確認したりする。このときどれだけの密度ばらつきを見込んで実験を行うのかという問題が存在する。


防湿庫に保管していたカメラの裏蓋フックの破壊は、カメラを静置したままだったので、クリープ破壊の可能性が高い。破面のフラクトグラフィーを行ってもそれを理解できた。


裏蓋を開けるためにスプリングがついているが、これにより一定応力がフックにかかりクリープ破壊に至った可能性が高いのだが、高分子材料の物性をよく理解しそれなりの実験を行えば品質問題を防げたはずである。

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2022.02/02 ハラスメント(2)

40年以上前の出来事なので、ここで公開しても時効として許されるだろう。新入社員の技術開発実習発表会における出来事だ。当方はグループでまとめた「タイヤの軽量化因子」について、この実習の成果として試作されたタイヤを前に置き発表していた。


発表が終わり、CTOから「君が目標としている軽量化タイヤとは何か」という質問があった。これは事前に想定される質問として回答が用意されていた。


すなわち、軽量化因子についてコンピュータIBM3033で処理を進めた段階的重回帰分析により軽量化した時の到達重量を計算として出していた。実は、試作されたタイヤは計算値より3%ほど重かったので、計算値をプレゼンテーションでは示さず、試作タイヤの重量を示していた。


あらかじめ用意していた計算式と最低重量、試作タイヤの重量増の原因を示し、自信をもって回答した。指導社員からは、当時一般的に行われていたリバースエンジニアリングの手法により解析を指導されたのだが、せっかく多数のデータが得られたので科学的にまとめなおそうと、新入社員で自主的にマテリアルインフォマティクスしたのだ。


このような事情もあって、当方は自信満々科学的にプレゼンを行い、質問に対しても科学的に丁寧に回答をしたところ、CTOから「大馬鹿モン」と会場全体が凍りつく程の大きな声で叱られた。


発表していた当方は、張りつけ状態となり、CTOの講評を聞くことになった。講評は「科学的に解明できても市場で品質問題を起こす可能性があるのがタイヤだ。実地試験でその品質が確認されない限り、タイヤとは呼ぶな、」という科学的な発表内容を全否定し技術とは何かを熱すぎるくらい熱く語った内容だった。


今、世の中ではマテリアルインフォマティクスが話題である。40年前マイコンが登場したばかりの時代に大型コンピューターを用いた多変量解析により、「科学的」に解析した成果で、今ならばハラスメントになりかねないシーンが展開された。


しかし、その場にいた誰もがこれをハラスメントとは思っていない。発表会終了後、懇親会が開かれた。そこには人事部の役員は出席していたが、CTOは出席されていなかった。


後に社長となられたこの役員は優しかった。「とんでもない雷が落ちたが、気にしなくてよい。立派な発表だった」とねぎらってくれた。


役員が去った後、人事担当者が当方の発表に関わったメンバーが集まっているところへ来て、「CTOは指導された方たちへ雷を落としたのであって、君たちのことは褒めていた」と新入社員に配慮した言葉をかけてくれた。


当時ハラスメントなる概念すらなかった。むしろ、叱咤激励に熱を入れ過ぎた行為ぐらいに思われていた時代である。今ならばハラスメント体質の組織が日本中で常識的に存在していた時代である。


一方で今でいうところのハラスメントを受けたメンバーに配慮し、優しく励ます風土も存在していた。ゴム会社は、荒削りでありながら従業員に優しいところがある風土と社会で思われていた。懇親会ではそれを感じるに十分なアルコールと料理が用意されていた。

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2022.01/27 データ解析(1)

科学の時代なので、仮説に基づき実験を行いデータを収集し、仮説との整合性をすなわち仮説が成立するのかどうか確認する。


これは義務教育の理科実験にはじまり大学を卒業するまで指導されてきた方法である。このコロナ禍の感染者報道を見て、データ解析手法には、この学校で習った方法以外にもいろいろあることに気がつかれたのではなかろうか。


すなわち、実験を行うことなく、現象を数値化しそれを解析する手法である。実は実験を行っていなくても現象を数値化するときに仮説を設定しているので、これも学校で習ってきた方法と変わらない。


現象からパターンを抽出する方法もこのように数値化が行われるので何らかの仮説が設定されたうえでの方法と言える。パターンを解析し意味不明であればパターンの数値化方法を変えて自分の意図する結果となるように試行錯誤を繰り返す人もいる。


試行錯誤を繰り返していながら、何か最初に仮説があったかのように説明するので、すごい眼力だと感心させられたりするが、昔ならばともかく今はコンピューターがあるので大したことではない。


科学の便利なところは、データを解析するときに仮説が正しければうまく推論を展開できて答えを出せる点である。データ解析は科学的に行えば誰でもデータが意味している範囲の真理に到達できる。


解析とか分析では科学のありがたみを必ず感じるはずである。それゆえ当方は時間さえ許されれば、すでに完了した仕事でもデータ解析を行って考察したりしている。


この時実際の生データは特に必要は無いのだ。グラフの形さえ再現できれば良い。もっともこのような結果を学会で発表しにくいが、Wパーコレーションという現象については、高分子学会無機高分子研究会で7年ほど前に発表させていただいた。

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