表題の本は、当方にとって仕事のスタイルに影響を与えた良書、と今ならば思い出されるが、当時は給与を失うことになるとんでもない本が出版された、と恨んでいた。
サブリーダーとともに著者とインタビューした時にも胡散臭い本という印象をもつに十分だった。著者自身は、情報工学の無かった当時としては珍しくコンピューターに精通していた人であり、2時間のインタビューで十分に当方が啓蒙された。
しかし、8ビットのコンピューターでは大したことはできないことを知りながら、NECのPC8001で革命を起こすなどと言ってのける態度には反感を持った。まだ会社で評価されるには誠実真摯に仕事を行えばよいと愚直な姿勢で仕事に取り組んでいたころである。
当時発売されていたパソコンは、8ビットでROMベースのBASICが搭載されただけの機械であり、さらにキーボードしかついていない商品が大半だった。そのなかで、シャープは、表示装置もつけたキットをMZ80Kとして発売していた。
さらに拡張ボックスをつければ、プリンターやフロッピーディスク、その他周辺機器用のパラレルボードを接続できた。それらを操作するためのOSもFDOSとして提供されていた。ただしすべてそろえた場合には80万円以上となり、オプションのついていないカローラ1台の価格となった。
ソードや三洋電機がオフィス用にCp/Mを提供していたが、ほとんどのメーカーはROMベースのBASICだけだった。「花王のパソコン革命」にはPC8001でOA化が行えるようなことが書かれていたが、著者からは高いがソードが良いと勧められた。
ソード社は当時パソコンベンチャー企業として知られており、MZ80Kのように独自OSを提供していた。8ビットでありながら、大型コンピューターのような設計だった。
このソード社のコンピューターをゴム会社研究所へ導入するにあたり、リーダーから独身寮で当方が購入したMZ80Kで成果を出すように指示された。
今から考えればおかしな指示であったが、またサブリーダーもリーダーの指示がおかしいと言ってくださったが、始末書で散々もめた経験から元気よく「そうします」と返事をしている。
その結果、車一台分の私費を会社の仕事のために投じることになった。このような無茶苦茶な環境で我慢して仕事をしていたことを不思議に思われるかもしれないが、当時新入社員は奴隷のような扱いでも我慢することが常識の時代だった。
当方の悲劇は、リーダーがパソコンというものに全く無知でありながら、自ら勉強しようとせず、言葉だけを振り回す管理職だったために起きている。ゆえに当時ホーレンソーは管理職が「言葉」を増やすために重要な、部下のスキルとなっていた。
「花王のパソコン革命」を当方は書店で購入したが、この管理職はプロジェクトのリーダーに就任した時に会社の伝票を切って購入している。ゆえに入手までに1週間かかるという理由から購入した当方に本の内容をまとめ、報告するように命じてきた。
その命令をサブリーダーに相談したところ、著者へのインタビューをサブリーダーがリーダーへ提案してくださり、書籍の内容報告を出張報告として書くことになった。管理職が勉強しなくても務まった時代の話である。
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表題は1980年頃にベストセラーとなった書籍の題名である。良くも悪くも世間にパソコンによるオフィス革命を起こす啓蒙に成功した本である。
著者名は忘れたが、花王のコンピュータ部門の部長が、組織の花王における地位向上のために書いたそうだ。当方はこの書籍のおかげでコンピューター普及推進プロジェクトメンバーに選ばれ、サブリーダーとともにこの部長と面会している。
当方の上司となるプロジェクトのサブリーダーは新入社員の時の指導社員で、1年間のテーマを3か月で仕上げたためにご迷惑をかけた人である。成果も出し、特許出願も行っていたのに当方は職場移動となり、新たなテーマに取り組むことになった。
新たな指導社員が美人だったことから成果のご褒美と陰口を言われたが、最初の指導社員が粘弾性モデルのシミュレーション結果を基に新入社員テーマを企画し、それと混練技術について毎朝3時間座学を提供(座学の終了とともに成果が出ている。)してくださったのに、彼女は新入社員テーマそのものを一緒に企画しましょう、という姿勢の人だったので毎日の仕事が大変だった。
その大変さについてはホスファゼン変性軟質ポリウレタンフォームの企画提案と実行、工場実験、始末書と展開した半年間として以前この欄で紹介している。ただし、ノー残業デーには二人だけのアルコールOJTで浦島太郎の気分だった。
サラリーマン生活で出会った人の中で最も優秀であり、仕事のスタイルについて影響を受けた指導社員の3か月間を含め新入社員の2年間は、始末書の問題以外は楽しかった思い出として残っている。コンピューター普及推進委員に抜擢されたのもこの時の思い出の一つだ。
コンピューター普及推進プロジェクトのリーダーは美人指導社員の上司であり、サブリーダーが最初の指導社員ということで、いびつな人間関係ではあったが、サブリーダーが十分に大人の人物だったので、このプロジェクトでもうまく当方をマネジメントしてくださった。
ただし、このプロジェクトメンバーでコンピュータを日常使用していたのは当方だけであり、サブリーダーは、粘弾性シミュレーションを当時先端の関数電卓で行っていた。
ただし、当方が日常使用していたコンピューターは、メンバーに抜擢される2か月前に職場導入を課長に提案したが、それほど有用ならば自分で購入しろと言われて、自腹で購入し独身寮の自分の部屋に設置し仕事に使用していたMZ80Kだった。
最初は1か月分の給与から足が出る程度の出費だったのだが、プロジェクトのメンバーに抜擢されてからは、カローラ1台分の出費まで膨らむ大変な目に合っている。
プロジェクトでリーダーに何か提案すると「独身寮のマイコンでやってみたら」と言われ、プリンターやFDの購入だけでなく高価なデジタイザーまで当方の私費で購入することになった。
今パワハラなど各種ハラスメントが問題になっているが、管理職の無知が鞭となり、部下に私費で仕事を強要するようなひどいことが当時行われていた。
素直に従っている当方が馬鹿だと美人指導社員からは注意を受けていたが、工場実験の試作で始末書を書かされた恐怖の経験の後では従うしかなかった。
花王のパソコン革命という本のおかげで、OAを行うために当時カローラ1台分の価格だったマイコン1セットを独身寮の自室に揃えることになった。初任給基礎額が10万5千円の時代の話である。
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AIの応用が進んでいる。その結果AIに対する誤解について笑えない状況になってきた。まず、AIで重要なポイントは、それが科学のロジックを用いたプログラムにより動作している、という点だ。
さらに、そのロジックを支えるデータは人間が表現したものだ、という事実である。だから科学の延長線上でAIの技術開発が行われ続けるならば、人間のような制御できない曖昧性や矛盾した判断、また時として周囲が理解できない感情をAIが持つことは難しいにちがいない。
恋愛という現象を冷静に考えていただけば理解できるように、ベイズ統計でも予測つかないような行動をとるのが人間である。
このことから、新材料の開発された歴史を鑑みると、AIに材料設計をやらせて自由自在に新材料を創り出そうと目論んでも、期待通りの成果を見込めない分野は多いと思われる。
この一文をすんなり受け入れた人は、それはそれでAIに対して誤解を持っている。まだ、AIは人間のように自由にいろいろな材料を学習して材料設計できるレベルに無く、それが研究課題になっている。
ただし、結晶構造でその機能が決まるセラミックスであれば、AIの活用による材料設計はある程度まで有効となり一部成果が出ている。もっとも熟練技術者ならばAIを用いなくても同様の結果をシミュレーションで出せる。
ただし無機材料でもガラスになるとその機能性と組成及び材料の構造が非晶質であるためAIによる材料設計が期待通りに行かず技術者頼みとなる分野が残る。
同様の理由で、今のまま科学の形式知を重視してMIの研究を続けるならば、高分子材料についてAIを活用できる分野は限定的になる。
高分子材料は無機ガラスよりも難解な多成分系であり、さらに多分散系非晶質体である。また、その物性ばらつきの原因となる自由体積の存在もAIによる材料設計を困難にする原因となっている。
MIが騒がれるようになって10年経ったが、高分子材料で驚くような成果は出ていない。20世紀に開発されたOCTAは、それが高分子の形式知集大成として見たときに価値を発揮しているが、それで新材料を自由自在に創生することは、今のところ難しい。
例えばPPS/6PA/カーボンの配合系で半導体の動的部品を設計しようとしたときに、OCTAでは不可能と言う結果しか出せないし、この結果は科学的に正しい。いわゆる否定証明として成果を出せるだけである。
この配合系で成果を出したいならば、現代の科学では説明できないPPSと6PAの相溶現象を用いる必要がある。このようなアイデアはOCTAでシミュレーションしても出てこない。仮にAIにOCTAを実装してもAIは、この配合で動的部品を製造できません、と答えるだけだろう。
ただし、人間の柔軟な発想があればこれが可能となり、実際に15年前に柔軟な頭脳で発明された中間転写ベルトは品質問題も起こさず安定な生産が続いている。
材料設計において、その基本機能の選択が技術者に依存する限り、まだ、当分の間、人間の頭脳をAIは完全に超えることはできない。せいぜい特定の人物の猿真似程度のAIを創り出すのが関の山だろう。
今新しい高分子材料探索のためのMIを成功させたいなら、AIを使おうとしない方が良い。人間の頭とシミュレーション技術、データサイエンスの活用により、新材料創造を目指すべきだ。
人間の頭の問題は、怠惰な習慣に慣れると急激に劣化することである。この点はAIが勝る。一方常に危機に晒され続けると機能不全になる場合も出てくる。これもAIは強みになるかもしれない。
こうした人間の弱点を補えるところはAIの優れたところだが、科学で解決できない分野の問題については、まだ当分の間人間の頭脳の方が頼りになる。
ただし、そのために鍛える必要があり、弊社では幾つか研究開発必勝法プログラムを用意している。
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昔の黒人の歌うブルースは音程が独特であり、ミソシの音が半音下がったように聴こえる。カラオケでこれをやると、「へたくそ」と言われるが、ブルースメンが歌えばそれはブルースというカテゴリーの音楽となる。
今音楽はバッハの発明による旋律が標準だが、日本の民謡も含め本来民族特有の旋律があったと言われている。ゆえに中村トウヨウ氏監修による古いレコードを聴いてもドレミファソラシドというメジャースケールから外れたメロディーが幾つか飛び出してくる。
50年前に来日したブルースメンにより演奏された音楽はブルースロックであり、Cマイナーペンタトニックの演奏だったが、興味深いのは、ジャズもブルースを起源としながら西洋音楽のチャーチモードの中でブルースが演奏されていることだ。
このブルースとロック、ジャズという音楽を五線譜上で眺めていると面白いことに気づく。ロックはブルースをそのまま西洋音楽の旋律に乗せたのに対して、ジャズでは西洋音楽の旋律の中でブルースを理解しようとした努力が見えてくる。
ここで西洋音楽を科学に、ブルースを目の前の現象として置き換えていただくと、科学と技術の視点を説明しているような雰囲気になる。
すなわち、科学で現象を眺めるときに、科学の体系の中でそれを展開しそれを理解しようとし実験を行う。ただし、ジャズならば音の高低を#なり♭で調整できるが、科学ではそれができない点に注目していただきたい。
ところが、科学で完璧に説明できなくて否定証明になっても、技術者は、ロックギタリストがペンタ一発でアドリブを弾くように、現象から機能を素直に取り出しモノと仕上げることができる。
熟練技術者はさらに多くのテクニックで現象から新しいアイデアを見つけ出す。問題解決のためのアイデア創出法のセミナーを8月に予定しています。トランスサイエンスが常識になった今の時代に科学だけで問題解決しようというのは時代遅れである。
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ここで取り上げるのは、柳ケ瀬ブルースとか雨のブルースではない。黒人の歌うブルースである。50年ほど前に日本でブルースのブームがあり、アメリカから多くのブルースメンが来日した。
いわゆるフォークソングブームの流れの中で中村とうよう氏らが中心になって作り出したブームだ。各地でコンサートが開かれ、レコードも発売された。
ブルースの起源とも呼べる音源を集めた5枚組レコードを持っているが、何とも言えない音楽が飛び出す。レコード針のスクラッチノイズが音源に入っており、高級オーディオで再生してもこのスクラッチノイズは再生される。
そして多くの旋律は、Cマイナーペンタトニックスケールである。これがビートルズはじめ多くのロックミュージシャンに影響を与え、ロックはペンタトニックスケール一発覚えればできる、と言われるようになった所以である。
このあたりは、ポピュラーな知識かもしれないが、これを西洋音楽のチャーチモードで見ると、Cドリアンスケールや、Cミクソリディアンスケールが見えてくる。
ジョー・パスのブルースは、チャーチモードのスケールで演奏されているので、スケールがブルースでありながら黒人のブルースとは少し趣が異なりモダンなイメージがある。
黒人のブルースが主に歌のメロディーに独特の色合いがあったので、日本の演歌でブルース旋律でないものにブルースと言う言葉があてられたが、柳ケ瀬ブルースの旋律はド演歌旋律である。
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すでにニュースで報じられているが、15人以上の選手関係者が現地で陽性になり、小池選手はじめ多くの出場選手が予選すら参加できない状況になっている。
ここで不思議に思うのは、特別な監視体制で何故このような状況になったのか、という問題である。東京オリンピックを無事開催できて世界陸上は失敗した、という相反する状況には、必ず原因があるはずだ。
不特定多数の感染者ではなく、管理された選手団でクラスターが発生した原因について見つけやすいはずである。犯人探しが目的ではなく、感染対策のヒントを得ることが重要だ。
何故なら、感染ルートと感染日時を特定できる可能性があり、それにより感染力が強いとされるオミクロン株の科学的な感染スピードを明らかにできる。
世界陸上の選手団派遣について税金も使われているので、感染して競技に出場できなかった選手は、せめてこのような場合に情報をすべて公開し貢献すべきである。
ニュースで感染者の急激な増加グラフを見せられて感染力が強い、と言われても、具体的にどれくらい強いのか、納得できないので、ただ逃げ回ることしかできないもどかしさがある。
科学立国日本と言われて久しいが、未だに非科学的データの扱いでごまかしているのが日本の現状である。そろそろ科学偏重の考え方を見直すべきである。技術的視点というものが存在する。
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新たに廉価版の問題解決セミナーを開催することにした。問題解決のツール類や事例を省略し、ドラッカーの考え方を中心にして構成している。
概念的な内容なのでテキストが無くても理解しやすくしている。ただし、テキストにはサービスとしてシステム思考による問題解決手順を付録につけた。
今、このセミナーの聴講を前提としたアイデア創出法などを加えた問題解決法のセミナー資料を開発中である。このコロナ禍でギターの練習をしてみて気がついたことも加えている。
すなわち、暗黙知へどのようにアクセスするのか、そのコツをまとめている。おそらくこのような試みは初めてではないだろうか。
自分で試してみても面白いほど新しいアイデアが出てくる。年をとると老化してアイデアが出にくくなる、と言われているが、加齢でアイデアが出にくくなるのは、面倒くさいからだろうと思う。
若いころには何の努力もなく取り出せた暗黙知だが、加齢によりアクセスしにくくなっている。それを無理やりアクセスするには手間暇かける必要がある。
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例えばヘキサフェノキシホスファゼンのような疎水性物質を水に分散したい場合にどうしたらよいか。昔からこのような場合にはオイル分散技術が使用されてきた。
オイル分散技術とは疎水性物質をオイルに溶解し、その状態でコロイドとする技術である。必要に応じてオイルをオートクレーブ中で取り除くのだが、100%取り除くことはできない。
ゆえに環境問題について厳しくなった時代に、このオイル分散技術では、残った微量のオイルの処理が問題となる。疎水性の高分子もこの方法でコロイドを製造することができるので便利な技術であるが、今の時代に合ったオイルを用いない技術が求められている。
分子の一部に親水基を持っていると、低分子でも高分子でも何とかO/W型コロイドにできるが、全く親水基を持たない物質の場合には、これまで技術手段は無かったが、5年前皮革の難燃化技術開発でホスファゼンの水分散コロイドが必要になり技術開発した。
この技術を用いると、水系コーティング液の開発も可能となる。また、皮革の難燃化技術開発で気がついたのだが、疎水性繊維の内部に物質輸送する技術の開発も可能となる。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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13兆円という巨額の賠償金額の支払い命令が東電の旧経営陣4人に対して出された。この金額の妥当性含めて様々な意見が出ている。
すでにこの欄で述べているように、多額の投資をしなくても、防波堤を越えた津波に備えて既存の設備配置の見直しが行われておれば大事故にならなかった、とのコメントが2011年にニュースになっていた。
また、一人当たり3兆円規模の賠償金額は東電の社長であれば妥当の金額であることもWEBニュースで報じられており、今回の判例が一部で騒がれているような異常な内容ではない。
今回の判例で考えなければいけないのは、社長職が常に大きなリスクを抱えた役職である、ということだ。これをよく考える必要がある。
組織で仕事を行っていると、組織全体で負うべき巨大なリスクが見えなくなる場合がある。東電の事故でも、設備担当者が巨大津波のリスクに気がついておれば、予備電源を屋上に設置するアイデアが浮かんだはずである。
少し考えれば1階に設置する場合と屋上に置いた場合のメリットデメリット比較で屋上設置となったはずだ。経営者は担当者のこのような気づきを促すような経営を心掛けなければいけない。
ところで、環境問題について各企業においてそれぞれの対策をとらなければ突然死につながるリスクとなる時代になった。これに気がついている社長はどれだけいるのだろうか。
また、各担当者は所属する組織の役割だけでこの問題を考えるようなミスを犯していないだろうか。環境問題は、従来の組織の役割にとらわれていると見えないリスクが存在する。社長だけに責任を押し付けるべき問題ではないのだ。
問題そのものに対する感度が鈍っていては、十分な仕事ができない時代である。そもそも知識労働者の仕事とはその知識を用いて問題を発見し解決してゆくのが仕事である。このような視点で急遽格安サービスセミナーを準備しているので問い合わせていただきたい。
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機能性セラミックスを設計する技法と機能性高分子を設計する技法は異なる。機能性セラミックスでは科学的に美しい体系ができているが、機能性高分子では、科学的というよりも技術的方法論となる。
また、理論的な設計値を実現し品質管理を行う場合でも機能性セラミックスの方が容易である。高分子材料では、およそセラミックスの設計値のばらつきの10倍以上ばらつく場合が多い。
もちろん機能性高分子でも、機能性セラミックスと同様にばらつきの小さい材料設計が可能な場合があるが、それは少数派である。
具体的に導電性という性質を取り上げた場合に、機能性セラミックスでは、酸化物系セラミックスから選択し材料設計を行う。透明導電性と限定すると酸化スズ系か酸化チタン、酸化バナジウム、酸化亜鉛と絞られてくる。
そして、導電性の設計方法も異原子のドーピングにより、酸素欠陥を生み出すという方法が知られている。電子伝導性高分子については、白川博士のノーベル賞受賞で知られるように画期的な発見として知られている。
一次構造の設計において高分子のパイ軌道を活用する場合には、分子軌道法も活用でき科学的議論を展開しやすいが、高分子に導電性を付与する方法にはカーボンのような導電性フィラーを練りこむ方法が古くから知られており、この方法はかつて混合則で議論されていたように経験的となる。
また、半導体高分子を材料設計する場合に、一次構造で材料設計するよりもカーボンの添加について混合則で材料設計した方が経済的である。
ただし、導電性物質を高分子に練りこみ半導体を設計するときに、導電性のばらつきを半導体セラミックス並みに品質管理するためには、材料設計に少し工夫が必要になる。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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