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2020.08/18 ヒューリスティックな問題解決法(1)

コンセプトに関して当方の体験を示しどのようなものか説明しているが、単なる概念と訳して済むものではないことが伝わっているだろうか。

 

新しいアイデアを生み出すためにコンセプトは重要であり、その意味で単なる概念ではない。英語のconceiveには、構想するとか考えるの意味のほかに「子をはらむ」という意味もあり、こちらの名詞形conceptionは受胎である。

 

コンセプトという用語の深い含蓄を理解できると、そもそもアイデアを生み出すコツあるいはそのための問題解決法のコツに関心が向く。

 

問題解決法と言えば、あまりこの観点で有名ではないドラッカーの著書が参考になる。ドラッカーの「何が問題か」という問いは、ドラッカーを2-3冊読まれた方ならご存知のキーワードである。

 

すなわち、問題解決の前に、正しい問題を把握することこそ重要である、とドラッカーはその著書の中で繰り返し述べている。

 

「間違った問題の正しい答え」ほど有害なものは無い、と優秀な人が時折犯す間違いを一刀両断に切り捨てている。

 

さらに、「頭の良い人ほど間違った問題を正しく解いて、成果を出せない」とまで言い切っており、正しい問題を最初に探すときのキーワード「何が問題か」という問いは、問題解決法において極めて重要である。

 

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2020.08/16 コンセプト(9)

余談だが、PPS/6ナイロン/カーボンの配合で、Wパーコレーションを制御するときに、既存の混練プロセスでそれを実現できるかどうかは、大問題である。

 

当方の著書以外の混練プロセスに関する教科書を読む限り、分配混合を行えばできることになる。分散混合を抑制し分配混合を行えばよいという答えが教科書から出てくるのだが、これを一流メーカーの技術者に話したら、「素人は黙っとれ」と叱られた。

 

この技術者は、分配混合と分散混合の説明による科学的な混練の教科書が実務で無力であることを知っていたのだ。

 

当方は、豊川単身赴任が決まった時に、たまたま無機材研副所長からゴム会社が無機材研に支払った特許料を当方に下さるという手紙を頂いた。当方はこれを軍資金として、10万円前後の混練に関する本を何冊か買い込んだ。

 

ゴム会社は当方がゴム会社で出願し公告となった特許について特許報償を支払っていない。当方はFD問題の隠蔽化で転職するときにその問題を役員に指摘しているが無しのつぶてである。

 

20年前の約束を果たしてくださった副所長には頭が下がるだけでなく、タイミングの良さに感謝している。この誠実さに応えるために、大半を混練の形式知獲得のために投資した。

 

しかし、購入したどの本にも分配混合と分散混合の考え方で混練の説明しかなされていなかった。当方が新入社員の時に混練技術の神様のような指導社員から伝授された混練の知識とは、コンセプトが大きく異なっていた。

 

混練プロセスについて普遍化し科学的に研究することは大変困難である。まず、これを実感することが大切であり、非平衡下の現象をレオロジーの視点でよく観察する姿勢が大切だ、さらにそのレオロジーは21世紀になると今と全く異なるコンセプトの学問となっている可能性が高いので注意が必要だ、と習った。

 

ここで、当時の高分子レオロジーはダッシュポットとバネのモデルで議論するのがお決まりとなっていた。今の時代に、レオロジーの研究をこのようなモデルで学会発表していては時代遅れである。

 

指導社員から伝授されたのは、最先端の混練技術に関する知識だったのだが、100万円近く私費を投入して購入した何冊かの高価な混練の教科書には、実務の立場からは皆役に立たない知識しか載っていなかった。

 

セラミックス粉の分散技術について学んだ知識の一部もその教科書には反映されていなかった。理由はわからないが、教科書のコンセプトは分配混合と分散混合で皆統一されており、形式知と呼べる内容だったにもかかわらず、セラミックス粉のプロセシングについて触れられていなかった。

 

この問題について、今年当方の執筆した混練の本で一つの解を示した。当方の混練の本は、混練の神様から伝授された経験知を基に執筆している。

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2020.08/14 写真と絵画

写真があれば写実的な絵画は存在意味が無くなるのでは、と言っていた人がいた。それなりに理解できる意見ではある。

 

しかし、写真機が登場しても未だに写実的な絵を描こうとする人がいる。例えば富士山の絵にしても、天気の良い日にシャッター押せば、日曜画家の絵よりもきれいな富士山をプリントすることができる。

 

このように考えている人は、絵を描いている人の気持ちを理解していない。当方も十分に理解できているわけではないが、絵を描くことと写真を撮ることには、全く異なる目標があると思っている。

 

例え写実的な絵画は、その写実性において写真には勝てない、という人がいたとしても、別の意味で写真よりも写実的な絵画が存在する。

 

これは、科学と技術に少し似ているところがある。技術は科学登場以前から存在し、その技術を考えるための思考法も存在した。ヒューリスティックな解を得ようとする問題解決法は、まさしくそのような技術的思考法である。

 

科学では厳密なアルゴリズムで問題解決を行う。その結果、曖昧性は排除され、時間をかけながら唯一の解を求めることになる。

 

絵画はいくらオブジェクトの正確な写実性をそこに求めても写真には負けるだろうし、そこを追求しても絵画の意味は無い。

 

絵画には同一オブジェクトを描いたとしてもそこに作者の思いが写真よりも自然に反映される。絵を描くことはオブジェクトと対峙している自分の気持ちを映し出すことでもある。

 

写真も同様の目的があるが、写真では絵画に比較し、オブジェクトの写実性が高いゆえに多くの制約が生まれる。ゆえに写実性という観点で、写真と絵画に優劣をつけるときには、注意する必要がある。

 

オブジェクトを表現するという視点で、絵画は必ずしも写真より写実性が劣っているというわけではない。

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2020.08/12 日本

国民民主党が党首の分党構想発表で揺れている。発端は立憲民主党が仕掛けた国民民主党との合流案だが、それがうまくゆかず、合流後の党名については、合流後に決めると立憲民主側が譲歩したところで玉木党首は覚悟を決めたのだろう。

 

おそらく国民民主党の中には、立憲民主党に合流したいという人が相当数いるのだろう。そこを当て込んでの党名にこだわらない戦術が出てきたのかもしれない。

 

立憲民主党にしても国民民主党にしても今中国で起きているコロナ禍以外の変化、それを受けた世界の動きを十分に理解されていないのではないか。少なくともそれらを理解しているように感じさせないのは、何故か。

 

さらには、現在の日本人が目指している、あるいは望んでいる日本の政治を具現化できるだけの政治家としての能力を備えた人材が立憲民主党にはいないのではないか(申し訳ないが、政治家としての能力を採点してみると国民民主党のほうが平均偏差値が高いように思われる。但しこれは表に現れた政治家個人の発言とか行動から当方が採点した結果で、国民民主党が地味な政治家が多いためかもしれないので、間違っていたらお許し願いたい。両党とも大した人材がいないとも思っていない。とにかくこの合流騒動で、政治家の能力が試される事態になった。国民は、その行方を注視している。)。

 

今求められている政党の機能はイデオロギー集団ではなく、政治機能組織集団である。イデオロギーで統一された共産党が、存続すれど永遠に政権が取れないと国民に思わせるのは、その人材の薄さである。すなわち、イデオロギーで統一化しようとしても国民の多くの支持は得られず、一国の政治を担える人材を揃えるように政党は活動しなければならない。

 

また、政治家は、一国の政治を担うための知識と誠実さを身に着けた人物が投票で選ばれるべき時代である。不倫に対して国民が厳しい判断を下すのは、誠実さを求めるためである。

 

文春砲がさく裂し不倫騒動で騒がれた山尾議員は、文春砲の威力が小さかったのか、年齢差から有権者がそれを信じなかったのか不明だが、不誠実にもかかわらず、政治家に求められる知識についてそのレベルの高さと活動実績から選ばれ、禊を行った。

 

その後、立憲民主党に愛想をつかして、国民民主党に移っている。この異動は、党の雰囲気を考慮すると理解できる。

 

田中角栄氏がいるので、この発言も正しいと言えないが、安倍政権が誕生した時に、亀井静香氏は「東大卒以外が首相になる時代」と、政治家に求められる資質の変化を表現している。

 

自民党は、すでにイデオロギー集団ではなく政治機能集団へと生まれ変わっている。野党にも自民党に対抗しうる政治機能集団の登場を渇望するのだが、以前民主党時代にshadow内閣を発表し、失敗したような愚行は辞めた方が良い。

 

およそ政治のわかっていない人でそれを構成されても国民は投票しないのである。情報化時代となり、国民は政治家一人一人の資質を知ろうと思えばその情報を入手できる時代になった。本物の政治という実務を理解した野党勢力が登場することを渇望する。

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2020.08/09 コンセプト(4)

温故知新の理解能力と情報があれば、あとは汗を流すだけで新しいコンセプトを考案することは誰でもできるのだが、「汗を流す」ところが難しいのだろう。

 

汗を流せば塩分が出てゆくので、塩分の補給が重要となってくる。この時知識の補給ができる人とできない人がいる。

 

汗を流しているときに、多くの情報と接することになる。情報をただ眺めているだけではダメである。情報をまず分類することが必要になってくる。

 

既知の情報と実験により新たに生まれた情報とに分類する。この段階で知識が身に着くのだが、実験をどのように企画したのか、その実験をどのように観察したのか、その実験から得られたデータをどのように整理したのかにより、得られる知識の量が異なる。

 

せっかく英知を集めて企画された実験を行っても、情報を集めるだけで終わる人は多いが、そのことに気がついていない。もったいないことである。

 

実験の報告を聞くだけの立場になった時に、情報を集めるだけで終わる人の特徴を理解できた。今発達障害が話題になっているが、かつてアスペルガー症候群と分類されたような人は残念ながら実験で知識を身に着けることができない。

 

このような人には的確な指示を出さないと、実験結果の報告が単なる情報だけになっていたり、偏った情報で整理されていたりする。注意しなければいけないのは後者で、時として天才的な偏った情報整理がなされることがある。

 

それが正しい時には研究開発にイノベーションを引き起こすが、単なる偏見の時には研究開発を誤った方向に導く。

 

タグチメソッドはこのような問題を防いでくれるので助かるが、実験結果の報告が単なる情報だけになっている場合に、管理者が実験から知識獲得経験がない場合には、研究開発が無限ループに陥ったり、二律背反の壁に突き当たってもそれを超える実験を指示できなかったりする。

 

温故知新ができるかどうかは、研究開発の管理者あるいは担当者の自己評価に用いることが可能である。

 

松尾芭蕉は不易流行という良い言葉も残している。これは、どのような時代にも通用する古典的な考え方と時代の流れにより生まれる新しい価値観とを結びつけることにより、良い俳句を生み出せる、という意味だが、コンセプトを生み出すときにも言える。

 

実は、科学的に企画された実験において実験の場が異なれば、科学で解明されていない現象が現れることがある。ここでその現象に気がつくかどうかは、良い俳句を生み出すことと通じるところがある。

 

不易流行の理解ができれば、発達障害ではない普通の人であり、実験もうまくできるようになり、そこから新しい知識をどんどん獲得できるようになる。ただし、ほんの少しのコツが必要で、悩まれている方は弊社へご相談ください。

 

松尾芭蕉は、だれでもよい俳句を詠むことができると言っている。ただし温故知新や不易流行を正しく理解しなければいけない。俳句を詠むこととコンセプトを考案することは通じるものがある。

 

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2020.08/08 組織の役割(1)

今さら人間が社会的動物であることを説明する必要はないだろう。社会的動物ゆえに何らかの組織を形成したりするが、ドラッカーは組織の機能に着眼し、組織とは平凡な人間誰もに非凡な成果を出せるようにするのが良い組織だと説明している。

 

すなわち、企業の組織に限らず政府やNPO、さらには家庭(家庭の無い家族の時代とはなったが)の組織をどのように形成するのかにより、その機能の質は変わる。

 

コンセプトの重要性に開眼した体験を書いているが、当方がそこにたどり着けたのは組織の成果とも言える。また、この組織ではユニークな「燃焼時にガラスを生成して難燃化する手法」や「世界初の台所用フェノール樹脂断熱天井材」を生み出している。

 

当時のゴム会社の研究所組織は、アカデミア同様の基礎研究を推進するのに適した体制であり、その風土もゴム会社全体の風土と異なり、アカデミア顔負けの「科学こそ命」の組織風土となっていた。

 

1970年前後の研究所ブームで日本企業の多くは基礎研究所組織を内部に作っている 。しかし、時代の流れとともに企業内の基礎研究所の運営について疑問を持つ企業も出てきた。

 

高校生の時に読んだドラッカー著「断絶の時代」には、企業における知識労働者の台頭による社会との断絶や、間違った問題を解いていることに気がつかず正しい答えを出す頭の良い人が成果を出せない問題が指摘されていた。

 

ちなみに、間違った問題の正しい答えほど扱いが難しい。ゆえに経営者は答えを管理するよりも、正しい問題が設定されているのかを管理しなければいけないが、とかくアカデミア的風土のマネジメントでは、答えの正しさや、そこに至るアルゴリズムを管理したりする。この問題は後日事例を基にここに書く。

 

余談だが、ドラッカーといえば経済活動の研究者として知られているが、問題解決法の専門家でもある。早くからヒューリスティックな問題解決法を提案している。

 

ところが、ヒューリスティックな問題解決法は、アカデミア顔負けの科学重視の活動をしていたゴム会社の研究所では、水と油のような関係になりがちである。

 

基礎研究の組織であっても成果を上げるためには、ヒューリスティックな問題解決法は重要であるにもかかわらず、その手法が科学に要求される緻密な論理を満たしていないという理由で、敬遠される。

 

しかし、ノーベル賞を受賞したヤマナカファクターもその解決法で見つかっている、といえば、緻密な論理よりも社会に役立つ成果こそ重要であることを理解できると思う。必要があれば、成果について、厳密な科学的アルゴリズムで検証すればよい。

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2020.08/07 コンセプト(3)

始末書をまとめているときに、ホウ酸エステルを合成し、それをポリウレタンの変性材として使用する実験を行ってみた。

 

ホウ酸エステルを持ち出したのは「温故知新」という行動である。始末書でごたごたしているときに新しいアイデアを考えているゆとりなど無い。

 

当時は高分子技術において難燃化技術の関心が高まっていた時代であり、古代の難燃化技術について書かれたコラム記事が研究室の隅に放置されていた。

 

この状態は誰かがそれをすでに検討してダメだったことを示している。すぐに検討された人に尋ねたら、ホウ素系の化合物には高い難燃効果は無いという実験結果だったらしい。

 

幸運だった。ダメな実験結果から予見される、ダメな実験をやらなくても済んだからである。「温故知新」とは、過去を振り返りそのまま実行することではなく、「新しいコンセプトの下で過去の知見を見直すこと」なのだ。

 

古きをたずねて、古い技術をそのまま見ていても、古いだけである。新しきを知るためには、過去と異なる視点を持たなければならない。過去と異なる視点とは新しいコンセプトで見つめなおすことである。

 

すぐにホウ酸エステルが過去に難燃剤として検討されていないことに気がついた。ホウ酸エステルに着眼したのは、無機アルコキシドからガラスを合成する研究が当時の花形テーマだったからで、当方の独創というよりも、情報として周囲にあふれていたからである。

 

当時の先端の情報をもとに古い現象を見なおした。この段階で、まだ、新しいコンセプトは生まれていない。

 

自己評価するときに、無能かどうかという能力の捉え方の方が努力目標を設定した時に実現可能性が高くなる、と思っている。

 

とかく有能であらんとすると高い目標設定をしがちであるが、無能ではないかと自己を見つめるときに、無能にならないように努力する行動を起こすことができる。

 

ホウ酸エステルについて難燃剤としての検討が過去にされていなかったので、複雑に考えることなく、まずそれを合成することにした。ここで大学4年の時に有機金属合成化学の研究室で学んだ経験が生きた。

 

配位子という視点で、エステル化反応にジエタノールアミンを用いたのである。未経験者ならばホウ酸エステルの合成にグリセリンとかを選んでエステル化の研究として行うかもしれない。

 

有機金属化学を1年間学んだ経験があり、当時の研究室の諸先輩の顔を思い出し、無能と笑われないために、迷わずジエタノールアミンとホウ酸の組み合わせを実験している。

 

そして合成された化合物とリン酸エステルとを組み合わせて加熱する実験を行い、ボロンホスフェートを簡単に合成できることを見出している。

 

この実験結果は、ホウ酸エステルとリン酸エステルをポリウレタンに添加しておけば、燃焼時の熱で容易に反応してボロンホスフェートができることを示している。

 

あとはボロンホスフェートの難燃効果を調べれば、新しい難燃化システムの完成である。

 

たった2日間の実験で、「燃焼時の熱でガラスを生成し、高分子を難燃化する」というコンセプトが生まれた。

 

新しいコンセプトは、温故知新と学生時代に厳しいがレベルの高い研究室で学んだ知的財産と、実験という体力勝負をいとわない愚直さで生み出された。

 

学会で発表した時の懇親会で多くの先生が褒めてくださったが、能力というよりも始末書騒動から始まった業務に対する姿勢の変化が大きいと思った。

 

新しい発明を行うには、コンセプトが重要となるが、汗を流すことをいとわない心がけで、コンセプトを見出したならば、すぐにそれを具体化する行動を起こす必要がある。

 

カテゴリー : 一般 連載 電気/電子材料 高分子

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2020.08/06 無料セミナーのご案内

弊社のWEBセミナー用ソフトウェアーのテストのため今週7日金曜日に問題解決法に関する無料セミナーを予定しています。聴講ご希望の方は、申し込んでいただきたく。テキスト代は5000円となりますが、テキストは無くても大丈夫です。

事例として材料開発の課題解決体験談を使いますが、専門外でも役立つ内容です。日頃の技術開発で、どのようにアイデアを出すのか、という内容です。

午前中は、主としてアイデア創出に重点を置きますが、午後は企画の方法に重点を置いて問題解決法を解説します。午後は午前の続きとして講義いたします。

  • 午前の部
    9:30~11:30
  • 午後の部
    13:00~14:30

今回のセミナー参加者募集は終了致しました。

カテゴリー : 一般

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2020.08/05 コンセプト(2)

研究開発におけるコンセプトの重要性について、始末書でもめているときに気がついた。ところが、マネージャーが無責任であることはマネジメントにおいて重要な要素の一つかもしれない、と一瞬誤解したことがきっかけである。

 

この誤解は、有能で責任感のあるマネージャーがそのようにふるまったときに部下のマネジメントとして成功するかもしれないが、本当に無責任な上司のもとでは、その後の災難も予見して部下は行動しなければいけない、という過剰な行動原理まで身に着けることになる。

 

この体験は、退職前の中間転写ベルトの開発にいたるまで役立っているが、担当者の立場では残酷な結果を生み出す恐れもあり、好ましくない行動原理と思っている。

 

企業において、多くの場合に部下は上司を選べないので、健全な組織運営のためには、部下の立場でもリスクマネジメントが重要となってくる。

 

それは、上司の顔色を窺ったり、忖度という気の使い方ではなく、部下と上司の関係においてどのような役割を担当者は果たすべきなのかという発想に基づくものであり、その推進過程では、自分が社長になったつもりでリスクを予見し、上司に「謙虚にかつ果敢に」提案を行う行動が重要となる。

 

ちなみにドラッカーが言うところのマネジメントの定義とは、人をなして成果を出すことであり、幸運にも頼りないマネージャーを前にした場合にスタッフはこの組織のリスク回避のためにマネージャーを助け自分が頑張らなくては、とモラールアップにつなげなければいけない。

 

健全なこのような発想ができる様になれば、企業において発生する悲劇を少なくできると思っている。

 

注意しなければいけないのは、本当に頼りない人を前にしたときに、その人に代わって自分が組織のマネジメントまでも行うつもり(あくまでも「つもり」である。実際のマネジメントは上司を通じて実現する)で仕事を請け負わないと、成果に関わらず、さらなる倍返しの災難が襲う。

 

新入社員ではあったが、工場試作を成功させても始末書を命じられたので、行動の反省として高校時代から読み続けてきたドラッカーの名言の数々を思い出し、コンセプトの明確化の重要性にたどり着いた。

 

すなわち、始末書を書く事態になっているのは、研究の目的と意味が十分に周囲へ伝わらず、経済性だけの議論になったためであり、問題となったホスファゼンの研究が、研究所として事業を見据えた明確なコンセプトに基づくもので、この試作の成功により、新たな基盤技術が作られることを始末書に書く必要がある、と気がついたのだ。

 

今思い出してみても、この始末書騒動は自己の成長のために大変役立った。研究として成功したにもかかわらず、新入社員2年間は下がらない規程になっていた給与が100円下がっていたりしてサラリーマンの苦い思い出となっているが、企業の研究開発というものを社会人1年目で真剣に考えるための貴重なきっかけとなった。

 

また、この時の経験から、無機材研留学時、正解を書いたにもかかわらず昇進試験に落ちた時、迷わず高純度SiCの合成実験を是が非でも成功させる決断をしている。

 

体力という自己の強みを生かした過重労働により5日間という短期間で実験を成功させて、給与明細書の数値が大きく変化しただけでなく、社長から2億4千万円の先行投資まで得ている。

 

この高純度SiCの発明まで当時の業務スタイルにおいて共通している上位のコンセプトは、無機高分子を用いたプロセシングの工夫であり、このコンセプトは学位論文の骨子となった。始末書騒動は、30年ゴム会社で続いた異色の事業ともつながっていた。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2020.08/04 コンセプト(1)

軟質ポリウレタン発泡体難燃化技術のテーマを担当した時に世界初の難燃化技術を提案してほしいと言われた。そこで当時注目されていた新素材ホスファゼンを難燃剤として応用する技術を企画した。

 

特に明確なコンセプトがあったわけでなく、世界初=当時の先端技術の応用研究=ホスファゼンという単純な連想ゲームである。

 

工場試作まで成功したが始末書を書かされた話をこの欄で書いている。市販されていない材料を自分で合成して研究テーマを成功させた。ところが、事業性が無い、ということで社内の問題になった。

 

管理職がテーマとして認めて推進したわけだから、管理職が責任を取るべきなのに、新入社員がやりたいと主張したので新入社員の責任ということになり始末書を書かされたのである。

 

半年もかけない開発期間で過重労働をして工場試作を成功に導いても始末書である。もちろん新入社員二年間は残業代が出ないのでタダ働きである。

 

パワハラが問題となる今時にこのような入社間もない社員の扱いを信じてもらえないかもしれないが、事実であり証拠も思い出として残している。

 

始末書の内容でもめたのだが、新規合成されたホスファゼンでイントメッセント系(当時このような概念は無かった。イギリスの学会誌にも掲載されている)の難燃化システムという世界初の成果を経済的に実現するために、「燃焼時の熱でガラスを生成させ難燃化する」コンセプトを管理職に提案し、それを始末書に書いた。

 

始末書か企画書かわからないような書類だったが、管理職が喜んで経営陣に提出している。そして半年後には工場試作を成功させよ、と想像される業務量から労災につながるような過重労働を命じてきた。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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