MFRとはMelt Flow Rateの略であり、高分子の流動性の指標として使われ、大きいほど流動性が良いとされている。
コンパウンドのスペックにも使われたりするが、ばらつきが大きい指標である。同じロットのサンプルでも2-3割程度ばらついている。
興味深いのはバッチ式混練機で条件を大きく変えてもこの程度のばらつきの時と2倍以上のばらつきを示すケースがあることだ。
例えば、混練時間を横軸にとり、MFRのばらつきデータをあるポリオレフィン樹脂について混練したところ、5分間の混練では2倍以上のばらつきを示したが、30分混練したところ2-3割のばらつきに落ち着いた。
この結果は、次のようなことを示唆している。すなわち、一般に使用されている二軸混練機では、乾式混合された原料が投入されてから4-5分でコンパウンドが吐出されるので、コンパウンドが十分安定化しないで吐出されているのではないか。
参考までにこの実験で得られたポリオレフィン樹脂のについてデータをまとめると、200℃で混練した場合にMFRが1.4付近で安定化するまでには30分ほど混練が必要である。
しかし、融点以下に温度設定して混練を行う剪断混練では、MFRは10分ほどの混練で1.4を越えばらつきも減少する。
混練温度を高分子の融点以下に設定する剪断混練は、加硫ゴムの混練条件として一般に採用されているが、熱可塑性樹脂の混練では、あまり使われていない。しかし、コンパウンドの流動性を向上できる長所があるので検討するとよい。
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今スマホでもパソコンでもオブジェクト指向のパラダイムで動いている。それは使う立場では、わかりやすいからであるが、教える立場では、オブジェクト指向は難しいはずだ。
よくわかっている人でも、わけのわからない教え方になる。市販されているC++やC#の教則本が分かりにくいのはそのためだ。
手続き型言語は、教える側はわかりやすい。しかし、MS-DOSが使いにくかったように、手続き型のパラダイムはオブジェクト指向のパラダイムより使うときに面倒だったり、分かりにくかったりする。
この点について情報工学の専門家は何も感じていないらしい。もし感じていたなら、ソフトウェアー教育に関する文部省の指導要領はもう少しまともなものになっていただろう。
情報工学の専門家もよくわかっていない状態でありながら小学校からプログラミングを教えようなどと言うから現場が混乱するのだ。日本の情報工学が裸の王様状態であることを誰かが指摘すべきである。
ソフトウェアー分野において日本のアカデミアは、世界水準に追いついていないと感じている。
先日も書いたが、現状では文部省の指導要領に従わなくてはいけないので、ずばりBASICを指導すればよろしい、と提案しておく。もっと具体的に言えば、スキルを身に着けさせることに徹すればよい。
ソフトウェアー工学をよくわかっていない現場の教師が教えるのだから、教材の言語についてわかりやすさを追求しても意味が無いのだ。概念が大切だと言ってもそれを理解していない先生が大半だろう。このパラドックスに早く気がつくことだ。
VisualBASICならば1ケ月程度で簡単なプログラムを作れるようになる。しかもオブジェクト指向付きである。実用性の無いプログラミング技術を学ぶ小学生が気の毒である。本当は、その時間を算数にあてたほうが将来のためだ。
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小学生に情報工学として何を教えたらよいのか。文部省の指導要領によれば、科学的に教えよ、とあるから、この指導要領に従えば、手続き型言語を一つ小学校4年生までに使えるようになることを目指せばよいと思う。
小学生におもねり簡単にした言語でなくても、BASICで十分だと思っている。BASICが難しいと思っているのは大人だけであり、きちんと教えると1年生でも足し算の結果を画面表示させるプログラム程度を1ケ月でマスターする。
但し、これは指導要領に従った当方の意見だが、指導要領に従わなければ、パラダイムなる概念を小学校3年生までにしっかりと教える。すなわち、問題を考えるときに科学的方法と科学によらない方法があることをしっかりと教える。
そして、数学の問題を解くときに、科学的に解く方法が答えでは大切だが、その答えを得るのに非科学的方法が有効であることを教えたい。
こうすることにより科学という哲学の限界とその役割が明確になると思うのだ。これはプログラミングスキルに限らず日々の問題解決に重要なことだ。
例えばオブジェクト指向のプログラミングを行う場合に、科学の立場ではオブジェクトの中身がすべてわかっている必要があるが、非科学の立場では、オブジェクトの概略の振る舞いさえ決まっておればよい。
ひどい時には、中身のないオブジェクトを仮に作っておくセンスもオブジェクト指向では要求される。これは難しいようだが、すでに誰もがその恩恵と被害を受けている。
プログラミングでアジャイル開発ができるのはこの非科学のパラダイムのおかげであり、初めて販売されたソフトウェアーが何度もバージンアップし安定化したり機能が増えてゆくのはこのパラダイムでソフトが作られているからだ。
しかし、情報工学の専門家はこのような説明をしないから、文部省の前時代的な指導要領となった。指導要領が現実を無視しているので現場が混乱していると思っている。
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首里城の復元において、正殿の瓦を作成した職人が他界しているので復元困難との報告が沖縄の瓦職人から出されているという。
これには少し驚いた。技術の伝承を軽視しておれば起こりうることであり、瓦を使用した日本建築が少なくなってきているからだ。また、瓦などの焼き物技術について、職人が秘術とする例もある。
当方もサラリーマン時代、開発を短時間に行うアジャイル開発の手法については秘術としていた。
例えばコンパウンディング技術をご存知の方であれば、カオス混合のプラントを基盤技術のまったく無い会社で開発スタートからたった3ケ月で稼働させた、というとびっくりするか、あるいは信じてもらえないのかどちらかだろう。
しかし、これは真実である。前任者がコンパウンドの開発依頼していたR社との打ち合わせでリーダーである当方の開発方針が却下されたところから開発は始まっている。
もしR社がカオス混合技術を信じてくれたなら、当方は休日にゆっくり休むことができたが、R社がカオス混合技術を否定したので「自腹で」東京へ土日帰宅し、工場建設を準備する羽目になった(当時単身赴任の管理職が出張名目で帰宅する問題が労働組合から指摘されていた)。
そしてアジャイル開発により3ケ月で工場を立ち上げるのだが、これは秘術である。マジックと呼んでいいかもしれない。タネや仕掛けがある。
しかし、首里城の瓦はマジックではできないだろう。ここはアカデミアの登場である。瓦を科学の力で解析し、技術で作れるようにしなければいけない。
ちなみに名古屋工業大学は、旧無機材質研究所と同様にセラミックスの解析に強い大学である。当方の出身大学ではないが、昔SiCの分析法について相談に行った記憶がある。
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今年の東京モーターショーについて、未来技術研究部ではなくこの欄で紹介したが、昨年度70万人から一気に7割増の130万人となった。
この人数はモータリゼーション花盛り、そしてバブルへと向かい、東京モーターショー200万人突破の入り口となった1987年(注)と同数である。
一部には有料ブースだけの人数発表が無いのは恣意的、といった批判があるが、大切なのはどれだけの人が会場に来たのか、関心を持ったのか、ということを示す数値であり、130万人は東京モーターショー復活を示している。
東京モーターショーの重要性について、美人のコンパニオンがよく引き合いに出されるが、最近はバブル時代の様な派手さは無いので、ここでは触れない。
よく考えなければいけないのは、なんといってもグローバル産業として30%以上を日本車メーカーが占めている事実である。
カメラはさらに占有率が高いが、金額規模が異なる。カメラは10万円の商品だが、車は200万円が中心である。およそ20倍の価格の商品だ。
観光立国日本が叫ばれているが、自動車産業を我が国の基幹産業として位置づけメーカーの保護をしなければいけない。日産自動車の状態を見ればわかるように外資を導入して二度と同じような事件を引き起こすようなことはしてはいけない。
自動車マーケットは、すべての第二次産業メーカーにとって大きな市場である。すなわち自動車メーカーを大切にすることは日本の第二次産業のメーカーを大切にすることにつながる。
グローバル化の流れの中でこの30年間に日本の空洞化が起き、サプライチェーンも崩壊した結果、中小企業の倒産が今相次いでいる。
改めて産業施策を国民が考える場所として東京モーターショーは重要だろう。東京モーターショーはコンパニオンと車だけのショーではないのだ。将来弊社も未来技術研究部を出店できるように頑張りたい。
(注)二度のオイルショック後バブル経済へ吹きあがった。若者がマイカーに乗り、「私をスキーに連れてって」という映画がヒットした。プレリュードがデートカーとしてバカ売れし、三河ベンツと呼ばれたソアラが誕生した時代である。ソアラGTは少し高かったが、プレリュードXXは大卒初任給の年収よりも安かった。キャブレターが二連装だったり、ダブルウィッシュボーンの足回り、リトラクタブルヘッドライトなど結構な装備だったがレビンと変わらない価格だった。ただ、購入してみると新車時にボンネットがゆがんで取り付けられていたり、足回りが硬く段差でポンポンと跳ねたり、塗装は弱くさびが出やすかったりと細部の品質は、初めてのマイカー安価なカローラレビンより悪くがっかりした。
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設楽雄太氏の発言がネットをにぎわしている。「オリンピックより一億円」。当方も言いたいが、設楽雄太氏の言葉だから皆騒ぐのだろう。
結局オリンピックは札幌でマラソンを行うことになったのだが、当日の天気はその日にならなければわからない。当日東京が涼しくて、サッポロが猛暑だったらどうするのか。
学生時代の夏休みに北海道一周旅行をしたのだが、札幌はあの名古屋よりも暑かった思い出がある。
いわゆるカニ族スタイルで札幌の町を歩いていたのだが、リュックが汗でびしょびしょになった。北大にたどり着いたときには、なぜか水着にTシャツとなっていた。
IOCの期待通りに札幌のマラソンが成功するかどうかわからない。ここで面白い提案がある。札幌でオリンピックのマラソンをやっている最中に、東京で予定していたコースを使い、マラソン大会をやってみたらどうだろう。
大迫選手が先月、自らマラソン大会を創設するといい、設楽選手も賛同している。札幌でオリンピックのマラソンをやっている日の同じ時刻に東京でマラソンを行い、タイムを競うのは面白いと思うのだが。
今時のTVは横長で二画面写すことが可能だ。札幌と東京のマラソンを自宅で楽しめる。しかも残念ながらオリンピック選手に選ばれなかった方たちのフラストレーション解消になる、前代未聞のマラソン大会だ。
「東京オリンピック札幌マラソン記念マラソン大会」と名付けて、世界中からオリンピックに参加できなかった選手を募集したら面白いと思う。ビートたけし氏が司会をして、中村勘九郎氏が東京マラソンを解説すると視聴率も期待できる、か。
オリンピックは二画面TVで、自宅で楽しもう、そのために大画面有機ELーTVをとPRすれば、液晶TVから一気に有機EL-TVに置き換わるかもしれない。今どき、東京から夫婦で札幌マラソンを見るために4泊5日の予定で北海道へ行けば、チケット代も含めると、有機EL-TV一台購入できる金額となる。
おそらく法には触れないだろうが、クレームをつける組織があるかもしれない。しかし、せっかく東京でマラソンができるように準備したのだ。それをそのまま使って同時にマラソンを行ったら、日本陸連だけでなくIOCも腰を抜かすだろう。
小池知事が先頭に立って支援をできないかもしれないが、オリンピック前の知事選で落選したら、スタートの号砲役を引き受けてくれるかもしれない。そんな光景を見てみたい気もする。
マラソンや駅伝は、自宅の居間が特等席だ。スタートからゴールまですべて解説付きで見ることができる。札幌マラソンのチケットは売れ残るかもしれない。また、NHK「いだてん」の低視聴率は、東京オリンピック大赤字の前哨戦かもしれない。
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企業における管理職の助言者としての役割は重要である。この役割により、組織に成果を生み出し、人材も育成できる。コーチングが20年近く前に流行した原因である。
コーチングについてはそれなりのスキルが要求され、良いコーチングにより成果が生み出される。
当方は、写真会社で有機無機複合ラテックスとこの技術を応用したゼラチンの高靭性化でその高い有効性を実感した。
この技術以外に、保護コロイドや、ポリマーアロイラテックス、酸化スズゾルなどを活用したPETフィルムの帯電防止層や、写真感材の環境対応技術などでもコーチングスキルが発揮された。
しかし、有機無機複合ラテックスでは、当方以外の誰もが不可能と言っていた技術であり、コーチングだけでできるのか、と内心懸念していた。さらに技術が生まれるきっかけとなったのは、当方の激励の言葉と一枚の絵だった。
決して具体的な技術内容ではなかった。コーチングの面白さは、ここにある。コーチに4回転が飛べなくても宇野昌磨には飛べるのだ。しかし、その成功の信頼性は飛べないコーチのコーチングにより高められる。
今季宇野昌磨は日本スケート連盟の不手際でコーチ不在の戦いをしなければいけなくなった。シーズン初め、気丈にも彼は一人でもできるとマスコミに応えていた。
しかし、試合を経験するにつれて、精神面で影響している可能性に触れ、「どれだけ調子が悪くてもコーチがいると笑顔になることもある。1人では絶対にできないことがあることも痛感した」と話した。
この言葉は、助言者としてのコーチの役割の大きさを示す。研究開発でも同様である。良いコーチング手法は、新たな成果を生み出す。コーチングスキル向上について弊社にご相談ください。
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大学全入時代に浪人率が未だ10%以上あるという。多い時には受験生の40%が、平均3人に1人が浪人する1990年以前なら浪人も仕方がない、という時代だったが、今は浪人すべきではない、というのが当方の見解である。
大学など入れるところに入学しておけばよく、勉強などどこの大学でもできる。また、そのくらいの気概で大学進学すべきだろう。大学は今も昔も学び究める場所だ。
もし、浪人してでも特定の大学に入る意味があるとするならば、あこがれの先生のいる大学だろう。
ところが高校時代にあこがれていた先生がとんでもない先生だった、ということも昨今はあるようなので、やはり浪人しないで入れる大学に入ってまず新しい勉強を早めにスタートし、社会へ少しでも早く貢献できる道を選ぶべきだ。
どこの大学でも学生にとって不適な先生もおれば素晴らしい先生もいる。社会で仕事をしていて高校生時代と認識を変えたのは、大学は偏差値ではない、ということだ。
世界のランキングを見てもトップ3に日本の大学は入っていない。グローバルな視点ではどこの大学でも日本では同じだ。もし本当に良い大学を目指すならトップ3だろう。
学ぶために、それが良いとも思わないが、大臣の発言で問題となった「身の丈」で決めるのが良いのかもしれない。
たまたま、浪人の意味について大東文化大学の香川講師が研究発表した、という記事を目にしたのでこのようなことを書いている。
この研究の結論は、男性は浪人してもその後の人生にプラスになっていないが、女性の場合には収入増など大きなプラスになっていたという。すなわち、浪人について、その後の人生に男女差がある、というものである。
これは、何となく理解できる。今の社会では、卒業後3年もたてば大学名など何の意味もなくなる社会だ。偏差値日本一の東大卒でも会社員となった時に仕事ができなければ、学歴は負の遺産となる。
また、採用時に大学名を伏せて面接をする会社も増えてきており、わざわざ難関大学に浪人してまでも入る価値は昔ほど無くて、今や大学名は自己満足以外の何物でもない、というケースもある(他方首都大学東京を都立大学に戻す話も出ており、大学名が就職に影響する、という現象もあるようだが)。
しかし、女性の場合には、男性と異なり、子供を産む年齢の制限もあり、1年でも無駄にしないようにと浪人すること自体に気合が入っているから香川講師の研究結果に現れたのではないかと思う。
実際に浪人した女性社員と一緒に仕事をしたことがあるが、年配の有名私大卒の男性社員よりも頼りがいがあった。
一方浪人してわざわざ高偏差値の大学を出てきたある男性社員は、少し勘違いをしており、有名大学を出ておれば部長まで昇進できると思う、と新人1年目の振り返りの面談で答えていた。
その時、それは大きな勘違いだ、社会に出てもよく勉強しろ、と忠告したが理解してもらえなかった。風の便りにその男性社員の仕事ぶりを聞いたが、20年前の忠告が生きていなかった。
香川講師の解説にはこのような見識の男性社員の話は出てこないが、浪人した女性の方が同じく浪人した男性よりも社会を見る目が厳しいためではないか、とレポートを読んでいて感じた。そこのところを少し掘り下げてほしかった。
ちなみに、弊社では個人でセミナーを受講される方にも事務所を開放している。問題解決法や大学では教えない技術開発の手法など30年間成果の山を出し続けた手法を伝授している。科学の学びなおしは大学へ、技術のスキル獲得は弊社へご相談ください。
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昨日フィギュアスケートGPフランス杯が終了し、宇野昌磨はシニア転向後最低となる8位だった。得点も215.84であり、女子の最高得点よりも低い。
原因はトリプルアクセルや4回転ジャンプでの度重なるミスが原因だが、この10月に参加したフィンランディル杯の時から今年の宇野昌磨選手は、調子が今一つである。
フィンランディル杯では優勝をしているのだが、得点は233点であり、かろうじての優勝である。この時もジャンプのミスがあった。
問題は今回キスアンドクライで流した涙である。本人は観客の声援がうれしかった、と応えているが、公開された映像からはそのように見えない。明らかに悔し涙である。
すでに報じられたが、今年度は日本スケート連盟のミスなども重なり、新しいコーチとの連絡がうまくできてなくて、コーチ不在のままたった一人でシーズンを戦っている。
この原因について詳しく報じられていないが、日本スケート連盟は、スター選手の管理をどのように考えているのか。昨年までの宇野選手の実績を考えれば、明らかに羽生選手に次ぐスター選手である。
コーチの選任は選手の自己責任、とかたずけてしまえば連盟の責任ではなくなる、と勘違いしていないか。少なくとも日本選手権で高い入場料を取る限りにおいて、スター選手の管理責任は日本スケート連盟に残る。
織田元関西大学監督の離任では、有名女性コーチのパワハラが週刊誌で報じられた。宇野選手の問題とは異質の問題だが、日本スケート連盟には過去にもいろいろと事件があり、金銭問題で2006年に逮捕者が出ている。
東京オリンピックを前に、ボクシングやテコンドーでスポーツ連盟のあり方が問われ理事長の進退問題が起きているが、日本スケート連盟も第三者委員会を設けて監査すべきではないか。素人が外野から見ていても組織としてかなりおかしい。
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10月31日の表題の火災について未だその原因が報じられていない。この火災ではいくつかの疑問点があり、ニュースをこまめに見ているが、現代における建築火災への対応としてみたときにお粗末なところがある。
まず、初期消火が何も機能していなかった点である。第一発見者は警備員と報じられているが、実は煙が出て火災に燃え広がる前の様子を黙ってみていた人がいるとインターネットにその証拠が載せられ、NHKの第一報はその写真が使われたという。
また、正殿が燃え盛る様子を庭内から撮影した動画がSNSで拡散しており、誰が撮影したのかが話題になっている。
これらは警察の取り調べが進むとニュースで詳細が報じられるだろうが、とりあえず第一発見者の警備員が現場に来たときにもう手が付けられなかった、という点は防火対策の観点から奇妙だ。
多くの観光客が訪れるところは、突然の火災から観光客を守るために建築の防火基準が存在する。果たして首里城は現在の建築基準法に準じて建てられていたのだろうか。
また、首里城内部には初期消火用の消火栓があったというが、今回の火災では使われていなかった原因は何か。また、5基あった設備のうち一基が国により撤去されその補充が成されていなかったとも報じられている。
もうそろそろこのような点について問題を整理して報じるニュースが出てきてもよい。火災発生時から報じられている画像を見ていて、難燃化技術の専門家の目には不審点ばかり見えてくる。
よく燃えた理由などニュースで説明されても正しい問題は見えてこない。少なくとも30年以上前から建築物の防火基準は厳しくなっているので、あのような火災になった真の問題は、文化財の防火対策にある。
コンクリートの名古屋城を木造にしようという計画が名古屋で進んでいる。文化財をどのように後世に残すのか、という観点でもう少し議論した方が良い、と当方は考えている。内部の貴重な文化財を火災から守る観点ではコンクリートでも良いような気がしているが—。
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