科学の実験では、仮説の正しさを確認するために一因子実験が一般に行われている。そのため一因子実験が実験のやり方として当たり前と誤解している人がいる。
自然相手の実験として、例えば稲の品種改良のような実験では、一因子実験だけで確認することが難しく、多因子実験が100年以上前から検討されている。
直交表を用いる実験計画法は古くから行われてきたが、これは多因子実験の一つである。今ならタグチメソッドを技術者が用いるのは常識になったが、その解析が面倒で、使わない人が多い。
Pythonの普及で、一度解析プログラムを開発しておけば、その面倒も緩和される。もっともすでにメソッド用の解析プログラムは市販されているが、このソフトウェアーは少々使いにくい。複雑なこともできない。
やはり、タグチメソッドの解析には自分でプログラムを作成するのが良いが、それを自動で可能とするエキスパートシステムを開発した。今はβ版を無料配布していますのでお問い合わせください。
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おそらく業界の人は詳細を御存じと思うが、20世紀末にオーディオ市場は1兆円以上存在した。しかし、家電量販店をのぞいて頂けばわかるが、昔ながらのオーディオコーナーは皆無である。
スピーカーのコードを購入したい時には秋葉原まで出向かなければいけない。そもそもオーディオ製品を試聴できるところが無くなったので、オーディオ製品を購入する場合にも秋葉原の専門店まで出かけなければいけない。
しかし、オーディオというニーズが無くなったわけではなく、その市場を調べてみると、形態が大きく変貌していた。ストリーミング配信などのニュービジネスが賑わっており、無料で音楽を楽しめる環境に変化していた。
これでは、レコード店がつぶれるはずである。昔ながらのCDやDVDを専門に扱っている店は壊滅状態だ。驚いたのは、秋葉原にあったアダルトDVD店などもいつの間にか消えている。
すなわち、DXによりモノ主体の市場がサービス主体の市場になり、オーディオ業界はネットワーク再生を前提とした姿に変わったようだ。それにより、若者には利便性が上がったかもしれないが、クリックすることに抵抗感のある老人には、不便な市場となった。
当方の仕事場には、昔ながらのオーディオアンプとスピーカーがあり、ハードディスクには、昔購入したレコードやCDをDVD録音し、DACを通して音楽を楽しむ環境である。ゆえに、2010年以降更新されていない。
ストリーミング配信(注)を利用しない理由は、未だにインターネットの世界を信用していないからである。電子出版を事業として始めて2年で撤退しているが、娯楽でインターネットを扱う時には細心の注意が必要である。
楽しむのに細心の注意を払わなければいけないことに抵抗感がある。音楽のソフトウェアー環境は、老人にとって縁遠いものになったような気がしている。
昔ながらのオーディオ市場は、ハイエンドオーディオと呼ばれており、高級品ばかりで1セット揃えると100万円以上かかる。その中で良心的なアンプはYAMAHAやROTELの製品であり、低価格でも音質の良いアンプを提供している。
残念ながら、スピーカーは、自作しなければよいものが手に入らない時代になった。少し前まで、カートリッジメーカーのオルトフォンが、低価格で高音質のスピーカーを販売していたが、辞めてしまった。
(注)ストリーミング配信はCDよりも音が良いと言われているが、2005年の時にDVD録音した音源と比較し、劣っているように感じる。グローバー・ワシントン・Jrのワインライトは、CDとレコードの両方をもっており、レコードからDVD録音したほうがSN比は悪くてもサックスの響きが良い。老化した耳でもその差を感じるので、高音域の差ではないのだろう。芳醇なワインの香りは、レコードから聞いたときに最高となる。
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高分子の射出成形も難しいが、押出成形になると射出成形とは異なる問題が発生し、実はそのプロセス技術が難しい。フィルムの押出成形しか見たことのない人は、射出成形よりも押出成形の方が数倍難しいことを御存じない。
そもそも難しさを知ることさえ難しい、という表現をしておきたい。高分子に限らず、材料の成形技術は、それぞれの材料特有の難しさがある。
セラミックスのスリップキャスト風景を初めて見学した時に、何とも言えない感動があった。事前に学んではいたが、ずらりと並んだ成形中の製品群を眺めて、便秘が解消されたような感動をしたのは、製造していた製品が衛生陶器だったからかもしれない。
しかし、成形技術を知るためには、その工程の見学だけでもしておきたい。初めての場合に何らかの感動があるはずである。もしそれが無ければ、技術開発を担当しない方が良い。
山尾志桜里氏が国民民主党から非公認となったが、記者会見はひどかった。質問が不倫に集中したのである。不倫よりも、公共交通機関の無料パス私的利用における問題や、ガソリン代に関わる問題の方が、政治家の資質を語るうえで不倫よりも問題が大きいように思う。
実は、高分子の押出成形技術は正しい問題を見つけることが難しく、その結果単純な無端ベルトやチューブの押出成形でも開発に時間がかかったりする。
例えば、歩留まりが10%以上に向上しないので、金型の改良を進め、押出金型か混練機のように設計された金型を生み出した技術開発を引き継いだ(これは勉強の材料になったが、実用性は無かったひどい金型だった)。
山尾氏の記者会見が不倫で終始したように、これは技術開発過程において、金型に視点が集中し問題解決した結果である。前任者はそれでも歩留まりが10%まで改善された、と胸を張って説明していた。
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この押出成形技術では、高分子技術で一流のフィルムメーカーが提供するコンパウンドに大きな問題があったのだが、そのメーカーとの共同開発であっても、誰もコンパウンドの問題に気がつかなかった。
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先日開かれた山尾志桜里氏の会見が、話題となっている。しかし、残念なのは不倫に関する話題ばかりで、この方の国会議員としての資質や不倫の過去が問われることを承知で公認とした国民民主党の挑戦が議論されていない。
当方が不思議に思うのは、その後非公認とした国民民主党の情けなさである。ガソリン代のごまかしや公共交通無料パスの不正使用などその他の問題があっても能力の高さから公認とした国民民主党の姿勢は一つの考え方である。
倫理観に多少問題があっても能力が高いので国会議員にしたいという考え方は、日本の国会議員の能力が低くても日本は官僚が優秀なので大丈夫、という長年の国会議員に関する資質問題に対して出した一つの答えでもある。
国民民主党は、玉木氏以外優秀な人がいないので、多少倫理観が無くても党首としたのである。ここは国民民主党の姿勢として、倫理観よりも能力を重視する党の姿勢を明確に打ち出すべきではなかったか。
おそらく、国会議員に対して高い倫理観を求める日本ではそのような姿勢を指示する人は少ないだろうが、今の国民民主党を見ているとそのように感じてしまう。山尾氏非公認だけでは支持率の回復は難しいだろう。
恐らく、山尾氏の人材としての魅力を党がバックアップし、公認取り消しをしなかった方が支持率の落ち方は軽微だったのではないか。今回山尾氏を非公認としたことで、少なからずいた山尾氏のファンがすべて逃げた可能性が高い。
しかし、国会議員は高い倫理観が求められる職業であるが。山尾氏の問題に限らず、文春砲は政治生命までも破壊する威力があるが、これが多くの政治家の学びになっていないことが悲しい。
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ネットの記事には、ときどき日常の勘違いを真面目に書いているときがあり、面白い。例えば、Hという喫茶店に一人で入店した時に、「お二人ですか」と言われてドキッとした、というのがあった。
当方もH以外の店で同様の体験をするが、心霊現象ではなく、店員の皮肉である。一人ならば4人席に座るな、という意味である。
類似の事例は、買い物で「お友達にもう一ついかがですか」というのがある。一人で買い物に来ているのに、あたかも二人連れのような問いかけである。
この問いかけに対して、「君には、亡くなった友人が見えるのか」と応えたところ、店員が突然吹き出したことから、心霊現象ではないことが分かる。
日常のこのような勘違いは、笑って済ませることができるが、高純度SiCの新規合成法を発明した時の偶然は、少し怖い。
無機材研留学中に、昇進試験に落ちたのだが、昇進試験と言っても事前に問題が漏れており、その漏れていた問題が出ていたので、100点だったはずである。しかし、その試験に落ちた連絡が、たまたま無機材研所長室へゴム会社の人事部長から入ったのである。
所長は、試験問題について尋ねてきたので、「あなたが推進したい新規事業について書いてください」という研究所ではよく出る問題でした、と答えている。
そして、そこに高分子から高純度SiCを安価に合成してSiCウェファーはじめ半導体関連事業を始める、という、以前無機材研の面接で回答したようなことを述べた、と説明したところ、1週間チャンスを与えるから、それを実験して見なさいとなった。
そして、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのポリマーアロイを合成してそれを前駆体に用いたプロセスを4日間で成功させるのだが、この成功に至る過程では、ホラーと呼べるような出来事がいくつも重なっている。
フローリー・ハギンズ理論で否定される均一な前駆体が簡単に合成されたり、一発でSiC化の熱処理条件が見つかったり、いくつかの偶然の出来事は、神様のお手伝いが無ければ成功しなかった。換言すれば4日間という短期間で研究がまとまったのは、科学で説明できない出来事が続いたからである。
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昨日配信の女性自身電子版で、「キリノミタケ」の人工栽培に、世界で初めて成功した「日本きのこ研究所」の活動が、『首都圏ネットワーク』の6月9日放送で紹介され、その時のNHKアナが活動をバカにしたような発言をした記事を報じていた。
一橋アナの「あぁ~、7年って言ってましたよね」と驚いた様子を見せ、首を傾げながら「食べられるのか何なのか、何の役に立つのか分かりませんけど。」とした発言が切り取られ拡散している(注)。
これは、バカにした、というよりも「王様の裸」という逸話そのものである。当方は、このような発言が増えることを期待している。これはバカにした発言ではなく、基礎研究を正常に維持するために重要である。
ただし、問題は研究者の中に、このような発言に対し怒りを感じたり、モラールダウンする人がいることである。また、このような研究者は、基礎研究ならば応用分野が不明でも許されると勘違いしている人が多い。
さらに、基礎研究が何に役立つか分からなくても良い、という基礎研究擁護の立場をとる人も未だにいる。個人の資金でやっている限り、これは許されるが、国民の税金で行われる研究において絶対に許してはいけない時代である。
税金で行われる限りは、国民の未来に有益な研究であることが明確に説明できなくてはいけない。屁理屈でも何でもよいから、明確に説明できることが求められる。
仮にそれが夢物語であっても未来に役立つ研究と誰もが認める説明がなされれば、国民の税金で研究を行っても許されるだろう。素粒子物理の研究は、それゆえ多額の税金がこれまで使われて実施されてきた。
宇宙の成り立ちや物質の基本はあらゆる科学の基礎となることを誰もが認めているので、その研究が直接産業に役立たなくても研究テーマとして許されている。
問題は屁理屈の夢物語の中には、本当に屁とわかるようなものまで存在し、時々そのような研究が基礎研究として行われたりする。やはり、臭いということを国民は声を出して言わなければいけない。
かつて、配合で成形体の物性が一義的に定まる技術開発の目的が設定されて数十億もの税金が投入された国研があった。この欄でそのプロジェクトの胡散臭さを説明し、リーダーが合成化学者であり、高分子を良く知らない人間であることを指摘している。
高分子材料は、プロセシングの影響を強く受ける。セラミックスでも熱処理過程で異なる材料ができる事例が知られている。すなわち、配合と成形体物性が1:1に対応する技術目標は、こうした材料の事例を知っておれば、おかしな研究目標であることがわかる。
例えば、PPS/6ナイロン/カーボンの配合では、カオス混合の有無で、異なる高次構造のコンパウンドとなる。また、SiCでは、前駆体や熱処理条件で、粉体の結晶構造や粒度分布などが変化する。すなわちプロセシングのデザインが重要となってくる。
古い話となるが、電気粘性流体の耐久性問題では、ゴムからのブリードアウト物質で電気粘性流体が増粘する問題について、界面活性剤で問題解決できないことを証明する研究テーマが基礎研究で実施された。
そして、あらゆるHLB値の界面活性剤を用いても電気粘性流体の増粘を回復することができない、という結論を科学的に完璧に証明している。
このような否定証明は、それを否定する現象さえ見つかれば、例え科学的に完璧な否定証明であってもひっくり返る。実際に一晩で電気粘性流体の耐久性を解決できる界面活性剤がデータサイエンスにより見つかっている。
この事例では、否定証明を基礎研究のテーマとしていることや、HLB値を科学の形式知の範囲でしかとらえていない問題があり、研究テーマをよく吟味すれば、ダメなテーマであることはすぐにわかる。
この問題では、京都大学や大阪大学の博士号研究者や東大修士の優秀な研究者達が一年かけて完璧な答えを出している。ドラッカーは、その著書の中で、「優秀な人はしばしば成果を上げられない。その理由は、間違った問題を正しく解くからだ。間違った問題の正しい答えほど害のあるものは無い」と明確に語っている。裸の王様には、裸であることを教えなければいけない。但し、それには勇気と純粋な心が必要である。
(注)公共財で基礎研究を進めるためには、キリノミタケの研究がどのような役に立つのか、研究者は分かり易く説明する義務がある。番組を見ていないが、おそらくそれがなされていなかったので、NHKアナの発言になった可能性がある。視点を変えれば、取材の仕方が悪い、ともとれて、NHKアナの発言は自己批判ともとれる。
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富士フィルムが、そのコーティング技術を応用して化粧品業界に参入したことは有名な話であるが、松田聖子と小泉今日子を起用したCMにはびっくりした。
ターゲットが若い人ではなかったからである。最近は男性用化粧品なども登場しており、化粧品業界は、今後も大きく成長する分野と思われるが、先日某国立大学教授の接待問題がワイドショーで紹介されたので、化粧品と高分子について調べてみた。
驚いたのは、まさにコーティング技術の応用分野として高分子技術者が十分に打ち込める面白いネタがたくさんあるのだ。PETやTAC表面のような単純な問題ではなく、皮膚表面には常在菌が大量にいて、善玉菌をうまく生かしながらコーティングしなければいけないのである。
このような分野では、一般の界面活性剤では、常在菌を殺してしまう可能性があるので、高分子活性剤の使いこなしが重要になってくる。
また、30年ほど前にゾルをミセルにしたラテックス重合に成功し、その技術を応用したゼラチン開発で写真学会から賞を頂いているが、こうした小技が必要だ。
善玉菌は殺したり、あるいはその活動を活発にしたりしてはいけないらしく、高分子活性剤や無機微粒子を活性剤として活用する技術が菌に優しい。
コロナが大流行しているときに、キスの問題(注)を論じた記事を読んだが、こうしたカップル間の問題回避にも高分子によるコーティング膜は重要になってくる。
某国立大学の先生の御乱行がきっかけでマイクロバイオームなる面白い話題を見つけた。男性化粧品の次は、カップルスキンケアが話題になるのかもしれない。
(注)10秒間のキスで8000万個の細菌が交換されるそうだ。どのように調査したのかは記事にかかれていなかったのでウソ八百かもしれない。1秒間にすれば800万個だが—
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バブルが崩壊した時にタグチメソッドがアメリカから逆輸入された。写真会社に転職後間もない時に田口の講演を聞き、タグチメソッドの導入を提案している。
3年間直接田口から指導を受けたのだが、ゴム会社の経験談を話したところ褒められた。当方は田口がアメリカでタグチメソッドを普及されているときに、類似の方法で実験を行っていた。
ただし、当方が外側に配置したのはSN比ではなく、相関係数である。直交表の外側に相関係数を配置して実験計画法を行うと、最適条件が正しく求まった。ただし、田口からこの方法は感度重視となるので機能のロバストを追求するタグチメソッドと異なると指導された。
タグチメソッドで大切なことは、システム選択と機能に技術者が責任を負うとともに、機能のロバスト設計が技術者の仕事となったことである。タグチメソッドはDXとともに普及が始まった。
そして、今ではタグチメソッドで技術開発を行うことが常識となった。DXの最終段階では、このタグチメソッドのデータモデルから技術者の仕事を再定義しなければいけなくなった。
詳しくは弊社へお問い合わせください。今月も「Pythonで学ぶタグチメソッド」のセミナーを参加者のご希望日で開催いたします。土日も開催可能です。
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(注)続編ゆえに敬称略
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表題について書こうとすると、FD事件を思い出してしまう。同僚にFDを壊されたり、ナイフが机上に置かれていたり、そして隠蔽化されたこの事件で同僚3人が転職している。
さて、FDを壊した犯人は、HLBを科学の形式知の範囲でとらえ、分子構造を同定した界面活性剤を用いて、電気粘性流体の耐久性問題を解こうとして、解けず、否定証明を行って大論文を書いている。
そして、科学で頭がいっぱいの本部長はそれを世界的研究と持ち上げて、当方に加硫剤も添加剤も入っていない加硫ゴムを開発するように命じてきた。当方はそれに対して、一晩で電気粘性流体の耐久性問題を解決できる界面活性剤を見出している。
データサイエンスの成果であるが、当時界面活性剤を見出すために8ビットコンピューターMZ80Kを用いている。10時間以上耐久する電気粘性流体は無かったので、一晩促進試験を行えば十分だった。
さて、すべてのHLBで検討しても耐久性問題を解けない、とした、研究論文は間違っていたのか。否定証明だったので、科学的には、正しい研究論文だったが、技術の観点ではゴミ論文だった。
40年近く前の実話だが、界面活性剤の議論で使われるHLBは、科学的パラメーターと呼ぶには怪しいパラメーターである。FDを壊した犯人が、分子構造既知の界面活性剤だけで検討を進めた理由を理解できるが、技術開発ではモノを開発しなければいけないことを知らないと、このような間違いを犯す。
高分子界面が関わる問題では、χパラメーターが使用されるが、この実体は自由エネルギーである。ただし、パラメーターを決める方法が問題となる。
SPは、エンタルピーから求められ、低分子から高分子までの混合を議論するときに使われる。最近はHSPがよく適合すると言われており、ハンセン球を用いた溶解性の議論が行われる。また、求めにくいχについて、SPから求める式が提案されたりしている。
HLBもSPやχも、界面が関わる技術の問題では、よく登場するパラメーターであるが、その意味は異なっている。また、いずれも形式知となっているが、怪しいパラメーターであることを知っておいた方が良い。
HLBについては、同僚3人が転職するような事件となった電気粘性流体の耐久性問題が事例としてある。χが0でなくても高分子が相溶した事例は、中間転写ベルトの実用化で実績がある。SPから発想したが、SPでは説明がつかない添加剤PH01の発明がある。
科学で何でも説明できると思っていると、せっかくの良いアイデアをつぶすことになる。この3つのパラメーターが関わるそれぞれの技術開発事例は、トランスサイエンスの問題だった。
(注)本日の話の身近な応用例は、ゼラチンを水に溶かすときに、50-60℃程度のぬるま湯に少し浸漬して膨潤させてから溶解するノウハウがある。このノウハウを用いるとゼラチンを分散した水溶液を容易に作ることができる。ゼラチンは親水性高分子として知られているが、コンフォメーションにより、疎水性の性質を示す。このことを理解できると高分子のSPやχが分子構造やコンフォメーションにより変化することがイメージでき、カオス混合でPPSと6ナイロンを相溶させてからスピノーダル分解が起きるときにカーボンの凝集構造が形成されてパーコレーションを制御できるアイデアが浮かぶ。これはレーザープリンターの部品として実用化されている技術である。
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米の味が、精米技術や炊き方に依存する話を以前この欄に書いたが、高分子の難燃化技術もプロセス依存性や材料設計技術に依存するトランスサイエンスである。
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高分子とプロセスとの関係が科学的に解明されていないので、トランスサイエンスなのだが、この点を理解されていない人は多い。配合と材料物性が1:1に決まると信じている人がいる。同一配合でもプロセスが変われば材料物性がどうなるのかは予測できない。
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7月25日に技術情報協会主催で本技術に関するセミナーが開催されるが、弊社に割引券があるので問い合わせていただきたい。
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さて、高分子の難燃化技術の基礎は、1970年から80年代に確立され、当時主だった難燃剤が出そろった。ホスファゼンも1980年代末には大塚化学から市販されるようになった。
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しかし、プロセス依存性が大きな技術なので、その内容を正しく理解していないと、コストパフォーマンスどころか力学物性の仕様を満たした設計ができない場合もある。
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本セミナーでは、科学的な背景や技術開発のポイントだけでなく、マテリアルズインフォマティクスの視点も解説し、希望者には、タグチメソッドの解析プログラムを吐き出すエキスパートシステムのβ版を差し上げている。
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参加希望者は直接技術情報協会へお申込みいただいても良いが、弊社へお問い合わせいただければ割引券をお渡しいたします。また、希望者にはPythonのご指導についてご相談にのります。
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