「Pythonで学ぶタグチメソッド(TM)」WEBセミナーを今月受講料3万円で、受講者の希望日に開催します。時間は10時から16時で、1時間昼食時間とします。
このセミナーは、すでに他社セミナー会社で開催してきました、Python初心者あるいはタグチメソッド初心者向けのセミナーで、1日にPythonとTMの両者の知識を獲得できる内容です。Python初心者にはPythonプログラム実行環境構築用資料を無料配布いたします。
ゆえに、いずれかの知識のない人、あるいは両方の知識のない人、誰でも受講に適しています。なお、今回は、TM解析コード生成プログラム(β版)を配布します。このプログラムを利用して、TM解析プログラムをPythonで簡単にコーディングできます。
β版となりますが、TM解析コード生成プログラムを無料配布いたしますので、過去に弊社のセミナーを受講された方はお問い合わせください。
このプログラムを開発しました理由は、AIでTM解析プログラムコードを書かせてみたところ、実用できるコードが生成されなかったことがきっかけです。生成系AIでもできないコード生成を可能とするエキスパートシステムを開発しようという動機になりました。
とりあえずβ版が完成しましたので、テストも兼ねて今月のサービスとなりました次第です。なお、2名で参加される場合には、2名分5万円、3名の場合には7.5万円、4名10万円と割引価格も用意しておりますのでご利用ください。
5名以上の割引価格あるいは出張セミナーにつきましてはお問い合わせください。
info@kensyu323.com
カテゴリー : 一般
pagetop
生成系AIの中心となるソフトウェアエンジンは深層学習のアルゴリズムであるが、この技術開発はAI研究の一分野に過ぎない。深層学習のアルゴリズムにおいて、知識そのものは補助的な存在であり、ビッグデータのパターン認識が中心的タスクである。
このプログラミング技術は、生成系AIに限らず、指紋認識や顔認識などの画像認識はじめ身の周りの多くの分野で20年以上応用開発されてきた。
また、深層学習以外の機械学習の手法では50年以上前から様々なアルゴリズムが開発されてきたので、データサイエンスに馴染みのなかった技術者でもプログラミングスキルを身に着ければ、日々の問題解決にそれらの成果をすぐに活用できる環境が整ってきた。
50年前には恐らく数千万円以上の投資が必要だったソフトウェア環境が、個人使用であれば無料で活用できるようになったのは、DXの成果の一つと言える。
このように恵まれたソフトウェア環境のおかげで、生成系AIのブームは一過性で終わらず、現在も進歩し続けている。
カテゴリー : 一般
pagetop
第二次AIブームの時代に研究されたAIは、専門分野の知識をアルゴリズムとしてプログラムに実装して推論を行わせるタイプだった。
そのため、知識の量が膨大になった時に、知識同士で矛盾や一貫性の無さが発生した。これに対し、生成系AIでは、深層学習のアルゴリズムを実装したソフトウェアマシーン(学習機械)へビッグデータを学習させ、それにより生成された判断ルールで動作している。
すなわち、知識そのものをアルゴリズムに実装せず、知識をデータとして読み込む学習により動作しているので、知識の量が膨大になっても矛盾を生じにくい。
ところで、最近の義務教育では、コンピューターのプログラムがアルゴリズムとデータから構成されていることを学習する。科学技術計算用プログラミング言語として知られているFORTRANではデータを静的な扱いとし、動的なアルゴリズムの設計がプログラミングの主要な作業だった。
それから約40年後の第三次AIブームでは、データもアルゴリズムと同様に動的な振る舞いを持つ「オブジェクト」の一つとして扱われるようになった。
すなわち、アルゴリズムもデータも、共に動的なオブジェクトとみなす考え方へソフトウェア技術は進化し、これはFORTRAN時代からの大きなパラダイムシフトである。
1980年代にいくつかのオブジェクト指向プログラミング言語が登場して、それらを活用したソフトウェア開発の過程でデータとアルゴリズムの関係が再検討された。
つまり、マイクロコンピューターの登場以降、ハードウェアの進歩によってDXによる社会変革が進行したが、そのハードウェアを制御するソフトウェアの分野でも、DXによる技術革新が起きていた。
第三次AIブームを支えるソフトウェア技術のキーワードとして、「オブジェクト指向」「深層学習」「データ駆動」の3項目は重要である。
第二次AIブームでは「エージェント指向」と呼ばれるプログラミング技術が登場しているが未完成であり、完成した先端ソフトウェア技術の考え方を日々の業務に取り入れたいのであれば、この3項目について学べばよい。
それらの技術と各技術者の知識やノウハウを組み合わせ、新たなパラダイムを構築すれば技術開発業務をDXできる。そのために、すべての技術者がプログラミングスキルを習得することが望ましい。
義務教育においてもプログラミングが必修科目となったので、現役の技術者がこのスキルを身につけているのは、もはや常識である。
カテゴリー : 一般
pagetop
富山大学の研究で、睡眠が脳にとって未来の記憶の準備に重要という結果が証明された。マウスを使った科学的研究成果だと昨日発表があったが、当方は実体験からそのようなことを知っていた。
今回は当方の経験知が晴れて形式知となったわけであるが、そのほかに記憶を助ける経験知がいくつかある。また、問題解決にはヒューリスティックなアイデアが重要だが、これも睡眠が関わっている、と経験知として持っている。
当方だけの経験知ではなく、昔から「果報は寝て待て」と言われている。良いアイデアを思いつきたいなら良い睡眠をとることが重要である。
一方で、熟睡により昨日暗記したことをすっかり忘れてしまう、という問題があることも経験知として持っている。このように記憶と睡眠に関わる経験知をいくつか持っており、活用してきた。
年をとって記憶力が衰えてきたが、これも回復する方法がある。古い記憶をどんどん頭の中から取り出しておくのである。面白いのは、古い記憶の中には何度でも思い出す内容がある。FDを壊される妨害をうけ、転職した思い出などそうだが、どんどんそれに関連した出来事が思い出されるから不思議である。
それらの中には、ここに書けないようなこともあるが、マネジメントの参考となるようにいずれ工夫して書きたいと思い、記録として残している。
睡眠と記憶には関係がありそうだと50年以上経験知として体系化してきた。授業中に眠ってしまう問題も無駄な抵抗を止めて寝た方が良い。先生に叱られても寝た方が良い。やや、不道徳な知恵だが、寝たい時には寝るのが一番である。
カテゴリー : 一般
pagetop
表題の痛ましい事故について、犯人の父親の談話が発表された。胸が痛む談話だった。犯人を擁護するつもりはないが、犯人は犯人で大変だったのだろうと思う。
犯人は28歳でもう子供ではない。おそらく、これから犯人像について解析が行われるのだろうが、何か悩みを抱えていた可能性がある。そして、そのはけ口について、今回の事故以外に思い至らなかったのだろうと想像する。
当方のゴム会社の12年は、セクハラ、パワハラの宝庫であり、死にたいとか考えたこともある。いくら前向きに考えているような人物でも、健全な思考も止まるような異常な状況に陥ると一瞬反社会的な、あるいは地獄のような状態へ自ら導くようなことを考える場合も出てくる。
当方は、どんなに悩んでいても苦しくても明るく見えるらしい。むしろ、良いアイデアがひらめいて必死にそれを展開して考えているときに、他人は心配してくれるので困っている。
一番幸せ状態の時に他人から大変な状態とみられるのである。この悩みをご理解いただけないと思うが、人間ならだれでも悩みというものを経験する。孔子だって40にして惑わず、という言葉を残しているので、40になるまで悩んだりしたのだろう。
他人の悩みの相談に乗ると分かるが、誰でも悩んでいるときにはとんでもないことを一瞬考えているようだ。孔子は40でそれが無くなったそうだが、凡人は、いくつになっても死んでしまいたい気になるものである。
しかし、70を越えた今、悩んで死んだと思ってくれる人がどれだけいるのか、と考えたときに不安になる。恐らく寿命で死んだぐらいにしか思われないのではないかと考えると、まず死ぬことがあほらしくなる。
このとき、ふと孔子も同様に感じたのではあるまいか、と気がついた。今のような長寿の時代ではなかったはずで、織田信長の時代でも50歳まで生きることが大変だった時代である。40にして惑わずは、人間として完成していなくても寿命の短い孔子の時代ならば考えることだろう。
孔子でさえも寿命近くの40になるまで、悩みを抱えていたと思う時、この悩みの解消機会の数だけ、不幸な事件に至るのかどうか左右されるのかもしれない。
表題の犯人の父親は、犯人が放射線技師を辞めたことをニュースで知ったという。一方で本人の悩みの相談に乗ろうと努力していたことが述べられている。
当方の悩んだ経験からすれば、周囲から悩みの相談に乗ろうとしても相談者と悩んでいる人物との関係で上手くいかない場合がでてくる。「あなたに相談しても問題は解決しない」と考えてしまう場合である。
大切なのは悩んでいる本人が、悩みを一緒に解決してくれるだろうという人物がいるかどうかにかかっている。新入社員時代に人事部は当方の駆け込み寺の機能となっていた。
高純度SiCの事業を推進しているときに、本部長はじめ役員の方々が悩みの相談者だった。しかし、電気粘性流体の耐久性問題を解決した後に連続して起きた事件の相談者はいなかった。正しくは、相談した誰もが隠蔽化したのである。
同僚でさえも事件を信じられなかったのである。業務の世話をしていた二人の若手は事件の恐怖を知り、転職するような状態になってしまった。
その後当方は妻に相談し、転職を決意している。転職後しばらくして社長室乱入割腹事件という未曽有の事件が起きて、転職して良かった、と思ったりしたのである。会社という閉鎖社会で起きる恐怖は隠蔽化された時に当事者は逃げ場のない恐怖となるのである。
悩んでいる人が、自ら悩みを相談できる人が常にいる社会や職場風土が大切である。ところが最近の社会のキーワードは「自己責任」や「孤立化」である。
(注)今回の事故がやりきれないのは、防ぐことのできた可能性があった、と感じさせる報道がなされている点である。少なくとも犯人の悩みを解消できる環境さえ犯人の周りにあったならば、事故を防ぐことができたのかもしれない。高純度SiCの事業が住友金属工業とのJVとして立ち上がったときに、本部長が交代している。それまで営業活動の指導までしてくださった本部長から、新入社員時代の本部長のような共感性の乏しい方に交代している。FD事件を相談しても、同僚が転職する可能性を相談しても、正しい理解が得られなかった。人事部の同期に相談しても本部長が隠蔽化していては人事部として動きようがないといわれた。まず指導社員となっていた部下が転職した。そして事件の状況を身近で見てきた同僚の転職先が決まったという。当方は慌てて写真会社へ転職している。転職後、当方の仕事を引き継いだ管理職の方の技術相談のため半年以上転職後も時々ゴム会社を訪問している。この頃の証拠として、この管理職から頂いた手紙が残っている。当時を思い出すと、「病んでいる職場」という難しい問題が浮かび上がる。当方が転職後、ゴム会社で世間の経営者を震撼させる大事件が起きているが、新聞も週刊誌も事件の報道以外何故か沈黙していた。今回もそうであるが、事件を起こした犯人が一番悪い。しかし、犯人が仕事を辞めて事件を起こした経緯を知りたい。これは単なる事故ではなく、このような犯人を生み出す問題について解決策を考えなければいけない。
カテゴリー : 一般
pagetop
先日パワハラ自殺した話題が幾つかニュースになっていた。自殺した新入社員とパワハラ上司の関係において、日本カーボンはパワハラ上司に高い人事評価を与えていたのではないかと想像するが、この20年間ニュースでパワハラ問題が報じられても、問題に気がつかないような人材である。
また、2000年頃からセクハラやパワハラの研修が盛んに行われるようになってきた。同時にコーチングの研修も人気である。しかし、今でも電通の事例が話題になるように新入社員あるいは若手の自殺が多い。気づきと学びのできない管理職が多いのだろう。
気になるのは、新入社員への研修である。当方が新入社員の時に受けた研修では、職場の上司にとんでもない人がいたりするので、何かあったら人事部にすぐに相談してくださいと、研修課長の挨拶があった。
この研修課長の言葉を思い出し、当方はホスファゼン変性ポリウレタンフォームの工場試作に成功したのに始末書を書くように言われた問題を人事部長に相談している。
その時、「君は人間リトマス試験紙だ、君のことを悪く言う人は悪人であり、君を評価する人は善人と思って仕事をやれ、始末書を書けと言われているなら、君の思いを込めて始末書を書いてやれ」と激励されている。
そして、燃焼時の熱でセラミックスを生成して高分子を燃えにくくするコンセプトのホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画書を始末書として提出している。
ところが、この始末書の企画書部分が外され表紙だけが人事部に送られた、と人事部の同期から連絡がはいり、途中で外された企画書を改めて人事部に送っている。
そして、新入社員1年目の発表会では、このホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの研究について途中経過を発表した。発表後工場試作に無事成功し実用化されている。
また、この成果は、始末書を書けと言った上司に大変評価されて、上司が活動していた高分子の崩壊と安定化研究会で上司の代わりに発表させられたり、社外セミナーで発表させられたりしている。
40年以上経過し、この時のデータを改めて深層学習で検討させて、その結果を2年前の日本化学会春季年会で発表している。新入社員の小生は、とんでもない上司に出会ったが、人事部長に助けられ、その思い出の数々が社外発表データとともに今でも残っている。
当時の研究について今でも大切に公開されたデータを見直しながら、辛かった思い出を楽しく思い出している。その過程で、社外セミナーの講師をしたときに講師料を上司が着服していたのではないかと疑念を持った。当方は一度もセミナー講師料も出張手当も頂いたことが無かった。学会も含めて年休で参加させられていた。
この上司については、この問題以外にまだまだ組織人としておかしなことがあり、さらにその上司の上司にあたる本部長(注)も今から思い出せば変な人だった。ゴム会社の当方の上司を題材に変な上司セミナーを行ったら、新入社員の研修として役立つかもしれない。
なぜなら、高純度SiCの半導体治工具事業の企画もこのパワハラ上司の時に生まれている。また、人事部から指名されてアメリカ留学となるところを無機材質研究所の留学になるよう調整してくれたのもこの上司である。
この上司の葬儀に参列した理由は、なんやかやと部下の時代にもめ事があったが、ゴム会社で最も仕事の成果を短期間に出すことができた上司である。これは、この上司の無茶苦茶なマネジメントのおかげかもしれないと思う時がある。上司と部下の関係はおかしなものである。
当時は、死にたくなるほどつらい時期もあったが、どなたかが相談に乗ってくれて転職に至っていない。パワハラやセクハラ、モラハラなどあらゆるハラスメントを乗り切った当方の体験談は、新入社員研修として役立つと思っているので、ご依頼ください。12年後には転職した話を組み入れるかどうかはお客様に合わせます。
(注)12年間に本部長は、Y,U,Iと3人だった。YもIも少し変人だった。Yについては、セクハラが女子社員の間で噂されていた。また、就業時間中にゴルフクラブを本部長室で振り回し、蛍光灯を壊している。たまたま廊下を通りかかった小生は、掃除をさせられたが、この話は、人生においてはじめて告白している。しかし、当時秘書の方が当方の易しさを他の女性に話したので、本部長のミスショットもすぐに広まった。本部長とはめったにお話しできなかったが、無機材研へ訪問する時に、役員用のハイヤーの中で気さくな人だと知った。飾らない人だったおかげで悪いことをしてしまった。上司と当方3人で小平から筑波までハイヤーで行くというので、ハイヤーの運転手に、当方が居眠りをするといけないので当方が据わるであろう助手席のヘッドレストを外しておくようにお願いをした。ところが出発するときに、本部長は自ら率先して助手席に座られたので困った。上司は、自分が助手席に座るので後席に座るよう本部長にお願いしたところ、本部長は、助手席が好きだと言って譲らない。仕方が無いので、上司が運転手の後ろに座ったのだが、走り出して本部長が居眠りをしだした。ところがヘッドレストが無いことに上司は気づき、当方にヘッドレストの役目をするように命じてきた。当方はつくばまで本部長の頭を手で支えなければいけなかった。
カテゴリー : 一般
pagetop
AIについて書いてきたが、生成系AIの面白いところは、自分の知識やニーズに合わせて、AIの出力をより有用なものに調整していける点にある。少しAIに気を使い謙虚な表現にしたが、生成系AIはあらかじめ学習された情報(訓練データ)に基づいて出力を生成していることは、これまでにも述べてきた。
これは、AIが訓練されていない分野については、適切な情報を出力できず、不正確な回答をすることがあるということを意味している。場合によっては、もっともらしく見えても実際には事実と異なる内容を出力することがあり、これは「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれている現象である。
もし人間側がその分野について十分な知識を持っていれば、AIのハルシネーションに騙されずに済むが、そうでない場合は、説得力のある虚偽情報に誤認させられてしまうこともある。
このような問題を避けるために、数年前から「プロンプトエンジニアリング」という技術が注目されるようになった。最近では、ハルシネーションを抑制する技術的手法も知られるようになり、AIの出力によって世間が混乱する場面も以前よりは減ってきたのではないか。
しかし、「AIに何かを教えてもらいたい」と思っても、その分野についてAIが十分な知識を持っていない場合、役に立たず、がっかりさせられることがある。
そのようなときには、自分の持っている情報や知識をAIに提示し、それを文脈として活用させてから質問をすると、驚くほど的確な回答が返ってくることがある。
詳しい話はここでは省くが、このような技術をサービスとして提供する企業も増えてきている。最近では、そういった企業に対する不満の声を酒席などで耳にすることもある。
結構高額な料金を支払っているケースもあるようだが、日常的な利用に限るのであれば、自分でAIに丁寧に情報を与えることで、無料でも十分に活用できるし、頭の体操にもなる。
このようにAIをうまく活用していけば、将来的には一部の専門家の支援が不要になる分野も出てくるかもしれない。弊社は、そうした時代の到来を見据えて事業を展開している。
(注)今提供されているAIは、深層学習のアルゴリズムで学習した状態で提供されている。しかし、この状態で全世界の英知をAIが身につけているわけではない。試しに、〇〇フェチの人は、自分の深い知識をAiが持ち合わせているのか、確認してみるとよい。特殊な分野の知識についてAIは適当な回答しかしないのでがっかりさせられる。そんなAIでも2-3日自分の知識を基に対話していると、さらに発展的な、あるいは退廃的かもしれないが、驚くべき回答をしてくることもある(だからと言ってChatGPT本体が賢くなったわけではない。それはスレッドを変えて質問してみるとわかる。それまでの知識がリセットされたような回答となる。ゆえに鍛えると言ってもChatGPT本体を鍛えているわけでもない)。また、この対話を通じ、AIがどのように動作しているのかも学ぶことができる。ちなみに当方がゴム会社と写真会社で成果を出した技術についてに尋ねると、科学的に当たり前のことだけ回答してくれる。当方が発明した技術の回答ができないから面白い。当方の発明について特許が公開されているが、そこにはコンセプトを公開していない。ただ材料の組み合わせが書かれているだけである。AIはデータ以上のことを考えられないのである。面白いのはここからであるが、その面白さは問い合わせていただきたい。3月のゴム協会におけるシンポジウムではその一部の技法を公開した。
カテゴリー : 一般
pagetop
日本カーボンで入社2年目の新入社員が自殺し、労災が認定された。そして、両親が会社を訴えているという。上司のパワハラが原因で労災が認定された、と報じられており、裁判の行方を見守りたい。
日本カーボンは、その社風も含め優良企業である。ゴム会社在職中に一緒に仕事をする機会があったが、ゴム会社の研究所の雰囲気よりも良好な印象を受け、会議後年齢の近い方に羨ましい、と声がけした記憶が残っている。
ゴム会社も悪い会社ではない。創業者のレガシーが生きており、タイヤ部門は良い風土の会社である。しかし、研究所はおかしな上司が多かった。FD事件が起きたときの本部長は、3人が転職する事態になっても事実を隠蔽化した。
当時はバブル崩壊前であり、当方も高純度SiCの事業を立ち上げてから、30社以上からお声がかかるほど転職には困らなかった。当時転職した他の二人も希望通りの職種へ転職している。
ところで、当方が新入社員の時には、入社10カ月後に世界初の難燃性ポリウレタン発泡体を開発せよ、と無理難題のテーマを与えられている。
・
指導社員も、係長職にあたるその上司も、さらに課長職の主任研究員もどのように調査企画するのか、指導してくれなかった。また、ポリウレタンの基本配合を事業部門の現場にヒアリングしなければいけないレベルだった。
新入社員には困難な現場技術のヒアリングでは、係長職の人物が関係する職場の調整をしている。その時、良いものができたらすぐに工場試作させてくれと、お願いしている。ただし、具体的な難燃化手法など重要な技術について具体化されていなかった。
ヒアリング後、A3用紙1枚に企画をまとめるため3人のメンバーで会議が行われた。ホワイトボードには、世界初や他社を圧倒的に凌駕する、などと景気の良い言葉が躍っている。そして10カ月後の新入社員発表会で成果発表する、などという計画が作られていった。
このままでは具体的な中身のない会議で終わりそうだったので、当方はたまりかねて、具体的にどのような方法で難燃化するのか、と質問したら、それを考えるのが当方の仕事だと言われた。
3か月前に研究所へ配属されて樹脂補強ゴムを担当した時と大きく異なっていた。その時には、すでにゴールの事例が出来上がっており、それは誰にも言ってはいけない、と言われた。
・
完成している事例について、それよりも良い配合が無いか、また、耐久性の良いものができないか探索することが当方の仕事だと言われた。
この時はあまりにも仕事が詳細な部分まで具体化されており、当方は、ひたすら基本配合の1成分を変えて実験を行うだけでいいのですか、と質問している。
・
指導社員は、ゴム配合は試行錯誤となり、1年後にできるかどうか分からない場合も出てくる。まず、目標となる配合を組み立ててから開発を行うと失敗しない、と当時は概念すら存在しなかったオブジェクト指向とアジャイル開発の考え方を指導してくださった。
この神様のような指導社員は、日々の指導では仏様のような人だった。そして歩く姿は、研究所員の誰もが敬意を表し道を空けたので、モーゼのようだった。しかし、40歳近くの年齢でありながら当方が初めての部下だった。
3カ月の幸せな時間はあっという間に過ぎて、グループが突然解散し、当方はとんでもない課長と上昇志向の係長、研究所一の美人で5歳年上人妻指導社員という環境へ異動となっている。
さて、抽象的な内容の議論だけで終わりかけた会議で、我慢に限界が来た当方はホスファゼン変性ポリウレタンを提案している。
・
ホスファゼンについては、大塚化学はじめどこの企業も事業化していなくて、市販されていなかった。但し、ファイヤーストーン社がPNF100をジェミニに搭載したことが、かつて話題になっていたので先端材料として知られていた。
すぐに係長も指導社員も食いついてきて、当方にホスファゼンの合成ができるのかと質問してきた。当方は、修士修了後就職するまでのヒマな3週間大学に残って新規ホスファゼン3種を開発し、ショートコミュニケーションとして論文投稿した自慢話を述べている。
その直後、ホワイトボードの最上部にホスファゼン変性ポリウレタン発泡体開発プロジェクトと書かれ、1年後には工場試作する計画が立てられた。このような調子で企画会議は終わり、その後は当方に自由に仕事をして良いと言われた。
自由に仕事ができたおかげで3カ月で基本処方を完成させることができた。すると突然2か月後に工場試作すると告げられている。
・
そして、工場試作に成功すると係長は特許草案作成を当方に命じ、主任研究員は誇らしげに役員へ世界初のホスファゼン技術が工場試作に成功したと発表していた。工場試作が前倒しになったのは、この主任研究員の都合だった。
ところが、その場で、ホスファゼンが世界初ならば市販されていないのではないかと質問が出たらしい。主任研究員はホスファゼンの合成ルートなど知らなかったので外部から調達すると適当なことを回答している。
世界初の化合物なら販売されていないだろうとさらに突っ込まれて、主任研究員は新入社員に始末書を書かせると回答してその場を乗り切ったようだ。同期から、役員会の様子を聞かされた時に、あまりの状況に驚いた。
この主任研究員が当方に始末書を書かせると答えたために、1週間近く当方ともめている。そして、当方が新たに考案したホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体の企画を始末書として提出することになった。
このホウ酸エステルポリウレタン発泡体は、半年後工場試作され成功している。ホウ酸エステル合成用の簡単な反応釜を工場の片隅に置き、ホウ酸が使用禁止となるまで生産が続いた。
会社は素晴らしくても、中間管理職が一流とは限らない。日産自動車のように社長の資質が話題になるケースもあるのだ。神様や仏様のような人が上司になるとは限らない。若い人は、パワハラ程度に負けていてはいけないのである。
当方は6年解決できなかった電気粘性流体の耐久性問題を一晩で解決したところ命を狙われるような状態になったので転職している。自ら命を会社に捧げるようなことは考えなくてよいのである。パワハラ上司など数年我慢すれば、目の前からいなくなるのだ。
当方に始末書を書かせた主任研究員はコロナ禍直前にお亡くなりになったので葬儀に参列したが、ゴム会社の関係者はコロナ禍前でも誰もいなかった。
・
当方は友人からこの上司の葬儀の連絡を受け友人の勧めもあり参列している。当方に始末書を書かせたパワハラ元上司をとりあえず涙で送り出した。パワハラ上司より先に死んではいけないのだ。
・
(注)日本が、かつて「Japan as No1」と言われた時代は、もう終わっている。戦前の優れた経営者が亡くなり、戦後教育を受けた「優秀な」人たちが、経営を担うようになった。本当に優秀な人が経営者になっているのかは、ニュースを見れば明らかである。またGDPがバブル崩壊後30年日本だけ上がっていない状況を若い人はどう考えるのか。当方が新入社員の時、本当に優秀で神様のような人格者は5年以上出世が遅れ、中間管理職で定年を迎えている。ゴム会社だけではない。転職した会社は多面評価だったが、リストラを行わなければならないほどの状況である。パワハラを受けても将来ある若者は自ら死んではいけない。
カテゴリー : 一般
pagetop
情報化の時代では、公開された様々な知の断片がインターネット上に散らばっている。そこには、科学の形式知以外に経験知の断片も含まれている。
技術の進歩でコンピューターは、広大なメモリ空間とそこにアクセスし情報を整理できる能力を獲得した。人知では到底扱うことのできない量のビッグデータをいとも簡単に処理できるのは、コンピューターの道具としての優れた機能である。
知の断片を深層学習により関係づける能力について、その活用方法は技術者一人一人の英知にかかっている。
今のところ、暗黙知による創造は、人間にしかできない知の活動なので、膨大な形式知を記憶する努力をコンピューターに肩代わりしてもらうぐらいの気持ちで生成系AIを使ってみてはどうだろうか。
これができるようになると、知の体系に目を向けたくなる。ドラッカーは半世紀以上前にその重要性を指摘していた。知識労働者の時代にあって、知のマネジメントの対象の一つとして、ようやくコンピューターが実用的になったのである(注)。
(注)
人類が知の活動により繁栄してきた不易については説明の必要がないだろう。さらにドラッカーは経営資源として知の重要性を指摘し、現代を知識労働者の時代とした。第三次AIブームで生まれたAIが第二次AIブームのAIと異なる動作であることは、これまで説明しているが、第二次から第三次に至るまでに何が起きたかについて補足したい。データサイエンスの一分野に統計があり、統計的手法の発展としてサポートベクターマシン、ランダムフォレストなどと呼ばれる機械学習手法が開発されている。ニューラルネットワークの基礎研究としては、LeNetと呼ばれる画像処理を行う畳み込みニューラルネットワークが開発され、これが深層学習の重要な基礎となった。しかし電子機器の処理能力が理論に追いついておらず、第三次ブームまでの間は、それぞれの専門家以外には注目されていなかった。昨今の技術革新のスピードを考えると、30年の変化なので温故知新で第三次ブームが起きた、とも言える。AIの時代にあって不易流行に温故知新、含蓄のある言葉である。
カテゴリー : 一般
pagetop
生成系AIは、人間の英知から生まれた多数の論文(データ)を読み込むことで動作している。そのからくりの詳細を知らなくても、データ駆動プログラムで動作しているだけ、と理解できれば少し安心できないか。
人類の希求である、知を機械で処理する具体的姿が現れた今、それに合わせて知のマネジメントを行えばよいのである。
技術者が知を活用して新しい機能を生み出すという役割が変わったわけではなく、実用的なAIの登場は、そこに新しい道具が加わった程度のDXである。
突然新規技術の製品が現れると、技術者はリバースエンジニアリングを試みたくなるかもしれない。しかし、DXで出現する多くの新規技術はソフトウェア主体であり、実体が見えないので戸惑うどころか不気味に感じたりする。
科学の体系が完成していない樹脂やゴムのフラクトグラフィーで回答を出してくるAIを恐れていても、AIは今後もさらに進化してゆくのである。
今は使いこなしのコツが必要なレベルではあるが、友達のように接して実務に活用する習慣を身につけておけば、情報の爆発で人知では難しくなってきた知のマネジメントに寄与してくれるのではないか。まず生成系AIを実務で使ってみることをお勧めする。
カテゴリー : 一般
pagetop