今回のワールドシリーズが面白かったのは、戦力で勝っていたブルージェイズが、負けたことである。例えば、このシリーズに限って公開された数値を比較した以下を見ていただきたい。
ブルージェイズ:チーム打率 .261/出塁率 .341/長打率 .389
ドジャース:チーム打率 .201/出塁率 .296/長打率 .354
攻撃の強さという観点では、ブルージェイズがドジャースを圧倒しており、それが7戦戦って負けたのは、1発の威力と山本投手の存在が大きい。
すなわち、ワールドシリーズの勝敗はクライマックス場面での一打、救援の働き、守備や走塁、審判判定・幸運など複合要因で決まる。
今シリーズも、Dodgers は第7戦9回のロハスによる同点弾や延長でのスミスの決勝弾・リリーフの踏ん張り等“重要局面での着実なプレー”が勝敗を左右していた。
ゲレーロJrやカーク、ビシェットなど長打力と打率成績に優れた人材を揃えてもドジャースに勝てなかった要因として、山本投手の3勝という成績が示している。彼がMVPであることに間違いないのだが、それ以外にドジャースにはキケのような面白いプレイヤーがいたことが大きいように思う。
また、ポストシーズンすべての戦いで捕手を務めたスミスとか、今年引退を決めているロハスを打率が悪くても起用した監督の采配がうまく当たっていた。野球がチームプレイであることを思い知らされるWSだった。
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昨日のWSは、延長戦でドジャースが勝ったのだが、ブルージェーズとの差はどこから生まれたのか。7戦全部見ていて、また、選手のWSにおける個々の成績比較からブルージェーズが優勝していてもおかしくない戦いだった。
二回も延長戦があり、7戦までもつれ込んだので野球に興味が無くても見ていて面白い戦いだったろうと思う。特にドジャースの勝ち方は、毎回運のようなものがちらついていた。例えば、18回の延長戦に勝ったのは、フリーマンの一発である。
昨日も延長戦11回に出たスミスの1発で試合が決まっている。フリーマンやスミスはメジャーを代表するホームランバッターで、彼らのホームランは運ではないのだが、そのように感じさせる試合の流れだった(補足)。
そして、これは昨日の試合では、9回のロハスのホームランで同点になったところが影響していると思う。レギュラーシーズンでもホームランは一桁台のベテランでWSでは打率1割を切っていた。
打撃成績は悪かったが、ロバーツ監督はこのベテランを使い続けた。理由は、素手でダイレクトキャッチしダブルプレーを成立させるなど目立たないが守備の要所要所の彼のプレーが試合の流れを変えていたからである。このあたりのロバーツ監督のマネジメントが光る。
MVPは中0日で連投した山本投手だったが、これはレギュラーシーズンも含めて今年のドジャースはスネルやグラスノー、大谷含めた先発陣の働きが目立っていたので4勝のうち3勝した山本投手のMVPは妥当だが、ロハス含めたベテラン陣が常に試合の流れを決めていたように見えた。
選手起用はロバーツ監督のマネジメントによるが、そのマネジメントの結果を出すには、選手一人ひとりのセルフマネジメントが重要になってくる。
その象徴が二刀流大谷投手の昨日の精彩を欠いたプレーである。そして3回には3ランを被弾し降板している。ロバーツ監督に責任があるが、大谷選手は今後セルフマネジメントを徹底する必要がある。
不調なベテランがそれでも値千金のプレーをできるのは、運ではなくセルフマネジメントの結果だろう。盗塁数が今季激減したり、四球を選択する機会が多くなったりとそれなりのセルフマネジメントが垣間見られるが、二刀流を成功させるためにはもっと緻密なセルフマネジメントが必要だろうと思う。
(補足)9回裏2死満塁でクレメントがホームラン性の打球を左中間へ放った。これをヘルナンデスとパヘスが激突しながらキャッチし、延長戦となっている。おそらくこのシーンも歴史に残るシーンとなるのかもしれない。昔WSでウィリー・メッズが後ろ向きで激走し、大飛球をキャッチした伝説が残っており、ヘルナンデスとパヘスの激突はギャグとして残る可能性がある。ドジャースのプレーにはこのようなシーンが多く、これがチーム打率ではブルージェイスより劣っていたにもかかわらず、優勝できた原因かもしれない。野球は筋書きのないドラマとは名言である。
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メジャーリーグワールドシリーズ第6戦の最後にものすごいプレーが飛び出した。TV観戦していても、そのスーパープレーの迫力は伝わってきた。
ブルージェイズのバッターのバットが折れて詰まったあたりとなったボールをドジャースのキケ・ヘルナンデス選手が全速力でキャッチし、そのまま2塁へ投げたのだが、ワンバウンドして2塁手が後逸してもおかしくないのをミギー・ロハス選手は、倒れてキャッチしてWプレーとなった。
2塁走者はキケ・ヘルナンデスのミスを期待していたために、2塁へ戻るのが遅れた。この場面、一つ間違えば同点になっていた。
野球の面白さに、このような勝敗を左右するファインプレーがある。しかし、今回のファインプレーは、バットが折れたことに気がつかないと、その凄さを理解できないかもしれない。
単なる詰まったあたりではないのだ。だから2塁走者もミスを期待したのだが、ボールはうまくグラブの中に吸い込まれた。ゆえに、このプレーだけを見ていると運が良かっただけのファインプレーのようになってしまう。
グラスナウの投球とバットが折れるところまでしっかりと見て、キケ・ヘルナンデスのスーパーキャッチをみると、運ではないことがわかる。彼の技量でキャッチし投球しているのだ。
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再生樹脂で問題となるのは、様々な色で各種樹脂が混ざった廃材である。ケミカルリサイクルならばそれなりの技術で対応可能だが、コストが安い物理リサイクルでは、再生方法が問題となる。
これをある樹脂とのポリマーブレンドで黒色のPS並みの物性を持った再生樹脂としてリサイクル可能である。少し配合技術を工夫すれば、UL94-V2レベルの樹脂になる。
PS並みの物性で黒色ならば、自動車用の部品としてニーズがあるのではないか。ご興味のあるかたはお問い合わせください。ちょうど東京モーターショー(ジャパンモビリティーショー)がはじまった。
東京モーターショーは過去の名前で、2年前からはJMSに変わり、展示も自動車ショーではなく、いろいろなモビリティーが展示されている。ドローンタクシーまで展示されているので面白い。
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旧東京モーターショーが改称されて2023年からジャパンモビリティーショー(https://www.japan-mobility-show.com/)となった。国際的に東京モーターショーの位置づけが低くなったためだが、そのかわり家族で楽しめるようになった。
本日から一般公開となるが、是非家族で見に行かれることをお勧めする。東京モーターショーは、車好きの催しとなっていたが、JMS2023から若い人や子供が楽しめるイベントに変わった。
例えば、東京モーターショーには無かった体験型の展示が多い。自動車の製造工程の一部を体験できるコーナーや、新しい乗り物の試乗などJMS2023でなければ体験できない催しが多かった。
JMS2025は、JMS2023より少し規模が縮小されているが、これはJMS2023の規模が大きすぎた反省だろう。2年前プレス発表を見に行って結局2日間通うことになった。JMS2025は1日で見ることができる規模になったことがホームページから伺い知ることができる。
JMS2023もそうであったが、東京モーターショーのようにアメ車も含めて世界中から車の展示があるわけではない。トランプ大統領がアメ車が売れない問題を日本が悪いような言い方をしていたが、そもそもメーカーがもう日本をあきらめただけなのだ。
日本で売れているBMWやMINIは、しっかりと今年も参加している。またBYDなどは日本メーカーと同じくらいの気合が入った展示をしているという。
高校生以下は無料で11月9日まで開催されているので、休日に家族で遊びに行くとデズニーランドより楽しくて価格も安い。
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秋田県では熊被害が増加したため、自衛隊に熊駆除の側面支援を要請したという。そのとき、銃殺は認めず、あくまでも罠による捕獲という側面支援だそうだ。
最近の熊の被害ニュースを聞いていると、自衛隊による銃殺も認めるべきと思ったが、自然保護団体が騒ぐので、罠による捕獲としたのではないか。
熊にもあるレベルの知能があるという。殺されないと理解したならば、どんどん市街地に現れるのではないだろうか。今熊騒動が起きているのは、山に餌が少なくなったためと言われているが、捕獲して山に帰しても、また現れる可能性が高い。
人間の命と熊の命と天秤にかけたときに、両方貴い、と真剣に考えている人がいたら、「それはおかしい」と明確に言えなくなった時代の悲劇が今起きている。
もうすでに10人以上の人が熊により被害に遭っているのだ。さらに毎日熊の被害が報じられ、行方不明者の人数は不明である。自然保護団体の人は、行方不明者が熊に拉致され生きているとでも考えているのだろうか。
行方不明者を発見したら、子熊と楽しく暮らしていた、などというニュースを聞かないが、自然保護団体の人たちは、そのような夢を見ているのだろう。
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新入社員1年目の始末書騒動に話を戻す。毎日上司から始末書を書けと言われ、職場でも早く仕上げろ的なムードが漂っていたので、出勤すれば図書室に籠るようになった。
今ならば、パワーハラスメントとなるような状況で、これで自殺したならば労災になったかもしれない。図書室には同じ年格好の女性と50歳前後の女性が受付としていて、籠るようになって2日めにはお茶が出て来た。
周り見ても多くても4-5人の社員しかいないのに、朝から終業時間まで図書室にいるのだ。不思議に思われたのだろう。正直に面白おかしく事情を話している。
今思い出すと、始末書騒ぎが本当に腹立たしいことだったのか不明だが、これだけ世の中でハラスメントが話題になっていると、悲惨な毎日だったのかもしれない。また、こうして鮮明に思い出されるので12年間の勤務中でそれなりのストレスになっていた出来事だろう。
ただ、図書室の女性と親しくなれた楽しい思い出としても思い出されるので不思議である。おそらく、社会全体としてゆとりがあったのだろう。図書室に二人の人材が配置されていたのもゆとりを表している。
転職した写真会社では、図書室の担当者は一人で、バブル崩壊後図書室は廃止され、倉庫になっている。12年後、そこに自分が配属されるとは思ってもいなかったが。
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社内のコンピューター部門は、社員からあこがれの部署だった。大型コンピューターが2台設置され、一台はPOS専用だった。同期に情報工学科一期生の卒業生がいたがコンピューター部門には配属されず生産管理部門に配属されていた。
また、経済学部を卒業してきた同期がコンピューター部門へ配属されるなど、戦略的な人材配置が行われていた。IBM3033の端末が各職場に、少なくとも1台配置され、従業員に解放されていた。
入社2年目ごろから、勤怠表や購買の発注業務がこの端末で行われるようになっていたので、コンピューターの活用という視点では、最先端の会社だった。
そのような会社でも基礎研究部門のコンピューターに対する無関心はひどかった。花王からOA化が8ビットのコンピューターでできる時代だ、というひどい啓蒙書が出たときに、この基礎研究部門でOA委員会が組織された。これは始末書騒動から約1年後のことだった。
基礎研究部門は雲の上の組織と社内で陰口がささやかれていたが、ゴム会社のOA化がどこまで進んでいるのかも分からず、花王のコンピューター部門が書いた本に飛びついたのである。
OA委員長は、1年ほど前に始末書を命じた上司で、社内のOA化がどの程度進んでいるのかもご存じなかった。ただ、花王のコンピューター部門が執筆した、8ビットコンピューターで漢字も出力出来て社内のOAの中心になる、という夢物語を信じていた。
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50年近く前に社会人になった。当時第二次オイルショックで、就職状況は冬の時代と言われた。ゆえに大学院二年になるや否やOB訪問で勧誘を受けたゴム会社に就職した。
この頃の社会と現代では大きく変化している。また現代の変化を予測できるような出来事も起きている。今から思えば、当時から変化が起き始めていたのかもしれない。
例えば、ゴム会社では、成果主義で査定が決まるとの説明を受けていた。人事部からの説明は成果主義であったが、実際にはそれを信じて仕事をやっていたらひどい目にあっている。12年間勤めて結局転職するような事態になっている。
また、入社2年間は査定がつかず、職場異動も残業手当も無い、との説明を受けたので、1年間のテーマ「防振ゴム用樹脂補強ゴムの開発」をサービス残業で3か月で仕上げたところ、職場異動となった。
そして世界初の難燃化技術を開発するように新しい職場のリーダーから指示を受けたので、ホスファゼン変性軟質ポリウレタンフォームの工場試作を半年もかけないで成功させたら始末書を書けと命じられた。
リーダーも内容を理解していない始末書を毎日書けたか、書けるまで仕事をやってはいけない、と言われ続けた。今なら壮絶なハラスメントだが、当方は心当たりも無いので死ぬ気も起きなかった。
人事部の同期に相談したら、入社2年間は査定がつかないので始末書ぐらい平気だ、というあっけらかんとした返事である。仕事を停止され、毎日叱られている状態など問題にはならなかった。
新入社員が工場試作を勝手にできるわけではないので、明らかにリーダーか指導社員が始末書を書くべき、と指導社員に訴えても、査定に響くから誰も書きたくない、という。
職場の雰囲気が新入社員以外に始末書を書ける人はいない、という状態で、転職も考えたが、図書室にあったコンピューター関係の書籍に感動した。
DXの黎明期であり、先端のコンピューターの情報が大学よりも充実していたのである。時代は情報工学科設置ブームが起きており、第一次AIブームの影響が出始めていた。
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論理学の完成で科学という哲学が普及したと言われている。ちょうど産業革命が始まった頃である。ゆえに、産業革命を科学の力は加速度的にイノベーションしたが、科学によりそれが引き起こされたわけではない。
この当たり前の歴史をご存知ない方が多い。マッハ力学史に、ニュートン力学は科学ではない、と明快に論じている。しかし、高校の物理で学習するのは、ニュートン力学である。しかもそれを科学的に教えるので、物理を難しい、と感じる人が多い。
このようなことをさらに書き進めると、今の科学教育批判と誤解されるといけないので、ここまでとするが、DXの進展で業務プロセスが変化している今、科学という哲学を誠実真摯に考えた方が良い。
技術開発や研究開発業務をDXしようとするときに、業務の進め方を科学的にやっている限りにおいては、うまくDXできないことをご存知だろうか。
弊社は研究開発必勝法というプログラムで企業のコンサルティングを行っています。その内容について、ゴムタイムズ社ポリマーTECHに3回の連載で関係する記事を書いてますのでご一読ください。
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