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2013.02/14 難燃剤の分散

樹脂の混練は固体分散が基本で、液状物の添加剤を通常用いない場合が多い。しかし、液状の難燃剤を用いたい場合も出てくる。同等の機能の固体の難燃剤を選択した方が良いが、液状の難燃剤を使うために二軸混練機のサイドフィーダーで対応する場合もある。あるいは、他の添加剤とあらかじめバッチ式分散機でプレミクスを行い添加したりする場合もでてくる。いずれもコストにも関わる問題であり、二軸混練機で樹脂を混練する場合には液状の難燃剤が敬遠されがちな理由である。また、プロセスの問題以外にブリードアウトなど製品においても液状の難燃剤が問題となる場合がある。

 

製品の問題については後日触れますが、本日はプロセスの問題に限定して液状の難燃剤を樹脂に混練する場合について考えてみます。液状の難燃剤を二軸混練機で分散する場合に経験的には、マスターバッチ法で作った高濃度の難燃剤を含む樹脂として添加する方法が良いと思っています。コストでは若干不利になりますが、安定した製品を作ることができます。

 

サイドフィーダーで行う方法もよいですが、マスターバッチ法に比較し、ばらつきが大きくなります。サイドフィーダーの問題は液状の難燃剤に限ったことではありませんが、ペレットのばらつきを生じる原因となっています。L/Dが十分大きな混練機であればよいが、そうでない場合にはばらつきの問題を対策する必要がある。ばらつきの問題を回避するために、できあがったペレットをタンブラーで混合してから、それを1バッチとして扱う場合もある。しかしこれが原因不明の問題を引き起こすことがある。

 

何も市場で問題が発生しなければ、選ばれたプロセスは妥当なプロセスとして採用されるが、二軸混練で樹脂を混練する場合には、分散のばらつきをいつも抱えていると覚悟した方が良い。液状の難燃剤の分散ではそれが顕在化するだけである。二軸混練機の抱えるばらつきの問題を小さくする技術も開発されています。ご相談ください。

 

 

カテゴリー : 高分子

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