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2013.09/23 電気粘性流体とゴム6

電気粘性流体の增粘の問題はHLB値の異なる界面活性剤を検討し、良い結果が得られなかったので、界面活性剤では解決できない問題である、と結論が出されたらしい。らしい、と書いたのは実際の実験方法等を見ていないからだ。O/WあるいはW/Oタイプすべて検討されたと当時説明を聞いたが、添加するだけで確認できる実験なので、再度技術的に検討することにした。

 

理由は、科学的に説明されても、機能を実現しようという試みあるいは気迫を感じられなかったから。説明に必要なデータはきれいにグラフ化され、論理的に効果の無かった説明が展開されている。しかし、それはHLB値を中心に議論されているだけで、それ以外の科学的に不確かな要因について仮説は記載されていなかった。

 

技術とは機能を実現しようとする行為であり、科学的に完璧に否定された結論に対してはその結論を尊重しなければならないが、完璧でないならば新しい発見を求めて、その結論に技術で挑戦する価値がある。

 

電気粘性流体の增粘の問題は、HLB値という指標だけでは解決できないことが分かった。しかし、このHLB値は低分子あるいはオリゴマー程度の分子の長さであれば、教科書に書いてあるようなきれいなミセルを形成し、科学的な効果を期待できるであろう。しかし高分子量になったときにミセルの形態をどのように考えれば良いのだろうか。

 

科学的解説からある程度の推定は可能だが、教科書には書かれていない。また、その結果を図示しても様々な分散状態を描くことが可能である。今目の前で起きている現象は、SP値の異なる様々なゴムの添加剤がオイルの中に分散しその結果增粘しているのである。もし、そこへ新たな成分を添加したときに、ゴムからの抽出物が粒子との相互作用を起こさないように新たな相を形成する、という想像あるいは妄想は、科学の世界で論じられた他の現象から推論すると起こりうる可能性が高い。

 

技術とは機能を実現する行為であり、機能を実現できる可能性があればそれを試みるのは大切な使命である。すなわち技術的開発姿勢とは、機能を実現できそうな行為を全て試みようとする姿勢である。科学で完璧に否定された現象については可能性が無い、と考えるのは現代の約束事であるが、完璧でなければその結論に挑戦したときに新しい発見がある。

 

この電気粘性流体の問題解決で得られた新たな技術は、その後写真会社でゾルをミセルとして活用し、ラテックスを合成する技術につながっている。外国の研究者によるゾルをミセルとして活用した科学的論文の発表は2000年に入ってからであるが、写真会社の特許は1995年頃に出願されている。科学よりも先行している技術が存在するのである。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料

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