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2015.01/11 混練プロセス(7)

回転している二本のロールに挟まれ練られているゴムにカーボンを少し添加しただけであっという間に黒くなる。但しその変化は水を高速撹拌しているところへ黒インクを垂らした変化と異なる。

 

混錬と混合の違いが短時間のゴムの黒変という現象で観察される。指導社員によく見ているように、と言われて目を凝らしてみていた実験を今でも覚えている。目の前で起きていた現象は分散混合と分配混合というモデル化ではしっくりこない。

 

科学的表現ではないにもかかわらず、技術のイメージを現場で指導者と共有化する作業は技術の伝承のために重要である。技術と芸術の境界が不明確になる原因もここにある。ダ・ビンチを科学者と言う人がいるが彼はすぐれた技術者だったと思っている。

 

科学では論理が重要で真理を基に新たな一つの真理を目標に展開される。ゆえに論文等の書物で記述された内容をどこでも容易に共有化できる。またそれができない場合には科学として失格の烙印を押される。例えば科学の実験手順であればだれでもそれが再現できることが重視される。

 

料理のレシピは科学論文ではないので仮にレシピ通り料理を作ってみて、まずくても社会問題にされない。STAP細胞で問題になったのは、科学論文に書かれた手順で実験結果が全く再現されなかったからだ。もしあれが料理のレシピとして公開されていたのだったら社会問題にはならなかった。

カテゴリー : 高分子

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