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2015.05/22 スクリューセグメント

二軸混練機のスクリューセグメントの設計には少し混練の経験が必要である。シミュレーターも存在するが、温度以外のシミュレーション結果には実用性が無い場合が多い。温度については経験のある人ならばシミュレーションを行わなくても予測が可能である。

 

それでは二軸混練機の世界でコンピューターシミュレーションが無意味か、というとそうではない。経験の浅い人には是非シミュレーターを使っていただきたい。シミュレーターでうまく予測はできないかもしれないが、その結果でスクリューセグメントの設計のコツを学ぶことが可能である。

 

幸いにも温度のシミュレーションはそこそこ当たるので、シミュレーションの結果を見ながら、現場で混練条件を設定してみると、スクリューセグメントの機能が見えるような気がしてくる。シミュレーションは当てにならないかもしれないが、シミュレーション結果と現場のデータとの突き合わせを行うことでスクリューの効果を学ぶことが可能である。

 

それでは新たに二軸混練機を導入したいときにどうするか。すでに混練経験があるならば問題ないが、まったく新たに購入するときには、混練機メーカーにすべて任せた方が良い。可能ならば混練機メーカーにシミュレーションのサービスもお願いする。

 

なぜメーカー任せにするのか。それは混練物のモーターへの負荷を予測できないからである。実績があれば大丈夫だが、実績の無い組成物を全く初めての装置で混練するのは無謀である。トルクオーバーでモーターを傷めることがある。

 

たいていはクラッチがついているので大丈夫、と言う人がいるが、一度モーターを壊した経験をすると、最初は混練機のメーカー責任でスクリューセグメントも混練条件も決めてもらいなさい、とアドバイスしたくなる。

 

混練物と混練条件の組み合わせによっては、二軸混練機のモーターに過大な負荷がかかるときがある。たいていはトルクオーバーとして検出されクラッチが切れてモーターが保護される仕組みになっている。トルクオーバーのエラーからの復帰は経験が無いと大変になる。このときモーターを傷めてしまう場合がある。

 

トルクオーバーからの復帰には「手で」行うのが良い。手で動かせる程度にしてから、モータをスクリューとつなぐのである。装置により多少手順が異なるのでこれ以上書かないが、トルクオーバーしやすいスクリューセグメントも存在するので、混練効率との関係をシミュレーションで勉強されることをお勧めします。

 

 

カテゴリー : 高分子

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