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2015.11/05 FMEA

現場で発生する故障モード、エラーについて、後工程や製品への影響評価を行い、製品の品質マネジメントを行う手法をFMEAという。FMEAは、故障モードが発生しないように「カイゼン」するなど、現場の改善活動のツールにもなっている。
 
旭化成の子会社の杭打ち問題では、杭打ち時の故障モードとして、杭が硬い地盤に届いていない、そしてそれを確認する電流計が故障しているや、データプリンターの異常、チャート切れなど重大故障になる。
 
この重大故障が製品に与える影響として、建物が傾く、となるが、当方は建築の専門家ではない。専門家ではないが実施できるのがFMEAであり、現場の作業者とともにワイガヤ会議を行いながら作成すると、作業者の動機付けにもなり効果的なFMEAの一覧表ができあがる。
 
FMEAを行う時には、事前にFTAも行え、とQCの教科書には書かれている。これは故障モードをトゥリー状に表現する手法で、部品やプロセスで発生する故障モードをすべて書き上げることができる、とされている。しかし実際の現場では、FTAを作成しても、作成時には思いもつかなかった故障が発生する。
 
そのような場合には、QCサークルで議論し、FMEAに新たに見つかった故障モードを加え、改訂版を発行し現場に見える化する。これがFMEAを作成しているQC活動の一こまである。QC手法にはFMEA以外にも多数あり、QC7つ道具や新QC7つ道具としてまとめられている。
 
QC活動は、戦後デミングプランとしてアメリカから輸入され、「カイゼン」活動など日本で発展成長した現場マネジメント手法であるが、転職した20年以上前には、企業間で大きな活動ばらつきのある状態になっていた。QC大会も形骸化し、すべての管理職が出席する仕組みになっている会社もあれば、くじ引きや暇な管理職を指名して参加させる会社などがあった。
 
当然のことながら前者の会社ではQC活動は現場で活発に行われているが、後者ではQC大会が近くなるとわざわざテーマ設定してまとめる状態になっていた。
 
日本の現場は、研究所ブームで科学的手法が重視されるに従い、低調になっていったように見えるが、QC手法も科学的手法である。FTAは、集合論そのものである。かつて社会問題になった三菱自動車のリコール隠しの時以来現場の崩壊が進んできたが、今回の旭化成子会社の杭打ち問題では、QC活動の言葉も評論家からでなくなっているのが気になっている。QCサークルによる活発な品質維持のQC活動は、日本の現場のあるべき風景である。
 
 
 
 
 

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