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2016.03/26 人工知能Tay

ITメディアニュースが、面白い事件を報道していた。米Microsoftが3月23日(現地時間)にTwitterなどでデビューさせた人工知能「Tay」が、デビュー数時間後に停止したというのだ。
  
Tayは、Microsoftが会話理解(conversational understanding:CU)研究のために立ち上げたプロジェクトで、日本マイクロソフトの人工知能「りんな」と同様に、一般ユーザーとの会話を繰り返すことで学習し、成長していく。
 
ところが、Tayは公開後数時間で徐々に人種差別的だったり暴力的な発言が多くなっていた。例えば、「ヒットラーは正しい。私はユダヤ人が嫌い」というツイート(現在は削除されている)を繰り返すようになったという。現在、ほとんどの問題発言は削除済みだそうだが、Microsoftがこの問題に対処するためにTayを休止したようだ。
 
ご存じのように、知には、「形式知」と「実践知」、そして「暗黙知」が存在する。現在の技術で、AIに「暗黙知」を教えることは出来ないはずだ。そもそも人間どおしでも暗黙知の伝承は難しい。
 
物事の善悪には暗黙知も関わっているような気がする。「形式知」や経験の結果体得する「実践知」をロジックでつなげることは可能だが、「暗黙知」の中にはロジックでつながらないもの、あるいはどのようにつなげるのかはそれぞれの価値感に左右されるものなど存在し、現在の技術ではAIに暗黙知を教えるのは難しいのではないか。
 
形式知である科学は、将来AIの独壇場になる可能性がある。実践知の一部もAIが人間より優れた成果を出せるようになるかもしれない。しかし、第六感として頭に現れる暗黙知はいくらAIが進化したところで人間に追いつかないのではないか。
 
技術は、科学と異なり人間の営みの中で発展してゆく「行為」であり、形式知や実践知、暗黙知の総動員が必要である。形式知の伝承は比較的簡単だが、実践知や暗黙知の伝承は難しい。ご興味のある方は弊社へご相談ください。
 

カテゴリー : 一般

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