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2019.07/29 高分子のプロセシング(23)

自由体積部分では動ける範囲の運動が行われている。その他、高分子鎖が積み重なり運動が凍結された部分でもレピュテーション運動が起きているかもしれない。

 

 

その結果、分子同士のあたかも忖度が働いたような運動、すなわち、より構造的に全体が安定な状態になろう、あるいは歪を緩和しようとして全体で動く。この構造緩和現象により体積収縮が起きる。

 

 

ここで、急冷ガラスのTgをTgqとし、徐冷ガラスのそれをTgaとすると、Tgq>Tga。すなわち、冷却速度と高分子材料のTgは関係しており、高分子がプロセスの履歴をひきずる、と言われる原因の一つである。

 

 

ところで、高分子材料を混練できる温度領域について。二軸混練機を用いた熱可塑性樹脂の混練では、よくTm付近の温度がシリンダー温度として設定されるが、Tm以下でTg以上の低い温度に設定しても、モーターの能力さえあれば混練可能である。

 

 

ちなみに結晶性樹脂では、Tc前後の温度設定でも分子量低下を起こさず混練可能である。ゆえにシリンダー温度は、Tg付近に設定しても混練可能で、そのような特許出願もされている。

カテゴリー : 高分子

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