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2021.05/03 山尾議員の問題

国会議員に配布されている公共交通機関の無料パスをプライベートな用事で使用した、そしてそのプライベートな用事とは8歳年下の異性に会いに行くためだった、と週刊誌に書かれて大騒ぎになっている。

山尾議員は、過去の不倫騒動の問題を充分に理解されていなかったようでもある。今回は公私混同を謝罪しただけでその他は沈黙を通している。国会議員の無料パスを私用で用いただけならば週刊誌は騒がなかったことに気がつかないのだろうか。

彼女のキャリア及び実績やその能力の高さから国会議員としての活躍に期待している国民は多い。前回の不倫騒動では愛知県のような保守的な風土にもかかわらず逆風の中の選挙に勝っている。今年の衆議院選挙では、東京へ国替えするとの噂である。

この山尾議員の問題は、企業で働く有能な社員でも似たような間違いを犯しがちでありながら、それになかなか気づかず、山尾議員のように取り返しのつかないところまで過ちを犯し、夢を実現できないことになるから他山の石としたい。

当方もゴム会社でFDを壊されて初めて気がついた。自分でいくら正しい行動と信じていても人の心には妬みやその他もろもろな負の要素が存在し、本当に正しい行動でも歪んでみられていることに気がつかなければいけない。

歪んでみている人間がおかしいと叫んでみても、歪んでみている人間がさらに歪を大きくし正しい行動の人間に災いをもたらすことまで思いが至らない。

当方の場合には、企業買収を成功させるために全社一つの事業に集中している時で、ゴム事業とは全く無関係の高純度SiCの新事業を推進している立場では、発生した問題に声をあげても不利になるだけであった。

政治家の場合に、国民の1票がその職業生命を左右するので直接手を下さなくてもあるいは法律に触れずその生命を絶つことができることに気がつくべきである。すなわち政治家が犯した問題を正しくとらえず歪んだ問題としてもそれを説明できなければ歪んだ問題が正しい問題のように変質してゆく。

前回の不倫騒動において、脇が甘い、などという程度のアドバイスがあったが、誠実真摯であることが政治家の理想であり、誠実真摯な行動とは何かをよく考えるべきだった。

仮に不倫相手とされた人物が業務上欠くべからざる人材であれば、仕事以外では面会しない、面会する場合には誰もが納得する場所で面会すべきである。公私混同した事案として無料パスだけを山尾議員は反省されていたが、この仕事のやり方も公私混同の視点で見直すべきだった。

ドラッカーは、頭の良い優秀な人がしばしば成果をあげられないのは、正しい問題を解かないからだと忠告していた。この指摘と通じるところがある。

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