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2023.03/05 半導体産業の凋落

元NECトップ技術者により、表題の原因について語られた記事がニュースとなっていた。大きなきっかけとして1986年に締結された日米半導体協定があげられていた。


その結果、やらなくてもよい無駄な仕事が日本政府から現場技術者へ求められたという。それ以外にもいろいろ婉曲に書かれていたが、ようするに身内が技術者の足を引っ張たのである。


これは、日本企業ではよくあることで、イノベーションが社内から起きると、周囲がその足を引っ張るのである。足を引っ張るだけでなく、当方は、一人で担当するようになってからFDを壊される以外に電気炉も廃棄されるなどあからさまな業務妨害を受け仕事の推進そのものが難しくなっていた。


NECの元トップ技術者は、当方のように明確には書いていないが、裏を考察すればその置かれた状況の苦悩の本音が透けて見えてくるのだ。


ソニーのような、やや日本企業の風土とは異なる企業では、NECなど凋落ブームとなっていっても、独自の半導体技術を育てイメージセンサーでは世界のトップレベルを維持している。


ゆえにすべての半導体メーカーがダメになったわけでなく、日本企業的体質の企業がダメになった、という見方が正しいのかもしれない。


NECトップ技術者による反省の弁からは、日本特有のイノベーションを嫌う風土を変えない限り、半導体産業の復活は無い、と読み取れる。


新入社員の社長講話では、火中の栗を拾えるような社員になれ、といいながら、それを実践しても火中の栗を拾って成果を出している社員が、火だるまとなるように周囲から油をかけられても、それを見捨てるような経営を行っていては、新事業など育たない。


ましてや犯罪と呼べるような行為があってもそれを隠蔽化する体質では、誠実真摯の技術者はそのような企業や国を見捨てるだろう。グローバルな時代において技術の流出を嘆くよりも問題のある日本的な体質を改善しなければいけない。

カテゴリー : 一般

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