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2023.09/18 データサイエンスの力

データサイエンスを技術開発に導入するとどのようなご利益があるのか、40年以上前にはよくわかっていなかった。


技術開発を科学で進めることが常識の時代に、仮説も設定せずに集められたデータからどのような真実を見出すことができるのか懐疑的であっただけでなく、そのようなことを考えることさえ非科学的とされた。


研究は科学の方法で行うことが唯一の時代で、あみだくじ方式など行えば壮絶なハラスメントに晒された。21世紀になり、あみだくじ方式でノーベル賞を受賞した研究者が現れたので、データサイエンスを技術開発に導入しても許されると思っていたら、マテリアルズインフォマティクスのブームとなった。


さて、データサイエンスを技術開発に導入すると、どのような御利益があるのか。まず第一に問題解決のヒントを得るまでのスピードが速くなる。これは、電気粘性流体の耐久性問題について一晩でヒントがえられるとともに問題解決できた事例で理解できる。


博士2名を含む頭脳集団が解決不可能と1年かけて科学的に完璧な否定証明を完成させた問題について、たった一晩でその結論をひっくり返すぐらいの破壊力があった。


この事例では、二番目の御利益として科学的に見通せない問題についても解決の道筋のヒントを与えてくれることを示している。ただし、この時の見通しは決して科学的ではないので、別途科学的な証明が求められる。


科学にこだわらなければ、データサイエンスで見通せたヒントを基に技術開発を行えばよい。それで大成功したのが中間転写ベルト用半導体無端ベルトの技術開発である。


おそらくこの技術を科学で証明することは難しいだろう。しかし、データサイエンスで得られたこの技術は18年経った今でも立派に生産技術として稼働している。


3つ目の御利益として経験知の伝承を数理モデルを使って行うことが可能となる。科学の形式知であれば技術の伝承は容易である。しかし、AIの普及でこの形式知の伝承にあまり価値が無くなってきて、経験知の伝承に注目が集まっている。詳細は弊社に御相談ください。

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