活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2023.10/02 まず何から学ぶか(3)

科学では仮説を設定して、それに基づく実験をすべて実験者のコントロール下で行う。例えば仮説を実証するために誤差の問題が問われるような時には、必要とされる繰り返し実験を行い、平均値や標準偏差を求めたりしている。


そして、Nで割るのかN-1で割るのか悩んだ末、自分の都合の良い方で標準偏差を求めている科学者もいるだろう。ゴム会社の研究所では、このようなシーンが絶えなかったが、笑うことができなかった。


笑いをこらえる苦しさに気づき、裸の王様という童話における深い意味を学んだ。また、科学の実験において、サンプリングの意味さえ無視されているケースもゴム会社で見てきた。


これは、当時同僚の嘆き節だが、上司の提唱しているゴム網目理論に合致したデータ以外受け付けない上司で困った、という。すなわち、実験データをグラフ化した時に、理論式から外れたデータについて、理論式に合うまで実験をさせられたという。


データを捏造したくても、理論式に適合したサンプル提供を求められるので大変だという。プロセス条件をいじりながら、それらしいデータが出るまで実験しなくてはいけないそうだ。その上司はサンプリングの意味やプロセシングの位置づけを誤解されている方だと思った。


サンプリングが統計学上意味のある形で実施されたときに、そのサンプリング条件において平均値とその誤差が意味を持ってくる。すなわち、サンプリングについて学んだら、平均値と誤差、偏差等の統計パラメーターの意味を正しく学ぶことは大切だ。


すると自然に正規分布だの二項分布だのが分かってくるので学習時間の節約ができる。統計学の教科書では、正規分布の理解を最初に求められるが、難解な数学的理解よりもサンプリングから生じる誤差がどのようなモノか理解できれば、自然と誤差の分布からこれらを理解できるようになる。


数学的に厳密な理解よりもこの感覚的な理解は重要である。感覚的に理解できてから数式をみると不思議なほどすっきりと頭に入ってくる。


大学で6単位統計学の単位を取得しても、統計に基づく実験を大学でさせていただけなかった。研究とは新しいことを見つけることで、科学の方法で見出された新しいニュースを常に求められた。


ゴム会社に入社し、工場実習で品質管理を担当し、工程管理手法を学んだ時にはじめて大学で6単位取得した内容を理解できたと感じた。工程管理手法は中卒の担当者にご指導いただいた。大学の先生より説明がわかりやすかった。


統計学に基づき収集されたデータでサポートされたモデルが技術開発には重要である。そのモデルが科学的に説明できるかどうかよりも、統計的に再現確率の高い技術が重要である。


科学でサポートされていないカオス混合プラントは、現在も収率100%で稼働しているという。科学的な品質管理が行われている、トランスサイエンスの世界である。


カオス混合技術はタグチメソッドにより開発されたのでロバストが高い。トランスサイエンスを理解できれば科学的に開発できなくてもタグチメソッドで新技術を開発できるのである。このあたりについて、後日書きたいが、とにかくサンプリングを正しく理解し、そのデータを正しく処理できるように各統計パラメータの正しい意味を記憶することが大切である。

カテゴリー : 一般

pagetop