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2023.10/20 プロセシング技術

今の大学のカリキュラムを知らないが、昔化学工学と題した授業があった。それが、プロセシング技術を学ぶための単位であり、全部で6単位受講している。


設計までとったので6単位となったが、必須単位は2単位だった。また合成化学科では4単位までしか授業が無かったので、設計については化学工学科まで受講に行った記憶がある。


6単位も化学工学関係の授業を受けたのだが、プロセシング技術を学んだ感触は得られなかった。設備設計の学問というのが当方の印象である。


ゴム会社に就職し、現場作業を通じ、プロセシング技術については、大学で学んだことが役立たないことを理解した。


ゴム会社の12年間は、研究所所属であったが、大半は現場作業だった。1年間の新入社員テーマ「樹脂補強ゴムの開発」を3か月で仕上げたが、毎日バンバリーとロール練りを行っていた。


その後、ポリウレタンの難燃化技術や天井材の開発でもパイロットプラントを動かしていた。2億4千万円の先行投資を受けてファインセラミックスの研究所を立ち上げたときも、1階部分はセラミックスの成形までできるパイロットプラントにしている。


このパイロットプラントを8年間動かしたが、プロセシング技術とは設備設計だけでなく、やはり物質の現象に関する経験知が重要であることを学んだ。


例えばセラミックスを研削する場合にダイヤモンド砥石等を使用するのだが、設備の知識だけでは時間がかかる。研究目的だけであれば時間だけでなく大量のダイヤモンドスラリーを用いて良好なテストピースを作成可能だが、生産を考慮した場合には成形段階の工夫も重要になってくる。


設備の知識だけでなく物質が加工されるときに生じる現象の知識が無ければ、高度なプロセシング技術を構築することなどできない。


この時の学びに感謝したのは、写真会社でカオス混合プラントを基盤技術0から3か月で立ち上げなければならなかった時である。


仕事を始めるにあたり、私財50万円ほど使い、混練関係の本を買い込んだ。しかし、30年ほど前に混練の神様のような指導社員に教えていただいた内容と大きく変わっていたことに気がついた。


買い込んだ本には混練機のメカニズム中心の話であり、ようするにセラミックスの粉体を混合する技術と似たような形式知が展開されていた。このような形式知ではカオス混合プラントの設計などできないとすぐに判断できた。

カテゴリー : 一般

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