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2023.12/13 科学と非科学

「科学技術大国ニッポン」とバブル崩壊前は、メディアのタイトルとしてよく使われていた。企業の研究所でも技術開発を科学的に行うことが技術開発競争の必勝法として強制された。


今でも科学こそ人類を幸福にする唯一の哲学と信じている研究者も多いのかもしれない。しかし、世の中にはトランスサイエンスが溢れてきた。


トランスサイエンスについては、1980年代に雑誌サイエンスに論文が登場しているので、もう時代遅れの言葉かもしれないが、21世紀になり日本では改めて流行しだした。


2010年からは第三次AIブームとなり、このブームは第一次や第二次と異なり、10年以上続いているだけでなく、生成系AIの登場によりもう10年続きそうな勢いである。


さらに、科学で答えられない問題に対して、AIに答えを出してもらおうという機運も出てきた。しかしこの矛盾に気がついていない。科学で答えられない問題に対してAIが出した答えをどのように捉えたらよいのか。


それが正しいのか間違っているのかも判断できないかもしれない。しかし、問題解決できれば良いので、という前提に立てば、AIの答えが非科学的であっても構わない。


ならば、人間が科学の枠を飛び越えて非科学的に思考して答えを出していいはずである。20世紀にはそれが許されなかった体験談を先日書いた。しかし、iPS細胞の研究でも非科学的手法で生み出されているのだ。


科学と非科学の境界は歴史により変化するそうなので、非科学と言われている考え方であってもそれを科学的とみなせばよいのかもしれない。


新帰納法などと怪しい言葉を用いて、第三次AIブームで生まれたのがマテリアルズインフォマティクスだ。来年春の日本化学会春季年会でささやかな当たり前の科学的発表をします。

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