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2024.02/08 データサイエンスのスキル(2)

目の前の問題すべてで、データサイエンスを有効に使えるわけではない。ロバストの高い製品開発にはタグチメソッドが有効だが、そのほかの問題にデータサイエンスのスキルがいつも必要なわけではない。


しかし、データサイエンスのスキルがあれば、目の前の問題を眺める視点が増える。すなわち、科学の視点は小学校から科学教育を受けてきたので誰でも持っているだろうが、データサイエンス特有の視点は、そのスキルを身につけない限り、使えない。


ゆえに、早めにデータサイエンスのスキルを身につけた方が、活用する機会が多くなる。当方は、人生の半分の問題をデータサイエンスで解いている。しかも、迅速に。


ゴム会社を転職することになった電気粘性流体の耐久性問題では、科学的な視点であれば、HLB値で界面活性剤をとらえ、それで問題解決しようとする。


そしてすべてのHLB値で構造が明確な界面活性剤を揃えて、添加してみてその結果をまとめる実験を行う。この実験結果で耐久性問題を解決できなければ、否定証明へ向かうことになる。


データサイエンスの視点は異なる。電気粘性流体の耐久性問題は界面活性剤で解かなければならない。界面活性剤にはどのようなものがあるのか、まずそれを分類しようと試みる。HLB値は一つの方法だが、ほかにないか調べるためにデータサイエンスを用いる。


そして分類されたそれぞれの群の特性を調べ、少しでも耐久性を伸ばすことができる界面活性剤の群を探すのである。否定証明など考えないから、必ずモノができる。


科学の視点しか持てない人は、これを怪しい方法という。どうして分類が正しいと言えるのか、などと科学的に責めてくる。データがこの分類をサポートしている、と説明しても理解できないのだ。


何か論理的によって立つ仮説が無い限り、科学の視点しかない人は信じることができないらしい。昔、「それでも地球は動いている」と言った人がいたが、当方は、「データがそれを示している」と答えている。


これはデータサイエンスの極意である。その結果写真会社へ転職することになったのだが、それでも、科学とデータサイエンス、二つの視点が重要と思っている。

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