2025.02/03 オブジェクト指向(7)
科学の方法は分析や解析には適しているが、何かモノを創り出そうとするときには否定証明に気をつけないと、何もモノができなくなる。
信じられないかもしれないが、40年以上前に在籍した研究所は、見事にモノを作ることができない集団だった。その中でもダンフレームという商品を創り出したグループに配属され、喜んでいた時に、このダンフレームのLOIが21以下で、防火性能が無い天井材であることが分かった。
しかし、アカデミアのサポートを受けたりして科学的にできた製品だから、規格にもなっていない非科学的な評価のほうが間違っていると言われた。その後のことはこの欄で書いているので省略するが、この経験から科学とは何かを強く意識するようになった。
学生時代にトランスサイエンスに関する論文やAI(第一次AIブームだった)に関する論文を雑学程度に読んでいたが、ゴム会社の研究所に配属されてそれが災いした。
80万円のローンの話など何度も書いたので、過去の記事を読んでいただきたいが、データを基に考えることや、オブジェクト指向(当時はこのような言葉は無かったが)で実験計画を立案することは非科学的といじめられたのである。
しかし、科学の方法よりも迅速にモノができる長所を見出していたので、その方法を追求し、高純度SiCの新規合成法を開発している。オブジェクト指向は、誰も考えつかないアイデアや否定されるようなアイデアを活かす方法でもある。
40年以上前は非科学的と否定されたが、DXにより、技術者が実装していなければいけない時代になった。ゴム会社の研究所は今どのような風土になっているのだろうか。
カテゴリー : 一般
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