活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2025.03/04 形式知の位置づけ

生成系AIの登場で知の意味が明確になりつつある。また、今行われている生成系AIの改良では、第一次や第二次AIブームの時の推論の成果が利用されつつある。


こうしたAIの進歩により、形式知の位置づけが変ってゆく。かつて研究所ブームがあり、日本企業の大半が新たな形式知を求め研究所を設置した。そして学会も多く誕生し、科学の形式知はその体系が作られていった。


バブルの時代には、堺屋太一の「知価の時代」がベストセラーになっている。しかしバブルがはじけ、知価を多く持っているはずの大企業の研究所がその機能を発揮できず、長くGDPの低迷するような状態になった。


一方GAFAの話題がもてはやされたのもつかの間、生成系AIの登場で新たな主役が生まれつつあるが、それは日本ではなくアメリカであり、また中国だ。


ここで注目すべきは中国の台頭とアメリカの新陳代謝の速度である。日本は1960年代にアメリカの研究所に倣って研究所の設立ブームが起きている。一方そのアメリカでは、1970年代にトランスサイエンスのブームとなった。


残念ながら日本の研究所ブームは科学偏重となり、アメリカのトランスサイエンスのブームを見落としている。日本でトランスサイエンスという言葉が見直されたのは21世紀に入ってからである。


すなわち、日本では大学受験も含め形式知偏重の時代が今でも続いている。生成系AIの進歩を見て、そろそろその問題に気づくべきではないのか。


3月19日に開催されるゴム協会のシンポジウムでは、招待講演者として招聘されたので、技術者が今DXすべき方向について当方の体験を基に解説する。

カテゴリー : 一般

pagetop