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2025.03/06 混練

混練は、ただ混ぜるだけの操作ではない。練りの動作も必要で、料理でもただ混ぜる動作以外に練る動作が求められる場合があるので皆知っておいた方が良い。


水や液体、油のような低分子であれば混ぜるだけで良い。温度が高ければ拡散速度も速くなるので、短時間で均一となる。但し、水と油のように溶解度係数(SP)の異なる低分子どおしは、混ざってもすぐに相分離する。

それでも低分子の混合では、高速剪断をかけて力ずくで混合することが可能だ。一瞬、均一に混ざった瞬間を見ることができる。


しかし、高分子量の物質が入ってくると、練りが必要になる。あるいは、低分子と固体でも高粘度の混合物を均一にしようとすると、練りが必要になる。

フェノール樹脂とポリエチルシリケートとの混合は、高速剪断をかけても、フェノール樹脂相とポリエチルシリケート相が攪拌されながらもきれいな模様を作り、決して混ざらない。

50年近く前、それでも我慢して均一に混ぜる方法を考えたのは、混練の神様の教えがあったからである。この話はいつか機会のある時に書きたい。混ぜる操作で悩まれている方には参考になる。

練りをかけず、異種高分子を混ぜる、そのようなことができるのか、当方が書く気になるまで楽しみにしていただきたい。


面白いのは粉体だけであれば、混ぜるだけの動作で混合できるが、これに濡れやすい低分子の液体が添加されると、練りの動作が無ければ、均一に混ざらない。


日常でも混練についての知識の有無で料理の味が変わるので混練について知識を持っていた方が良い。まず、混練は、「コンレン」と読む。「こんねり」と読みたい時には、「り」という送り仮名をつける。


ゴム会社に入社した時に、コンレンとこんねりでは、後者の呼び方が一般的だろう、と教えられた。また、後者の呼び方の方がゴムのプロセスに合っているとも教えられた。


教えられた時に、どちらでもよいのでは、と思っていたが、1週間ほど作業を続けてきて、こんねりと呼ぶ方が自然と感じるようになった。すなわち、混ぜてから練りを入れる動作なので混練ではない。


混練りにおいて練りの効果を知っておくと、餃子のアンやハンバーグをおいしく作ることができる。これらは練りすぎてはいけないのだ。


そもそも、こんねりは、混ぜるだけの動作ではない。混ぜて練る動作が必要になるのだが、ただ混ぜるだけと練る動作が加わった時では何が異なるのか分かっていない人がいる。


練りにより、混ぜようとしている物質どおしの濡れが進行し、物質が凝集体であれば、その凝集粒子径が濡れの進行とともに小さくなってゆくのである。


餃子のアンやハンバーグでは、肉の塊がある程度残っていた方がジューシーさが際立ちおいしく感じる。これが練りすぎるとゴムを食べているような感触となる。


逆にまったく練られていないと、野菜と肉の混ざり具合、ハンバーグならばみじん切りされた玉ねぎだが、これが均一に分散していなくて味気ない。

カテゴリー : 一般

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