2025.05/05 開発へAIをどのように取り込むのか(1)
2006年からの第三次AIブームは、すでに社会実装が始まっているが、デジタルトランスフォーメーション(DX)は、どこまで進むのか。あらゆる分野で変革が進む時代の技術者が生成系AIと対話しているだけでは、その変化に取り残される。AI及びその周辺のソフトウェアスキルまで実務に取り込み、DXの流れに適応する必要がある。
ところで、専門外には難解に見えるAIの技術であるが、基本となっているパラダイムは、知識をどのように表現して取り扱うのかという「知識表現」と、知識を利用するための「推論」から構成され、この大枠の中でAIは開発されている。
この大枠は、知識を活用する問題解決における方法論とほぼ同じなので、AI技術で使われているソフトウェアのパラダイムである「オブジェクト指向」を学べば、これまでの実務経験を土台にして少しの努力で、ソフトウェア技術における考え方をとりあえず習得できる。
過去二回のAIブームで話題となった「逆向きの推論」は、倒叙探偵小説のTV番組「刑事コロンボ」の大ヒットや大学受験参考書に登場するほど社会実装が進んだ。
しかし、オブジェクト指向という概念について、Mac(Apple)やWindows、iPhoneなどのアイコンで馴染んでいながら、そのパラダイムまで理解できているだろうか。
ちなみに、この「オブジェクト指向」とは、オブジェクトの動作や振る舞いの詳細な部分を隠し、別のプログラムで利用する際にはメッセージを送るという概念化されたプログラミング技法で、プログラミングの効率を向上させる画期的手法として知られている。
例えば、開発競争が過熱している生成系AIは、オブジェクト指向のアプローチで開発されている。一つのオブジェクトには深層学習のアルゴリズムが採用されており、データ駆動で動作している。
この深層学習とは、データサイエンスで研究開発が進んだ機械学習の一手法であり、人間の脳の構造を模して作られたニューラルネットワークと同様の動作を行うアルゴリズムで実現されている。
このアルゴリズムは、プログラムの部品、すなわちオブジェクトとして無料公開されており、AIに限らず顔画像の判別や指紋の判別、音声識別などのパターン識別に広く導入されている。
また、データ駆動のソフトウェアとは、データを基に次のアクションを決めるという意思決定動作が特徴のプログラムである。
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