2025.07/06 7月5日の予言
気象庁が鹿児島県の十島村の悪石島で最大震度5強を観測した地震について会見を行い、そこで7月5日に大災難が起きるという予言について言及した。
これは2011年3月の東日本大震災を予言したというたつき諒氏の漫画『私が見た未来 完全版』(飛鳥新社刊)の中で「2025年7月5日に日本とフィリピンの中間あたりの海底がボコンと破裂(噴火)」「太平洋周辺の国に大津波が押し寄せた」「その津波の高さは東日本大震災の3倍」という予言に対応したもの。
「まず、漫画の予言についてですけれども、現在の科学的知見では日時・場所・規模を特定した地震予知は困難です。ですから地震が偶然に発生したとしても科学的根拠があるものではない。」と回答している。
面白いのは、東大名誉教授が金曜日の夜に、今起きている地震について、よくわかりません、と記者会見で堂々と答えていることである。すなわち、地震予知は科学で問うてみても科学で答えを出すことができない問題、トランスサイエンスということである。
科学的根拠は無くても人は様々な方法で目の前の現象について答えを出すことができる。東大名誉教授も地震学者と協議した結論がよくわからない、となっているが、私見として噴火が起きるようなことを述べられている。
すなわち、根拠のない漫画に描かれた答えに近いことを述べておられた。当方は漫画の著者が根拠にした資料を知りたいと思う。もし、単なるヤマカンだったとしたら、過去にどのようなことを予言してきたのか知りたい。
話は変わるが、当方のゴム会社における人生は、今でいうところのパワハラやセクハラ、モラハラなどおよそハラスメントのデパートで過ごしてきたようなものだ。
しかし、そのハラスメントの機会が成長の糧になっていた。たとえば、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの工場試作を成功させたところ、褒められるかと思っていたら、始末書け、と一週間責められた(注)。
仕事もやらせてもらえなかったので、仕事と無関係のアメリカで生まれたばかりのオブジェクト指向の論文を読んで始末書を書いていた。まともに上司の話を受けていたら、精神が壊れそうだったからである。
この時、オブジェクト指向でホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画書を作成し、始末書に添付して、一週間が終わっている。訳の分からない始末書に対する小生のささやかな抵抗だった。
この企画が認められて、高純度SiCの基礎研究の代わりになった。この研究は入社後二つ目の実用化という成果となった。このあと発泡体軽量天井材もミサワフォームに採用された。
新入社員から4年間に3つの製品を出していたのに無機材研に留学中に昇進試験に落ちて(補)、その電話が所長室にかかり、1週間昇進試験に書いた内容について研究しなさいとなった。
昇進試験の問題は、あなたが推進したい新事業は何か、という問題で、当方は高分子前駆体を用いて高純度SiCを製造し、パワー半導体ウェハーなど半導体関連製品を製造する事業を解答としていた。
この解答は漫画の予言よりすごい。当時セラミックスフィーバーであったが、SiC半導体の研究論文が出たばかりであり、SiCの高純度化はレイリー法以外知られていなかった。そこで高純度化は重要テーマであり、それを昇進試験に事業シナリオとして書いたのだ。
これに試験官だった研究所の課長から0点がつけられたので、昇進試験に落ちたのだが、所長から頂いたチャンスをたった4日で実現している。そして、ゴム会社から2億4千万円の先行投資を頂き、その事業は30年近く続いて、現在はMARUWAという会社で事業が行われている。
始末書はこの後もありえない事件を引き起こした。会社のOA化を推進するために80万円のローンをさせられてMZ80Kとその周辺機器や専用OSを購入している。そして多変量解析のシステムが稼働する環境が完成した時に、電気粘性流体の耐久性問題の解決をしなくてはいけなくなった。
これ以上は書かないが、世の中人知の及ばない連鎖の中で翻弄されながら、生きているのだ。サラリーマンの最後は、早期退職を申し出たところ環境対応樹脂の開発を依頼されたので、2011年3月11日を最終出社日に決めて引き受けた。
自由にやって、成果発表もOKと至れり尽くせりだったので頑張って2種類のPETボトルリサイクル樹脂を開発し、最終出社日の最終講演の準備をしていたところ、グラッと来た。
(注)この始末書問題について、今でもその理由が分からないことを本欄で書いている。課長がプレゼンに失敗したので新入社員に始末書を書かせると答えた話が伝わってきた。
(補)翌年、同じ答案を出したところ満点だったそうである。企業の昇進試験とはこのようなものだから、昇進が遅れたからと言って悩むことは無い。むしろ上司を見返すくらいのエネルギーを持ってほしい。
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