2024.06/01 AIと技術者(2)
科学の誕生により、探偵小説が生まれている。その探偵小説は、小説の一ジャンルとなるだけでなく、科学という哲学が社会実装された証となった。
シャーロックホームズは科学的に推論を進め、事件を解決してゆく。難事件に遭遇した時には、何度もベーカー街の事務所に戻り、相棒のワトソンと可能性のある仮説を練り、やがて事件の解決に至る。
まさに現在の技術者と同じことをしているのだ。難しい課題については、同僚と議論し課題解決にあたる。その時科学という哲学があるおかげで、皆同じように考えることができ、合意に至る。
時には、当たり前の結論が出たとしても、ありがたがって合意できたことを喜び、そして夜の街で結論の得られたことを祝う。科学様様である。
探偵小説の分野に倒叙探偵小説という20世紀に誕生したジャンルがある。刑事コロンボを若い人は知らないかもしれないが、NHKでは何度も再放送をしている国民的番組である。何度見ても面白い。
シャーロックホームズの小説の1ページ目に犯人の名前をいたずら書きすることが問題となったことがあるが、倒叙探偵小説では、犯人が明らかにされるシーンから始まる。
すなわち、刑事なり探偵がその犯人をどのように逮捕するのか推論を楽しむ小説である。この小説は、科学における推論の向きを逆向きにしたところが革新的であるが、実は第一次AIブームでは、同じことが起きているのだ。
すなわち、現在起きている第三次AIブームを産業革命の総仕上げととらえることができる。すなわち、科学が社会実装され、同じ哲学を社会が持つことで加速された産業革命が終焉を迎えたのである。
同時にAIを新たな時代の幕開けに技術者が活用しなければ、これまでの活力を社会は失う。弊社は6月のセミナーをAIと技術者の関係に焦点を置き展開しますのでご期待頂くとともに、詳細をお問い合わせください。
カテゴリー : 一般
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