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2016.04/23 三菱自動車の不正問題

また、である。すでにWEBには不正を行った人物について書き込みが行われている。一方で、今回の不正は安全と直接つながっていないから大きな問題にならない、といった関係者の見解もでているが、株価は深刻な動きとなった。
 
おそらく企業風土がまったく改善されていないのだろう。当方はゴム会社の所属部署で創業者の価値感と著しく異なる出来事が続いていたために写真会社へ転職したが、本来は創業者の価値感にあこがれて選んだ会社だった。
 
ゴム会社で新入社員研修でお世話になった部署は、創業者の精神溢れる風土で好きだったが、配属された部署では創業者の価値感とは異なる出来事が続き転職することになった。企業風土は会社の中で異なる場合があるのだ。
 
だから、不正の内容が異なる、ということは、大きな問題とならない、と捉えたのは間違いで、前回と異なる部署でも不正が行われたという大きな問題として捉えなければ行けない。
 
ドラッカーは働く時に考えなければ行けない問題として、強み、仕事の仕方、価値感の3つをあげて説明している。いずれも企業風土に関わる問題である。おそらく三菱自動車は顧客を欺いてもそれを厳しく正すことのない企業風土と思われる。
 
一方で、以前新車の開発納期が遅れた責任を部長に取らせた出来事がニュースとして紹介されていた。開発納期の遅れの責任は厳しく取らせるが、不正には甘いという状況をユーザーはどのように見ると経営者は思っているのだろうか。
 
開発納期遅れは企業の損失だが、燃費のごまかしはユーザー側の損失となる。ユーザー側に損失となることに関しては甘く、企業の損失に関わることには厳しく、という企業姿勢は明らかに価値感がおかしいのである。
 
そもそも過去2回の不正に関し、風土改革など実現出来なかった経営者の責任が見えてこない。今回経営者は頭を下げている一方で、不正を担当した部長が再雇用で優雅に勤務している話がWEBに漏れている、という滑稽な状況だ。
 
確かに実際に不正を働いた元部長の責任は重いが、それを許していた経営者の責任はもっと重い。今回の不正問題は3回目であり、前回と異なる不正だから、という流れにはならないだろう。すでに日産自動車は三菱自動車からOEM供給されていた軽自動車を自社で生産する話を出している。
 
おそらく三菱自動車は国内ユーザーが減少し、国内で事業継続が難しくなるのではないか。ランエボも生産終了し魅力的な車は見当たらない。ドラッカーは3つの問題で納得ができない組織では働かない方が良い、と明確に述べている。転職する社員も現れるに違いない。三菱自動車は人材を失わないために風土改革待ったなしである。

カテゴリー : 一般

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