2017.10/25 今回の衆議院選挙
安倍晋三・首相と小池百合子・希望の党代表は総選挙前、口を揃えてこう語った。「政権選択選挙になる」(注)。ところが、一旦は燃え上がった小池劇場は、小池氏の「排除」という一言で一気に萎んだ、と多くのマスコミが報じている。
一部には、「小池氏の出馬は次の次」という若狭氏の発言が原因、という論調もあるが、その若狭氏が政治グループを立ち上げながらも、小池氏が「私がリーダー」と言わんばかりに希望の党を立ち上げたところから、当方には先が見えていた。
サラリーマン時代に同様の体験を当方はしたからだ。そしてうまく行かなくなると、当方にまたリーダーの席が戻ってくるような展開である。少なくとも今回の選挙における一連の流れを、二大政党制の仕組みを作る仕事として捉えたときに、まずい仕事の流れになった、とその時感じた。
以前にも指摘しているが、小池氏の仕事の進め方は、戦術こそ長けているが、全体戦略、政治ならば日本にどのように貢献するのかという志が見えていない。何か「コト」を成すためには、志が必要であり、その志に向かってわき目もふらず一直線に進むのか、志実現戦略を立てその戦略を確認しながら負け戦でも臥薪嘗胆し進むのかしなければ、大成しない。
高純度SiCの事業立ち上げでは、スタート時に一人目の上司が亡くなり、管理職が短期にくるくる変わる悲劇が続いた。そして1年半ほど長期にわたり管理職になられたエリートの方は小生を組織の隅に追いやり、小生はまだ若いのに特命担当となった。悲しかったが、事業がうまく行くならば、と隅で様々なセラミックス事業の企画提案をしていた。
しかし、そのリーダーは無責任にも仕事をただかきまぜ整理しただけで、最後は小生をたった一人高純度SiCの担当者にしてタイヤ関係の部署へ移っていった。
その後小生は一人で事業の出口を探すために営業活動も行い、住友金属工業とのJV立ち上げに至るのだが、その事業が現在も続いているという自己満足程度以外に得られたものは無く、一人悩み苦しみ長期戦を覚悟して独身生活に終止符を打った記憶を今でも忘れられない。
今回の希望の党は、明らかに惨敗であり、その原因解析が様々に言われているが、戦略の無い戦術だけに頼った進め方がいかにダメなのかを示した事例で、立憲民主党では国体委員長に辻本清美氏を抜擢するなどの動きもあり、あたかも「55年体制」に戻ったかのような状況を作り出した。
かつては春日一幸の民社党が希望の党に近い改革保守的位置づけで自民党との連立政権が誕生したりしたが、その民社党の地盤では、証拠の揃った不倫報道を全否定した不誠実な女性議員が当選した。
そして民社党とはベクトルが異なる旧社会党のような立憲民主党に入党するという。愛知7区の有権者には女性議員の不誠実さが見えなかったのだろうか。一方でこの選挙区では1万票以上の無効票があったというが、それをことさら指摘しているのは「おっさん」連中と書いた差別報道があった。
おっさんは、選んだ議員が社会党に行くとは思っていなかったのだ。おっさんの一票の重みを不誠実な議員はよく考えなければいけない。もし所属政党を選ぶならば有権者の気持ちを忖度し希望の党にすべきだろう。この女性議員はどこまで不誠実なのか。
このような喧騒のなかで行われたクライマックスシリーズは、レギュラーシーズン3位のDeNAが同1位広島に4連勝し、日本一になった98年以来19年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。過去の体制に戻った政治の世界で、下剋上は起きるのか。
(注)もし戦略があったなら今回の選挙で多数の候補を擁立するような戦術をとるべきでなかった。無理に形を整えた結果、希望の党は分裂するかのような状態になっている。有権者は当選した候補者の言動を十分に観察し、ダメな議員を見極める機会でもある。
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