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2019.01/15 労働

生きるためには、食べなければいけない。食べるためには、お金がいる。お金がいるので働いて賃金を得る。これは当たり前のことを書いてみただけだが、TVで働く意欲のない若者たちの意見を聞いてびっくりした。あまりにもびっくりしたのでしばらく考えてみた。

 

最近の働き方改革に関する記事で本田教授の意見にもびっくりしたが、どうも世の中は労働に関する価値観を大きく変革しようとして混乱している状態ではないか。

 

誰だってやりたくない仕事があるが、そのやりたくない仕事の中には、先日のこの欄で書いた添加剤の入っていないゴム材料開発のような仕事そのものに価値のない仕事や、仕事から生み出される成果に価値はあるがきつい仕事、賃金が不当に安い仕事(注)などがある。

 

仕事をやり終えても何ら価値を生み出さない場合には、「やらない」決断が誰にも迷惑をかけないので好ましい。しかし、その仕事の成果に価値があっても、やろうという意欲を自分で鼓舞しない限り、やりたい仕事にはならない。やりたくない仕事でもその対価としての賃金が刺激になれば公序良俗に反しない限りやりたい仕事になる。

 

問題は賃金が成果の対価として不当に低いか、0あるいは自分の持ち出しになる場合である。写真会社でカオス混合のプラントを建設したときには、土日を使っての労働でも手当はつかず、交通費等自分の持ち出しだった。また、その仕事が成功しても退職前だったので評価などされないことも分かっていた。

 

すなわち、仕事を成功させても失敗と早期に判断しても、当方の役職や位置づけからどうでもよい仕事だった。しかし、他人から見たら、特に本田教授から見たら、バカではないか、と思われるくらい一生懸命成功させるために仕事をしたのである。その結果PPSと6ナイロンを混練して透明な樹脂が出てきたときには気持ちよかった。すべてが報われた気がした。

 

(注)労働時間と賃金から計算すると高純度SiCの事業化業務や中間転写ベルトの業務などは賃金が不当に安かった業務だろう。中間転写ベルトの業務では終了後役員から早期退職の打診を受けている。一方で環境対応樹脂を2011年までに開発するには、などと相談を受け、55歳から1年早期退職を伸ばし2011年3月11日を最終出社日にしたらひどい目にあった。15時からの最終講演や退職記念パーティもすべてなくなり、帰宅難民となっている。会社のために一生懸命働いても天災にはかなわない。成果を出しても報われず、天災でひどい目にあっている状態でも、やはり若い人には、貢献と自己実現が働く意味だと自信を持って言える。なぜなら貢献と信じなければ天災を恨まなければならない。これは無意味な行為である。中間転写ベルトや環境対応樹脂の成果はセラミックスの専門家だった当方が高分子の専門家を目指した自己実現を達成できた証の一つともいえる。

カテゴリー : 一般

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