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2020.05/24 ギター(4)

ギターの品質では当方も面白い体験がある。53歳になり、倉庫に使っていた部屋をパーティションで区切っただけの一室が事務所となった時に、お茶の水で電車を降りて、19万円で売られていた新品のギブソンES335を見つけた。

 

輸入代理店である山野楽器の品質保証書もついており、値段はともかく本物である。躊躇せず購入し、2005年に単身赴任し、カオス混合の開発を始めるまでは、ES335が生活の中心になった。

 

しかし、豊川へ単身赴任し、中間転写ベルト用コンパウンドライン建設で寝る暇もなくなったら、当然ギターを弾く時間もなくなった。左遷されてへこんでいたことなどすでに忘れ、混練技術開発に邁進した。

 

その後早期退職し現在の会社を起業して、忙しい日々を過ごしていたらES335のことを忘れていた。ある日、皮革の難燃化を指導した会社の方と飲む機会があり、ギブソンの話が出たので突然思い出したが、その方に19万円で購入したとはいいにくい雰囲気だった。

 

ES335は高値で売れるという話が出たので、実際に持っていたES335を下取りに出してみたら16万円でひきとってくれた。

 

実は、ここで下取りに出す気になったのは、当方の所有していたES335は、メイプルの模様は芸術的で高級材を使っているらしいことは理解できたが、fホールの木口の処理や、そこから覗いたときの接着剤の汚れなど購入当時はうれしくて気がつかなかった品質の問題がいくつか見つかったからだ。

 

最も演奏者の力量では音に品質の差が分かるほどではないので、機能上の問題は無かったが、落ち着いて品質を確認したら、高いうちに売り飛ばしたくなるような品質だった。

 

実はギブソン社のギターの品質ばらつきは有名な話で、ナッシュビル工場とメンフィス工場とでは歴然とした差があるらしい。数年前ギブソン社は倒産しかかり、その後建て直したが、日本におけるブランド再構築のため、現在の輸入総代理店はギブソン社直営の会社である。

 

ちなみにギブソン社の新品ES335は、売価24万円前後から120万円まで価格の開きがある。品質が良い個体は売価が高いのだ。

 

カテゴリー : 一般

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